ウラジミール・シャインスキー Vladimir Shainskiy
哀しくも愛らしい「チェブラーシカ」の調べ
日本でもすっかり御馴染みになったロシアの人形アニメ「チェブラーシカ」。ワニのゲーニャが歌う主題歌をはじめ、ロシア的な哀愁感に満ちたノスタルジックでキュートな音楽もファンの間では大変な人気を誇っている。その「チェブラーシカ」の音楽を担当したのが、ウラジミール・シャインスキー。「チェブラーシカ」や「手紙」、「ママ」といったロマン・カチャーノフ作品をはじめとするアニメーションや児童映画の音楽も数多く手掛けている作曲家だ。
シャインスキーの名前は日本ではまだまだ馴染みが薄いものの、ロシアでは知らない人がいない位に有名な童謡作曲家である。彼は1960年代から現在まで、実に100曲近くの童謡を作曲している。“Chunga-Changa(チュンガ・チャンガ)”や“Oblaka(雲)”など、彼の作品の数々はソヴィエト時代にロシア中のピオネールの子供たちに愛唱されたものだった。60年代以降に生まれたロシア人であれば、誰もが幼少期に彼の音楽に親しんで育ったといっても過言ではないだろう。
子供向けの童謡とはいえ、高度な職人技で作られた複雑なメロディ、叙情的で時には人生のほろ苦さまで盛り込んだ歌詞(コズロフやツモフィーフスキーといった詩人が担当)など、彼の作品は大人にも十分楽しめるものが多い。
1925年12月12日の生まれというから、今年で81歳になるシャインスキーだが、まだまだ健在のご様子。現在はニューヨークのブロードウェイで、ロシア映画「パパってなに?」('97)のミュージカル版の制作が進行しているが、ここでは全編にシャインスキーの童謡が使われる予定だという。そう遠くない将来、世界中の子供たちがシャインスキーのメロディを口ずさむようになるかもしれない。
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チェブラーシカ |
ワニのゲーニャとチェブラーシカ |
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父の帰りを待つ少年 〜「手紙」より〜 |
※下記のディスコグラフィーでは、CDタイトルを英語訳で表記しています。また、各収録曲はロシア語を英語のアルファベットで表記しています。ご了承下さい。
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Crocodile Genya and Others |
And I Play On Accordion |
When My Friends With Me |
Shapoklyak and Others |
(P)2002 TWIC Lyrec (Russia) | (P)2005 TWIC Lyrec (Russia) | (P)2005 TWIC Lyrec (Russia) | (P)2005 TWIC Lyrec (Russia) |
1,Pesenka Krokodila
Geny 2,Vmeste Veselo Shagat 3,Pesenka Pro Papu 4,Nebylitsy 5,Goluboj Vagon 6,Pervoklashka 7,Pesenka O Tsirke 8,Ulybka 9,Mamontenok 10,Korabloki 11,Oblaka 12,Pesnya O Remonte 13,Cheburashka 14,Chemu Uchat V Shkole 15,Dvazdhy Dva-Chetyre 16,Vse Mu Delim Popolam 17,V Mire Mnogo Shazok 18,Kogda Moi Druzya So Mnoi 19,Antoshka |
1,Pesenka Krokodila
Geny 2,Pervaya Pesenka Utenka 3,Vtoraya Pesenka Utenka 4,Pesenka O Druge 5,Cheburashka 6,Ulybka 7,Pesenka Shapoklyak 8,Pesenka O Remonte 9,Propala Sobaka 10,Chemu Uchat V Shkole 11,Dvazdhy Dva-Chetyre 12,Pesenka Mamontenka 13,Vse Mu Delim Popolam 14,Pesenka Ruzhekhvostenkoi 15,Na Svete 16,Khryushka |
1,Kogda Moi Druzya So
Mnoi 2,Dvazdhy Dva-Chetyre 3,Pesenka Mamontenka 4,Oblaka 5,Goluboi Vagon 6,Pesenka Shapoklyak 7,Pesenka O Tsirke 8,Propala Soboka 9,Pesenka O Druge 10,Ya Bolshe Ne Budu 11,Po Sekretu Vsemu Svetu 12,Khoroshij Tu Paren Natashka 13,Vse Mu Delim Popolam 14,Pesenka Ryzhekhvostenkoi 15,Rassvet-charodei 16,Pesenka O Remote 17,Kreiser "Avrora" |
1,Pesenka
Shapoklyak 2,Cheburashka 3,Pesenka Pro Papu 4,Kogda Moi Druzya So Mnoi 5,Po sekretu Vsemu Svetu 6,Podarki 7,Ya Bolshe Ne Budu 8,Igra 9,Pesenka O Remote 10,Pesenka O Tsirke 11,Pesenka Krokodile Geny 12,Pervaya Pesenka Utenka 13,Vtoraya Pesenka Utenka 14,Khoroshkij Tu Paren Natasha 15,Chem Uchat V Shkole 16,Vmeste Veselo Shagat |
これ一枚でシャインスキーの代表曲が一通り楽しめる究極のベスト盤。“ワニのゲーニャの歌”#1や“チェブラーシカ”#13など、チェブラーシカ・ファンにもお馴染みのキュートでノスタルジックで切ないメロディの数々がたまりません。個人的にはピオネールの少年少女合唱団による透明感のある美しいコーラスと、涙が出るほどに哀しくて愛らしいメロディがキュンと胸を締めつける珠玉の名曲#2と#6が絶対にオススメ。全ての子供と、かつて子供だった人々に是非ともオススメしたい1枚です。 | よりマニアックにシャインスキーの世界を知りたいというファンのための作品集第1弾。ここでは“チェブラーシカ”シリーズで使用された楽曲が網羅されています。シャパクリャクばあさんの歌#7なんか最高に面白いですねー。声優さんのウヒャヒャヒャって笑い声が実にキュートです。その他、みんなが大好きな“ワニのゲーニャの歌”#1から“チェブラーシカ”#5、“学校で勉強すること”#11、“2×1は4”#11など、可愛くてユーモラスで、ちょっとセンチメンタルな楽曲が満載です。 | 第1弾と一部楽曲が被ってるといういい加減さが、いかにもロシア的なシリーズ第2弾。別バージョンなのかと思ったら、しっかり同じでした(笑)。今回はチェブラーシカ以外のアニメで使用された楽曲も含んでいるというところがミソですね。ちなみに、#13でボーカルを取っているのはロシア音楽界の女王アラ・プガチョワ。当時はまだ駆け出しで無名だったプガチョワですが、シャインスキーの好みの歌手ではなかったとのこと。 | こちらも正々堂々(?)と楽曲が被りまくりの第3弾。しかし、ここにしか収録されていない“ゲーム”#8がとても素敵な曲なんですよ。マーチ風のリズムに清々しい少年少女のコーラス、そして幼い少年のセンチメンタルで可愛らしい歌声が絡む佳作。これ1曲のためだけに購入する価値あり。まったくあこぎな商売しとります(笑)。まあ、ロシアのシリーズ物CDを購入する際には、この手のずる賢さは覚悟しないとなりません。 |