You Again (2010)

 

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(P)2011 Touchstone Pictures (USA)
画質★★★★★ 音質★★★★★
ブルーレイ仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン(スクィーズ収録)/画面比:2.40:1/HD規格:1080p/音声:5.1 DTS-HD・5.1 Dolby Digital/言語:英語・スペイン語・フランス語/字幕:英語・スペイン語・フランス語/地域コード:ALL/ 105分/製作:アメリカ
同梱DVD仕様
カラー/ワイドスクリーン(スクィーズ収録)/画面比:2.40:1/音声:5.1 Dolby Digital/言語:英語・スペイン語・フランス語/字幕:英語・スペイン語・フランス語/地域コード:1/105分/製作:アメリカ

<特典>
未公開シーン集
監督の演出風景ドキュメンタリー
ダンスシーンNG集
キャストへのQ&A
キャスト座談会コント
監督:アンディ・フィックマン
製作:ジョン・J・ストラウス
   エリック・タネンバウム
   アンディ・フィックマン
脚本:モー・ジェリーン
撮影:デヴィッド・ヘニングス
音楽:ネイサン・ワン
出演:クリスティン・ベル
   ジェイミー・リー・カーティス
   シガニー・ウィーヴァー
   オデット・アナブル
   ベティ・ホワイト
   クリスティン・チェノワース
   ヴィクター・ガーバー
   パトリック・ダフィ
   ジェームズ・ウォルク
特別出演:ドウェイン・ジョンソン
     クロリス・リーチマン
     ホール&オーツ

<Review>
 いじめられっ子だった高校時代のトラウマをいまだに抱える女の子が、大好きな兄の結婚式へ出席するため帰省したところ、なんとその婚約者が高校時代のいじめっ子だった!しかも、ヒロインの母親と新婦の伯母にも因縁の過去が!かくして、2組の女同士による積年の恨みを賭けたガチバトルが展開する…というホーム・コメディである。
 本人たちにとっては、思わずYou Again (またアンタか)と叫びたくなってしまうような再会ドラマ。ヒロインのマーニにしてみれば、兄の婚約者ジョアンナは拭い去りたくても拭い去れない過去の悪夢の元凶なわけだが、一方のジョアンナにとってもマーニは愚かで傲慢だった過去の自分を嫌でも思い起こさせる存在だ。ジョアンナに面と向かってきっちり謝って欲しいマーニ。夫となるウィルに自分の過去を隠したいがために知らんふりを決め込むジョアンナ。この意識のすれ違いが次々とトラブルを巻き起こしていくことになる。
 一方、マーニの母親ゲイルとジョアンナの伯母ラモーナも高校時代の同級生だった。チアリーダーで学園の女王だったゲイル、地味で真面目な優等生だったラモーナ。まるで正反対な2人は大の親友だったが、ある出来事がきっかけで犬猿の仲になってしまう。ラモーナが秘かに想いを寄せていたイケメン男子とゲイルがくっついてしまったのだ。嫉妬に狂ったラモーナがプロムのパーティ会場でゲイルをプールへ突き落とし、彼女たちの友情もあえなくジ・エンド。それ以来、ずっとお互いに音信不通だったのだが、運命のいたずらで親戚関係になることに。世界的な実業家となったものの独身で子供のいないラモーナは、優しい夫と子供に恵まれたゲイルに対抗心をむき出しにし、そんな彼女の心情が全く理解できないゲイルは戦々恐々とする。その不穏な空気が、やがて積もり積もって大爆発することになるわけだ。
 彼女たちが対立してしまう原因は、自分の感情が先に立って相手を思いやることが出来ないため。特にマーニとラモーナは被害者意識が強すぎるせいで、相手には単なるヒステリックな女にしか見えない。方やジョアンナとゲイルはプライドが高すぎるせいで相手の気持ちを見過ごしがち。これでは一向に噛み合わないのも仕方あるまい。
 で、そんな4人がライバルに対してあの手この手の破壊工作を仕掛けていく様をスラップスティックなギャグ満載で描いていくわけだが、題材に対して今ひとつ毒々しさが足りないというか、いい意味でも悪い意味でも本作はタッチストーン=ディズニーらしいコメディと言えるかもしれない。人間の悲しいまでの愚かさや滑稽さ、汚さみたいなものを笑い飛ばすべきところを、結局は綺麗ごとの善意やモラルでうやむやにしているのだ。
 アンディ・フィックマン監督はナンセンスなドタバタ劇を得意とする人物だが、ここはやはりジョン・ウォータースのような切れ味鋭いクセ者監督に任せるべきだったようにも思う。まあ、そうなるとディズニーらしからぬ怪作に仕上がってしまう可能性は大だけれど。

<Story>
 時は2002年。顔中ニキビでメイクもできず、メガネに歯列矯正をした醜いアヒルの子マーニ(クリスティン・ベル)は、リッジフィールド高校一番のいじめられっ子だった。中でも特に意地悪なのが、チアリーダーの人気者美少女J・Jことジョアンナ(オデット・アナブル)。バスケのスター選手で学園一のイケメンである兄ウィル(ジェームズ・ウォルク)は彼女の頼もしい味方だったが、なにしろ学校での接点が少ない上級生なので、妹に対するイジメがどれほど酷いのか気づいていない。それゆえに、マーニはジョアンナたち人気者グループによる陰湿な嫌がらせに耐え続けるしかなく、地獄のような高校生活を過ごすのだった。
 それから8年後、ニキビやメガネや歯列矯正とおさらばしたマーニは、大手広告代理店の敏腕営業ウーマンとして活躍していた。ニューヨーク支店長への昇進も決まり、兄ウィルの結婚式へ出席するため意気揚々と故郷へ向かうマーニ。しかし、携帯電話で母から兄の婚約者がジョアンナであることを知らされて愕然とする。そう、あのいじめっ子のジョアンナなのだ。高校時代の悪夢がまざまざと甦えり動揺したマーニは、飛行機の中で取り乱して警備員(ドウェイン・ジョンソン)に取り押さえられてしまう。
 なんとか平静を装ってジョアンナと再会したマーニだったが、なぜか彼女はマーニのことを全く覚えていない様子。それだけでも腹立たしいのに、母親ゲイル(ジェイミー・リー・カーティス)や父親マーク(ヴィクター・ガーバー)はジョアンナのことをすっかり気に入っており、既に家族の一員のようだった。聞くと、ジョアンナは高校卒業後に両親を交通事故で亡くし、いろいろと苦労を重ねた様子。兄ウィルは高校時代のジョアンナを知らないこともあり、彼女の優しさに心惹かれて結婚を決めたようだ。しかし、マーニは納得がいかない。あの意地悪なジョアンナが本当に心を入れ替えたのか?
 そこへ、ジョアンナの唯一の肉親である伯母ラモーナ(シガニー・ウィーヴァー)がやって来る。すると、今度は母親ゲイルが腰を抜かすほど驚いた。というのも、ラモーナは彼女の高校時代の大親友。しかし、ある事件がきっかけで憎しみ合うようになった仲だったのだ。世界的な高級ホテルチェーンのオーナーとして活躍するラモーナの堂々とした姿に、ついつい笑顔も引きつってしまうゲイル。ラモーナはそれを見てほくそ笑んでいるようだった。
 とりあえず、ジョアンナにきっちりと謝ってもらわねば気がすまないマーニ。覚えていないはずはないと詰め寄るマーニだったが、ジョアンナは知らぬ存ぜぬを通そうとする。しかも、ようやく覚えていることは認めたものの、決して素直に謝ろうとはしない。いい人ぶっているけど根は変わってないと確信したマーニは、ジョアンナの正体を兄に知らせようとするが、なかなかチャンスがなかった。
 一方、娘には過去を水に流すようにと忠告する母親ゲイルだったが、本人はラモーナのことが気になってしょうがない。というのも、高校のプロム・パーティでラモーナがゲイルをプールへ突き落としたことが仲違いの原因だったのだが、なぜ彼女がそのような行為に及んだのかゲイルはいまだに見当がつかないのだ。その真相を問いただすべく、恐る恐るラモーナを訪ねてホテルへ出向くゲイル。しかし、緊張のあまりドジをやらかしてすごすごと退散する。
 そんなある日、ウィルやジョアンナと共に祖母バニー(ベティ・ホワイト)を連れて街へ出かけたマーニは、ジョアンナの元カレ、ティム(カイル・ボーンハイマー)とバッタリ遭遇する。ジョアンナはティムと婚約までしていたらしいのだが、どうやら彼女の方から一方的に別れを告げたようだった。もしかすると、ティムこそがジョアンナのアキレス腱ではないかと察したマーニは、彼女の化けの皮を剥ぐべく彼をリハーサル・ディナーへ招待する。
 さらに、マーニは結婚式を妨害しようと弟ベン(ビリー・アンガー)を引き連れてリッジフィールド高校へ。校庭に埋められたタイムカプセルを掘り起こし、ジョアンナのいじめっ子ぶりを証明する古いビデオを手に入れる。そして、リハーサル・ディナーではティムがスピーチで涙ながらにジョアンナをなじり、会場は微ミョーな空気に。そこへ追い打ちをかけるように、高校時代のジョアンナが数々の暴言を吐いたりマーニをイジメたりする姿を捉えたビデオが上映され、怒り狂ったウィルは婚約を破棄して姿を消してしまう。
 失意のどん底に落とされたジョアンナは、マーニに激しく八つ当たり。かたや、ゲイルとラモーナも積年の恨みつらみを爆発させる。それぞれに本音をぶつけ合う4人の女性。果たして、事態の行方やいかに…!?

<Information>
 もともとは舞台の演出家としてキャリアをスタートさせたアンディ・フィックマン監督。これまでに青春コメディ「アメリカン・ピーチパイ」('06)、ドウェイン・ジョンソン主演のスポーツ・コメディ「ゲーム・プラン」('07)、ビリー・クリスタル&ベット・ミドラー共演のファミリー・コメディ「かぞくモメはじめました」('12)などを手がけてきた、いわゆる喜劇職人である。役者の扱い方に定評のある人で、業界受けはかなりいいらしい。だが、映画監督としてはいろんな意味で平均点を上回ることができないところが玉に瑕だ。
 脚本を書いたのは「ラスト・サマー」シリーズや「ワイルド・スピード」シリーズで知られる大物製作者ニール・H・モリッツの助手だったモー・ジェリーン。劇場用映画の脚本はこれが初めてのようだが、入り組んだ人間関係をけっこうスッキリとまとめあげており、そういった意味で非常に安定している。また、製作には「メリーに首ったけ」('98)の脚本家ジョン・J・ストラウスや人気ドラマ「チャーリー・シーンのハーパー・ボーイズ」のエリック・タネンバウムが参加。撮影監督を「ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー」('09)や「モンスター上司」('11)のデヴィッド・ヘニングス、編集を「ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記」('07)のデヴィッド・レニー、美術デザインを「天使とデート」('87)や「マスク」('94)のクレイグ・スターンズ、音楽を“Reefer Madness”('05)以降のフィックマン監督作品を手がけるネイサン・ワンが担当している。

 ヒロインのマーニ役には、人気ドラマ「ヴェロニカ・マーズ」で大ブレイクした女優クリスティン・ベル。いわゆる美人タイプではない親しみやすさが本作にはおあつらえ向きで、高校時代の地味ないじめられっ子ぶりも見事にハマっている。一方のジョアンナを演じているオデット・アナブルは、「クローバーフィールド/HAKAISHA」('08)のヒロイン役で知られる人だが、こちらは逆にラテン系のスキのない美貌が役柄にドンピシャだ。なお、本作の製作当時はオデット・ユーストマンを名乗っていた。
 そして、マーニの母ゲイルを演じているのがジェイミー・リー・カーティス。ジョアンナの伯母ラモーナがシガニー・ウィーヴァー。これが映画初共演となった大御所女優2人のバトルも見もの。さらに、米テレビ界の最長老女優であるベティ・ホワイトが、マーニのトボけた祖母バニー役をチャーミングに演じている。日本では無名に近い女優さんだが、アメリカではテレビ界の女王として有名な国民的スター。クライマックスでバニーの宿敵としてオスカー女優クロリス・リーチマンがゲスト出演しているのは、2人がかつて共演した人気テレビドラマ“Mary Tyler Moore Show”へのオマージュだ。
 そのほか、「タイタニック」('97)や「アルゴ」('12)でお馴染みのヴィクター・ガーバーがマーニの父親役、ブロードウェイのミュージカル女優としても有名なクリスティン・チェノワースがウェディング・プランナーのジョージア・キング役、人気ドラマ「マッドメン」のジェームズ・ウォルクがマーニの兄ウィル役、80年代に一世を風靡したドラマ「ダラス」のパトリック・ダフィーがゲイルの高校時代の彼氏リッチー役、「ダイ・ハード」シリーズの警察官役で知られるレジナルド・ヴァン・ジョンソンがマーニの上司役として登場。
 なお、フィックマン監督の「ゲーム・プラン」と「ウィッチマウンテン/地図から消された山」('09)に主演したドウェイン・ジョンソンがマーニを拘束する飛行機の警備員役として、'80年代を代表する大物デュオ、ダリル・ホール&ジョン・オーツが本人役として出演しているのも見逃せない。

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