ロシアン・ポップス
〜ちょっと気になるアーティスト篇2〜

 

A-Studio

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 2004年にリリースされた英語シングル“S.O.S.”がロシア国内のみならずUKやオーストラリアのクラブ・チャートでヒットしたダンス・バンドA-スタジオ。かつてのインコグニートやソウル・トゥ・ソウルを思わせるスタイリッシュでグルーヴィーなガラージ・ハウスで、UKのダンス・チャートではナンバー・ワンに輝き、オーストラリアでも10位を記録する大ヒットになった。
 そもそもグループのキャリア自体は結構長く、ウラジーミル・ミクロシッチ、バイガリ・セルケバイェフ、バグラン・サドヴァカソフの男性3人によって1987年にカザフスタン共和国で結成されている。もともとは“アルマータ”というバンド名で活動しており、1989年にロシアン・ポップスの女王アラ・プガチョワのアドバイスで“アルマータ・スタジオ”に変名。さらに、それを短縮してA-スタジオとなった。
 メンバーは基本的にウラジーミルとバイガリ、バグランの3人で、楽曲によって女性ボーカリストをゲストに迎えるというスタイルが定番。“S.O.S.”ではポーリナ・グリフィスという女性ボーカリストをメインに立てており、現在はグルジア共和国出身のカティという女性が主にリード・ボーカルを担当している。
 彼らの最大の魅力は、そのインターナショナルなポップ・センスにあるだろう。ロシア的な民族性が希薄な分、どこの国のマーケットにも通用するような楽曲を数多く生み出している。しかも、都会的でスタイリッシュ。大人のリスナーに向けたお洒落なダンス・ミュージックを得意とするバンドと言えるだろう。
 “S.O.S.”以降もロシアではコンスタントにヒットを飛ばしており、2005年にはオリエンタル情緒たっぷりのキャッチーなフラメンコ・ハウス“Noch-Podruga(夜の彼女)”も各ラジオ・チャートでナンバー・ワンを記録。さらに、続く哀愁バラード“Uletayu(別離)”がソング・オブ・ジ・イヤーを受賞する大ヒットとなった。
 しかし、2006年8月にギタリストのバグラン・サドヴァカソフが交通事故で死去。新たにK・リャズヤノフという男性ギタリストが加わっている。

※アルバム・タイトルはロシア語を英語アルファベットで表記し、その英語訳を併記してあります。楽曲タイトルは全てロシア語を英語アルファベットで表記しました。

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S.O.S. (2004)

Uletayu (2005)
Departed

Platinovaya Kollektsiya (2005)
Platinum Collection

905 (2007)

(P)2005 Central Station (Australia) (P)2005 Prof Music (Russia) (P)2005 Station Plus (Russia) (P)2007 Veter Entertainment(Russia)
1,Vertigo Radio Edit 3:02 ビデオ
2,Skylark Club Mix 8:13
3,Dubdeluxe Mix 8:16
4,Transluzent Miami Edit 6:12
5,Depot Mix 3:46
6,Europa XL Mix 6:18

produced by A-Studio
#1 remixed by Vertigo
#2 remixed by Skylark
#3 remixed by Dub Deluxe
#4 remixed by Transluzent
#5 remixed by The Depot
#6 remixed by Europa XL
1,Noch-Podruga (Remix)
2,Uletayu ビデオ
3,Beluie Nochi Lyubvi
4,Snovideniya
5,My World
6,You Appreciate
7,I'll Be Around (feat. Mr.Slan)
8,Tui (feat. Mr.ZieD) ビデオ
9,Uchkuduk
10,Noch-Podruga (Tango)
Bonus Video
Noch-Podruga & Tui

produced by A-Studio
1,Noch-Podruga (Remix)
2,Uletayu
3,Takie Dela ビデオ
4,S.O.S. (Remix)
5,My World
6,Tui (feat. Mr.ZieD
7,Djuliya
8,Belaya Reka
9,Otpusti
10,Zti Tepluie Letnie Dni
11,Sezon Dojdei
12,Soldat Lyubvi
13,Osen
14,Stop Noch
15,Nelyubimaya
16,Korabli Lyubvi
17,Vchera
18,Lyubov-Reka
19,Just Another Love Song (N'evergreen & Polina Griffith)
1,Angel
2,Begu K Tebe
3,Dusha
4,Esche Lyublyu ビデオ
5,Serdtse Mehdu Dvuh Dvuh Ognei
6,Pochemu?
7,Lyubov Nakruvaet
8,Palto
9,Goddess Of The Dancefloor
10,Begu K Tebe

produced by A-Studio
 A-スタジオにとって本格的な世界進出となった大ヒット・シングル。イギリスやオーストラリア以外でも、スペインやオランダでトップ20に入るヒットになりました。UKソウルの流れを汲むスタイリッシュなガラージ・ハウスで、ポーリナ・グリフィスのハスキーでソウルフルなボーカルも印象的。リミックス陣にもUKの人気DJを豪華に揃えています。どれも秀逸な仕上がりですが、中でもエレガントでディスコティックな#3とハードでエレクトリックな#6がオススメ。  カティをリード・ボーカリストに迎えた最初のアルバム。亡きバグランがリード・ボーカルを担当したフラメンコ・ハウス#1は傑作だと思いますね。オリエンタルなアレンジを加えつつ、超キャッチーでポップでお茶目。思わずナンナンナナナ〜♪って口ずさみたくなります。また、フラメンコ・ギターをフィーチャーした哀愁のラテン・バラード#8も素晴らしい作品。切ないメロディがたまらんです。全体的に洒落たセンスでまとめ上げられた良質なアルバムです。  デビュー当初から2005年までのヒット曲で構成されたベスト盤。とはいえ、どちらかというと2000年以降の作品に偏っているという印象ですね。初期の作品を聴くと、もともとはいかにもロシア的な歌謡ポップスを歌うグループだったことが良く分かります。最近の楽曲と聴き比べると、とても同じアーティストだとは思えませんもん。ちなみに、#19はA-スタジオの楽曲ではなく、ポーリナ・グリフィスのソロ・プロジェクト。あと、このCDは音質にちょっと難ありです。  ギタリスト、バグラン・サドヴァカソフの死を乗り越えて発表された最新アルバム。全体的にロック色が濃厚で、これまでのダンス路線からの脱皮を図っているようにも思える作品です。シングル・カットされた#1や#2なんかは、かなり渋いタイプのロッカ・バラードです。また、前作ではバグランとカティの2人でリード・ボーカルを分け合ってたのを、バグランが死んでしまったこともあり、全曲でカティがボーカルを担当しています。

 

Propaganda

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 2001年のデビュー以来、コンスタントにヒットを出し続けているガールズ・バンド。プロパガンダといえば、80年代に同名のニュー・ウェーブ系ロック・バンドがイギリスで活躍していたが、彼女たちのサウンドにも80年代ニュー・ウェーブの影響がかなり色濃い。ただ、彼女たちのユニークなのは、80年代ニューウェーブをベースにしつつ、ジャーマン・テクノからユーロビートに至るまで、80年代のあらゆるエレクトロ・サウンドを貪欲に消化してしまう懐の深さにあるだろう。
 グループのリーダーは、全楽曲で作詞・作曲・リードボーカルを手掛ける若き才女ヴィカ・ヴォローニナ。幼い頃から音楽の英才教育を受けて育ったヴィカが、友達2人と共に結成したバンドがプロパガンダだった。初期メンバーはヴィカとオルガ・モレーヴァ、カーチャ・オレイニコワの3人。2004年にカーチャが脱退し、イリーナ・ヤコヴレワが加入。さらに、2005年には女性サックス奏者のダーシャ・ガヴリルチクが加わって4人編成になった。
 出世作はメランコリックで甘酸っぱいエレクトロ・バラード“Kto?(誰?)”。ティーンを中心とする若い世代に圧倒的な支持を受け、爆発的な大ヒットになった。ただ、やはり当時大ヒットを飛ばしていたタトゥーの2番煎じ的な感じがしないでもなかった。楽曲の世界観も似ているし、同じティーンエージャーだし。ヴィカのリード・ボーカルも何となくタトゥーの2人に似ていた。
 その後もコンスタントにヒットを飛ばしていった彼女たちは、2004年にシングル“Yai-Ya”で再び大ブレイク。モダン・トーキングやファンシーといった80年代のジャーマン・ユーロを思わせるキャッチーな哀愁系ダンス・ナンバーで、どこかトンがった雰囲気のあるのが彼女たちらしい持ち味だった。
 しかし、2006年のシングル“Odni Doma(一つの家)”を最後にグループ活動を休止。どうもマネージメント関係のトラブルに巻き込まれたようで、1年以上も公の場から姿を消してしまった。そして、2007年の9月に待望の新曲“Neprostoi(不安)”を発表。メンバーはヴィカとイリーナの2人が残り、新たにマーシャ・ブカタールという女性が加わった。
 しかし、何よりもビックリしたのは、それまでのちょっとマニアックな音楽少女的イメージを一新し、バイアグラやブレスチャーシェばりのセクシー系アイドル・グループにイメージ・チェンジしてしまったこと。ちょっとぽっちゃり気味がキュートだったヴィカも15キロのダイエットに成功し、まるで別人のようなセクシー美女に生まれ変わってしまった。
 この大胆なイメチェンが吉と出るか凶と出るか。一応、カムバック曲“Neprostoi”は昨年末のゴールデン・グラモフォン・アワードで特別賞を受賞しており、ひとまずは幸先の良いニュー・スタートを切ったようだ。

※アルバム・タイトルはロシア語を英語アルファベットで表記し、その英語訳を併記してあります。楽曲タイトルは全てロシア語を英語アルファベットで表記しました。

PROPAGANDA_1ST.JPG PROPAGANDA_2ND.JPG SUPER_DETKA.JPG PROPAGANDA_4TH.JPG

Kto ?! (2002)
Who?!

Tak I Bit (2003)
Well

Super Detka (2004)

Stihi v Metro Illi Odin Doma (2005)
Verses in the Underground or One House

(P)2002 CD Land (Russia) (P)2003 Monolit (Russia) (P)2004 CD Land (Russia) (P)2005 CD Land (Russia)
1,Kto (Voi Sobaka Voi Remix)
2,Holodno
3,Pro Eto
4,Melom
5,Kto
6,Nikto ビデオ
7,Narkomanka
8,17
9,Luji
10,Ledyanoi Rai
11,Veterok
12,Molitva
13,Holod Veter
14,Melom (Krupamin Remix)
15,Nikto (Remix)
16,Kto (Voi Sobaka Voi Remix : Full Version)
17,Luji (Krupamin Remix)

produced by Sergei Izotov
1,Obnyat
2,Pyat Minut Na Lubov ビデオ
3,Tak I Bit (Kto-Kto)
4,Dojd Po Krishe
5,Vesna
6,Voidi
7,Ya Sama...
8,Okean
9,Uletai
10,Veter Za Olnom
11,Pyat Minut Na Lubov (Remix)

produced by Sergei Izotov
1,Super Detka ビデオ
2,Yai-Ya ビデオ
3,Quanto Costa ビデオ
4,Devochka Na Krushee
5,Serdtze Uhodit B Razvedku
6,Kubik-Rubik
7,Devochka Hochet Sexa
8,Layu-Layu
9,Analugin
10,Slezui-Alfavit
11,Voidi (Hotel Atlantik Remix)
12,Yai-Ya (Raduga Remix)
bonus video
Mega-Mix, Yai-Ya, Super Detka

produced by Sergei Izotov
1,Skuchayu 
2,Lyubit-Ne Lyubit
3,Stihi v Metro ビデオ
4,... B 20 Let
5,Oblaka
6,Snegom Belum
7,Govorina- Ne Lyublyu (Summer Mix '04)
8,Roma
9,Odin Doma
10,Kolubelunaya
11,Govorina- Ne Lyublyu
bonus video
MegaMix-05, Mari Polyubila Huana, Zvuki Serdtsa

produced by Sergei Izotov
 2001年リリースのファースト・アルバムに新曲とリミックスを加えたリニューアル盤。路線としてはタトゥーによく似てますが、個人的にはヨーロッパ的な叙情感の漂うプロパガンダの方が好きですね。ちょっと陰鬱で湿った感じがいいです。ただ、楽曲の完成度には結構バラつきがあり、アルバムとしてはまだまだ荒削りな印象。ひとまず、大ヒット・シングル“Kto”はオススメ。リミックスの出来もグッドです。  大ヒット曲“Kto”の路線を引き継いだセカンド・アルバム。メランコリックで哀愁漂う80年代風テクノ・ポップ・アルバムです。特に#3は“Kto”の焼き直し的な雰囲気のエレクトロ・ポップ・ナンバーで、オリエンタルで幻想的なアレンジがなかなかクセになる佳曲。ただ、それ以外は似たような楽曲ばかりでマンネリそのもの。露骨にヒットを狙いすぎてしまった結果なのかもですね。ぶっちゃけ全曲“Kto”に聴こえます。  まさに会心の力作とも言うべきサード・アルバム。80年代ジャーマン・ユーロとテクノ・ポップの美味しいところばっかり頂いちゃった、超キャッチーでクールなテクノ・ディスコ#1と#2が最高です。ズンドコズンドコしたベース・ラインにビシバシ鳴り響くシンセ・ドラムがカッチョ良いっ!この今風レトロなセンスは大好きです。緩めな感じのメキシカン・テクノ・レゲエ#3も愉快愉快。彼女たちのベストと呼べる1枚ですね。  前作の煌びやかさとは打って変わって、初期の頃のようなメランコリック路線のテクノ・ポップを中心にしたアルバム。全体的にアダルトなイメージを押し出してます。結構嫌いじゃないですね。初期のベルリンとかペット・ショップ・ボーイズを思わせるような雰囲気もあるし。まあ、もうちょっと歌謡曲寄りかもしれませんが(笑)。#6なんかモロにペット・ショップっぽい哀愁路線のテクノ・ポップでお気に入り。#9もオススメです。

 

Glyukoza

GLYUKOZA.JPG

 もともとはCGアニメの覆面アーティストとしてデビューした女の子。ボコーダーを通した奇妙なボーカルとロシア民謡を思わせる哀愁メロディ、そしてピコピコ・テケテケしたエレクトロなテクノ・サウンド。なんともシュールで独特な世界観が話題となり、2002年のデビュー曲“Shuga(シュガー)”はロシア全土で一大センセーションを巻き起こした。
 グリュコーザの本名はナタリヤ・イリニチュナ・イオノワ。両親がコンピューター・プログラマーだったことから、コンピューターに親しんで育ったという。少女時代からテレビに子役として出演するなど、もともとショービジネスの世界にかなり興味があったようだ。
 そんな彼女がデビューするきっかけとなったのがインターネット。もともとパソコン・ソフトで音楽を作るのが趣味だった彼女は、ネットのアマチュア投稿サイトに自作の楽曲を発表。それを聴いた音楽プロデューサー、マクシム・ファデイェフにスカウトされたのだった。
 デビュー曲“Shuga”がロシア全土のラジオ局で空前の大ヒットとなり、正体不明の新人グリュコーザの登場で音楽界も大騒ぎとなった。さらに、セカンド・シングル“Nenavidju(嫌い)”のためにフルCGのプロモ・クリップを製作。これがまた話題となり、サングラスをかけてドーベルマンを連れた奇妙な女の子グリュコーザのアニメ・キャラは、アイスクリームのキャンペーンに使われるほど有名になった。
 ところで、グリュコーザの音楽をどうジャンル分けするかというと、これがとても難しい。一応、サウンド・プロダクション的にはテクノポップに属するのだろうが、その音世界はロシア民謡からロックンロール、マリアッチ、ベンチャーズなど様々な要素が渾然一体となっている。ただ、イメージとしては彼女自身が大好きだというタランティーノやリュック・ベッソンの世界観に近いものがあるかもしれない。あくまでもイメージなのだけど。
 さて、ファースト・アルバムをリリースした辺りでようやく素顔を公開したグリュコーザ。ファンの予想を覆すような可愛いルックスで、さらに人気はうなぎのぼりとなっていった。ファッション・ブランドのイメージ・モデルに起用されたり、彼女をイメージした香水が発売されたり、フィギア人形が作られたりと、今やすっかりスーパー・スターに。
 しかし、2006年7月に結婚したのを機に音楽活動から一時的に遠ざかった。昨年はスペインで長女を出産。年末には約1年ぶりの新曲“Babchka”をリリースしてカムバックを果たしている。ちなみに、スペインで出産した理由は“ロシアだと不安で落ち着かないから”とのこと。ん〜・・・(笑)

※アルバム・タイトルはロシア語を英語アルファベットで表記し、その英語訳を併記してあります。楽曲タイトルは全てロシア語を英語アルファベットで表記しました。

KOZANOSTRA.JPG KARINA.JPG OI_OI.JPG MOSKVA.JPG

Koza Nostra (2003)

Karina (2003)

Oi-Oi... (2004)

Moskva (2005)
Moscow

(P)2003 Monolit (Russia) (P)2003 Pilot Records (Russia) (P)2004 Folk Records (Russia) (P)2005 Monolit (Russia)
1,Glyukoza Nostra ビデオ
2,Shuga
3,Nevesta ビデオ
4,Nenavidju
5,Malush
6,Lya Mur
7,Asta La Vista
8,Moya Lyubov
9,Vokzal
10,Sneg ビデオ

produced by Maks Fadeev
1,Karina
2,Ved Ya Ne Robot
3,Shuga (D.J. Sonar Jazz Remix)
4,Malush (Ingrid Mix)
5,Hevesta (Dance Mix)
6,Lya Mur
7,Glyukoza Nostra
8,Malush
9,Nenavidju
10,Asta La Vista
11,Vokzal
12,Moya Lyubov
13,Sneg
14,Nevesta
15,Shuga
1,Oi, Oi
2,Ved Ya Ne Robot
3,Karina
4,Nevesta
5,Asta La Vista
6,Shuga
7,Glyukoza Nostra
8,Lya Mur
9,Vokzar
10,Nenavidju
11,Malush
12,Sneg
13,Moya Lyubov
14,Nevesta (DJ Wint Remix)
15,Glyukoza Nostra (EJ B-Mon Remix)
16,Shuga (Jazz Remix)
17,Asta La Vista (Remix)
18,Nevesta (Dinamit FM Mix)
19,Djeniha Hotela (with V.Serdyuka)
1,Shvaine ビデオ
2,Sneg Idet
3,Gorilla
4,K Chertu
5,Yura ビデオ
6,Moskva
7,Pipets
8,Korabli
9,Oi-Oi
10,Karina

produced by Maks Fadeev

 このアルバムにはハマりました。最初聴いた時なんか、なんじゃこりゃ!?って感じでぶったまげましたもん。シュールで摩訶不思議、クールでキュート。んでもって、なんだか妙にクセになってしまう独特のグリュコーザ・ワールド。こんなアーティストを生み出してしまうところが、ロシア音楽界の底力なんだろうと思いますね。全編に渡って似たような曲ばかりですが、それも全く気になりません。必聴です。

 ファースト・アルバムに新曲とリミックスを加えた企画盤。ラテン風味のモンドなエレクトロ・ラウンジ・ジャズに仕上がったリミックス#3は非常に愉快です。#4ではバンドネオンを使ったイン−グリッド風シャンソン・ハウスに挑戦。もちろん、新曲の#1と#2もお茶目でユニーク。ファースト・アルバムを既に購入した人でも、持ってて損のない1枚だと思います。  こちらも、ファースト・アルバム全曲に新曲とレアなリミックスを加えた企画盤です。ロシアのアーティストはアルバムをあまり出さない代わり、この手のコンピ盤を次々と出すんですよね。しかも、正規盤かどうかすら怪しい・・・(笑)。で、今回はリミックスが目玉になると思うのですが、正直なところ可もなく不可もなくといったところでしょうかね。#16は左のコンピ盤にも含まれてますし。とりあえず、コレクターのみオススメ。  ということで、こちらが正式なセカンド・アルバムとなります。ジャケットのテキトーな日本語がなんだかな・・・という感じですね(^^; 頭ラーカって何!?頭バーカって言いたかったのかな(笑)それはさておき、楽曲的にはファーストの路線を踏襲しつつ、より遊び心を加えたポップな内容に仕上がっています。まあ、相変わらず似たような曲ばかりなのは確かですけど。このマンネリズムも味の一つなんですよね。

 

Dinamit

DINAMIT.JPG

 

  ロシアで絶大な人気を誇った男性アイドル・グループ。伝説的なロック・バンド、キノーの育ての親である大物プロデューサー、ユーリ・アイゼンシュピスが晩年に手掛けたグループとしても知られる。
 グループの中心的存在はイリヤ・ズーディン。彼はもともとソングライター志望で、アイゼンシュピスのもとに自作の楽曲を持ち込んだのがデビューのきっかけだった。ズーディンの才能に惚れ込んだアイゼンシュピスはすぐさま契約を交わし、自身が手掛けていたサーシャやニキータといったアーティストのコンポーザーとしてズーディンを起用した。
 やがてズーディンが作曲だけではなく歌手としても才能がある事に気付いたアイゼンシュピスは、彼を中心として新たに男性グループを結成させるというアイディアを思いつく。それがディナミット(ダイナマイト)だったというわけだ。ズーディン以外のメンバーはイリヤ・ドゥロフとレオニード・ネルシェンコ。デビューは2001年で、セカンド・シングル“Krasive Slova(美しい言葉)”の大ヒットで注目を集めた。
 ディナミットの楽曲は大半がズーディンとドゥロフの2人で作詞・作曲を手掛けている。この2人が作り上げるジャジーで洗練されたダンス・ナンバーや、ロマンティックなバラードこそが彼らの最大のセールス・ポイントだったように思う。
 Two Man Soundの“Que Tal America”のギター・リフをサンプリングしたアシッド・ジャズ・ナンバー“Krasive Slova”や、ラテン・ギターの寂しげな音色が切ないミディアム・バラード“Kotoraya Bla S Toboi(君といたのは誰?)”など、彼らの作品はアイドル・ポップスの枠に収まりきらないくらいクォリティが高い。
 だが、2005年の9月にブロンドの美青年レオニード・ネルシェンコが交通事故で死亡。まだ27歳という若さだった。ただ、当時彼は既にディナミットを脱退しており、ソロ・デビューの準備をしているところだった。代わりにイリヤ・ダニルチェンコがメンバーに加わってサード・アルバムもリリースされていたが、この事故以来グループは表立った活動をしていないようだ。

※アルバム・タイトルはロシア語を英語アルファベットで表記し、その英語訳を併記してあります。楽曲タイトルは全てロシア語を英語アルファベットで表記しました。

DINAMIT_BEST.JPG YA_NE_ZABUDU.JPG DO_VESNU.JPG

Vselushee (2002)
The Best

Ya Ne Zabudu (2003)
I Shall Not Forget

Do Vesnu (2005)
Till The Spring

(P)2002 Grand Records (Russia) (P)2003 Grand Records (Russia) (P)2005 CD Land (Russia)
1,Tvoe Telo
2,Krasive Slava ビデオ
3,Ognek
4,Odnadjd Dodjdu Proidet Po Ludjam
5,Tantsui, Tantsui
6,Leto
7,Serdechko
8,Ubegayu
9,Nikomu, Ni Za Chto, Nikogda
10,Ya Ne Zabudu
11,Moya Moskva
12,Na Dvoih
13,Kuda Udj Luchshe
14,Beli Sneg
15,Ne Zabvai
1,Yamaika ビデオ
2,Ya Ne Zabudu ビデオ
3,Zanimaisya Delom
4,Gde-Gde?
5,Ya Ne Hochu
6,Nenastoyashaya Lyubov
7,Kotoraya Bla S Toboi ビデオ
8,Ona Ne Znaet
9,Na Proshanie
10,Ti Ne Moya
11,Ti Ryadom
12,Klubnaya
13,Sumashedshee Leto
14,Ya Ne Zabudu (Clubmix)
1,Moya Mi ビデオ
2,Prosto Lyubov
3,Do Vesnu
4,Ti Menya Ne Lyubila
5,Odinokaya
6,Chto Sluchilos ビデオ
7,Plyadhni Motiv
8,Dinamit
9,Djal
10,On Prosto Nichego Ne Ponimaet
11,Raskolem Noch
12,Mama
13,V Serdtse Moem (with Alenoi Sviridovoi)
14,Moya Mi (Remix)
 デビュー2年目にして早くもリリースされたオフィシャル・ベスト。ジャジーでトロピカルなダンス・ナンバー#2はもとより、哀愁のエレクトロ・ボサ#3、ファンキーなディスコ・サンバ#6、煌びやかなアシッド・ジャズ#13など、キャッチーで洗練されたポップ・ナンバーが目白押しです。ロシアの男性バンドは垢抜けない印象が強いのですが、彼らはルックスもサウンドもお洒落でスタイリッシュだったと思います。  こちらはセカンド・アルバム。ゴリゴリのラガマフィンで幕を開ける本格的なレゲエ・ナンバー#1がカッコいいですね〜。ファースト・シングルとなったバラード#2も手が堅い出来映え。ジャジーでお洒落な2ステップ・ナンバー#3、華やかなラテン・ディスコ#4、アコギの切ないメロディが胸キュンなミディアム・バラード#7など良い曲がずらりと揃ってます。洗練された大人のためのポップ・アルバムという印象ですね。  ソロ・デビューのために脱退したレオニードに代わり、イリヤ・ダニエルチェンコを迎えたサード・アルバム。これでメンバー全員のファースト・ネームがイリヤになったわけですね(笑)。狙ったのかな?ただ、アルバムそのものは全体的に地味な仕上がりです。アゲアゲのトロピカル・サンバ#5、007のテーマをサンプリングしたお洒落なアシッド・ジャズ#8辺りがオススメかな。あとは可もなく不可もなくといった感じですね。

 

Tatyana Ovsienko

TATYANA_OVSIENKO.JPG

 しっとりとしたボーカルとノスタルジックなラブ・バラードで人気の高い女性ボーカリスト、タチャーナ・アヴシエンコ。決して抜きん出た歌唱力の持ち主ではないものの、そのソフトで暖かい歌声はなんとも不思議な魅力がある。ロシア的な情緒を大切にした繊細で美しい楽曲も粒ぞろいで、耳を傾けるだけで心が癒されるステキなアーティストだ。
 もともとは、ロシアの伝説的ポップ・グループ、ミラージュのメンバーだった。1966年にウクライナ共和国のキエフに生まれ、学校卒業後はホテルの従業員として働いていたという。88年にミラージュのメンバーとなり、91年にソロ・シンガーとして独立。これまでに10枚のオリジナル・アルバムをリリースしている。
 その楽曲はノスタルジックで叙情的。ロシア民謡的なセンチメンタリズムが濃厚で、おもわず口ずさんでしまうようなメロディも魅力的だ。「チェブラーシカ」の音楽なんかが好きな人は絶対ツボにハマるはずだと思う。
 ちなみに、ここ数年はハウスやトランスといったクラブ系の音にも積極的に取り組んでいるみたいで、ルックスも10年前より若返えるというシェール現象(笑)を起している。

※アルバム・タイトルはロシア語を英語アルファベットで表記し、その英語訳を併記してあります。楽曲タイトルは全てロシア語を英語アルファベットで表記しました。

ZA_ROZOVUM.JPG REKA_LYUBVI_MOEI.JPG OVSIENKO_BEST.JPG YA_NE_SKAJU.JPG

Za Rozovim Morem (1997)
Beyond the Pink Sea

Reka Lyubvi Mayoi (2001)
The River of My Love

Luchshie Pesnya (2003)
Best Songs

Ya Ne Skadju Proshai (2004)
I Sould Not Say Goodbye

(P)1997 Soyuz (Russia) (P)2001 Monolit (Russia) (P)2003 Grand Records (Russia) (P)2004 Mega Lainer (Russia)
1,Za Rozovim Morem ビデオ
2,Gde Dje Ti, Lyubimi
3,Ne Zabud
4,Solntse Mayo ビデオ
5,Kolechko
6,Korablik
7,Nash Dvor
8,Dom, Gde Ya Raspahnula Dver
9,Gorod Detei
10,Pilot
11,Prihodit Lyubov

produced by V. Dubovitskii
1,Zvezdnoi Leto
2,Moi Moryak
3,Dalnoboishik 2001
4,Gde Dj Ti Moi Sad
5,Tatyanin Den
6,Son
7,Obetovannaya Zemlya
8,Kiev
9,Ya Budu Letet Za Toboi
10,O Lyubvi
11,Reka Lyubvi
12,Muzika Nas Svyazala
1,Djenskoe Schaste ビデオ
2,Kolechko
3,Dalnoboishik
4,Za Rozovim Morem
5,Shkolnaya Pora ビデオ
6,Nado Vlyubitsya
7,Solntse Maya
8,Krasivaya Devchonka
9,Davai Ostavim Vse Kak Est ビデオ
10,Natashka
11,Kapitan
12,Oblomannaya Vetka
13,Belokuri Malchik
14,Morozov
15,Zapomni Menya
16,Bessonnitsa
17,Ptitsa-Pechal
18,Takoe Devchiki Bvayot
19,Po Odnomu Tebe
1,Ya Budu Letet
2,Svedjii Veter
3,Dva Kubika Lda
4,Tsepochka ビデオ
5,Ti Teryash
6,Dve Minut
7,Poplatsu i Broshu
8,Osen Sestra
9,Moi Malsh
10,Reka Luubvi
11,Gusi-Lebedi
12,Eto Ne Ti
13,Bosonogaya
14,Gde-To
15,Temnaya Noch
16,Po Ldu
17,Ya Budu Letet Za Toboi (Remix) ビデオ
 胸がキュンと締めつけられるくらいに切なくて、ノスタルジックで、素朴で優しいポップ・ナンバーが詰まった素晴らしいアルバム。ちょっとハスキーで、まるで語りかけるように歌うタチャーナの暖かいボーカルにも癒されます。中でも#2と#9は大傑作。聴いてるうちに童心に戻ってしまうような、まるで母の懐に抱かれているような、そんな気分にさせてくれるナンバーです。とりあえず、全ポップス・ファンにオススメの1枚。  1991年から2001年の間にリリースした作品の中からセレクトされたベスト盤。中には垢抜けない作品もありますが、基本的にロシア的なノスタルジーを歌った小粋でセンチメンタルなポップ・ナンバーばかり。“サンライズ・サンセット”のカバー#7なんて、まるで彼女のために書かれたかのような出来映えです。ちなみに、#1はアラ・プガチョワの往年の大ヒット曲のカバー。なお、このCDはMP3コレクションとの2枚組です。  心温まる美しいバラードからラテン風の哀愁ダンス・ポップまで、過去のヒット曲と新曲で構成されたベスト盤です。そういえば彼女、この10年くらいはベスト盤ばっかりですよね(笑)演歌みたいなもんなんですかね、やっぱり。昭和歌謡みたいなメロディが親しみやすいネオアコ風ポップス#5、キャッチーで切ないフラメンコ・ハウス#9、エレガントでゴージャスなポップ・バラード#12辺りがオススメです。  今のところ、21世紀に入って唯一のオリジナル・アルバムがこれです。とはいっても、その間にリリースしたシングルを集めただけの内容。なので、アルバムとしての統一感はあまりありません。そういった意味では、これもベスト盤と呼ぶべきなのかも。路線的にはいつものタチャーナですが、残念ながら全体的に楽曲のインパクトが弱いという印象。「九月の雨」風の哀愁系ユーロ・ハウス#15はお気に入りですが。

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