ピエロ・ウミリアーニ Piero Umiliani

“マナ・マナ”を生んだモンドなイタリアン・グルーヴの巨匠

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 イタリアは世界に名だたる映画音楽大国。エンニオ・モリコーネ、ニノ・ロータ、ルイス・エンリケ・バカロフといった映画史に残る偉大なマエストロを排出し、数多くの名作を世に送り出している。中でも、イタリアの作曲家が特に優れているのは、その奇想天外な発想力とモダンなセンス、そして強烈なまでのコマーシャリズムである。時として、映画というメディアから離れて音楽そのものが独り歩きしてしまう。イタリア映画音楽ファンの多くがいわゆる“映画マニア”ではなく、純粋な音楽好きであるということがそれを象徴してるだろう。
 そして、その代表格の一人に数えられるのが、このピエロ・ウミリアーニであり、彼の生み出した傑作“マナ・マナ(Mah Na Mah Na)”である。“マナ・マナ・・・”というおっさんのダミ声に“チュッチュール・ルル・・・”というお気楽な女性のスキャットが絡む、グルーヴィーでダンサンブルなボサノバ・サウンド。アメリカのテレビ「マペット・ショー」で使われて世界中に知られるようになった作品だが、もともとは「フリーセックス地帯を行く/天国か地獄か」('68)というイタリアの風俗ドキュメンタリー映画のために作られた作品だった。今では、映画そのものは完全に忘れ去られ、ウミリアーニの音楽だけが後世に伝えられている。
 
一体どうしたらこんな楽曲が生まれるのか、本当に首を傾げてしまうくらいに摩訶不思議で素晴らしいポップ・センス。そして、ジャズやロック、ラテン、ブラジル音楽を知り尽くした巧みなアレンジ。現在でも通用するファッショナブルで洗練されたセンス。ウミリアーニのディスコグラフィーは、そのまま優れたポップ・ミュージックの宝庫でもある。


 ピエロ・ウミリアーニは、1926年イタリアのフィレンツェで生まれた。叔母にピアノを習っていた彼は、14歳の時にイギリスのラジオ放送で聴いたデューク・エリントンに衝撃を受け、ジャズに魅せられるようになる。ファシスト政権、さらにはナチス・ドイツによる占領という抑圧された時代を経て、戦後の自由な空気の中で彼は音楽の道を志すことを決意する。
 19歳の時にイタリアの著作権協会(SIAE)の依頼で軽音楽を作曲するようになり、プロの音楽家として活躍するようになる。24歳の時に地元の音楽学校の理事の勧めで音楽学校に入学し、古典音楽の基礎を学ぶ。しかし、自分がやりたい音楽はジャズであるということを再認識した彼は学校を中退し、52年から映画音楽家アルマンド・トロヴァヨーリの元でアレンジの仕事をするようになる。“マナ・マナ”のウミリアーニと“セッソ・マット”のトロヴァヨーリが師弟関係にあったというのも興味深い。
 54年にはナポリ民謡をディキシーランド・ジャズ・スタイルで演奏したレコード“Dixieland in Naples”をリリース。これが好評で、国営放送RAIの仕事もするようになった。58年には初めて映画音楽を手掛ける。その後、1980年代初頭までの間に音楽を手掛けた映画作品は186本。低予算の娯楽映画が多く、その大半が現在では忘れ去られてしまっている。


 しかし、1990年代のラウンジ・ブームを発端にしてウミリアーニの再評価熱が急速に高まっていく。映画とは全く関係ないところで、彼の作品は新しい世代のリスナーに熱狂的に受け入れられたのだ。それはウミリアーニ自身、全く予測していなかった事態だったという。
 そもそも、彼自身は映画音楽を完全に仕事として割り切っており、出来上がった作品を後から聴き返すことすらなかったらしい。例えば、“マナ・マナ”にしても、映画本編の最後5分間のサウンドトラックが余ってしまい、その足りない部分を埋めるために即興で作ったものだった。そうした、ある種のお気楽さというか、仕事に対する肩の力を抜いた姿勢が、逆に既成概念にとらわれないユニークな作品を生み出す動力源となったのかもしれない。それは、消耗品として量産された浮世絵に秘められた芸術的価値や大衆文化的エネルギーと相通ずるものがあるかもしれない。
 なお、ウミリアーニは映画音楽の作曲と平行して、ジャズ・ミュージシャンとして自身のアルバムも発表している。こちらでは、一転して実験性に富んだ本格的なモダン・ジャズに取り組んでおり、彼の音楽的な懐の深さを再認識できる。また、長年に渡るチェット・ベイカーとの友情も有名で、彼の手掛けたサウンド・トラックの多くにベイカーが参加している。
 2001年2月14日に死去したウミリアーニ。映画音楽家としては決して代表作に恵まれたとは言えなかったが、晩年の思いがけない再評価の波を目の当たりにして最期を迎えることができたのは、一人の作曲家として幸福だったのかもしれない。

SVENZIA.JPG MAHNA_MAHNA_ORIGINAL.JPG MORTE.JPG ANGELIBIANCHI.JPG

フリーセックス地帯を行く/
天国か地獄か
Svenzia Inferno e Paradiso (1968)

Mah Na Mah Na

La morte bussa due volte (1969)

続・快楽と神秘/
世界秘教地帯を裂く
Angeli Bianchi...Angeli Neri (1969)

(P) Easy Tempo (Italy) (P)1997 Easy Tempo (Italy) (P) Cinevox Record (Italy) (P)1997 Easy Tempo (Italy)
1,You Tried To Warn Me
2,Le ragazze dell'arcipelago
3,Stoccolma My Dear
4,Mah Na' Mah Na' (album version)
5,Essere donna
6,Notte di mezza estate
7,Sequenza psichedelica
8,Violenza
9,Fotomodelle
10,La signora cameriera
11,Solitudine
12,Free in minore
13,Piano Bossa Nova
14,Stoccolma My Dear
15,Notte di mezza estate
16,Solitudine
17,Nel Cosmo
18,Topless Party
19,Solitudine
20,Eva Svedese
21,Hippies #1
22,Solitudine
23,Hippies #2
24,L'uomo integrato
25,Samba Mah Na'
26,Organo e chitarroni
27,Beer, vermouth e gin
28,Sleep Now Little One
1,Mah Na Mah Na (original 7" version)
2,Stoccolma My Dear
3,Samba Mah Na
4,Contestazione
5,Topless Party
6,Mah Na Mah Na (original album version)
1,Un posto per un addio
2,Continuta
3,Stutterer
4,At Present
5,Trappola Sentimentale
6,Crystal
7,La morte bussa due volte (My Face)
8,La morte bussa due volte
9,Concession
10,Consequence
11,To Seek
12,Bob and Hellen
13,Un posto per un addio
14,La morte bussa due volte (My Face)
15,La morte bussa due volte
16,La morte bussa due volte
17,Bob and Hellen
18,La morte bussa due volte (My Face)
19,La morte bussa due volte (My Face)
20,La morte bussa due volte
21,Bob and Hellen
22,La morte bussa due volte (My Face)
23,Bob and Hellen
24,La morte bussa due volte
25,La morte bussa due volte
1,Sweet Revelation
2,La foresta incantata
3,Now I'm On My Own
4,Streghe a Convegno
5,The City Life
6,Magical Children
7,Folk Time
8,Saudade (Bahia Version)
9,Macumba
10,La foresta incantata
11,Iniziazione di una Giovane Strega
12,Magical Moonlight
13,Saudade (Orchestra Only)
14,Toccata e Samba
15,Carnaval (Orchestra Only)
16,Percussioni e Hammond
17,Alla porta du cimitero
18,Saudade (Samba 1)
19,Saudade (Samba 2)
20,Saudade (Candoble 1)
21,Saudade (Candoble 2)
22,Saudade (Capoeira)
23,Saudade (Vocal Version)
 世紀のキラー・ポップ・チューン“マナ・マナ”#4を収録したウミリアーニの代表作。ボサノバ、サイケデリック・ロック、ファンキー・ジャズ、リズム&ブルースのエッセンスを詰め込みながらもポップ&イージーに仕上げられており、ハイ・センスでモダンなラウンジ・アルバムとして楽しめる。なだらかなボサノバのリズムにハープシコードの華麗なメロディと美しいストリングスが絡み合う#6、ドライブ感溢れるベース・ギターとスペイシーなハモンド・オルガンが激突するワイルドでサイケな#9、「男と女」を彷彿とさせるスウィート&イージーなジャズ・ボサ#13、超ファンキーでスウィンギンなゴー・ゴー・ナンバー#18、“マナ・マナ”の変化球的アプローチのモンドでイージーなラウンジ・サンバ#25など、パーティーのBGMにも最適な一枚。  「フリーセックス地帯を行く/天国か地獄か」のサントラ未収録の、“マナ・マナ”のシングル・バージョンを収録したEP。アルバム・バージョンより20秒ほど長い、というだけの話なのですが(笑)。1秒でも長く“マナ・マナ”を聴いていたい、という人のために・・・。  ハラルド・フィリップ監督、ジョン・リード、アニタ・エクバーグ出演によるイタリア・西ドイツ合作の犯罪ミステリー映画のサントラ。ウミリアーニ作品としては派手さに欠けるものの、エレガントで香り立つようなカクテル・ラウンジ・ジャズ満載の好盤。カルロ・ルスティケッリの「ブーベの恋人」にエロティックな妖しさを加えたような感じ・・・といったところか。フィルム・ノワール的な雰囲気を意識しているように感じる。が、そこはウミリアーニのこと、渋さの中にもヨーロピアンなエレガンスとデカダンを漂わせて秀逸。イタリア映画音楽ファンには御馴染みの、イ・カントーリ・モデルニによる軽快なスキャットをフューチャーした#12や#21辺りの洒脱さなんかも、さすがウミリアーニといった感じだ。

 タイトルからして強烈。さすが、イタリア産モンド映画。いわゆるカルト教団の儀式や、それにまつわる異常犯罪などを取材したエログロ・ドキュメンタリー。「世界残酷物語」のヒットがきっかけで60年代にちょっとしたブームとなったジャンルなのだが、この手の映画に限って何故かサントラが素晴らしい。本作もご他聞に漏れず、ロックからアフロ・ジャズ、ラテン/ブラジル音楽を全編にフューチャーした最高にクールでサイケデリックな作品に仕上がっている。特にフラワー・パワー全開のフォーク・ロック・ナンバー(#1、#3、#5、#6)が多く、ウミリアーニの優れたポップ・センスが遺憾なく発揮されている。また、強烈にグルーヴィーでトライバルなアフロ・ビートにエッダ・デル・オルソのスキャットが絡む#9のカッコ良さは悶絶もの。バロック・オルガンとファンキーなサンバを融合させた#14も最高。ウミリアーニの鬼才ぶりが存分に堪能できる傑作。

GANGSTERS.JPG 5_BAMBOLE.JPG RAGAZZA.JPG LOVE_ISLAND.JPG

La Legge dei Gangsters (1969)

ファイブ・バンボーレ
5 Bambole per la Luna D'Agosto (1970)

ムーン・スキン・ガール
La ragazza dalla pelle di luna (1971)

ザ・ラヴ・アイランド
(劇場公開タイトル「タヒチの恥部を暴く/
猟奇と残酷の島」)

Le isole dell'amore (1970)

(P)1998 Easy Tempo (Italy) (P) Cinevox Record (Italy) (P)1999 Easy Tempo (Italy) (P)1997 Avanz Records (Japan)
1,Crepuscolo sul mare
2,Genova P.zza de Ferrari dalle 2 alle 7
3,Epilogo
4,La legge dei Gangsters
5,Episodio
6,Very Fast
7,Alba sul mare
8,Tema dell'addio
9,Lui e lei
10,Epilogo
11,Sei ottavi in blues
12,Apertura in jazz
13,Disgelo
14,Spiaggia deserta
15,Sequenze ritmiche
16,Swing come sempre
17,Gangster's Song
1,Cinque Bambole (ver.coro)
2,Luna d'agosto
3,Danza Primitiva
4,Danza Jazz Moon
5,Danza Citar Free
6,Notte di luna
7,Fantoccio Grottesco
8,Luna d'agosto 1971 (organ solo)
9,Bambola omicida
10,Interludio azzurro
11,Interludio giallo
12,Cinque Bambole Rosa (organo e ritmi)
13,Cinque Bambole Azzurre (ver. Cembalo)
14,Luna di piento agosto
15,Cinque Bambole Azzurre (original main titles)
16,Luna d'agosto
17,Cinque Bambole
18,Cinque Bambole Rosa
19,Luna d'agosto 1971
20,Cinque Bambole
21,Bambola omicida
22,Cinque Bambole (original end titles)
1,Pelle di luna (Moon Skin)
2,Pelle di luna
3,Mahe
4,Addio isola felice
5,Tanto tempo fa
6,Il santone dell'isola
7,Seychelles isole dimenticate
8,Seyga seyga
9,Bossa at seychelles
10,Ricerca nell'isola
11,Pelle di luna
12,Un'incontro fatale
13,Danza del fuoco
14,Un'isola felice
15,Stella del sud
16,Tanto tempo fa
17,Laguna tropicale
18,Tanto tempo fa
19,stella del sud
20,Ricordandoti
21,Danza della luna
22,La ragazza dalla pelle di luna
23,Funerailles d'un heros
24,Tanto tempo fa
25,Pelle di luna
26,La ragazza dalla pelle di luna
1,Le isole dell'amore
2,Tamoure titoli
3,Palme e cocci
4,Il tamoure dei bambini
5,Papete aru
6,Vele al vento
7,Isola sperduta
8,Jumb tamoure
9,Nuku
10,Isola capanna nel bosco
11,La capanna nel bosco
12,Tamoure finale
 一転して、クールでスインギーなジャズを全編に散りばめた渋い作品。映画そのものは、3流映画監督シロ・マルチェリーニによるクラウス・キンスキー主演のB級ギャング映画だが、ウミリアーニの音楽はそんな安っぽさを微塵も感じさせない一級品。圧巻は12分以上にも及ぶスペクタクル仕様のムーディーなフリー・ジャズ・ナンバー#2。ラロ・シフリンも真っ青の緊迫感溢れるファンキー・ジャズ#4も秀逸。いつものポップでイージーなウミリアーニとは違った、シリアスなサウンドが楽しめる。一方で、いかにもウミリアーニといった感じのスウィート&エレガントな男女のスキャットのかけあいも素晴らしい、キュートでメランコリックなボサ#9がまた最高!  ウミリアーニはスキャット・コーラスを多用したナンバーが本当に上手い、とつくづく感心する作品。マリオ・バーヴァ監督による密室猟奇サスペンスのサントラ。バーヴァはウミリアーニの音楽には一切口を挟まなかったという。そのおかげで、ウミリアーニは思う存分にやりたいことをやっている。めくるめく万華鏡のようなイ・カントーリ・モデルニのコーラスが素晴らしいメイン・テーマ#1はとにかく秀逸。映画タイトルをコーラスに織り込む茶目っ気たっぷりのボサノバ風ラウンジ・ナンバーで、そのポップで洒落たセンスには思わず唸らざるを得ない。その他、サンバからシタールまで、実に多彩なサウンドが自由自在に展開する。  これまた素晴らしいアルバム。甘くて、エレガントで、エロティックで、クールなヨーロッピアン・ラテン・グルーヴ炸裂。ウミリアーニとは名コンビのルイジ・スカッティーニ監督による南海の島を舞台にしたソフト・ポルノ映画のサントラ。ということで、全編に妖艶な女性スキャットをフューチャーし、ラテン&アフロ・カリビアンなリズムに乗せて至福のエロティック・サウンドが繰り広げられる。この上なくゴージャスで、とろけそうなくらいにメランコリックな艶かしいテーマ曲#2はイタリア・サントラ・ファン必聴の傑作。ダンサンブルで気だるいジャズ・ボサ#9やパーカッションを多用したトライバルなカリビアン・サウンド#13辺りもオススメ。  ピノ・デ・マルティーノ監督による南海フリー・セックス&奇習ものドキュメンタリー映画のサントラ。ウミリアーニにしては珍しい、非常にハワイアンな雰囲気の南洋観光サウンド満載の1枚。のどかでハッピーでダンサンブル。民族色の強い軽快な打楽器のサウンドにオルゴールのメルヘンチックなメロディが重なるユーモラスでキュートな#4なんかは出色の出来。女性のセクシーなスキャットとため息がキッチュでナンセンスなリゾート風ボサ#10もむちゃくちゃ面白い。こういう11PM的お遊び感覚、大好きですねー。思わずHなバカンス気分に浸ってしまうお気楽で楽しい1枚。

QUESTO.JPG IL_CORPO.JPG PIERO_CHET.JPG 28MINUT.JPG

Questo sporco mondo meraviglioso (1971)

Il Corpo (1974)

Italian Movies
Piero & Chet

28 minuti per 3 milioni di dollari (1967)

(P)2003 Easy Tempo (Italy) (P)1999 Easy Tempo (Italy) (P) Liuto Records (Italy) (P)1996 Beat Records (Italy)
1,Questo Mondo Maraviglioso (archi i cori)
2,La nuova frontiera (archi e ritmi beat)
3,Western Melody
4,Dove va il mondo (complesso beat)
5,Pepita (complesso a tempo di samba)
6,Luna di miele (sandro e giulia)
7,Old Rock
8,Il mondo dell'infanzia (chitarre classiche)
9,Moderato Grottesco and Cantabile
10,Mondo dove vai?
11,Il micione e la gattina (sandro e giulia)
12,Mah Na Cowboy
13,Holiday Inn (organo e ritmi)
14,Folk Way (complesso beat)
15,Young Time
16,Il mondo e meraviglioso (archi e coro)
17,Love Inn (complesso beat)
18,Red Train
1,Free Life (vocal)
2,Tidal Stream
3,In the End (inst.)
4,Hard Times
5,Stream (alt.)
6,Princess (alt)
7,Chaser
8,Stream (alto. intro)
9,The Body
10,White Sand (ext.)
11,In The End
12,In The Village
13,Free Life (ext.)
14,Princess (ext. intro)
15,Stream
16,Savana
17,Dusken
18,Desert Island
19,Princess
20,The Body
21,Desert Island
1,Sentirsi solo
2,Thinking blues
3,Tema d'amore
4,Tensione
5,Smog
6,Improvvisando in Blues
7,Relaxing with Chet
8,Twilight at Los Angeles
9,Furtivamente
10,I soliti ignoti
11,Motorizzazione
12,Gassman Blues
1〜9
from Le malizie di venere
by Guan Piero Reverberi & Gian Franco Reverberi

10〜21
from 28 minuti per 3 milioni di dollari
by Piero Umiliani

22〜27
from Hypnos - follia di un massacro
by Carlo Savina
 これまたイージーでサイケデリックなウミリアーニ・ワールド満載の素晴らしいサントラ。エレガントで哀愁感溢れるメロディが素晴らしいテーマ曲#1の至福の高揚感といったら!クラシカルなストリングスのメロディとソフト・ロック風のリズムがたまらなく心地いい。そのメロディをサイケデリックなガラージ・ロック・サウンドに乗せた#4やモンドなスキャット・ナンバーに仕上げた#6も秀逸。カントリー&ウェスタンに“マナ・マナ”を合体させた#12も抱腹絶倒の面白さ。これがヒッピー風俗エロ・ドキュメンタリーのサントラというのも、ある意味では納得。イタリア映画界の懐の深さには感慨深いものがある。  ルイジ・スカッティーニ監督、元スーパー・モデルのゼルディ・アラヤ、キャロル・ベイカー、エンリコ・マリア・サレルノ出演のエロティック・スリラーのサントラ。全編にアフロ・ジャズ・ファンクを多用した作品で、特にエレガントに、時にハードに、マヌ・ディバンゴやフェラ・クティを彷彿とさせるグルーヴィーでコアなサウンドが展開する。よくよく考えれば、ウミリアーニは当時48歳。そんな年齢を全く感じさせないパワフルで若々しいアングラな感性は素直に凄いと思う。全曲クラブ・プレイ可、と言っても過言ではない力作。  50年代末から60年代にかけてウミリアーニが手掛けた映画音楽の中から、盟友チェット・ベイカーを起用したトラックばかりを選曲したコンピレーション。ウミリアーニによると、いずれも作曲したのはウミリアーニ自身だが、ベイカーの演奏は殆ど即興だったという。#11と#12のレコーディングの時には、ヤクが切れてボロボロの状態で、レコーディング現場に肝心のトランペットを忘れてくるくらいだったというが、いざ演奏を始めると別人のように生気を取り戻したという。#5は40人編成のフル・オーケストラでの演奏だが、ベイカーのトランペットの際立ち方は尋常ではない。ジャズ・ファン必聴。  レヴェルベリ兄弟による「毛皮のビーナス」のサントラ、カルロ・サヴィーナのHypnos - follia di un massacro、そしてウミリアーニの28 minuti per 3 milioni di dollariの3作品のサントラをカップリングしたCD。フワフワとしたハッピー&イージーなスキャットをフューチャーしたウミリアーニ節炸裂の“28 minuti・・・”は、当時ブームだった007の亜流であるスパイ映画のサントラ。ラウンジ・ボサからビート・サウンドまで、スパイ映画らしいお洒落なサウンドが満載。カンツォーネの女王イヴァ・ザニッキが主題歌を歌っているが、本CDには残念ながら未収録。

TODAYS_SOUND.JPG MAND_AND_THE_CITY.JPG MAHNA_MAHNA.JPG IN_LOUNGE.JPG

To-Days's Sound (1971)

The Man And The City (1976)

Mah Na Mah Na
The Complete Remix Project

In Lounge

(P)1997 Right Tempo (Italy) (P)2000 Right Tempo (Italy) (P)1997 Right Tempo (Italy) (P)2000 Il Giaguaro (Italy)
1,Open Space
2,Green Valley
3,Caretera Panamericana
4,Goodmorning Sun
5,To-Day's Sound
6,Free Dimension
7,Truck Driver
8,Blue Lagoon
9,Wanderer
10,Lady Magnolia
11,Pretty
12,Railroad
13,Country Town
14,Bus Stop
15,Cotton Road
16,Nocturne
17,Exploration
18,Tropical River
19,Coast To Coast
20,Safari Club
21,Music On The Road
1,The Man And The City
2,Friendly City
3,Hectic City
4,Uptown
5,Viaducts
6,Siena Square
7,The Man And The City
8,Urban Network
9,Power Stations
10,Power Stations
11,Friendly City
12,The Man And The City
13,City Sounds
1,Karmezperience Mix 5:44
2,King of Favelas Mix 5:07
3,L'Amour Mix 6:40
4,Space Go Go Mix 6:00
5,Tiki Mix 4:20
6,Mah Na Mammato Mix 6:12
7,Football Club Mix (Club) 5:57
8,Smash on the beatbox Mix 6:26
9,The Dub Mix 6:00

#1 remixed by The Karminsky Experience
#2 remixed byPaolo Scotti
#3 remixed by Raphael Sebbag
#4 remixed by Gak Sato feat. Dj Massive
#5 remixed by Gak Sato
#6 & #9 remixed by Claudio Coccoluto & Savino Martinez
#7 remixed by Sweet Dick Willy,Zbouby & Zebla
#8 remixed by DJ Smash
Lato A
1,Intro
2,Let's Try
3,Bossa Together
Lato B
1,Floating
2,I Want It All
 サントラとはまた違った顔を見せてくれるウミリアーニ個人名義の作品。のっけの#1からグルーヴ感全開で飛ばしまくるジャズ・ファンク・アルバムの傑作。エネルギッシュでトライバルなサンバのリズムにムーグのメロディがそこはかとないメロウ感を漂わせる#3、ディープで実験性の高いモダン・ジャズの野心作#6など、全編に渡ってハービー・ハンコックも顔負けの、クールでファンキーで分厚いサウンドを愉しませてくれる。全く古さを感じさせないどころか、現在のクラブ・シーンでも十分に通用するような斬新さ、エネルギー、刺激に満ちた素ん晴らしいアルバム。必聴。  現代の都市生活をテーマにしたウミリアーニのコンセプト・アルバム。いわゆるライブラリー・ミュージックとして制作された作品。“To-Day's Sound”と比べると円熟味が増した分、多少地味な印象を受けるかもしれない。が、大都会の雑踏、華やかなネオン街、ビルの谷間の暗がりなど、都市の持つ様々な表情をトリッピーで実験的なジャズ・サウンドの中に表現しており、非常にクールで渋いジャズ・ファンク・アルバムに仕上がっている。よりディープなウミリアーニが堪能できる一枚。  “Mah Na Mah Na”を日・米・英・伊のラウンジ&ジャズ系のアーティストがリミックスした企画盤。当時ネオ・ラウンジ・シーンで注目を集めていたThe Karminsky Experienceによる#1は、キッチュでモンドなKarminskyの個性と楽曲が見事にマッチしており、とても賑やかでポップで楽しいエレクトロ・サンバに仕上がっている。おもちゃ箱をひっくりかえしたような楽しさという点では#2も負けていない。Scottiの遊び心溢れたユーモラスなサウンドが弾けまくってる。派手でキュートでイージーなラテン風エレクトロ・サウンド炸裂の#5も大好き。UFOのRaphaelによる#3は個人的にはちょっとディープで渋すぎかな。  1966年に制作された謎の映画“La Vacanza”のサントラのためにウミリアーニが書いた楽曲を収録したEP盤。イタリアの映画&ラウンジ・ミュージック専門誌“Il Giaguaro”の特別付録として作られたもの。いつものポップでイージーでグルーヴィーなウミリアーニ・サウンドが楽しめる。しかし、この“La Vacanza”という映画、imdbなどを調べても全くヒットしない。もしかして、お蔵入り作品か?いずれにせよ、ここでしか聴けない初ソフト化音源。そういったもの珍しさ以外は、これといって特筆すべきところはないかも。ウミリアーニ作品としては平均点、といったところでしょーか。

 

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