ディスコ・アーティスト列伝<17>
シスター・スレッジ Sister Sledge


SISTER_SLEDGE.JPG

 

 幾度もの浮き沈みを経験しながら、70年代から80年代にかけてのヒット・チャートを席巻したガールズ・グループ、シスター・スレッジ。中でも、家族の愛と絆を高らかに歌い上げた代表作“We Are Family”は究極のディスコ・アンセムとして今なお愛され続け、ダンス・フロアのピーク・タイムを盛り上げるキラー・チューンだ。血のつながりや性別などを超えて、オーディエンス全員が“家族”として一体になれる、あの楽しさと高揚感は筆舌に尽くしがたい。
 メンバーはジョニ、デビー、キム、キャシーの4人。もちろん、全員が本当の姉妹だ。ポインター・シスターズやエモーションズ、ブラクストンズなど、黒人の姉妹コーラス・グループというのは意外と多い。中でも最も成功を収めたのはポインター・シスターズだが、音楽シーンに与えた影響の大きさという点では、シスター・スレッジの方に軍配が上がるかもしれない。

 4人はペンシルヴァニア州フィラデルフィアの出身。ジョニは1952年9月13日、デビーが1954年7月9日、キムが1957年8月21日、キャシーが1959年1月6日に生まれている。姉妹の祖母はヴィオラ・ウィリアムスというオペラ歌手で、子供の頃から“Mrs. Williams Grandchildren(ウィリアムス夫人の孫たち)”というグループ名で、地元の教会でゴスペルを歌っていたという。
 実は、彼女たちにはキャロルという最年長の姉がいる。そのキャロルの友人が人気ソウル・グループ、スタイリスティクスのメンバーだったことから紹介を受け、71年に姉妹はマネー・バック・レコーズというマイナー・レーベルからシングル“Time Will Tell”をリリースしてデビューを果たした。
 その後、大手アトランティック系列のアトコ・レコードと契約を交わした4人は、72年に“Weatherman”、73年に“Mama Never Told Me”というシングルを発表。後者はUKチャートで20位をマークする中ヒットとなった。
 さらに、74年にリリースされたシングル“Love, Don't You Go Through No Changes On Me”がR&Bチャートで31位、ダンス・チャートで5位をマーク。翌年にはファースト・アルバム“Circle Of Love”も発売され、R&Bチャートで最高56位にランクされた。
 続く“P`rotect Our Love”もダンス・チャート7位とまずまずの健闘だったが、77年のセカンド・アルバム“Together”からのシングルはいずれも低調で、アルバム自体もチャートインすら出来ないという有様。4人はこのままヒットが出なければ解散しようと話し合っていたという。

 その頃、新たに登場したディスコ・グループ、シックが“Le Freak”、“Good Times”と矢継ぎ早に全米ナンバー・ワンをヒットを獲得し、世間に一大ブームを巻き起こしていた。彼らの成功に気を良くしたアトランティック・レコードは、グループの中心メンバーで作曲家兼プロデューサーであるバーナード・エドワーズとナイル・ロジャースのコンビに対し、同社の契約アーティストの中から好きなアーティストを選んでプロデュースして構わないと申し出る。
 当時のアトランティックは、アレサ・フランクリンからベット・ミドラー、ローリング・ストーンズに至るまで、数多くの大物アーティストが在籍していた。しかし、その中でエドワーズ&ロジャースの二人は、ほぼ無名に等しいシスター・スレッジを選んだのだ。
 やはり、既にイメージやスタイルの確立している有名アーティストよりも、まだまだ開拓の余地のある無名アーティストの方がプロデュースする楽しみがあったに違いない。また、彼らはグループ最年少であるキャシーのパワフルでハスキーなボーカルに魅せられ、“アレサにも匹敵する”と絶賛するほどの惚れ込みようだったという。
 かくして、79年にエドワーズ&ロジャース及びシックの全面バック・アップによるシングル“He's The Greatest Dancer”がリリースされる。リード・ボーカルはもちろんキャシー。これはR&Bチャートとダンス・チャートでナンバー・ワンを獲得。さらに、ポップ・チャートで最高9位に輝き、姉妹にとって初の全米トップ10ヒットをもたらした。
 ちなみに、この作品はもともとシックがレコーディングするために用意されていたが、アトランティック側の強い要望を受けてシスター・スレッジが歌うことになったらしい。その代わりとして、エドワーズ&ロジャースが姉妹のために書いた“Good Times”が急遽シックの作品としてレコーディングされ、78年に全米ナンバー・ワンを記録している。
 続いてリリースされた“We Are Family”はさらにそれを上回る大ヒットとなり、ポップ・チャートで最高2位をマーク。もちろん、R&Bチャートとダンス・チャートではナンバー・ワンを獲得している。3枚目の“Lost In Music”もR&Bチャートで35位の小ヒットに。アルバム“We Are Family”も全米アルバム・チャート3位、R&Bアルバム・チャートで1位という大ヒットを記録した。
 その人気は海を越えてヨーロッパにも飛び火。“He's The Greatest Dancer”が全英6位、“We Are Family”は全英8位、“Lost In Music”は全英17位をマークしている。

 かくして大成功を収めたシックとシスター・スレッジのコラボレーションは、次のアルバム“Love Somebody Today”でも引き継がれる。しかし、当時のアメリカではディスコ・ブームも下火となりつつあった。そればかりか、“アンチ・ディスコ”の逆風が吹き荒れるようになり、ディスコ・ブームの波に乗ってヒットを放ったアーティストが次々とチャートを追われるように。
 その煽りを受け、“Love Somebody Today”は全米アルバム・チャート31位、R&Bアルバム・チャート7位と前作のセールスを下回ってしまい、シングル“Got To Love Somebody”や“Reach Your Peak”もイマイチの結果となってしまう。
 81年のアルバム“All American Girl”ではR&Bのシンガー・ソングライターとして当時注目されていたナーラダ・マイケル・ウォルデンをプロデューサーに迎え、ディスコのイメージを払拭しようとしたものの成功には至らず、翌年の“The Sisters”では姉妹自らがプロデュースを手掛けるも同じように結果はいまひとつ。
 83年には当時ヒット・メーカーとして活躍していたジョージ・デュークのプロデュースで、ポップでキャッチーなアルバム“Bet Cha Say That To All The Girls”をリリースするも、全米アルバム・チャート169位という最悪の結果になってしまう。

 ところが、シック解散後のナイル・ロジャースと5年ぶりに組んだ85年のアルバム“When The Boys Meet The Girls”が、海の向うのイギリスで予期せぬヒットを記録することに。実は、79年のアルバム“We Are Family”に収録されていた楽曲“Thinking Of You”が84年になってイギリスでシングル・カットされ、全英チャート11位という思わぬヒットとなっていたのだ。
 これをきっかけに、“Lost In Music”と“We Are Family”のリミックス・バージョンがシングル発売され、それぞれ全英4位と33位をマーク。時ならぬシスター・スレッジのリバイバル人気に火をつけたのである。
 この絶妙なタイミングでリリースされた“When The Boys Meet The Girls”は全英アルバム・チャートで19位にランク・イン。ファースト・シングルとなった60年代風ポップ・ナンバー“Frankie”は、なんと見事全英ナンバー・ワンに輝いた。
 しかし、本国アメリカでは相変わらずの低調ぶりで、イギリスでは大ヒットしたシングル“Frankie”も全米ポップ・チャートでは最高75位という結果に。そして、映画『アクション・ジャクソン』のサントラ盤へ参加した辺りを最後に、彼女たちはアトランティックとの契約を解かれてしまう。

 その後、地方やヨーロッパでのドサ廻りをメインに細々と活動を続けていたシスター・スレッジ。90年代初頭には、グループの中心的役割を果たしていたキャシーが脱退し、ソロ歌手としての活動に専念することとなった。
 しかし、93年にイギリスで発売されたベスト盤“The Very Best of Sister Sledge”が全英アルバム・チャート19位をマークし、再びリバイバル・ブームが訪れる。ベスト盤からのシングルとしてリリースされた“We Are Family”の最新リミックスは全英5位の大ヒットを記録し、続く“Lost In Music”と“Thinking Of You”のリミックスもそれぞれトップ20に入るヒットに。
 とはいえ、アトランティックを離れてドサ周りを続けていたジョニ、デビー、キムの3人の懐には殆んど印税が入らなかったようで、彼女たちは彼女たちで別にイタリアのインディペンデント・レーベルと契約し、新たにレコーディングし直した“We Are Family”と“Lost In Music”のリメイク・バージョンを直後にリリースしている。
 このリメイク版がヨーロッパでどれほどのセールスを記録したか定かではないものの、どうやらそれなりに好評だったらしく、引き続きオリジナルの新曲“World, Rise & Shine”をリリース。さらに、かつて自分たちがレコーディングする予定だったものの、結果としてシックによって全米ナンバー・ワンとなった“Good Times”まで引っ張り出してきてシングル発売してしまった。ついでに、“And Now...Sledge...Again”というアルバムもリリースしている。
 さらに、97年にアルバム“African Eyes”を、03年にもアルバム“Style”を発表しているが、いずれも成功しているとは言い難い。また、90年代末頃からはヨーロッパ各国でライブ音源が出回り、様々なメーカーから廉価版CDとして発売されている。一応、現在もジョニ、デビー、キムの3人でライブ活動は続けているようだ。

 

アルバム

CIRCLE_OF_LOVE.JPG TOGETHER.JPG WE_ARE_FAMILY.JPG LOVE_SOMEBODY_TODAY.JPG

Circle Of Love (1975)

Together (1977)

We Are Family (1979)

Love Somebody Today (1980)

(P)2007 Atlantic/Wounded Bird (USA) (P)2007 Atlantic/Wounded Bird (USA) (P)1995 Atlantic/Rhino (USA) (P)2007 Atlantic/Wounded Bird (USA)
1,Circle Of Love
  (Caught In The Middle) 3:45
2,Cross My Heart 3:22
3,Protect Our Love 4:13
4,Give In To Love 4:52
5,Love Don't You Go Through  No  Changes On Me 3:24
6,Don't You Miss Him Now 3:16
7,Pain Reliever 3:44
8,You're Much Better Off Loving Me 3:23
9,Fireman 3:40

produced by Tony Silvester & Bert De Coteaux
1,Blockbuster Boy 3:56
2,Do The Funky Do 4:33
3,I Was Made To Love Her (Him) 3:04
4,Hold On To This Feeling 4:02
5,As 4:57
6,Sneaking Sally Through The Alley 3:32
7,Funky Family 4:19
8,Baby, It's The Rain 3:35
9,Can't Mess Around With Love 4:15
10,My Favorite Song 3:46
11,Hands Full Of Nothing 4:05
12,Moondancer 4:17

produced by Michael Kunze & Sylvester Levay
1,He's The Greatest Dancer 6:15 ビデオ
2,Lost In Music 4:53 ビデオ
3,Somebody Loves Me 4:59
4,Thinking Of You 4:31
5,We Are Family 8:24 ビデオ
6,Easier To Love 5:06
7,You're A Friend To Me 5:31
8,One More Time 3:17
bonus tracks
9,We Are Family (Sure Is Pure Remix) 8:04
10,We Are Family
  (Steve Anderson DMC Remix) 8:14
11,Lost In Music (Sure Is Pure Remix)8:38
12,Lost In Music (1984 Bernard Edwards & Nile Rodgers Remix) 6:38

produced by Bernard Edwards & Nile Rodgers.
1,Got To Love Somebody 6:53 ビデオ
2,You Fooled Around 4:28
3,I'm A Good Girl 4:11
4,Easy Street 4:34
5,Reach Your Peak 4:55
6,Pretty Baby 4:03
7,How To Love 4:32
8,Let's Go On Vacation 5:08

produced by Bernard Edwards & Nile Rodgers
 スピナーズばりのポップで軽快なフィリー・ソウル・ナンバー#1で幕を開けるデビュー・アルバム。当時まだ16歳だったキャシーの、超パワフルでファンキーなボーカルに圧倒されます。もちろん、彼女だけでなく姉妹全員の歌唱力、コーラスワーク共に見事。当時から非凡な才能を持ったグループであったことが良く分かります。プロデュースはメイン・イングレディエントを育てたトニー・シルヴェスターとバート・デ・コトーのコンビ。ストリングスを贅沢に使用したフィリー・サウンドが特徴で、なかなか聴き応えのある名盤に仕上がっていると思います。  当時ディスコ・グループ、シルヴァー・コンヴェンションで大当たりを取っていたドイツのプロデューサー・コンビ、ミヒャエル・クンゼとシルヴェスター・リヴェイの手掛けたセカンド・アルバム。シックとのコラボレーションを予感させるような内容で、方向性としては決して間違ってはいないのですが、決定打となるような楽曲に恵まれなかったことが、壊滅的なチャート・アクションへと繋がってしまったのかもしれません。S・ワンダーの名曲をディスコテックにカバーした#5も悪くありませんが、もう少し捻りというか独創性が欲しかったかな。  ジャケットからして、文字通り“シック”色に染め上げられたシスター・スレッジの記念すべき出世作。ディスコ・ファン必携の名盤です。やはり、アルバム・タイトルにも掲げられた大ヒット#5は傑出していると思いますね。出だしは普段よりも控え気味なキャシーのボーカルですが、歌い進むに従って徐々にテンションもヒートアップ、おのずとダンス・フロアの熱気も高まるという演出。姉妹の掛け合いも見事です。個人的には#4も大好き。当時シングル・カットされなかったのが不思議になるくらい、素晴らしいミディアム・グルーヴです。  前作に続いてシックの全面バックアップによって製作された4枚目のアルバム。そのクオリティの高さにも関わらず、アンチ・ディスコの逆風によって不当な過小評価を受けることになってしまった作品です。同時期にエドワーズ&ロジャースの手掛けたダイアナ・ロスのアルバムがミリオン・セラーを記録していることと比較しても、なぜ?という疑問は拭えません。確かに、前作の延長線上にあるというマンネリ感は若干否定できないところではあるんですけどね・・・。ちなみに、一連のスペース・ディスコで有名なメコがサックス奏者として参加しています。

ALL_AMERICAN_GIRLS.JPG THE_SISTERS.JPG BET_CHA_SAY.JPG WHEN_THE_BOYS.JPG

All American Girls (1981)

The Sisters (1982)

Bet Cha Say That To All The Girls (1983)

When The Boys Meet The Girls (1985)

(P)2007 Atlantic/Wounded Bird (USA) (P)2007 Atlantic/Wounded Bird (USA) (P)2007 Atlantic/Wounded Bird (USA) (P)2007 Atlantic/Wounded Bird (USA)
1,All American Girls 4:43 ビデオ
2,He's Just A Runaway 3:57 ビデオ
3,If You Really Want Me 4:38
4,Next Time You'll Know 4:01
5,Happy Feeling 3:39
6,Ooh, You Caught My Heart 4:25
7,Make A Move 3:48
8,Don't You Let Me Lose It 2:53
9,Music Makes Me Feel Good 4:25
10,I Don't Want To Say Goodbye 3:40

produced by Narada Michael Walden
1,Super Bad Sisters 4:38
2,My Guy 3:46
3,Lightfootin' 3:59
4,My Special Way 5:04
5,Grandma 3:51
6,Get You In Our Love 3:53
7,Il Macquillage Lady 3:57
8,Everybody's Friend 4:33
9,All The Man I Need 4:42
10,Jacki's Theme
  : There's No Stopping Us 4:08

produced by Sister Sledge
1,B.Y.O.B. (Bring Your Own Baby) 3:52
2,Lifetime Lover 4:34
3,Once In Your Life 3:49
4,Shake Me Down 4:22
5,Dream On 4:03
6,Let Him Go 3:52
7,Smile 5:14
8,Bet Cha Say That To All The Girls 4:26
9,Gotta Get Back To Love 3:42
10,Thank You For The Party 3:59

produced by George Duke
1,When The Boys Meet The Girls 5:26
2,Dancing On The Jagged Edge 5:45
3,Frankie 4:17
4,You're Fine 5:22
5,Hold Out Poppy 3:56
6,The Boy Most Likely 4:13
7,You Need Me 4:47
8,Following The Leader 5:03
9,Peer Pressure 3:19

produced by Nile Rodgers
 後にホイットニーやマライアのプロデューサーとして有名になるナーラダ・マイケル・ウォルデンと組んだ5枚目のアルバム。ディスコからのイメージ・チェンジを図ろうとしつつ、その方向性をいまひとつ掴みかねているといった印象を受ける作品かもしれません。80年代的なシンセ・ファンクやストレートなポップ・ソウルを聴かせる一方、シングル・カットされた#1は“We Are Family”の焼き直し的なバリバリのディスコ。やはり、一度築いた栄光を捨て去るのは忍びがたいものなのかもしれません。ただ、個々の楽曲は非常に良く出来ています。さすがナーラダといったとこですかね。  姉妹が自らプロデュースを手掛け、当時キャシーと結婚したばかりだったフィリップ・ライトフットもソングライターとして参加。文字通りファミリーの絆を全面に押し出したアルバムといったところでしょうか。しかし、皮肉なことにと申しますか、残念ながら彼女たちにとって最も地味で焦点の定まらない作品となってしまいました。ファースト・シングル#2がメアリー・ウェルズのカバー、セカンド#9がリンダ・クリフォードのカバーですからね。楽曲の弱さがおのずと知れてしまうところ。全米アルバム・チャート69位、R&Bアルバム・チャート17位は、逆に健闘だったと思います。  前作のセールスをさらに大きく下回るという惨敗を喫してしまった作品。ところが何を隠そう、これがなかなか良く出来たポップ・ソウル・アルバムに仕上がっているんですよ。プロデューサーは、ジャズからブラジル、R&Bまで幅広い音楽性を誇る大物ジョージ・デューク。ダンサンブルなシンセ・ファンク#1から、超ファンキーなパーティー・チューン#4、メロウかつドリーミーなバラード#5に至るまで、彼のストレートかつアーバンなポップセンスが十二分に生かされたキャッチーな出来栄え。僕自身、当時かなり聴き込んだ記憶があります。なお、アル・ジャロウがラップで参加してます。  これは当時ハマりまくったアルバムですね〜。本当、大好きでした。5年ぶりにナイル・ロジャースと組んだわけですが、当時のロジャースはマドンナの“Like A Virgin”で大成功を収めたばかり。本作でもマドンナっぽさはチラホラと散見されるものの、より60'sリバイバル的なカラーでまとめられているように思います。その象徴とも言えるのが、ノスタルジックで甘酸っぱいオールディーズ風ポップ・ナンバー#3。これは後期シスター・スレッジを代表する名曲です。もちろん、ブレイク・ダンス風の#2やエレクトリカルなテクノ・ポップ#5のような、80'sサウンドも盛りだくさん。

REMIXED_HITS.JPG

Remixed Super Dance Hits (2001)

(P)2001 Hypnotic Records (USA)
1,Everybody Dance
  (Chemical Slim Mix) 4:54
2,We Are Family (Da' Funked Mix) 4:20
3,Thinking Of You (Glip Hop Mix) 4:05
4,He's The Greatest Dancer
  (Super Star Mix)
5,Frankie (DJ Peebles Mix) 4:59
6,We Are Family (Good Time Mix) 4:13
7,He's The Greatest Dancer
  (Interface Mix)
8,Lost In Music
  (Groove Amanda Mix) 4:18
9,True Love (Ibiza Mix) 4:07
10,Lost In Music (High Life Mix)

#1,6,7,10 remixed by Julian Synne
#2,3,4,8,9 remixed by Julian Beeston
#5 remixed by Peebles De'Young
 往年の人気スターのセルフ・リメイクや、PD音源の勝手なリミックスを数多くリリースしているインディーズ・レーベルから発売されたリミックス・アルバム。ボーカル音源はキャシー脱退後のレコーディング、しかも廉価版として出回っているライブ音源を使用している模様。なので、どれも半ばダブみたいな仕上がりです。そりゃ、フルで使用すると違和感アリアリですもんね(笑)しかし、リミックスそのものはなかなか手堅い出来栄え。シックのカバーをファンキーなトリップ・ホップとして仕上げた#1を筆頭に、どれも実験性の高いクールなミックス。これはこれで悪くないですよ。

 

マキシ・シングル

BYOB.JPG FRANKIE.JPG WHEN_THE_BOYS_REMIX.JPG DANCING_ON.JPG

B.Y.O.B. (Bring Your Own Baby) (1983)

Frankie (1985)

When The Boys Meet The Girls (1985)

Dancing On The Jagged Edge (1985)

(P)1983 Cotillion/Atlantic (USA) (P)1985 Atlantic (USA) (P)1985 Atlantic/WEA (UK) (P)1985 Atlantic/WEA (UK)
A side
1,B.Y.O.B. (Bring Your Own Baby)
  (Special Disco Mix/Long Version) 6:43
B side
1,B.Y.O.B. (Bring Your Own Baby)
  (Short Version) 3:50

produced by George Duke
A side
1,Frankie (Vocal/Club Mix) 6:18
B side
1,Frankie (Dub Mix) 5:09
2,Hold Out Poppy 3:57

produced by Nile Rodgers
A side
1,When The Boys Meet The Girls
 (Remix) 6:20 *
B side
1,The Boy Most Likely 4:10

produced by Nile Rodgers
* remixed by Alan Coulthard
A side
1,Dancing On The Jagged Edge
 (Full Length Version) 5:44
B side
1,You Needed Me 4:43
2,Dancing On The Jagged Edge
  (Dub Mix) 6:35

produced by Nile Rodgers
 当時はR&Bチャートで最高22位にランクされただけで消えてしまったシングル。いかにも80年代的なアーバン・シンセ・ファンクといった感じですが、なかなかキャッチーで悪くないナンバーでした。ただ、この12インチ・バージョンはイマイチな仕上がり。変にダンス・フロアのトレンドを意識しすぎて、楽曲の本来持っている魅力が失われてしまっています。  アメリカでは全く奮わなかったものの、イギリスでは見事にナンバー・ワンを獲得した大ヒット曲。60年代ガールズ・ポップス風のノスタルジックな甘酸っぱさが魅力で、当時高校生だったボクにとっても大のお気に入りナンバーでした。12インチ・バージョンはクラブ・ミックスと銘打っているものの、基本的にはアルバムのエクステンデッド。この場合は大正解です。  アルバム・タイトルにもなったキャッチーでダンサンブルなポップ・ナンバー。ブレイク・ダンス・スタイルのエレクトリックなサウンドながら、60年代のモータウン・サウンド辺りを思わせる懐かしさとハッピーな明るさが魅力の作品ですね。リミックスにはDMCの人気DJ、アラン・コールタード。あくまでもオリジナル・ミックスを生かした、素直なミックスに仕上がっています。  こちらはUKチャート50位止まりだったブレイク・ダンス風のファンク・ナンバー。とはいえ、意外とポップで明るい仕上がりです。A面はアルバム・バージョンそのまんま。一応、ここでの目玉はB面#2のダブ・ミックスなのでしょうが、こちらもカラオケ・バージョンの延長線といった感じで、特に面白味があるわけでもなく。やっぱ、お金かけられなかったんですかね(笑)?

WE_ARE_FAMILY_REMAKE.JPG LOST_IN_MUSIC_REMAKE.JPG WORLD_RISE_AND_SHINE.JPG GOOD_TIMES.JPG

We Are Family (1993)

Lost In Music (1993)

World, Rise & Shine (1993)

Good Times (1993)

(P)1993 Dance Factory (Holland) (P)1993 Dance Factory (Holland) (P)1993 New Music (Italy) (P)1993 New Music (Italy)
side 1
1,We Are Family
  (Special New R.E.M.I.X.) 6:40
2,We Are Family
  (Radio Edit) 3:40
side 2
1,Want Your Love
  (Extended Version) 7:32

produced by Pippo Landro
side 1
1,Lost In Music
(Special Extended Remixed Version) 8:08
side 2
1,Lost In Music (Radio Edit) 3:25
2,Good Times (Extended Version) 5:20 *

produced by Pippo Landro
* mixed by F.P.I. Project
side A
1,World, Rise & Shine
  (Extended Mix) 4:42
2,World, Rise & Shine (Radio Edit) 3:39
side B
1,I Want Your Love (Radio Edit) 4:36
2,I Want Your Love
  (Extended Mix) 7:28

side A produced by J.P. "Bluey" Maunick and Richard Bull.
side B produced by Mozart
side A
1,Good Times
  (White, Red & Green Mix)6:00
2,Good Times (Mano Dub) 3:40
side B
1,Good Times (Aggressive Mix) 3:34
2,Get A Life 4:21

produced by Pippo Landro
remixed by Angelino Albanese
 折からのリバイバル人気に便乗する形で、キャシー脱退後の姉妹がイタリアでレコーディングしたリメイク・バージョン。リード・ボーカルを誰が取っているのかは分かりませんが、キャシーのボーカルを忠実に再現した熱唱は努力賞もの。姉妹のコーラス・ワークも相変わらずですが、いかんせんバック・トラックがチープ過ぎ。思い切り手抜きをしたイタロ・ハウスといった感じでしょうか。B面はシックのカバーですが、タイトル表記が・・・(笑)  こちらもイタリアで製作されたリメイク・バージョン。“We Are Family”よりは多少お金がかかっているものの、やはり原曲の完成度と比べてしまうと安っぽい印象は否めませんね。ちなみに、プロデューサーのピッポ・ランドロはB級イタロ・ハウスを数多く世に送り出した人で、当時はグロリア・ゲイナーなんかも手掛けてました。B面#2では、やはり当時活躍していたイタロ・ハウス・ユニット、F.P.I.プロジェクトが参加しています。  姉妹にとっては久々の新曲となったシングル。プロデュースはインコグニートのブルーイとリチャードの二人です。彼ららしい、程よくジャジーでスタイリッシュなアーバンUKソウルといった感じで、とてもお洒落な出来栄え。一方、シックをカバーしたB面ですが、こちらもアシッド・ジャズ・スタイルのディープなUKハウスに仕上がっています。ただ、本当にそのまんまインコグニートっぽくしましたという印象なので、あまり面白味はないかも。  さてさて、こちらはもともと79年当時に彼女たちが歌う予定だったものの、“He's The Greatest Dancer”との交換でシックが歌って大ヒットしたナンバー。一応、満を持してのカバーということになるのでしょうか(笑)?リミックスを手掛けたのはスエニョ・ラティーノのプロデューサーとしても知られるアンジェリーノ・アルバネーゼ。ドライブ感のあるファンキーなアシッド・ジャズに仕上がっており、なかなか悪くありません。

WE_ARE_FAMILY_REMIX.JPG LOST_IN_MUSIC_REMIX.JPG THINKING_OF_YOU_REMIX.JPG

We Are Family '93 Mixes

Lost In Music (1993)

Thinking Of You '93 Mixes

(P)1993 Atlantic/Warner (UK) (P)1993 Atlantic/Warner (UK) (P)1993 Atlantic/Warner (UK)
1,Sure Is Pure Remix Edit 3:58
2,Original Version 3:25
3,Sure Is Pure Remix 8:02
4,Steve Anderson DMC Remix 8:10

produced by Bernard Edwards & Nile Rodgers
#1&3 remixed by Sure Is Pure
#4 remixed by Steve Anderson
1,Sure Is Pure Remix Edit 3:57
2,Original Version 4:39
3,Nile Rodgers 1984 Remix 6:39
4,Sure Is Pure Remix 8:36
5,Philip Kelsey DMC Mix 7:49

produced by Bernard Edwards & Nile Rodgers
#1&4 remixed by Sure Is Pure
#3 remixed by Nile Rodgers
#5 remixed by Philip Kelsey
1,Ramp Radio Remix 3:58
2,Original 4:21
3,Ramp Club Mix 7:30
4,Original Re-Touch 4:58
5,Ramp Hard Mix 7:18
6,Conversion Mix 6:46

produced by Bernard Edwards & Nile Rodgers
#1,3,5 remixed by Ramp
#4 &6 remixed by Dave Lee & Andrew Livingstone
 当時ビザール・インクやインナー・シティなどのリミックスを手掛けて頭角を現しつつあったDJユニット、シュア・イズ・ピュアを迎えて製作されたリミックス・バージョン。ファンキーなカッティング・ギターとグルーヴィーなベースラインがとてもカッコよく、フロア映えのする派手なガラージ・ハウスに仕上がっています。一方、アリソン・ライムリックで知られるスティーヴ・アンダーソンの手掛けた#4は正統派のUKガラージという印象ですね。  “We Are Family”リミックスの大成功を受けて発売された“Lost In Music”のリミックス。再びシュア・イズ・ピュアが担当していますが、基本的には前作と似たような仕上がりで、可もなく不可もなくといったところでしょうか。逆に、当時イレイジャーやダニー・ミノーグのリミックスで注目を浴びていたフィル・ケルシーによる、キャッチーで煌びやかなポップ・ハウス・ミックス#5の方が、原曲の良さを120%生かしたナイスな仕事だと思います。  79年当時はシングル・カットされなかったものの、後にUKチャートで大ヒットしたメロウ・ディスコの傑作。こちらは、当時ボーイ・ジョージやデイヴ・スチュアートのリミックスで注目されていたDJユニット、ランプの手掛けたリミックス。ワリとオーソドックスなUKガラージです。一方、ディスコ・ハウスならお手のもののD・リーとA・リヴィングストンによる#6は、彼ららしいアーバンな仕上がり。オリジナルを再現した#4も悪くありません。

 

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