90's DANCE
CLASSICS
ヴェンガボーイズ Vengaboys
98年から約2年間の間に2曲の全英ナンバー・ワン、5曲の全英トップ10ヒットを放ち、世界中のヒット・チャートやダンス・チャートを席巻したオランダ出身のユーロダンス・ポップ・グループ、ヴェンガボーイズ。
オランダというのは実は隠れたユーロダンス・ポップ大国で、古くはティーチ・インやドリー・ドッツ、メイウッド、マイ・タイ、比較的近いところだと2アンリミテッド、トゥウェンティ4セヴン、キャンディー・ジェイ、アリス・ディージェイ、タジャーナなど、日本人にも馴染みのあるアーティストを数多く排出してきたという伝統がある。その中で最も商業的に成功したグループが、このヴェンガボーイズだったと言えるかもしれない。
女性メンバーも含まれているのに何故ボーイズ!?と疑問に思う人もいるかもしれないが、そもそもこのグループはプロデューサーであるDanskiとDJ
DelmundoのコンビによるDJユニットだった。もちろん、2人とも男性。で、当時Danskiが口癖にしていた“venga(急げ)”というスペイン語に、ボーイズをくっつけてユニット名としたわけだ。
90年代テクノの定番“James
Brown Is Dead”で有名なグループ、L.A. Styleのプロデューサーとしても知られるDanski。彼は親友DJ
Delmundoとのコンビで、92年頃からサマー・シーズンにスペイン各地を回ってビーチ・パーティを行っていた。その際にゲスト・ダンサーとして参加していたのが、後にメンバーとなるロイ、デニス、キム、ロビンの男女4人だったのである。
ヴェンガボーイズとしてのデビュー作は97年のシングル“Parade
de
Tettas”。それまでのテクノ路線とは一味違うラテン・ハウスを目指したユニットだったが、残念ながらチャート・アクションはいまひとつだった。続くシングル“To
Brazil”もブレイクするに至らず。
そこで、彼らはダンサー4人をフロントに立てたダンスポップ・グループへと路線変更し、98年にキャッチーなユーロ・ダンス・ナンバー“Up
&
Down”で再スタートを切ることに。これが地元オランダで5位をマークしたほか、フランスやデンマーク、スペインなどでトップ10ヒットを記録する。さらにはイギリスでも4位となり、アメリカでもビルボードのクラブ・プレイ・チャートでナンバー・ワンを獲得してしまった。
これで勢いをつけた彼らは、続く“We
Like To
Party”も全英3位、オランダとオーストリアで2位、ドイツで4位をマーク。アメリカではポップ・チャートで26位というヒットになった。
さらに、次の“Boom,Boom,Boom,Boom!”はイギリス、オランダ、ノルウェー、ニュージーランドなど世界各国でナンバー・ワンを獲得し、ファースト・アルバム“The
Party Album!”も500万枚を突破する大ヒットとなった。このアルバムからのラスト・シングル“We're Going To
Ibiza”もイギリスを筆頭に各国でナンバー・ワンとなり、ヴェンガボーイズは押しも押されぬトップスターとなったのである。
そして、彼らが立派だったのは、その成功がファースト・アルバムの勢いだけで終らなかったことかもしれない。セカンド・アルバムからの先行シングルとして00年1月にリリースされたシングル“Kiss
(When The Sun Don't Shine)”はUKチャート3位を筆頭に各国でトップ10入りを果たし、続く“Shalala Lala”と“Uncle
John From Jamaica”も同様にヒット。セカンド・アルバム“The Platinum
Album”も好調にセールスを伸ばした。
だが、4枚目のシングル“Cheekah Bow Bow (That Computer
Song)”が大きくコケてしまい、5枚目の“Forever As
One”を最後にグループは空中分散してしまった。
その後、07年頃からステップス、アトミック・キトゥンなど同時期に活躍したユーロダンス・グループと共に、懐メロ系ライブ・ツアーにて復活を遂げたヴェンガボーイズ。一時期は新曲のリリースも噂されたが、今のところ実現するには至っていない。
それにしても、ヴェンガボーイズが懐メロとは。ポップ・ミュージックのサイクルの早さには改めて驚かされるというかなんというか・・・(笑)
We Like To Party !
(1998) Boom, Boom, Boom, Boom!
(1998) The Remix Album
(1999) Kiss (When The Sun Don't Shine)
(1999)
(P)1998 Breakin' Records
(Germany)
(P)1998 Breakin' Records
(EU)
(P)1999 Breakin' Records/Avex
Asia
(P)1999 Breakin' Records/EMI
(Germany)
1,Airplay 3:42 ビデオ
2,Klubbheads
Mix 6:05 *
3,BCM RMX 4:03 **
4,More Airplay 5:49
5,Full Schwingg
4:36
6,DJ Disco Mix 4:31 *
7,Baunz Mix 4:45
8,BCM XXL 6:21
**
9 The Video
produced by Danski & DJ Delmundo
* remixed
by Klubbheads & DJ Disco
** remixed by Aircheck
(C.Sangers)1,Airplay 3:23 ビデオ
2,Brooklyn
Bounce Boombastic RMX 6:55
3,Mark van Dale with Enrico RMX
6:32
4,XXL Version 5:22
5,Equator RMX 6:18
6,Pronti & Kalmani
RMX 6:48
7,Beat me up Scotty RMX 7:37
produced by Danski &
DJ Delmundo
#2 remixed by Dennis Bohn & Mathias Menck
#5 remixed
by Cor Sangers
#6 remixed by Sebastiaan Moljin & Eelke
Kalberg1,We're Going To Iibiza
(Hitclub Airplay) 3:27
2,We Like To Party (More Airplay)
5:49
3,Boom, Boom, Boom, Boom!
(XXL Version) 5:22
4,Up
& Down (Video Mix) 3:39
5,Ho Ho Vengaboys (XXL Version)
5:14
6,To Brazil (XXL) 4:31
7,Vengababes From Outer Space
3:26
8,We're Going To Ibiza!
(Hit Radio Mix) 3:39 ビデオ
9,Parade de
Tettas (Radio XL) 5:31
10,Vengaboys Megamix '99 (Edit) 5:09
11,We
Like To Party!
(Jason Nevins RMX) 6:59
12,Up & Down
(Airplay XXL) 5:53
13,We're Going To Ibiza!
(Hitclub Extended
Mix) 5:07
14,We Like To Party!
(DJ Vanhaze Hitmix)
7:03
15,Vengaboys Megamix '99
(Full Length Version)
7:121,Hitradio 3:31 ビデオ
2,Hitradio
XXL 5:25
3,Karaoke 3:31
4,DJ Jean RMX 8:03
5,Airscape RMX
8:59
6,Southside Spinners RMX 8:12
7,Vengababes From Outer Space
3:25
produced by Danski & DJ Delmundo
#4 remixed by DJ Jean
& Klubbheads
#5 remixed by Johan Glelen & Sven Maes
#6
remixed by Southside Spinners
当時ハンブルグ滞在中にディスコやらMTVやらでガンガンにかかっていた思い出の一曲。最初は何とも思わなかったんですけど、これが繰り返し聴いているうちに頭から抜けなくなってしまったんですよね〜(笑)能天気なおバカさんぶりが妙にクセになってしまう1曲。やっぱりオリジナルの#1とエクステンデッド#4がベストですが、エレクトロ・ディスコなダブ#5も悪くないかも。ボリューム満点の1枚です。
彼らの楽曲でどれが一番好きかと訊かれたら、迷わずこれを選びますね。このキャッチーでキュートなこと!これぞ天然ユーロダンス・ポップです。ただ。こちらも同じくオリジナル#1とエクステンデッド#4がベストの仕上がり。リミックスは、いずれも原曲の良さを生かしていると言いがたいかもしれませんね。#6なんかパワフルでカッコいいユーロ・ハウスですが、原曲とは完全に切り離された作品になってます。
ファースト・アルバムからカットされたヒット曲の、まさに美味しいところばかりを集めたリミックス・コレクション。こうやって並べて聴くと、彼らの作品がダンス・ミュージックとして優れていたのは勿論のこと、ポップスとしても非常に良く出来ていたことが分かりますね。単にCheesyなだけの流行りものではなかったように思います。オススメは#1、#2、#3、#11、#13、#14といったところでしょうか。
おバカさんなユーロダンス・ポップ路線をそのまま踏襲しつつも、より爽やかでエバーグリーンなポップスを目指した作品。セカンド・アルバムからの先行シングルですね。個人的には、もうちょっと遊んでも良かったんじゃないかなとは思いますけど。リミックスはいずれもダブ的な仕上がりで、それぞれになかなかの力作ではあるんですが、原曲の魅力が跡形もないというのはちょっと不満が残るところです。
Shalala Lala
(2000) Uncle John From Jamaica
(2000) Cheekah Bow Bow (That Computer Song)
(2000) Forever As One
(2000)
(P)2000 Breakin' Records
(Netherland)
(P)2000 Breakin' Records/EMI
(Germany)
(P)2000 Breakin' Records/EMI
(Germany)
(P)2000 Breakin' Records/EMI
(Germany)
1,Shalala Lala (Hitradio Mix)
3:33 ビデオ
2,Shalala
Lala (XXL Mix) 5:40
3,Shalala Lala (Karaoke Version) 3:30
4,Shalala
Lala (Alice Deejay RMX) 5:50
5,48 Hours 4:31
6,Banned by the BBC
videoclip
produced by Danski & DJ Delmundo
#4 remixed by
Alice Deejay.1,Hitradio Mix 3:09 ビデオ
2,XXL Version
5:11
3,Karaoke Version 3:01
4,M.I.K.E. RMX 7:21
5,Lock 'N Load
RMX 6:42
6,Videoclip
7,Making The Video
produced by Danski
& DJ DElmundo
#4 remixed by M.I.K.E.
#5 remixed by F. van Rooyen
& N.Pijpers.1,Hit Radio Mix 2:53 ビデオ
2,XXL
4:56
3,Transa RMX 6:50
4,Dillon & Dickins RMX
7:10
5,Pulsedriver RMX 6:53
6,Videoclip
produced by Danski
& DJ Delmundo
#3 remixed by Transa Productions
#4 remixed by
Dillon & Dickins
#5 remixed by Slobodan Petrovic Jr.1,Hit Radio Mix 3:31 ビデオ
2,Vocals
& Strings Version 3:31
3,Instrumental 3:32
4,Mega Mix
6:51
5,Videoclip
produced by Danski & DJ
Delmundo
セカンド・アルバムからのシングル曲の中では、これが一番好きかもしれません。超キャッチーで牧歌的でユーモア溢れる癒し系ダンス・ポップの傑作です。原曲は70年代のグラムロック・バンド、ウォーカーズのヒット・ナンバー。これがヴェンガボーイズのカラーにピッタリと合っているんですよねえ。ちょっとエッチなプロモ・クリップも大好きでした。未だにお気に入りです。ただし、アリス・ディージェイのトランス・ミックス#4は及第点。
こちらも、いかにも彼ららしいお気楽でキャッチーなレゲエ・ナンバー。そこはかとなく往年のボニーMを彷彿とさせる辺りがツボです。オリジナル#1もいいですが、今回のベストはなんと言っても#2のエクステンデッド。ユーモア・センス抜群のイントロには、誰もが思わずニンマリさせられるはずです。で、肝心(?)のリミックスですけど、#4のトランス・ミックスは無理あり過ぎ。一方のスピード・ガラージ#5は意外と悪くないかもです。
チャート上はコケてしまった作品ですが、これはこれでなかなかユニークなエレクトロ・ポップ・ナンバーです。まあ、当時受けなかった理由も分からないではないんですけどね。楽曲そのものは“Up
&
Dow
n”の焼き直しみたいなもんだし、80年代風のチープなコンピューター・サウンドというのも、当時としてはまだちょっと早かったのかなとも思いますし。もろに80'sを意識したフリースタイル風リミックス#4もグッドです。 彼らにとっては最初で唯一のバラード・シングル。チャート・アクションはさっぱりでしたが、この曲なら仕方ないでしょう。一応アバっぽい雰囲気は狙っているものの、本当に毒にも薬にもならない凡庸なラブ・ソングです。一応オマケでセカンド・アルバムからのシングル曲で構成されたメガ・ミックスを収録してますが、こちらも単純なメドレーの域を出るものではなく。とってもお手軽な出来栄えです。