シーナ・イーストン Sheena Easton
80年代を代表するポップ・クィーン
デビュー当初は、何とも垢抜けないイモねえちゃんだった。確かに顔は美人だけど、田舎から出てきたばっかりです!って感じのショート・ヘアが妙に野暮ったい。ついでに歌もダサかった。当時はディスコ・ブームが終焉を迎えて、テクノやシンセ・ポップが台頭し始めた頃。そんな時代に、70年代歌謡ポップスの名残りを残した“Modern
Girl”や“Morning Train(9 to
5)”はちょっと古臭く聴こえたもんだった。
それが作品を重ねるごとに洗練され、時代の空気をしっかりと吸収し、いつの間にか80年代を代表するポップ・クィーンへと成長して行った。特に、“Sugar
Walls”に始まるプリンス殿下とのコラボレーションは、彼女を単なるポップス歌手から一人前のアーティストへと大きく飛躍させたと言っても過言ではないと思う。いち早くダンス・ミュージックのトレンドを取り入れ、セックス・シンボル的なイメージを確立して行ったのは賢明だった。あれだけの美貌に恵まれているのだから、それをアーティスト・イメージとして活用しない手はないだろう。
歌い手としてのシーナ・イーストンを一言で表すならば、まさに“努力家”という言葉が最も相応しいだろう。プロの歌手としての強い誇りを持った人であり、どちらかというと不器用なタイプの人だと思う。ゆえに、彼女のコンサートは非常にシンプルな構成である場合が多い。余計な演出を一切排して、歌だけに集中する。見せるステージよりも聴かせるステージ、というのが彼女のポリシーだと思われる。
ちなみに、1984年の来日で出演した「夜のヒットスタジオ」。次から次へと登場するアイドル歌手の下手っクソな歌に、明らかに不機嫌そうな顔をしているシーナ。そこへ登場した大ベテラン、欧陽菲菲が名曲「ラブ・イズ・オーバー」を歌い始めると、文字通り目の色を変えて身を乗り出し、“こういう歌を待ってたのよ!”と言わんばかりに興奮して拍手を送る姿がとても印象的だった。
1959年4月27日、スコットランドのベルスヒルに生まれたシーナは、本名をシーナ・シャーリー・オーという。6人兄弟の末っ子で、10歳の時に父親を亡くしている。15歳の時に見た映画「追憶」('74)のバーブラ・ストレイサンドに強い影響を受け、歌手を志してグラスゴーの王立スコットランド音楽演劇アカデミーに入学した。昼間は学校に通い、夜はバンド“サムシング・エルズ”のメンバーとしてクラブのステージに立っていたという。
20歳でサンディ・イーストンという若者と結婚したシーナに、願ってもない大きなチャンスが訪れる。それはBBCが企画したドキュメンタリー番組“The
Big
Time”。歌手を目指す無名の女性がレコード・デビューを果たすまでを追うという、今で言うところの“リアリティ番組”で、その無名の女性としてシーナが選ばれたのだった。
こうして、シーナは1980年にシングル“Modern
Girl”でデビュー。当初はUKチャートで最高56位と全く振るわなかったが、BBCでドキュメンタリー番組が放送されるやいなや大反響を呼び、セカンド・シングルの“Morning
Train (9 50 5)”が全英3位の大ヒットを記録し、アメリカでも全米ナンバー・ワンに輝いた。さらに“Modern
Girl”も再びチャート・インし、最高8位まで上り詰めてしまった。
翌年には映画「007/ユア・アイズ・オンリー」のテーマ曲“For Your Eyes
Only”が全英8位、全米4位の大ヒットとなり、オープニング・シーンではシーナ自身も登場して話題を呼んだ。007シリーズで、テーマ曲を歌う歌手がスクリーンに登場したのはこれが初めて。しかし、古臭いタイプの彼女の曲はまたたく間に飽きられてしまい、その後しばらくは全くヒットに恵まれなくなってしまう。
そんな彼女の転機となったのは、1983年にリリースしたシングル“Telefone(Long
Distance Love
Affair)”。シンセサイザーを多用したキャッチーなダンス・ポップ・ナンバーで、彼女としては初めて12インチ・シングルのダンス・リミックスも制作した。これが全米9位のヒットを記録したことで、彼女は進むべき方向性を見定めることになる。
翌年にリリースされたアルバム“A
Private
Heaven”はダンス・ポップ、シンセ・ファンク路線を全面に押し出した作品で、彼女にとってアメリカにおける最大のセールスを記録することとなった。シングルも“Strut”が全米7位、プリンス殿下と組んだ“Sugar
Walls”が全米9位と好調で、シーナは押しも押されぬトップ・スターとなった。ちなみに、イギリス人のアーティストがアメリカで成功を続けると、本国ではそっぽ向かれるようになってしまうというのは英国音楽界の伝統みたいなもので、シーナもその運命を免れることはできなかったようだ。この時期から、イギリスでは全くヒットが出なくなってしまう。
80年代はヒット・チャートの上で女性が台頭した時代とされているが、それでも当時は女性アーティストがヒット曲を出し続けるのはまだまだ困難で、アーティスト生命も2〜3年持てば立派というような状況だった。そうした中で、シーナはコンスタントにヒット曲を出せる数少ない女性アーティストの一人だったと言えるだろう。
しかし、85年にリリースしたシングル“Do
It For Love”が全米29位と予想外の不調で、アルバム“Do You”もセールス的に伸び悩んだ。さらに、86年の映画主題歌“So Far So
Good”も最高43位と絶不調。87年にリリースされたシングル“Eternity”は遂にチャート・インすら出来ず、アルバム“No Sound But A
Heart”は発売中止に追い込まれてしまった。
この時期のシーナのあからさまな不調は、やはりダンス路線からオーソドックスなポップス路線への変更を図ったことが原因と考えていいだろう。少なくとも、アメリカのリスナーは優等生的なシーナ・イーストンを求めてはいなかったようだ。その証拠に、プリンス殿下と組んで出したシングル“U
Got The
Look”は全米2位を記録している。
ちなみに、デビュー当初からシーナ人気が根強かった日本では相変わらず好調なセールスを記録し、アメリカで発売中止となった“No
Sound But A Heart”も日本では正式にリリースされている。
こうして、古巣であるEMIレコードを解雇されてしまったシーナは、1988年にMCAレコードからシングル“The Lover In
Me”をリリース。当時注目を集めていたプロデューサー・チーム、L・A・リード&ベビーフェイスを迎え、ダンス・ミュージック・シーンの最新トレンドであるニュー・ジャック・スウィングに挑戦したこのシングルは全米2位の大ヒットを記録。イギリスでも最高15位まで駆け上がり、シーナはまさに不死鳥の如くヒット・チャートに甦った。ビジュアル的にもよりセックス・アピールを強く押し出し、セクシーなダンスを披露したスタイリッシュなプロモ・ビデオも好評だった。同名アルバム“The
Lover In Me”からは他にも3曲がシングル・カットされ、シーナ・イーストンの完全復活を強く印象付けた。
しかし、翌年のアルバム“What
Comes Naturally”がセールス的に失敗。シングル“What Comes
Naturally”は最高19位と何とか健闘したが、その後のヒットが続かなかった。これを最後に、シーナはMCAレコードとの契約が切れてしまう。前作で確立したニュー・ジャック・スウィング路線を踏襲するまでは良かったが、その次への展開が全く見えてこなかったのが敗因だったのかもしれない。
その後、日本のMCAジャパンと直接契約を結んだシーナは、主に日本マーケット向けに作品をリリースするようになる。やはり日本人はシーナ・イーストンが大好きだった。彼女にとって日本市場は安定した収入源だったのだが、残念ながらアーティストとしてのシーナ・イーストンの魅力は確実に失われていってしまったように思う。
ボク自身にとっても、もうシーナ・イーストンは終わってしまった・・・と思っていた矢先、ユニヴァーサル・ミュージックと新たに契約を結んだシーナは、2001年にディスコ・カバー・アルバム“Fabulous”をリリースした。実に10年ぶりの世界マーケット向け作品である。ファースト・シングルとなったのは、スリー・ディグリーズの往年のディスコ・ヒット“Giving
Up Givinh
In”のカバー。明らかにゲイ・ディスコ・マーケットを意識した作品で、シーナ・イーストン久々のダンス・ナンバーとしてファンの注目を集めたが、残念ながらヒットには至らなかった。ゲイ・ディーバとしては、幾つになってもお人形さんのようなシーナ・イーストンは線が細すぎたのかもしれない。
その後、ポップ・スターとしての活動に見切りをつけたのか、シーナは主にラス・ヴェガスのディナー・ショーなどを中心に活動を続けている。一時期は女優活動を行っていたこともあるが、そちらも残念ながら不発だった。既に40代後半を迎えたシーナ・イーストンだが、どうしてもついて回るアイドル・スター的イメージをいかに払拭するかが、今後の活動の大きな鍵になってくるだろうと思う。
You Could Have Been With Me
(1981) Madness, Money & Music
(1982) Best Kept Secret
(1983) A Private Heaven
(1984)
(P)2000 One Way/EMI (USA)
(P)2000 One Way/EMI (USA)
(P)2000 One Way/EMI (USA)
(P)2000 One Way/EMI
(USA)
1,A Little Tenderness
2,You Could
Have Been With Me
3,Just Another Heartache ビデオ
4,I'm Not
Worth The Hurt
5,Savoir Affair
6,A Letter From Joey
7,Telephone
Lines
8,Johnny
9,Trouble In The Shadows
10,When He
Shines
bonus tracks
11,Isn't It So
12,For Your Eyes Only ビデオ
13,No One
Ever Knows
produced by Christopher Neil1,Machinery ビデオ
2,Weekend In
Paris
3,I Wouldn't Beg For Water
4,Are You Man Enough ビデオ
5,Ice Out In
The Rain ビデオ
6,Madness,
Money And Music
7,The Wind Beneath My Wings ビデオ
8,There When
I Needed You
9,In The Winter
10,You Do It
bonus tracks
11,Some
Of Us Will
12,Loner
13,So We Say Goodbye
produced by
Christopher Neil1,Telefone (Long Distance Love
Affair) ビデオ
2,i Like The
Fright
3,Almost Over You
4,Devil In A Fast Car
5,Don't Leave Me
This Way
6,Let Sleeping Dogs Lie
7,(She's In Love) With Her
Radio
8,Just One Smile
9,Sweet Talk
10,Best Kept Man
bonus
tracks
11,Telefone (Long Distance Love Affair)(Extended)
12,Wish You
Were Here Tonight
13,I Don't Need Your Word
14,We've Got Tonight
(duet with Kenny Rogers)
15,Telefone (Long Distance Love
Affair)
(Dance Mix)1,Strut ビデオ
2,Sugar
Walls ビデオ
3,Hungry
Eyes
4,It's Hard To Say It's Over ビデオ
5,Swear ビデオ
6,Love And
Affection
7,Back In The City ビデオ
8,You Make Me
Nervous
9,All By Myself
10,Double Standard
bonus
tracks
11,Sugar Walls (Dance Mix)
12,Letters From The
Road
13,Straight Talking
14,Strut (Dance Mix)
15,Swear (Dub
Mix)
16,Sugar Walls (Red Mix)
produced by Greg
Mathieson
except #2 by Alexander Nevermind (Prince)
デビュー・アルバムの大ヒットを受けてリリースされたセカンド。しかし、セールス的には伸び悩んで、日本でのみ大ヒットしました。確かに、アルバムとしては凡作ですね。#1と#2、#3がシングル・カットされましたが、どれも中庸なポップ・ナンバーで全く印象に残らず。じゃ、何で持ってるんだよ!?と突っ込まれそうですが、ボーナス・トラックの007主題歌#12が大好きなんですね。これは名曲です。
彼女が最初にアーティスティックな成長を遂げたのは、このアルバムだと個人的に思ってます。とてもよく出来たポップ・アルバム。テクノ・ポップを意識したシングル#1もキャッチーでカッコいいし、UK盤ではオープニングに使われていたドラマチックなロック・バラード#2も佳曲。ジャニス・イアンのカバー#9も素晴らしい出来だし、トータルで非常にバランスの良い作品です。オリヴィアの「フィジカル」にも匹敵する名盤。
前作よりもさらにダンス・ポップ路線を強めたアルバム。トータルの完成度では前作に遠く及ばないものの、セールス的には好調でした。ファースト・シングル#1はヒット・ポテンシャルの高い作品ですが、個人的には次のシングル#3の方が断然好き。とても美しいバラードです。このリマスター盤CDはボーナス・トラックが充実していて、一時期はとんでもないプレミアのついていた12インチ・バージョンも収録されています。
シーナの転機となったアルバムであり、彼女の最高傑作と呼んでいい1枚でしょう。プリンスと組んだ#2は勿論のこと、ファースト・シングルとなった#1や日本でのみシングル・カットされた#3など、今聴いても古さをあまり感じさせないハード・エッジなサウンド・プロダクションは文句なしにカッコいいです。アルバム・トラックも、ラテン風味のアーバン・ディスコ#7やテクノ・ポップの佳作#10など、甲乙つけ難い佳作ばかり。
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Strut (1984) |
Sugar Walls (1984) |
Swear (1984) |
Do It For Love (1985) |
(P)1984 EMI America (USA) | (P)1984 EMI America (USA) | (P)1984 EMI America (USA) | (P)1985 EMI (UK) |
Side 1 Strut (Dance Mix) 5:56 # Side 2 Letters From The Road produced by Greg Mathieson # remixed by Rusty Garner & Greg Mathieson. |
Side 1 Sugar Walls (Dance Mix) 7:01 Side 2 Sugar Walls (Red Mix) 5:26 produced by Greg Mathieson & Alexander Nevermind remixed by Rusty Garner & Greg Mathieson |
Side 1 Swear (Dance Mix) 5:30 Side 2 Swear (Dub Mix) 3:40 produced by Greg Mathieson remixed by Rusty Garner & Greg Mathieson. |
Side 1 1.Do It For Love (Extended Dance Mix) 7:01ビデオ Side 2 1,Can't Wait Till Tomorrow (Dance Mix) 5:21 2,Do It For Love (Instrumental Mix) 4:46 produced by Nile Rodgers |
優等生的なイメージで売っていたシーナが、初めてストリート感のあるダンス・ナンバーに挑んだ作品。Pファンクを思わせるハードなサウンド・プロダクションがむちゃくちゃカッコいいです。プロデュースのグレッグ・マシソンは、トニー・バジルの「ミッキー」で名を上げた人で、ヘヴィーで硬質なドラムや派手なホーン・セクションなんか彼らしい感じ。リミックスのラスティ・ガーナーも、「ネバー・エンディング・ストーリー」などで当時売れっ子でした。 | 天下のプリンス殿下がアレクサンダー・ネヴァーマインドの変名で作曲し、プロデュースにも参加したシングル。殿下らしいエロ・ファンキーなダンス・ナンバーです。歌詞の内容もかなり卑猥で、シーナにとっては初めて放送禁止扱いされてしまった曲でもあります。といっても、そのものズバリな表現があるわけじゃないですけどね。この12インチは基本的にエクステンデッド的な仕上がりで、B面のレッド・ミックスはダブです。 | シーナが初めてラップに挑戦した作品。といっても、ヒップ・ホップではなく、Pファンクとハード・ロックを足したような感じの派手なダンス・ナンバーです。全米チャートでは最高80位と奮いませんでしたが、個人的には結構好きな曲。こちらの12インチもエクステンデッド・バージョンですが、アルバム・バージョンではエディットされてしまった派手なエフェクト・パートが存分に楽しめます。 | 当時マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」を大成功させたばかりの、シックのナイル・ロジャースをプロデュースに迎えたシングル。前作のセックス・シンボル的イメージから一転、もとのポップ・アイドル路線に逆戻りしてしまった作品です。ちょっとノスタルジックなムードのダンス・ポップですが、品が良すぎて物足りない感じですね。個人的には、当時のシスター・スレッジっぽい雰囲気のアーバン・ダンス・ポップに仕上がったB面ソングの方が好きかな。 |
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So Far So Good (1986) |
Eternity (1987) |
The Lover In Me (1988) |
The Lover In Me (1988) |
(P)1986 EMI America (USA) | (P)1987 EMI America (USA) | (P)1988 MCA Records (USA) | (P)1988 MCA Records (USA) |
Side 1 ビデオ |
Side 1 1,Eternity (Shep Pettibone Mix) 5:27 2,Eternity (Single Version) 3:50 Side 2 1,Eternity (Dub) 6:16 2,Shockwave 5:43 produced by David Leonard. remixed by Shep Pettibone |
1,No Deposit, No Return 2,The Lover In Me ビデオ 3,Follow My Rainbow 4,Without You 5,If It's Meant To Last 6,Days Like This ビデオ 7,One Love 8,101 ビデオ 9,Cool Love 10,Fire And Rain produced by L.A.Reid & Babyface, Angela Winbush, Jellybean, Prince. |
Side 1 1,The Lover In Me (Extended Version) 6:59 Side 2 1,The Lover In Me (Radio Edit) 5:20 2,The Lover In Me (Instrumental) 6:59 produced by L.A. Reid & Babyface remixed by Louil Silas, Jr. |
ロブ・ロウ、デミ・ムーア主演の青春映画「きのうの夜は・・・」の主題歌となったシングル。ナーラダ・マイケル・ウォルデンのプロデュースで、まるで当時のホイットニー・ヒューストンみたいな健康的ジャンプ・ナンバーに仕上がっています。キャッチーだし、爽やかだし、決して悪くはないんだけど・・・ってな感じの作品です。12インチ・バージョンも、ディスコで踊るにはちょっとどうなのよ・・・といった出来映えだし。 | 当時マドンナのビジネス・パートナーだったデヴィッド・レオナードをプロデュースに迎えた12インチ・シングル。てか、よく考えると当時のシーナって、マドンナの2番煎じばかりしてたんですね。大御所シェップ・ペティボーンをリミックスに迎えながら、ぶっちゃけダンス・ナンバーじゃないんですよ、これ。中庸なミディアム・ポップ。余りにも売れなかった為に、瞬く間に市場から消えたシングルですが、ある意味納得。 | シーナが見事に完全復活を遂げた大ヒット・アルバム。その豪華なプロデューサー陣の顔ぶれを見ただけでも売れなきゃ嘘でしょ!?って感じですね。特に、当時R&Bシーンで注目を集めていた黒人女性アーティスト、アンジェラ・ウィンブッシュ(元ルネ&アンジェラ)の起用はとても興味深いですね。#7と#8をプリンス殿下が手掛けているのも安心できます。シーナ流のブラック・コンテンポラリーを聴かせてくれる秀作。 | ペブルスやポーラ・アブドゥルの大ヒットで当時注目を集めていたプロデューサー・チーム、L・A・リード&ベビーフェイスと組んだシングルで、ダンス・ミュージックの一大ムーブメントとして台頭しつつあったニュージャック・スウィング路線を取り入れた作品。エレガントでセクシーなダンス・ナンバーといった仕上がりで、大人のセックス・シンボル的イメージを上手く演出出来ていますね。佳作です。 |
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No Deposit, No Return (1988) |
101 (1988) |
Days Like This (1988) |
What Comes Naturally (1991) |
(P)1988 MCA Records (USA) | (P)1989 MCA Records (USA) | (P)1989 MCA Records (USA) | (P)1991 MCA Records (USA) |
Side 1 |
Side 1 1,101 (Def House Mix/Extended Club Version)7:56 Side 2 1,101 (Uptown Version) 8:20 produced by Prince side 1 remixed by David Morales. |
Side 1 1,Days Like This (Extended Version) 8:35 Side 2 1,Days Like This (Radio Edit) 6:15 2,Days Like This (Extended Instrumental) 8:35 3,Days Like This (Percussapella) 6:15 4,Days Like This (Bonus Beats) 5;12 produced by L.A.Reid & Babyface remixed by Louil Silas Jr. |
1,What Comes Naturally ビデオ 2,If You Wanna Keep Me 3,You Can Swing It ビデオ 4,The First Touch Of Love 5,Forever Friends 6,The Next Time 7,Manic Panic 8,Somebody 9,Time Bomb 10,Half A Heart 11,To Anyone produced by Denny Diante & Nick Mundy, Vassal Benford, Wolf & Epic, Ian Prince, Oliver Leiber, David Frank, Rick Wake |
アルバム“The Lover In Me”の中でも、個人的に一番好きだったのがこの曲です。よりファンク色の強い派手な作品で、バーレスク・ショウなんかお似合いな感じの程良いお下品さがとても好み。アーンッ!ってHなコーラスが萌えるのなんのって(笑)。この12インチ・バージョンも、ゴージャス感バリバリなサウンド・エフェクトで遊びまくってて、むちゃくちゃ聴き応えあります。 | プリンスが作曲・プロデュースを手掛けたシングル。アルバム・バージョンはどうもピンと来なかったのですが、この12インチ・シングルは最高に素晴らしい出来映えです。まずSide 1のモラレス・ミックスはディープでグルーヴィー。当時のモラレスらしいアンダーグラウンドなハウス・ミックスですね。一方のプリンスによるSide 2は、ハードでミニマルなディープ・ハウスに仕上がってます。 | ペブルスの“Girlfirlend”を思わせる、ちょっとアンニュイでフェミニンな感じのエレクトロ・ファンクです。リミックスを手掛けるのは、当時MCAのお抱えミキサー的存在だったルイル・サイラス・ジュニア。普段はシンプルで手堅いミックスをする人ですが、ここでは随所に手の込んだ遊びを盛り込んでいて、とてもユニークな音を聞かせてくれるのが意外です。 | 前作の路線をそのまま踏襲したアルバムですが、全く進歩がないために2番煎じにしか聴こえない作品となってしまいました。全体的に楽曲も地味めな印象です。プロデューサー陣は当時の売れっ子や新進どころをズラリと揃えているものの、こちらもいま一つパッとしない面子ばかり。前作でL・A・リード&ベビーフェイスと組んで、今回はオリヴァー・レイバーという安易な人選も×。 |
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What Comes Naturally (1991) |
What Comes Naturally - Remix (1991) |
You Can Swing It (1991) |
Modern Girl '97 (1996) |
(P)1991 MCA Records (Japan) | (P)1991 MCA Records (UK) | (P)1991 MCA Records (USA) | (P)1996 SkyJay/MCA (Japan) |
1,What Comes Naturally (Radio Edit)
5:00 2,What Comes Naturally (Extended Club Version) 8:07 produced by Denny Diante & Nick Mundy remixed by Louil Silas Jr. |
Side 1 1,What Comes Naturally (Naturally Underground Mix) 8:28 Side 2 1,101 (Red Zone Mix) 4:50 # produced by Denny Diante & Nick Mundy remixed by Arthur Baker # produced by Prince # remixed by David Morales |
Side 1 1,You Can Swing It (Extended Club Version) 6:11 Side 2 1,You Can Swing It (Swingstrumental) 4:07 produced by Wolf & Epic. remixed by Wolf & Epic |
1,Album Version 2,Dance Edit 3,Instrumental produced by Denny Diante & Clif Magness |
80年代末にMCAからデビューした女性シンガー、ジーナ・ゴー・ゴーが作曲を担当し、彼女のクリエイター・チームがプロデュースを手掛けたシングル。どちらのバージョンも、アルバム・バージョンよりストリート感を強調したサウンド・プロダクションで、これはこれでカッコいい出来映え。ただ、“The Lover In Me”と余りにもソックリ。安全パイを狙いすぎたような印象ですね。 | イギリスではニュージャックがあまりブレイクしなかったせいか、US盤ではB面扱いだったアーサー・ベイカーのハウス・ミックスがA面収録されています。出来映えとしては可もなく不可もなく。ファン注目はB面かも。アメリカではプロモ盤のみに収録されていたモラレスのハウス・ダブ。完全なインストものですが、グルグルとサイケな仕上がりで、かなりカッコいいです。 | 場末のストリップティーズを思わせるような下世話さがむちゃくちゃカッコいい、シーナの隠れた名曲がコイツです。まさにエロ!って感じ(笑)。アルバム・バージョンはパッとしませんでしたが、ほど良くジャジーな味付けを施したリミックスは最高の出来映え。プロデュースとリミックスを手掛けたウルフ&エピックは、シールの名曲“Crazy”のリミックスを手掛けたコンビです。 | 中古CD屋の新品未開封100円セール・コーナーに入ってたんで、ついつい買ってしまいました(笑)。ん〜、何と言ったらいいんでしょうかね。何かよっぽどの事情がない限りは、この手のアップデート・リメイク盤というのはオリジナルを超えることが出来ないんですよ。お金のためにしか作ってないですからね。本作もその例に漏れず。そもそも、原曲自体が大したことないし。 |
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Giving Up Giving In (2000) |
(P)2000 Universal (UK) |
1,Radio Edit 3:50 ビデオ 2,Sleaze Sisters Remix 7:44 3,Joey Negro Club Mix 8:16 produced by Ian Masterson & Terry Ronald. #2 remixed by DJ Peter Martine & Porl Young. #3 remixed by Dave Lee. |
すっかりポップ・チャートを遠ざかってしまったシーナが、クラブ・シーンを中心として音楽界に多大な影響力のあるゲイ・マーケットを狙って復活を賭けたシングルですね。後期スリー・ディグリーズのカバーという辺りはツボを心得ているものの、線の細いシーナはゲイ・ディーバには役不足だったかもしれません。それにしても、すっかりオバサン声になってしまったボーカルの変りようにはビックリしました。 |