スチュアート・ゴードン Stuart Gordon
性と暴力の本質を暴き出す反骨のホラー作家

 

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 ホラー映画作家というのはもともと観客を選ぶものであるが、中でもスチュアート・ゴードンほど好き嫌いの分かれる監督もそう多くはないだろう。コアなホラー映画ファンの間でも、彼のアナーキーでバチ当たりなバッド・テイストに嫌悪感を示す者と、逆にそれを孤高の反骨主義として捉えて魅了される者とに分かれる。人間の本質的なおぞましさや醜悪さ、むき出しの欲望を視覚的に描いていく彼の作品は、あえて観客の神経を逆なでしようとしてるようにさえ思える。出世作「死霊のしたたり」('85)や「フロム・ビヨンド」('86)などは、その余りにも無軌道な酒池肉林ぶりに思わず笑いがこみ上げてしまうほどだ。背筋を凍らせるホラー映画というよりは、ほとんど変態の領域にまで達してしまったフリークス映画と呼ぶべきだろう。その首尾一貫したアナーキーぶり、死と暴力とセックスに対するシニカルでグロテスクな目線は、ある意味でスチュアート・ゴードンという存在そのものがモンスターであるということを物語っているようにも思う。
 ゴードンはH・P・ラヴクラフト作品を好んで取り上げる事が多いが、実はというか案の定というか、彼の作品はラヴクラフト・ファンの間ですこぶる評判が悪い。そもそも、感覚的な恐怖をくどいほど緻密な描写で語るラヴクラフトの世界は、本来なかなか映像にしにくい。というよりも、ラヴクラフトの描く世界は、彼特有の強迫観念的な語り口と読み手のイマジネーションに訴えかける抽象的な表現力によって異様な迫力とリアリティを生み出しているのであり、それを映像化するにはそれ相応のイマジネーションが必要とされる。要は、ラヴクラフト並みのキ○ガイでない限りは至難の業なのだ。
 そういった意味では、ラヴクラフト作品を手掛ける時のゴードンは、相当なキ○ガイぶりを発揮してくれるのだが、問題はそのベクトルがラヴクラフトとは真逆の方向に向かってしまっているという点だろう。破壊される人体、崩壊していく人格、粘液にまみれた異様な醜態をさらすクリーチャーやゾンビ、性欲の境界線を越えた変態セックス。殆どインポテンツとも言えるくらいにセックスや情欲、肉欲とは無縁なラヴクラフトの無機質で陰鬱な世界観と比べると、スチュアート・ゴードンの作品はエロとグロが凄まじいパワーで炸裂する変態カーニバルだ。ラヴクラフト・マニアが怒り狂っても不思議はあるまい。

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ゴードンが主催した劇団オーガニック・シアター

オーガニック・シアターの看板俳優ジョー・マンテーニャ

 1947年8月11日、イリノイ州シカゴに生まれたゴードンは、60年代から70年代にかけてシカゴのアングラ演劇シーンを震撼させた鬼才だった。ウィスコンシン大学在学中にスクリュー・シアターという劇団を結成した彼は、その第1回公演で「ザ・ゲーム・ショー」という作品を上演する。これは、観客を不快にするあらゆるものを見せて帰らせてしまおうという前代未聞の舞台で、商業主義や権威に対するゴードン流の強烈なアンチテーゼだった。さらに、1968年の秋に上演した「ピーター・パン」がとんでもなくデンジャラスな内容だったが故に、ゴードンは仲間の劇団員と共に警察に逮捕されてしまう。これはベトナム戦争反対のデモに参加した際、警官隊に催涙弾を投げ込まれた彼自身の経験からヒントを得たもので、ピーター・パンをヒッピーのリーダー、クック船長を当時のシカゴ市長、そして海賊たちを警官隊に置き換えた作品。ヤクでラリったピーター・パンたちがヒッピーの天国ネバーランドを目指してトリップするという内容のもので、余りにも露骨な権力批判が当局の逆鱗に触れてしまったのだった。
 結局、無罪放免で釈放されたゴードンだったが、この事件を受けて劇団の上演作品を規制しようとする大学側に反発した彼はウィスコンシン大学を中退。ブルーム・ストリート・シアターを結成し、さらに69年に結婚した妻キャロリン・パーディ=ゴードンと共にオーガニック・シアターを結成した。このオーガニック・シアターは、今やアメリカ演劇界を代表する大御所となったデヴィッド・マメットの作品を最初に取り上げたことで伝説となっている前衛劇団であり、デニス・フランツやジョー・マンテーニャといった名優を生み出した事でも知られる。

 オーガニック・シアターの舞台監督としてシカゴ演劇界はもとより、全米のアングラ演劇界の鬼才として名を馳せたスチュアート・ゴードンは、テレビ・ドラマの演出を経て映画界へと殴り込みをかけることとなる。その記念すべき処女作が「死霊のしたたり」('85)だ。当時はホラー映画に“死霊の・・・”とか“悪魔の・・・”とかいった日本題を付けるのが流行っていたのでこんなタイトルが付いているが、ゾンビは出てきても死霊なんぞは出てこないのであしからず。これはラヴクラフトの短編小説「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」を原作としているのだが、ミスカトニック大学の医学生ハーバート・ウェストが死体蘇生薬を開発して死者を蘇らせるという設定以外は、ほとんど別物と見ていいオフビートな怪作に仕上がっていた。

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狂気の医学生ハーバート・ウェスト(ジェフリー・コムズ)
「死霊のしたたり」

ハーバート・ウェストとダン(ブルース・アボット)
「死霊のしたたり」

 チューリッヒの医科大学で異常な事件を起こした医学生ハーバート・ウェスト(ジェフリー・コムス)が、ニュー・イングランドのミスカトニック大学に転入してくる。広すぎる家をもてあましていた優等生ダン(ブルース・アボット)と恋人のミーガン(バーバラ・クランプトン)はウェストを下宿人として迎えるのだが、彼が部屋にこもって秘かに死体蘇生薬の研究をしている事は全く知らなかった。ある日、ミーガンの愛猫が行方不明になってしまい、ダンは偶然にもウェストが猫を殺して死体蘇生実験をしている事を知ってしまう。狂ったように暴れまわる猫の死体。ウェストの実験に魅せられたダンは、いつしか彼の協力者となる。
 2人は大学の付属病院に安置されている死体で蘇生薬を試すため、死体安置室にこっそりと忍び込むが、蘇生した死体が大暴れを始めてしまう。しかも、そこへ偶然やってきたミーガンの父である学長(ロバート・サンプソン)までもが巻き添えになって殺されてしまった。早速、学長の死体に蘇生薬を注入するウェストとダン。思考能力のない生ける屍と化した学長は、原因不明の精神病と診断されて隔離されてしまう。
 一連の事件からウェストの実験を嗅ぎつけた野心的なヒル教授(デヴィッド・ゲイル)は、彼を脅迫して薬を奪おうとするが逆に首を切り落とされて殺されてしまう。そんなヒル教授の首と胴体にも蘇生薬を試すウェスト。蘇ったヒル教授はウェストに復讐するため、テレパシーを使って自分の胴体や死者たちを自由に操る。さらには、以前より思いを寄せていたミーガンを自分のものにしようと誘拐するのだが・・・。

 ボコボコと変形する顔面から血を噴出しながら悶絶する大学教授。“あなたが彼を殺したのね!?”と悲鳴を上げるオバサンに向かって、“いや僕が生き返らせたんだ”とウェストが呟くショッキングなオープニングから異様な迫力で見る者をグイグイと引きつける。蘇生薬で生き返った死体の凶暴ぶりも尋常ではなく、前後見境なく暴れまくって、挙句の果てには自分の顔までグチャグチャに潰してしまう光景は壮絶の一言。ヒル教授のテレパシーで次々と蘇った死体たちが暴徒と化するクライマックスなんぞ、あまりにも異常なテンションゆえに思わず笑いがこみ上げてくること必至だ。肥大した大腸が死体の体を突き破ってウェストの首に絡みついたりと、文字通り何でもありの悪ノリぶりは壮観でさえある。さらに、手術台に全裸で縛られたミーガンの体を、ヒル教授の生首がベロベロと舐め回すシーンも強烈。阿鼻叫喚の地獄絵図とは、まさにこの事だろう。
 これだけハチャメチャなストーリー展開でありながら安手のC級ホラー映画に陥らなかったのは、やはり演劇畑で培ったゴードンの演出力の賜物と言える。スピーディーでアップ・テンポな語り口、ダイナミックで迷いのない確かなカメラワーク、テンションの高い役者陣の演技、そして冗談としか思えない怖いもの知らずのスプラッター描写。まさしく現代のグラン・ギニョールとも言うべき、アナーキーなパワーが溢れている。
 特殊メイクを担当したのはジョン・C・ブークラー、アンソニー・ダブリン、そして今やハリウッドで随一のSFXマンとなったロバート・カーツマンといったツワモノの面々。さらに、本作でカルト俳優としての地位を確立したジェフリー・コムズやホラー・ファンの間で熱狂的なファンを生み出したバーバラ・クランプトン、本作をきっかけに2枚目スターとして活躍したブルース・アボット、ルチオ・フルチ監督の「地獄の門」にも出ていた脇役俳優ロバート・サンプソンなど、役者たちの迫真の大熱演も目を引く。ゾンビを演じるチョイ役に至るまで、かなりしっかりした演技をする役者が揃っており、彼らの大真面目な演技が逆に奇妙なテンションの雰囲気を盛り上げているのだ。

 もともと、ゴードンの友人であるブライアン・ユズナがプロデューサーを務めるインディペンデント映画として製作されていた本作は、撮影機材を提供するという事を条件に低予算映画専門のエンパイア・ピクチャーズが配給権を獲得。エンパイアにとって初のヒット作品となったのだった。

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ホラー・マニアのアイドルとなったバーバラ・クランプトン
「死霊のしたたり」

ヒル教授を怪演するデヴィッド・ゲイル
「死霊のしたたり」

 「死霊のしたたり」の大成功に気をよくしたエンパイア・ピクチャーズの社長チャールズ・バンドは、45万ドルの制作費と2ヶ月に及ぶ撮影期間という破格の待遇でゴードンに次回作を撮らせる。それが「フロム・ビヨンド」('86)である。再び原作はH・P・ラヴクラフト。彼方からやって来た未知の生命に首をもがれて殺される科学者の手記を綴った6ページの短編小説「彼方より」をベースに、原作では詳しく描写されていない未知の生命を「狂気の山脈にて」に登場する怪物をヒントにして描いている。
 舞台は脳医学の権威プリトリアス博士(テッド・ソレル)の研究所。博士は助手のクロフォード(ジェフリー・コムス)と共に、人間の脳の秘密について研究をしている。彼らは独自に開発した機械で、脳の奥に秘められた別世界を探ろうとするが、その“彼方”から現れた未知の生命体によってプリトリアス博士は首を食いちぎられて向こう側に連れ去られてしまう。さらに、その機械の影響でクロフォードや恋人のカテリーネ(バーバラ・クランプトン)らの松果腺が異常に発達。松果腺とは人間の脳の中央部にあり、性本能を司る部分。これが肥大したクロフォードやカテリーネは、変態街道をまっしぐら。しかも、向こう側に行ってたプリトリアス博士が変態パワーを発揮してこっち側に戻ってきてしまい、形状不明のクリーチャーと化して世界制服を目論む。
 「遊星からの物体X」も顔負けのグチョグチョグニャグニャに変化するプリトリアス博士の化け物ぶりも相当ぶっ飛んでいるが、額から松果腺がニョキニョキと飛び出した状態で女性の脳みそをすするジェフリー・コムスの怪演がまた強烈。さらに、ボンデージ・ファッションに身を包んだバーバラ・クランプトンがSMプレイを披露するというオマケまで付いて、とにかく血と内臓と肉塊とエロが渦を巻く酒池肉林の異様な地獄絵図が展開する。むき出しにされた醜悪な動物本能の大暴走。一度見たら二度と忘れられない凄まじい作品で、ラヴクラフトの原作など完全に吹っ飛んでしまってる。
 ボクは基本的にスプラッター映画があまり好きではない。意味もなく人殺しを見せるだけの映画なら誰でも作れるし、そもそもホラー映画とは人間のダークサイドをファンタジックに描く芸術であるべきだ。そういった意味で、この頃のスチュアート・ゴードン作品は80年代のスプラッター映画ブームを牽引する存在でありながらも、本質的な部分で純粋なホラー映画だったと言えるだろう。セックスやバイオレンスは誰もが本能的に持っている衝動であり、それが異常なパワーを得て解き放たれた瞬間に訪れるカオスを悪夢的な寓話として描く「フロム・ビヨンド」は、80年代ホラーの中でボクが最も愛する作品の一つだ。

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あちら側から帰って来たプリトリアス博士(テッド・ソレル)
「フロム・ビヨンド」

一世一代の怪演を見せるジェフリー・コムス
「フロム・ビヨンド」

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謎めいた老夫婦(ガイ・ロルフとヒラリー・メイソン)
「ドールズ」

心優しい青年ラルフ(S・リー)と少女ジュディ(C・ロレイン)
「ドールズ」

 そんなゴードン監督が次に手掛けた作品「ドールズ」('87)も、非常に魅力的な作品だった。舞台になるのは人里離れた場所にある古い屋敷。そこかしこに人形が置かれたこの邸宅には、年老いた英国人夫婦(ガイ・ロルフとヒラリー・メイソン)が2人きりで住んでいる。ある嵐の晩、難を逃れた人々が次々と屋敷に集まってくる。傲慢な実業家バウアー(イアン・パトリック・ウィリアムス)と下品で派手好きな妻ローズマリー(キャロリン・パーディ・ゴードン)、そしてバウアーと先妻との間の娘ジュディ(キャリー・ロレイン)。さらに、お人よしで気弱な人形好きの青年ラルフ(ステファン・リー)と、彼が拾ったヒッチハイカーのパンク少女たち。ここで一晩を過ごすことにした彼らだが、この屋敷には恐ろしい秘密が隠されていた・・・。
 金目のものを盗もうと書斎に忍び込んだパンク娘を皮切りに、次々と殺されていく宿泊者たち。犯人は屋敷中に飾られている人形たちだった。邪まな心を持った大人たちを次々と血祭りにあげる無数の人形たち。アカデミー賞に輝くSFXマン、デヴィッド・アレンによるストップ・モーション・アニメが非常にファンタジックな雰囲気を生み出しており、グリム童話を彷彿とさせる残酷な御伽噺に仕上がっている。この作品のヒットに刺激されて作られたのが「チャイルド・プレイ」('88)シリーズであり、さらにエンパイア・ピクチャーズ倒産後にリチャード・バンドが設立したフル・ムーン・エンターテインメントの「パペット・マスター」シリーズや「デモニック・トイ」シリーズも本作に影響を受けている。ちなみに、人形造りが趣味の屋敷の老主を演じるガイ・ロルフは「パペット・マスター」シリーズで人形使いアンドレ・トゥーロン役を演じている。彼は1940年代から剣劇ものや戦争アクションで活躍したイギリス出身の名優だ。その妻を演じるヒラリー・メイソンもイギリスの有名な舞台女優で、ニコラス・ローグ監督の傑作「赤い影」('72)でも謎めいた老女役を演じて強烈なインパクトを残していた。

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一斉にこちらを振り向く人形たちの姿は結構怖い
「ドールズ」

暗闇でニヤリと表情を変えるアンティーク人形
「ドールズ」

 こうして、エンパイア・ピクチャーズ随一のドル箱ディレクターとなったスチュアート・ゴードンは、エンパイア設立以来最大の制作費を投じた作品を任せられることになる。それが日本のアニメ「機動戦士ガンダム」にインスパイアされたSFロボット大作「ロボ・ジョックス」('89)だ。核戦争後の近未来、人類は戦争の代わりに人間が操縦するロボットによる格闘技で国家間の争いを解決していた。国民的英雄である操縦士アキレス(ゲイリー・グラハム)は宿敵アキレス(ポール・コスロ)との決戦で客席に倒れこみ、大勢の観客を死なせてしまった。罪の意識から戦いを辞退するアキレスの代わりとして、秘かに彼に思いを寄せる女操縦士アテナ(アン=マリー・ジョンソン)がアキレスに戦いを挑むのだが・・・。
 エンパイア・ピクチャーズ始まって以来の大作とはいえ、やはりメジャー・スタジオの基準に比べれば低予算。全体的にSFXシーンは少なめだし、尺を埋めるための余計なサブ・プロットも目立つ。しかし、「マジンガーZ」以降の日本のロボット・アニメを彷彿とさせる設定が満載で、その筋のファンにはたまらない作品であることは間違いないだろう。ジェフリー・コムスやヒラリー・メイソン、ロバート・サンプソンなど、ゴードン作品で御馴染みの役者がチョイ役でゲスト出演しているのもファンには楽しい。
 実は、本作は1988年に撮影されたものの、エンパイア・ピクチャーズが資金難に陥ってしまったためにお蔵入りを余儀なくされてしまった。エンパイア倒産後も権利元がコロコロ変り、ようやく1990年にオライオン・ピクチャーズによって劇場公開され、国際ファンタジー映画賞の最優秀作品賞にもノミネートされた。しかし、ハリウッド映画の特撮技術が日進月歩で進化する中、2年間もお蔵入りしていたのは致命的で、興行的には惨敗を喫してしまう。

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まるっきり日本のロボット・アニメの世界
「ロボ・ジョックス」

コクピットでロボットを操縦するアキレス(ゲイリー・グラハム)
「ロボ・ジョックス」

 エンパイア・ピクチャーズが倒産してチャールズ・バンドのもとを離れたゴードンは、次にテレビ映画「サイキック・バンパイア」('89)を手掛ける。アメリカ人の女教師(ミア・サラ)が母親の死をきっかけに、行方知らずの父親を探してルーマニアを訪れる。そこで、ようやく探し当てた父親(アンソニー・パーキンス)が、実はバンパイアの秘密結社のリーダーだった、というオーソドックスな怪奇譚。テレビ向けということで性描写やバイオレンス描写は殆ど皆無。しかもビデオ・カメラで撮影されていたため、どうにも安っぽい印象は拭えず、残念な出来映えの作品だった。
 その翌年、ゴードンはチャールズ・バンドが新しく設立したフル・ムーン・ピクチャーズのために「ペンデュラム/悪魔のふりこ」('90)を完成させる。これは、エドガー・アラン・ポーの短編小説「恐怖の振り子」の映画化。ロジャー・コーマン監督の傑作「恐怖の振子」('61)を筆頭に、ポーの原作は幾度となく映像化されてきているが、ゴードンは全く趣きの違う重厚な歴史劇に仕上げている。
 舞台は宗教裁判に揺れる15世紀のスペイン。清らかで美しい娘マリア(ローナ・デ・リッチ)は極悪非道な裁判に強い憤りを感じている。ある日、老女が拷問されているのを目撃したマリアは、公衆の面前で怒りを露わにする。その場で魔女の嫌疑をかけられ牢屋に入れられるマリア。裁判長である修道士トルケマダ(ランス・ヘンリクセン)は美しいマリアに魅せられ、その欲望を満たそうとするかのようにサディスティックな拷問を加えていく。
 実在したスペインの修道士トルケマダを、性欲を満たそうにも満たせないインポテンツと設定し、その屈折した情欲と己の欠点を受け入れることの出来ない弱さこそが、宗教裁判という神の名を借りた大量殺戮の源であったとして描いていく。しかも、検挙して処刑台に送る人数が多ければ多いほどバチカンからは高く評価される。目を覆うような凄まじい拷問描写、己の政治的な権力のことしか頭にない聖職者たち、そんな権力者に踊らされる愚かな庶民。かつて学生運動に情熱を捧げたスチュアート・ゴードンの面目躍如とも言うべきパワフルな映像が圧巻だ。
 トルケマダを演じるのはランス・ヘンリクセン。「エイリアン」シリーズのサイボーグ役でも知られる名優だが、そのニューロティックで陰のある個性はトルケマダという屈折した役柄にピッタリで、彼が己の体を鞭打って性欲を鎮めようとするシーンは異様なエロティシズムがある。ちなみに、バチカンから派遣された司祭役でオリバー・リードがゲスト出演しているが出番は少なく、あっという間に殺されてしまう。

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極悪非道な修道士トルケマダを演じるランス・ヘンリクセン
「ペンデュラム/悪魔のふりこ」

トルケマダの欲望の餌食となるマリア(ローナ・デ・リッチ)
「ペンデュラム/悪魔のふりこ」

 さて、半ばお蔵入りになっていた「ロボ・ジョックス」が劇場公開され、興行収入は別にして作品としては非常に高く評価されたゴードンは、今度は近未来の刑務所を舞台にしたSFアクション「フォートレス」('93)を任される。
 舞台は2017年。一人しか子供を生めないという出産規正法が制定され、2番目の子供を身篭ってしまった夫婦ジョン・ヘンリー(クリストファー・ランベール)とカレン(ローリー・ロックリン)の2人が逮捕され、ハイテク版アルカトラズとも言うべき刑務所に入れられてしまう。妻とお腹の中の子供を救うためジョン・ヘンリーは仲間と脱走を試みるのだが・・・。
 監獄の格子がレーザーだったり、囚人の腹の中に爆弾が仕掛けられていたり、警備兵がクローン人間で編成されたりと、SFマニアの心をくすぐるような設定が満載で、スピーディーなストーリー展開や個性的な登場人物も魅力だった。総じて低予算のSFアクションという感じで、ゴードンも与えられた仕事をそつなくこなしているという印象は拭えないものの、B級エンターテインメントとしては十分な合格点。
 主演のフランス俳優クリストファー・ランベール以下、「マッドマックス2」の悪役で有名なヴァーノン・ウェルズやゴードン・ファミリーのジェフリー・コムズ、「地球最後の男 オメガマン」('72)などSF、ホラーで御馴染みの名脇役リンカーン・キルパトリック、そして「ロボコップ」や「ランボー3」など悪役一筋のカートウッド・スミスと、非常に濃いキャストの顔ぶれもまた一興。肩の力を抜いて楽しみたい1本だ。

 さて、この時期のスチュアート・ゴードンは、映画監督以外の分野で才能を発揮している。そのきっかけが「ミクロ・キッズ」('90)。ゴードンと盟友ブライアン・ユズナの2人が書いた原案をディズニーが買い上げて映画化した作品で、全世界で爆発的な大ヒットを記録してしまう。ゴードン自らが製作総指揮を手掛けた2作目「ジャイアント・ベイビー」('92)まで作られ、97年にはテレビ・シリーズとして3年間のロングラン・ヒットとなった。さらに、アベル・フェラーラ監督の「ボディ・スナッチャーズ」('93)でも名コンビであるデニス・パオリと共に脚本を執筆。エイリアンによる地球侵略に軍隊の陰謀が絡むという、いかにもゴードンらしい権力への不信感丸出しの骨太な脚本は見事だった。さらに、ブライアン・ユズナが監督を手掛けた「デンティスト」('96)や「スピーシーズ リターン/種の終焉」('98)などの脚本も担当している。
 一方、本業の映画監督としてもラヴクラフトの「アウトサイダー」にヒントを得た「キャッスル・フリーク」('95)や、デニス・ホッパーが楽しそうに悪乗り演技を披露するSFアクション「スペース・トラッカー」('96)を手掛けているが、どちらも「ペンデュラム/悪魔のふりこ」の頃までの作品と比べるとかなりパワー・ダウンをしている。夜な夜なイタリアの古城を徘徊する異形のモンスターの恐怖を描く「キャッスル・フリーク」などは、ゴードンらしいエログロ描写が控えめな分、ラヴクラフト的なムードは生かされていたと思うのだが。

 そんな彼が、久々にゴードン流ラヴクラフトの世界を爆発させたのが「DAGON」('01)。これは、ラヴクラフトの短編「ダゴン」と中篇「インスマウスの影」をベースにした作品で、ゴードンにとっては初めてラヴクラフトのクトゥルー神話の世界を描いた作品でもある。クトゥルー神話とは旧約聖書を下敷きにしてラヴクラフトとそのフォロワーたちが創り上げていった独自の神話体系で、その神秘的かつ悪魔的な世界観で熱狂的なファンを持っている。
 本作に登場するダゴンは旧約聖書に登場する海の魔神。ダゴン崇拝によって住民全員が半魚人と化してしまった陰鬱なスペインの港町を舞台に、旅行者であるアメリカ人の若いカップル(エズラ・ゴッデンとラクエル・メローニョ)が体験する未曾有の恐怖を描く。ひたすら降り続く雨、陰鬱で暗い町の雰囲気、無表情な住民たち・・・と、「インスマウスの影」の世界が非常によく再現されている。クライマックスに登場するタコのようなクリーチャーも含めて、ゴードンはラヴクラフト特有のパラノイアと閉塞感を上手く捉えている。全体的にエログロ度を抑えながらも、要所要所で生々しい変態描写を炸裂させる職人技も見事。ベテラン監督らしい落ち着きが感じられるようになってきた。
 と思いきや、次の「蟻の王」('03・日本未公開)はまるでスクリュー・シアターやオーガニック・シアターの頃を思わせるバイオレントで常軌を逸した怪作だった。ストーリーはいたってシンプル。塗装業のアルバイトで生計を立てている青年ショーン(クリス・マッケンナ)は、上司であるデューク(ジョージ・ウェント)から金になる仕事を紹介される。それはデュークのボスである怪しげな実業家マシューズ(ダニエル・ボールドウィン)の会社を調べている会計士を見張るという仕事だった。しかし、ある日ショーンはマシューズから会計士を殺せば13000ドルを払うと持ちかけられる。金に目のくらんだショーンは会計士とその妻を殺すが、彼は単に利用されただけだった。金を要求するショーンをマシューズやデュークは監禁し、連日のように凄まじい拷問を加える。命からがら逃げ出したショーンは、マシューズの仲間たちを次々と血祭りにあげていく・・・。
 というわけで、ストーリーは本当にありきたりなものなのだが、そのバイオレンス描写は「レザボア・ドッグス」をも凌駕するくらいに凄まじい。ゴードンのホラー映画やSF映画しか見たことがなく、その演劇的な背景を全く知らないファンが見たら恐らくビックリするに違いない。しかも、タランティーノのようなウィットに富んだユーモアも皆無で、ひたすら血みどろの暴力が日常の風景のように淡々と描写されていく。手持ちカメラを多用したドキュメンタリー・タッチの映像も見る者の不安感をかきたて、なんとも言いようのない後味の悪さを残す怪作だった。結局、この「蜂の王」は題材に極めて問題アリということで配給会社が恐れをなしてしまい、劇場公開されることなく一部の国でDVD化されただけで終わってしまった。

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平凡でうだつのあがらない男エドモンド(ウィリアム・H・メイシー)
「エドモンド」

キャバクラ嬢を演じる元ボンド・ガール、デニス・リチャーズ
「エドモンド」

 しかし、スチュアート・ゴードンはそんなことでめげたりはしなかった。今やアメリカ演劇界最高の脚本家となった旧友デヴィッド・マメットの戯曲を得て、次にゴードンが取り組んだのが問題作「エドモンド」('05・日本未公開)だ。
 主人公はマンハッタンに住む地味で平凡な中年サラリーマン、エドモンド(ウィリアム・H・メイシー)。好きでもない仕事に忙しい毎日を送り、妻との間も冷え切っている。そんな彼が、ある日仕事の帰りにふらりと立ち寄った占いの館で、占い師に“今のあなたは本来のあなたではない”と言われる。この言葉に触発されてしまった彼は、愛情のない妻に別れを告げ、新しい自分を発見するために夜のニューヨークへと繰り出す。生まれて初めてハメを外そうとするエドモンドだったが、これが予想外の地獄巡りとなってしまう。
 夜の遊びなど知らずに小市民的な生活を送ってきた彼は、風俗営業のシステムや相場を知らないために、美人のキャバクラ嬢(デニス・リチャーズ)に手コキで50ドルと言われてウキウキしてたらドリンク1杯で100ドルを請求されそうになって激怒。さらに、のぞき部屋では脱ぐたびにガラスの向こうから20ドルを要求するストリッパー(バイ・リン)に、やらせもしないで金を取るなんて!とまたまた激怒して、“あんたは遊び方を知らない”と言われる始末。さらには、高級売春クラブで夢のような美少女(ミーナ・スヴァーリ)といい思いをしようとまたまたウキウキワクワクしてたら、プラス・チャージを請求されて“有り金で何とかヤラせろ!”と迫って追い出されてしまう。
 すっかり軍資金が底を尽きたエドモンドは、僅かな残金で一山当てようと路上のカード賭博に手を出す。もちろん、そんなの当たるワケがないのだが、無防備な凡人のエドモンドには分からない。すっかり当てた気でいたものの、カードをひっくり返してみたら案の定ハズれ。怒りの抗議をするエドモンドは、賭博師とサクラの仲間に路地裏へと連れ込まれてボコボコに殴られた上、財布まで取られてしまう。遂に堪忍袋の緒が切れたエドモンドは、彼に声をかけてきたポン引きを半殺しの目に遭わせる。“この街の連中はみんな気が狂っている”と呟きながら。
 一息入れるために立ち寄ったカフェ・バーで、心優しいウェイトレス(ジュリア・スタイルズ)と意気投合したエドモンドは、そのまま彼女とベッド・イン。セックスをして自信を取り戻した彼は、彼女こそボクを理解してくれる天使だと勝手に勘違いし、現代社会が暴力と金とセックスによって支配されるものだという事を高らかに力説し始める。これこそが新しいボクだ!と。しかし、彼の異常な言動に危険を感じたウェイトレスは“近寄らないで!”と彼を拒絶し、逆上したエドモンドは彼女をナイフで惨殺してしまう。
 “この街はおかしい!世の中みんな狂っている!”とやけっぱちになって夜のニューヨークを徘徊するエドモンド。果たして狂っているのは社会なのか、それともエドモンドなのか?平凡でうだつのあがらない小市民エドモンドの中に秘められていた邪まな欲望と凶暴性が次第に肥大していく過程が実にスピーディーに描かれていく。セックスとバイオレンスの露骨な描写も含めて、決して気分の良くなる作品ではないが、現代社会や人間そのものの本質について考えさせられる問題作ではある。
 主人公エドモンドを演じるのは、今やハリウッドを代表する名優の一人となったウィリアム・H・メイシー。その風貌といい、おどおどとした演技といい、まさにエドモンドそのものといった感じの絶妙なキャスティングだ。その他、オーガニック・シアター出身のジョー・マンテーニャやデニス・リチャーズ、中国出身のバイ・リン、「アメリカン・ビューティー」や「アメリカン・パイ」でブレイクしたミーナ・スヴァーリ、デビ・マザー、テレビ「NIP/TUCK」で大人気のディラン・ウォルシュ、そしてハリウッドを代表する若手女優の一人ジュリア・スタイルズなど、実に豪華絢爛たる演技陣の顔ぶれも賑やかだ。

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ストリッパー役を演じる中国のトップ・スター、バイ・リン
「エドモンド」

心優しいウェイトレスを演じるジュリア・スタイルズ
「エドモンド」

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典型的なニュー・イングランドの古い屋敷
「魔女の棲む館」

異様な雰囲気を盛り上げる人面ネズミ
「魔女の棲む館」

 とまあ、このところちょっとホラーのジャンルから遠ざかっているように思えるスチュアート・ゴードンが、テレビ・シリーズ「マスターズ・オブ・ホラー」のためにラヴクラフト作品を映像化したのが「魔女の棲む館」('05)だ。原作は中篇小説「魔女の家でみた夢」。主人公はミスカトニック大学の学生ウォルター(エズラ・ゴッデン)。ニュー・イングランドの伝統的な屋敷を改築したアパートの一室に転居した彼は、夜毎悪夢にうなされる。それは夢とも現実ともつかないもので、醜悪な魔女、奇妙な人面ネズミ、そして生贄にされる赤ん坊。隣の部屋に住む若いシングル・マザー(スーザン・ペイン)と親しくなり、束の間の安らぎを得るウォルターだったが、夢と現実の境界線は次第に曖昧になっていく。そんな彼は、17世紀に魔女がこの屋敷に住んでいた事を知る・・・。
 魔女狩りで有名なニュー・イングランド、ミスカトニック大学、そして死者の書ネクロノミコン。ラヴクラフトらしいエッセンスを随所に織り込み、主人公ウォルターが次第に精神のバランスを失っていく様を丁寧に描いていく。テレビ・シリーズということもあってセックスやバイオレンスの描写は控えめで、それが逆にラヴクラフトらしい世界観を生み出している。中でも人面ネズミはかなりのインパクト。1時間弱という長さもラヴクラフト作品を描くには最適で、とても良質な小品佳作に仕上がっていた。

 現在ゴードンは、「クライング・ゲーム」の名優スティーブン・レイを主演に最新作「ストラック」('07)を準備中。さらに、来年は「死霊のしたたり」シリーズ最新作を自ら手掛ける予定で、既にジェフリー・コムズ、バーバラ・クランプトン、ブルース・アボットのオリジナル・キャストの再登板が決定している。しかも、アメリカ大統領役でウィリアム・H・メイシーまでも登場。ホワイト・ハウスを舞台にした魑魅魍魎うごめく壮絶なホラー作品に仕上がる模様だ。

 

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死霊のしたたり
Re-Animator (1985)

ドールズ
Dolls (1986)

ロボ・ジョックス
Robot Jox (1990)

(P)2002 Elite Entertainment (USA) (P)2005 MGM Home Entert.(USA) (P)2005 MGM Home Entert. (USA)
画質★★★★★ 音質★★★★★ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤2枚組)
カラー/ワイドスクリーン/DTS 5.1ch・Dolby 5.1ch・2.0ch Mono/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/86分(本編/製作:アメリカ

映像特典
S・ゴードン/B・ユズナ インタビュー
R・バンド インタビュー
ファンゴリア誌編集長 インタビュー
エクステンデッド・シーン集(16本)
削除シーン集
予告編
テレビ・スポット集(5本)
マルチ・アングル・ストーリー・ボード
舞台裏フォト・ギャラリー
キャスト・スタッフ バイオグラフィー
ゴードン監督による音声解説
B・ユズナとキャストによる音声解説

DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/ステレオ・サラウンド/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/78分(本編)/製作:アメリカ

映像特典
S・ゴードン/E・ナーハ音声解説
キャストによる音声解説
ストーリー・ボード比較
フォト・ギャラリー
オリジナル劇場予告編

DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/ステレオ/音声:英語/字幕:英語・フランス語/地域コード:1/85分(本編)/製作:アメリカ

映像特典
オリジナル劇場予告編
監督:スチュアート・ゴードン
製作:ブライアン・ユズナ
脚本:スチュアート・ゴードン
    デニス・パオリ
    ウィリアム・J・ノリス
原作:H・P・ラヴクラフト
撮影:マック・アールバーグ
音楽:リチャード・バンド
出演:ジェフリー・コムズ
    ブルース・アボット
    バーバラ・クランプトン
    デヴィッド・ゲイル
    ロバート・サンプソン
監督:スチュアート・ゴードン
製作:ブライアン・ユズナ
脚本:エド・ナーハ
撮影:マック・アールバーグ
音楽:ファズビー・モース
出演:ステファン・リー
    ガイ・ロルフ
    ヒラリー・メイソン
    イアン・パトリック・ウィリアムス
    キャロリン・パーディ=ゴードン
    キャシー・スチュアート
    キャリー・ロレイン
監督:スチュアート・ゴードン
製作:アルバート・バンド
脚本:ジョー・ハルデマン
撮影:マック・アールバーグ
音楽:フレデリク・タルコーン
出演:ゲイリー・グラハム
    アン=マリー・ジョンソン
    ポール・コスロ
    ロバート・サンプソン
    ダニー・カメコナ
    ヒラリー・メイソン
    ジェフリー・コムス
 2004年には同内容の日本盤も発売されている2枚組の豪華版。何といってもルーカス・フィルムお墨付きのTHX仕様で、画質・音質共に最高の仕上がりなのが嬉しい。しかも、合計で6時間以上にも及ぶ特典の数々。お腹いっぱい。  監督のインタビューしか特典に入っていない日本盤(しかもボックス・セットの特典ディスクにのみ収録)に比べ、出演者や脚本家の音声解説をたっぷり収録した米国盤。画質・音質共に平均点以上の仕上がりで、大満足です。  この作品に関しては、日本盤の方がフォト・ギャラリーなどの映像特典が多くてお得な感じです。ただ、画質・音質そのものは日本盤よりも米国盤の方が上。日本盤の方が使っているマスターが古いように見えますね。

EDMOND_DVD.JPG WITCH_HOUSE_DVD.JPG

Edmond (2005)

魔女の棲む館
Dreams in the Witch House (2005)

(P)2006 First Independent (USA) (P)2006 Anchor Bay (USA)
画質★★★★★ 音質★★★★☆ 画質★★★★★ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド/音声:英語/字幕:なし/地域コード:1/82分(本編)/製作:アメリカ

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
削除シーン集
S・ゴードン/D・マメット インタビュー

DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド・2.0chサラウンド/音声:英語/字幕:なし/地域コード:1/55分(本編)/製作:アメリカ

映像特典
メインキング・ドキュメンタリー
S・ゴードン/E・ゴッデン 音声解説
S・ゴードン監督インタビュー
キャスト・関係者インタビュー
チェラー・ホースダル インタビュー
SFX担当者インタビュー
スチュアート・ゴードン バイオグラフィー
予告編集
スチル・ギャラリー
ストーリーボード・ギャラリー

監督:スチュアート・ゴードン
製作:スチュアート・ゴードン
    ダフィー・ヘクト
    ロジャー・カス 他
脚本:デヴィッド・マメット
撮影:デニス・マロニー
音楽:ボビー・ジョンストン
出演:ウィリアムH・メイシー
    ジュリア・スタイルズ
    ジョー・マンテーニャ
    バイ・リン
    ジェフリー・コムス
    デニス・リチャーズ
    ミナ・スヴァーリ
    ディラン・ウォルシュ
    レベッカ・ピジョン
監督:スチュアート・ゴードン
製作:トム・ロウ
    リサ・リチャードソン
脚本:デニス・パオリ
    スチュアート・ゴードン
原作:H・P・ラヴクラフト
撮影:ジョン・ジョフィン
音楽:リチャード・バンド
出演:エズラ・ゴッデン
    スーザン・ペイン
    ジェイ・ブラゾー
    アンソニー・ハリソン
 インディーズ系映画のDVDとしては、パッケージも中身もメジャー並みの立派な仕上がり。ゴードンとマメットによる音声解説も充実していて、さすが30年来の友人らしい豊富な話題の数々に興味が尽きない。ファン必携です。

 映像特典の尺の方が本編よりも長いという、豪華絢爛たるDVD。日本盤もほぼ同一の内容ですが、マスターズ・オブ・ホラー・シリーズの他作品も収録したDVDボックスのみのリリースなので、ちょっと不便なんですよね。

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