ROMANIAN CLUB MUSIC SELECTION

 

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アレクサンドラ・スタン

 

 ここ数年、欧米ではルーマニア産のダンス・ミュージックがにわかに注目を集めている。エドワード・マヤとヴィカ・ジグリーナのシングル“Stereo Love”がUKチャートでトップ10入りしたのが2010年のこと。フランスやスペイン、スウェーデンなど10カ国以上でナンバー・ワンを記録し、ブラジルやイスラエルでもトップ10入りを果たした。翌年にはビルボードの全米ダンス・チャートで1位に輝き、さらに全米ポップ・チャートでもトップ20にランク・インする快挙を成し遂げている。
 さらに、やはり'10年には女性歌手インナのシングル“Hot”がUKチャートで6位をマークし、以降もコンスタントに各国のヒット・チャート上位を賑わせる人気アーティストとなった。'11年にはアレキサンドラ・スタンのシングル“Mr. Saxobeat”がドイツやイタリアなど各国でナンバー・ワンとなり、イギリスやスペインなどでもトップ10圏内をマーク。アメリカでも全米ポップ・チャートで21位と大健闘した。
 それ以外にも、エレナ・ゲオルゲやモランディ、アクセント、ディープサイド・ディージェイズ、コリーナなど多数のルーマニア出身アーティストがヨーロッパ各国でチャート・インを果たしており、もはやブームと呼んでもいいような様相を呈しているのである。世界的なブームといえば、お隣の韓国が“世界中でK-POPブームが過熱中”としきりに囃し立てているが、こちらはそんな根拠のない誇大妄想とはワケが違う。
 そういえば、国家が税金を使って大衆音楽を世界へ売り込むという、国際的に見ても非常に稀なビジネスを行なっている韓国ではあるが、残念ながら功を奏しているのは日本や中国など一部のアジア圏のみ。よくあちらのマスコミはYou Tubeの再生回数を人気のバロメーターにしているが、裏技を使えばカウント数を操作できることは周知の事実だし、先日も公務員を大量動員して観光名所ランキングの得票を操作していたことがバレてしまった韓国政府のことだから、それくらいのことはやっていて当たり前と考えて然るべきだろう。実際にK-POP関連の動画再生回数は不自然なものが多い。それに、そもそもお金を出して音楽を買うわけではないYou Tubeでの再生回数など、商業的成功の証拠などにはなり得ないはずだ。
 また、パリのK-POPコンサートでは1万人を動員したというが、それもヨーロッパ各国からコアなファンが集まっての総数。過去に文化面で国際的な評価を受けたことがほとんどない国にしてみれば大きな数字なのかもしれないが、決してブームと呼べるような規模ではないだろう。だいたい、もし本当にそれだけ需要があるならば各国のレコード会社から契約のオファーが殺到してもおかしくないはずだが、残念ながらそのような動きも全くない。つまり、欧米の商業マーケットにK-POPコンテンツはほとんど流通していないのである。
 なので、70年代にフランスのヒット・チャートでトップ10入りを果たした沢田研二や、60年代に西ドイツでトップ40ヒットを2曲生んだザ・ピーナッツ、そしてもちろん全米1位を獲得した坂本九やトップ40ヒットを放ったピンク・レディーくらいの実績があれば多少は納得するものの、現状だとヨーロッパやアメリカにおけるK-POPのセールス実績は、ジャンルやメディアを限定したマイナー・チャートを除けばほぼ皆無に等しい。あれだけ大々的に宣伝費をかけた少女時代の全米進出も今のところ大失敗に終わっている。そもそも韓国でも本気でK-POPブームを信じている人は少ないと聞く。やはり、多額の国家予算を投入したからには面子を守らなければならない国家ブランド委員会と、国民の自尊心をくすぐって売り上げを伸ばしたいマスコミの作り上げた幻想というほかないだろう。
 もともと日本の約30分の1という極めて小さなマーケット規模に加え、違法ダウンロードや海賊盤のおかげで音楽ソフトが売れない韓国音楽業界にとって、国外へ販路を広げなければならないという切羽詰まった事情があることは十分理解できるものの、情報操作や誇大宣伝で無理矢理にでもブームを作り出そうという手法はあまり感心しない。背に腹は代えられないとは言うが、何ごとにも最低限守らねばならないモラルというものがあるはずだ。

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インナ

 閑話休題。すっかり話が横道へ逸れてしまった(笑)。さてさて、ほんの十数年前まで東欧の最貧国だったルーマニアは、ある意味で韓国と似たような境遇の国と言えなくもない。派手なダンス・ミュージックが主流という点でも相通ずるものがある。ただし、ルーマニア産ダンス・ミュージックの世界的な人気は決して捏造でもゴリ押しでもなく(笑)、自然発生的に広がってきたもの。ここで、その経緯を簡単に振り返ってみよう。
 そもそもの始まりは、日本でも大ヒットしたボーイズ・バンド、O-Zoneのシングル“Dragostea Din Tei(恋のマイアヒ)”の世界的な大成功だった。もともとモルドバ共和国の出身だった彼らはルーマニアに活動の拠点を移し、'03年に発売された“Dragostea Din Tei”が地元ルーマニアを皮切りにヨーロッパ全土で爆発的ヒットを記録。アメリカでは全米ポップ・チャート72位と奮わなかったが、ヨーロッパでは10カ国以上で1位を獲得し、イギリスでも最高3位まで上り詰めた。このにわかブームに乗じてルーマニアの女性歌手ハイドゥチーが同曲のカバー・バージョンをリリースし、これまたヨーロッパ各国でトップ10入りをするほどの大ヒットに。アメリカではO-Zoneのオリジナル・バージョンよりも売れてしまった。この'03〜'04年にかけての時期が、国際マーケットにおけるルーマニア産ダンス・ミュージック・ブームのスタート地点と言えるだろう。
 さらに、'06年にはボーイズ・バンド、モランディのシングル“Falling Asleep”がヨーロッパ各国でチャート・インを果たし、以降彼らはロシアやポーランド、チェコなど旧東欧諸国で絶大な人気を博していく。また、この年は同じくボーイズ・バンドのアクセントがシングル“Kylie”をオランダやスウェーデン、フランス、トルコなどでチャート上位に送り込み、ビルボードの全米ダンス・チャートにもランクインを果たしている。
 そして、彼らのプロデュースを手がけた制作チーム、プレイ&ウィンが、以降のルーマニア産ダンス・ミュージックの重要な担い手となっていく。というのも、先述した女性歌手インナを成功へ導いたのも彼らだったのだ。セバスチャン、ラドゥー、マルセルの男性3人で構成されたプレイ&ウィンは、プロデュースのみならず作詞や作曲も手がける音楽集団。アクセントやインナ以外にも、数多くの人気アーティストを手がけているヒット・メーカーだ。
 そして、冒頭でも述べたように'10年にはエドワード・マヤとヴィカ・ジグリーナのコンビが“Stereo Love”を世界中で大ヒットさせ、ルーマニア産ダンス・ミュージックの本格的なブームが到来する。それまでヨーロッパ各国で徐々に広がってきたものが、一気に花開いたといったところだろう。
 それでは、なぜルーマニア産ダンス・ミュージックが世界的に成功しているのか。その最大の理由は、ロマと呼ばれるジプシー音楽に根ざした濃厚な民族色にあるのではないかと思う。言うまでもなく、従来の国際的な大衆音楽シーンというのは、アメリカおよびイギリスの影響の下で成り立ってきた。つまり、基本的には英語圏のアーティストに有利な市場だったと言えるだろう。しかし、この10〜15年ほどはさしたる新たなムーブメントも生まれず、英米音楽の国際マーケットにおける影響力は徐々に失われてきている。レディ・ガガやビヨンセなど一部の大物アーティストを除けば、世界共通で同時多発的に売れるアーティストというのもめっきり少なくなってしまった。いつまで経っても英米のヒット・チャートは、どこかで聞いたようなロックにヒップ・ホップにハウスばかりというマンネリ化状態が続いている。
 そうした中、歌詞こそ英語なれどメロディやサウンドはエキゾチックな民族音楽テイストというルーマニア産ダンス・ミュージックは、多くのリスナーにとって新鮮に聞こえたのかもしれない。とりあえず、その音とメロディを聞いただけで“あ、ルーマニアだ!”と分かってしまう個性の強さは魅力だし、似たりよったりの薄味な音楽が氾濫する今の音楽シーンにおいてはとても貴重な存在だ。
 特に、これは90年代以降のJ-POPおよびその路線を踏襲してしまった今のK-POPで顕著なのだが、ハウスやヒップ・ホップを引用したサウンド・プロダクションだけは派手なくせに、アレンジもメロディも全くの没個性で聞き分けがつかない安物を粗製濫造し過ぎている。言うなれば音楽の100円ショップといった感じだろうか。中でもいわゆるエイベックス・サウンドやK-POPアイドルの楽曲というのは、タレントのルックスやダンスを引き立てるためだけの伴奏音楽と成り下がっており、音楽が音楽として成立していない。まさしく本末転倒。音楽というのは本来、まず耳に入ってくる音で勝負すべきものであって、ビジュアルは補足的な役割であるべきだ。ついでに言うと、欧米のメジャー音楽シーンも残念ながら似たようなもの。アンダーグランドなインディーズ音楽シーンの方が、よっぽどジャンルに関係なく刺激的で面白い“音”が溢れていると言えよう。そう考えると、楽曲によって出来不出来のバラツキがあるとはいえ、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅといった中田ヤスタカの手がける作品は、音楽とビジュアルの完成度が絶妙なバランスを保っている。ちゃんと音が主役になっているのだ。人間の声も楽器の一つという考え方に立てば、加工されまくったボーカルも気にならないだろう。
 またまた話が横道にそれた(笑)。ルーマニア産ダンス・ミュージックの成功の背景としては、ここ10年ほどの欧米におけるエスニック音楽人気についても触れなくてはなるまい。例えば21世紀に入ってからのユーロビジョン・ソング・コンテストの順位結果が極めて民族音楽的な楽曲寄りになっていることからも分かるように、近年の欧米音楽シーンは英語圏以外のアーティストによるローカル色の強いポップ・ミュージックにスポットの当たる機会が増えた。ウクライナのルスラーナやアゼルバイジャンのアイセル、トルコのハディセ、ギリシャのエレナ・パパリズーなどなど。昔風に言うならば“歌謡ポップス”というヤツだ。
 この手の音楽というのは昔から存在したものの、往々にしてダサいとかクサいなどとバカにされ、こと英語圏のリスナーからは嘲笑の的になることが多かった。確かに、昔は野暮ったくて垢抜けない楽曲が多かったのも事実。しかし、時代とともに作り手のセンスやスキルも洗練されていき、トレンドのサウンドとの融合も巧みになってきた。特に最近は東欧や地中海近辺の伝統音楽とロックやクラブ・ミュージックをミックスした音楽が“バルカン・ビート”としてアメリカやヨーロッパのインディーズ・シーンで持て囃され、バルカン・ビート・ボックスやシャンテル、ゴゴル・ボルデーロ、カッツェンジャマーといったアーティストがヨーロッパ各国で人気を博している。そう考えると、ルーマニア産ダンス・ミュージックの興隆というのも、そういった意味では必然でありタイムリーでもあったのだ。
 ただ、やはりブームというものは加熱すると様々な弊害が出てくるもの。ことに、売れた楽曲の2番煎じ3番煎じを狙ったような作品がゾロゾロと出てきてしまうのは困ったもので、現にここ最近のルーマニア産ダンス・ミュージックは“インナ風”、“アレキサンドラ・スタン風”、“エレナ・ゲオルゲ風”のナンバーで溢れかえりつつある。振り返ってみれば、'90年代末のターキッシュ・ポップスや5〜6ほど前のグリーク・ポップスのブームも、そうした安易な粗製濫造が原因で瞬く間に衰退してしまった。ルーマニア産ダンス・ミュージックも同じような運命を辿ってしまうのか、しばし注目してみたいところだ。
 いずれにせよ、こうしたルーマニア音楽の成功というのは、現在の国際的な音楽シーンにおいて、エスニシティというのが実はかなり有力な武器となり得ることを物語っていると言えるだろう。特に英語圏以外のアーティストにとっては、それが音楽的な魅力や個性となり、他者との差別化を図ることが出来る。例えば、アラブ人やアジア人が英米系の白人や黒人と同じ音楽をやったとしても、よほど抜きん出たものがなければ没個性とみなされてしまうだけだろう。ABBAのビヨルンとベニーが語っていたように、たとえそれが時代遅れや場違いだとしても他人がやっていないことをやる、というのはとても重要だ。ピンク・マルティーニと由紀さおりのコラボレーションが成功したのも、それが今の欧米音楽シーンで他にはない個性的な音楽だったからだと言える。日本や韓国のアーティストがいくら最新西欧ポップスの真似ごとをしてもなかなか欧米で受け入れられないというのは、その辺に大きな原因と理由があるのではないだろうか。

※<2012年6月2日追記>その後、実際に韓国のコンテンツ振興院の調査で、K-POPの売上の99%がアジアにとどまっており、しかもそのうち80.8%が日本という統計が報告された。つまり、K-POPのブームが本当に存在するのは、世界を見渡しても実は日本だけだったということが正式に証明されてしまったわけだ。しかも、韓国の手元に残るお金はたったの8%で、ほとんどが日本側に搾取されてしまっているという実態も。そういう露骨で極端な金儲け主義がまかり通っているから、日本の商業音楽シーンはいつまで経っても使い捨てのアイドルミュージックばかり幅を利かせることになっているのかもしれない。まあ、それに釣られているリスナーもリスナーだけどね…(^^; いずれにせよ、売らんかなの商業主義はある程度仕方のないことだとしても、もう少しまっとうな“音楽”に力を入れて欲しいものだ。
 なお、最後にちょっとした疑問を。2010年度に韓国の映画
やドラマ、音楽が国外で売り上げた金額は合計で3億1300万ドル。当時のレートでざっと計算すると、だいたい300億円ほどか。で、日本の音楽市場の規模は1570億円。合計金額のうちどれくらいが音楽の売上なのか分からないし、どれくらいが日本での売上なのかも分からないが、それにしても金額が小さい。ついでに言うと、日本国内の映像市場の規模は4兆2000億円ほど。果たして、これで韓流ブーム、K-POPブームなどと呼んでいいものなのかどうか…?あまりにもちっぽけ過ぎだろう。

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プレイ&ウィン

 

ALEXANDRA_STAN_MR_SAXOBEAT.JPG ALEXANDRA_STAN_SAXOBEAT.JPG AMNA_TELL_ME_WHY.JPG ANDA_ADAM_LOVE_ON_YOU.JPG

Mr. Saxobeat (2010)
Alexandra Stan

Mr. Saxobeat (2010)
Alexandra Stan

Tell Me Why (2011)
Amna

My Love On You (2010)
Anda Adam

(P)2010 E2/VAE VICTIS (Italy) (P)2011 Sony Music (Germany) (P)2011 Roton (Romania) (P)2011 Blingnot Media
1,Paolo Noise Radio Edit 3:33 ビデオ
2,Paolo Noise Extended 6:04 ビデオ
3,Gabry Ponte Radio Edit 3:02 ビデオ
4,Gabry Ponte Extended 6:03 ビデオ
5,Ali6 Rmx 011 3:22 ビデオ
6,Wender Remix 5:55 ビデオ

#1-2 remixed by Paolo Noise
#3-4 remixed by Gabry Ponte
#5 remixed by Ali6
#6 remixed by Wender
1,Radio Edit 3:17 ビデオ
2,Bodybangers Remix Edit 3:22 ビデオ
3,Extended Version 4:16 ビデオ
4,Bodybangers Remix 5:50 ビデオ
5,Acoustic Version 3:03 ビデオ

#2&4 remixed by Bodybangers
#5 remixed by Time & Venue Musicproduction
1,Radio Edit 3:05 ビデオ
2,Extended Mix 5:19 ビデオ

produced by Tom Boxer & LLP
1,Radio Edit 3:22 ビデオ
2,Extended Version 5:26
3,Zrecords Remix 5:49 ビデオ
4,Pat Farrell Remix 6:37 ビデオ
5,DJ Pantelis Remix 5:53 ビデオ
6,DJ Aslam Remix 5:29
7,Ghony & Aslam Remix 6:35 ビデオ
8,Ian Sanchez Remix 6:40 ビデオ
9,Electro Tech Mix 5:27 ビデオ
10,DJ Mert Hakan 5:05 ビデオ

 今年に入ってようやく日本でも発売された、アレクサンドラ・スタンの世界的メガヒット。これはイタリアで制作されたリミックス盤となります。もともとがかなり個性の強い楽曲だけあって、なかなか料理するのも難しいところ。とはいえ、全体的に原曲のラテン風味をしっかりと生かしつつ、#3-4ではトランシーなテックハウスに、#5ではハイエナジーなエレクトロ・ビートに仕上げております。

 こちらはオリジナル・バージョンを含むドイツ制作のリミックス盤。まあ、やはりオリジナルが一番ではありますけど、ボディバンガーズによるバウンシーでプログレッシブなリミックス#2&#4も悪くありません。それにしても、オリジナルのエクステンデッドが4分ちょっとしかないというのは残念。もちろん、長けりゃいいってわけじゃないけど、この曲に関しては若干物足りなく感じてしまいます。  昨年のルーマニアン・ミュージック・アワードで最優秀新人賞にノミネートされたアムナのデビュー・シングル。こういうの大好きです!いわゆるクレズマーというヤツですか、東欧ユダヤの伝統音楽的なエッセンスを、実に上手いことダンサンブルなユーロ・ポップ・ハウスとして消化している。ちょっぴり切なげでキュートなメロディラインも最高。これは日本でも絶対に当たると思うんですけどね〜。  ヒップホップ・グループR.A.C.L.
A.のゲスト・ボーカリストを経てソロとして独立した女性歌手アンダ・アダムの大ヒット曲。世界マーケット向けの英語シングルはこれが4曲目です。ルーマニアはトルコ文化からの影響も濃厚なのですが、これはまさにそんな感じのハードなオリエンタル・ビート・ナンバー。そこはかとなくロマの香りを付けた#3や、アラビアン・テクノ風のエキゾチズムを強調した#7なんか良いです。

ANDA_ADAM_PANDA_MADAM.JPG ANDRA_TELEPHONE.JPG ANYA_FOOL_ME.JPG CORINA_NO_SLEEPIN.JPG

Panda Madam (2011)
Anda Adan

Telephone (2011)
Andra

Fool Me (2011)
Anya

No Sleepin' (2010)
Corina feat J.J.

(P)2011 Roton (Romania) (P)2011 Ultra Records (USA) (P)2011 Roton (Romania) (P)2010 E2/VAE VICTIS (Italy)
1,Radio Edit 3:32 ビデオ
2,Lazyboy Remix Edit 3:24 ビデオ
3,LLP Remix 5:04 ビデオ
4,Lazyboy Remix 5:55
1,Telephone 3:13 ビデオ
2,Telephone
 (Extended Version)5:11 ビデオ
1,Radio Edit 3:35 ビデオ
2,Extended Mix 4:36 ビデオ
1,Radio Edit 3:33 ビデオ
2,Odd Remix Radio Edit 3:52 ビデオ
3,Odd Remix Extended 5:51 ビデオ
4,videoclip 
 これは面白い(笑)。完全にアンダ・アダムという名前に引っかけたダジャレですよね、このタイトル。こういうおバカな無茶苦茶さもルーマニア産ポップスの魅力かもしれません。楽曲的にも最高にファニー。ポップでキャッチーでお茶目でダンサンブル。そこはかとなくオリエンタル風味の漂うファンキーな仕上がりです。ただ、オリジナルのインパクトが強すぎるせいか、リミックスはどれもパンチ不足かな。  テレビのオーディション番組でホイットニー・ヒューストンの“I Will Always Love You”を歌って注目され、デビューしたという女性歌手アンドラ。これが通算12枚目のシングルとなります。どことなくメランコリックなムードを湛えたメロディとトランシーなサウンド、ドリーミーなオリエンタリズムがとても気持ちの良いダンス・ナンバー。こういう歌詞とメロディの絡め方って、英米の音楽にはないですよね。  人気グループHi-Qのリード・ボーカリストを経て独立した女性歌手アーニャのサード・シングル。前作“Beautiful World”は地元ルーマニアはもとよりイタリアでもヒットしましたが、この曲はさらにスペインでもかなり好評だったみたいです。クレズマー・スタイルの民族音楽的なノリを絡めつつ、とてもドリーミーでフェミニンなユーロハウスとして仕上がってます。なかなかクセになる曲だと思いますね。  '04年にデビュー曲がいきなりルーマニアのヒット・チャートでトップ5入りしたという人気スター、コリーナ。これは女性ラッパーJ.J.と組んだシングルです。もともとはドイツのラ・ヴィーヴというガールズ・グループが歌っていたもののヒットせず。しかし、コリーナのカバーはルーマニアでトップ10ヒットとなり、イタリアでも話題になりました。思わず口ずさんでしまうくらいキャッチーなナンバーです。

DYA_DIVA.JPG ELENA_DISCO_ROMANCING.JPG ELENA_YOUR_CAPTAIN_TONIGHT.JPG ELENA_DONY_HOT_GIRLS.JPG

Diva (2010)
Dya

Disco Romancing (2010)
Elena Gheorghe

Your Captain Tonight (2011)
Elena Gheorghe

Hot Girls (2010)
Dony & Elena Gheorghe

(P)2010 Planeta Mix Records (Spain) (P)2010 Cat Music (Romania) (P)2011 Cat Music (Romania) (P)2010 Cat Music (Romania)
1,Radio Edit 3:38 ビデオ
2,Extended Mix 5:48 ビデオ

produced by Catalin Dascalu
1,Video Edit 3:13 ビデオ
2,Extended Mix 4:27 ビデオ
3,Bonne DJ Remix 3:47 ビデオ
4,Radio Edit 3:28
1,Radio Edit 3:14 ビデオ
2,Extended 5:03 ビデオ
1,Hot Girls 3:41 ビデオ
2,Hot Girls (Extended Version)4:19ビデオ
 12歳の時にティーン・グループ、ニュー・スター・ミュージックのメンバーとしてデビューした女性歌手ディアの、これが通算3枚目となるソロ・シングル。この曲のレコーディング当時でさえ、なんとまだ16歳ですよ。とても10代とは思えないセクシーな歌声にちょっとビックリ。汎地中海風のオリエンタルなサウンドとキャッチーなメロディ、そしてクレズマー風のお祭り騒ぎなアレンジが実に楽しい。大好きです。  ユーロビジョンにも出場したルーマニアを代表するトップ・スター、エレナ・ゲオルゲの世界マーケット向けシングル第2弾。EU各国でヒットしました。これが素晴らしいのなんの。ロマ音楽のフリーキーな楽しさとユーロディスコのキャッチーなノリを絶妙に融合させ、まさにディスコティックな作品に仕上げてます。'70年代ディスコっぽいシンセ・リフを盛り込んだトランシーなリミックス#3はイマイチですが。  これが今のところエレナの最新シングルですね。とりあえず最高です。このキャッチーかつイケイケなお祭り騒ぎぶりはルーマニア産ダンス・ミュージックの醍醐味。ロマ風味のサクソフォン(実際はシンセだけろうど)がまた痛快なのね。ダンスフロアが湧き上がること間違いなしの傑作。一応、ラジオ・エディットとエクステンデッドがありますけど、ガッツリとタイトに仕上がったラジオ・エディットで決まりです。  エレナ・ゲオルゲが若手男性アイドル、ドニーことコルネル・ドニチとのデュエットで発表したシングル。そういえば、ドニー君って基本的にクラブDJや女性歌手とのコラボが多いんですよね、なぜか。それはさておき、楽曲はいかにもルーマニアなロマ風味を随所に感じさせつつも、イケイケなユーロ・ハイエナジー路線でガンガン攻めていきます!って感じ。分厚いシンセリフはテンション上がります。

EMIL_LASSARIA_9MM.JPG FREAKY_BOYS_NOTHING_YOU_CAN_DO.JPG JOHN_PUZZLE_SO_FAR_SO_GOOD.JPG LAURENTIU_DUTA_SHINNING_HEART.JPG

9MM (2011)
Emil Lassaria & F.Charm

Nothing You Can Do (2011)
Freaky Boys

So Far So Good (2011)
John Puzzle feat. Elise

Shining Heart (2012)
Laurentiu Duta feat. Andreea Banica

(P)2011 Co2 Music (Romania) (P)2011 Magic Records (P)2011 MediaPro Music (Romania) (P)2012 Cat Music (Romania)
1,Radio Edit 3:47 ビデオ
2,Extended Version 6:19 ビデオ
3,Jay Frog Remix 6:11 ビデオ
4,Sean Finn Remix 5:52 ビデオ
5,Jorge Martin S Remix 6:57
6,Sean Finn Edit 3:22
7,Cosmo's Main Room Remix 5:05
8,Cosmo's 5am Remix 4:56 ビデオ

produced by Emil Lassaria
1,Nothing You Can Do 3:16 ビデオ
2,Nothing You Can Do
  (Extended Mix) 4:56 ビデオ
1,So Far So Good 3:14 ビデオ

produced by John Puzzle
1,Radio Edit 3:36 ビデオ
2,Extended 5:35

produced by Laurentiu Duta
 ルーマニアの売れっ子DJエミル・ラッサリアが、最近注目されている若手ラッパー、F.Charmをボーカルに迎えたシングル。ラッサリアはリミキサーとしてもインターナショナルに活躍している人です。出だしから壮大な民謡コーラスをフューチャーした本作は、もうこれでもか!というくらいなロマ節全開のファンキーなユーロ・ディスコ。ブラス・セクションとの絡みもなかなか痛快で、思わず腰が動き出します。

 昨年の11月にデビューした3人編成DJトリオのシングル。彼らの詳しいプロフィールや女性ボーカリストの素性など分かりませんが、これまたルーマニア産らしいロマ節全開のハイエナジーなダンス・ナンバーとなっております。哀愁を帯びたキャッチーなメロディラインもなかなかいい。ただ、必要以上にBPMを上げまくったエクステンデッド・ミックスはちょっと頂けなかった。スピードアップする必要なし。

 去年からずっとお気に入りの1曲です。トルコ音楽からの影響濃厚なオリエンタル・サウンドの心地良さもさることながら、実によく計算された言葉とメロディの艷やかな響きがなんとも官能的。ボーカルを担当するエリーゼの美しい発音も魅力です。ジョン・パズルは本名をアドリアン・イヌート・ラドゥというルーマニア人で、地元では売れっ子DJにして音楽プロデューサー。プロモ限定のエクステンデッドも欲しい。  ルーマニアで絶大な人気を誇った男性グループ、3 Sud Estの元中心人物で、現在は作曲家兼プロデューサーとしてアクセントやエレナ・ゲオルゲらのヒット曲を数えきれないほど手がけているラウレンティウ・ドゥータ。その彼が人気女性歌手アンドリーア・バニカと組んだシングルです。ほんのりとした哀愁感とドリーミーなサウンドが魅力の美しいダンス・ナンバー。ArashのBroken Angelに似てるけど…(^^;

LOREDANA_MONALISA.JPG MATTYAS_SECRET_LOVE.JPG MORRIS_BOCA_LINDA.JPG MOSSANO_CARAMBA.JPG

Monalisa (2011)
Loredana

Secret Love (2010)
Mattyas feat. Kristina S.

Boca Linda (2012)
Morris

Caramba (2010)
Mossano

(P)2011 MediaPro Music (Romania) (P)2011 X-Energy (Italy) (P)2012 Roton (Romania) (P)2010 Cat Music (Romania)
1,Radio Edit 3:18 ビデオ
2,JayRaa & Jay Ko Club Mix 6:51 ビデオ

featuring Jay Ko
1,English Version Radio Edit 3:15 ビデオ
2,English Version Extended 5:08 ビデオ

produced by Deepside Deejays
1,Radio Edit 3:18 ビデオ
2,Libero RMX 4:21
3,Dexter Deejay Sax Remix 4:21 ビデオ
4,Claudio Cristo Remix 6:39
5,Club Mix 5:08 ビデオ
6,Ovylarock Remix 5:38 ビデオ
1,Caramba 2:47 ビデオ
2,Caramba (Extended) 3:17 ビデオ
 ルーマニアでは'80年代半ばから活躍している国民的人気スター、ロレダーナ。歌手のみならず女優としても映画やテレビに出演しているようです。そんな大ベテランの彼女が若手DJでプロデューサーのジェイ・コーと組んだのがこのシングル。これが実にキャッチーでダンサンブルなロマ風エスニック・ハウスとなっております。オススメはクラブ・ミックス。ラジオ・エディットはちょっとモッサリした感じかな。  ブカレスト出身の若手男性アイドル、マティアスのデビュー・シングル。クリスティーナというギリシャ人の女性をゲスト・ボーカルに迎え、ルーマニアを代表するヒットメーカーのディープサイド・ディージェイズがプロデュースを手がけています。楽曲も東欧のロマとギリシャのライカをかけ合わせたような感じの、エレガントでエキゾチックなプログレッシブ・ハウス。なかなかいい曲だと思います。  ディープサイド・ディージェイズとのコラボレーションでも知られるルーマニアのクラブDJ、モリスの最新シングル。基本的に歌はあまり上手くない人なのですが…というよりも、その強面からは想像もできないくらいに細くて優しい声をしてるんですよね(笑)。ボーカリストとしてはかなり線の細い人ではありますが、東欧や南欧のジプシー音楽を総括したような奥行きのあるサウンドはなかなか。悪くありません。  こちらもルーマニアではDJ及びリミキサーとして活躍するモッサーノ。大物DJデヴィッド・ディージェイとのコラボで有名になった人だそうです。こちらはロマやアラベスクをごちゃまぜにしたオリエンタル・サウンドにヒンドゥー語のマントラを被せてしまったというユニークなナンバー。一度聴いたら頭の中でループし続けます(笑)かなりクセになる作品ですが、エクステンデッドで3分ちょっとしかないのは残念。

 

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