リズ・オルトラーニ Riz Ortolani

 

 

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 『世界残酷物語』(62)のテーマ曲「モア」で余りにも有名なイタリアの作曲家リズ・オルトラーニ。抒情的でロマンティックで美しいメロディ、ストリングスを多用した豪華なオーケストラ・アレンジメントが彼のトレードマークと言えよう。モリコーネやトロヴァヨーリといったヒップなマエストロたちに比べるとオーソドックスな正統派の映画音楽家というイメージが強いものの、作品によってはジャズやロック、ラテンなどのジャンルを応用する器用さも持ち合わせており、実は大変に懐の深い芸術家だったりする。なによりも、「モア」の世界的な大ヒットによってイタリア映画音楽の高水準を広く国際的に知らしめ、早くからハリウッドでも活躍することによってモリコーネらイタリアのマエストロたちに世界への門戸を開いたという偉大な功績は高く評価されて然るべきであろう。

 1931年9月4日、大作曲家ロッシーニの故郷としても知られる古都ペーザロで生まれた彼は、本名をリジエロ・オルトラーニという。ジョアッキーノ・ロッシーニ音楽院を卒業した彼は、さらにオーケストラ指揮を学ぶために進学を希望していたものの、父親の急逝で経済的な余裕がなくなったため、ローマへ出て仕事を探さねばならなくなってしまう。イタリアの国営放送局RAIの専属オーケストラに参加した彼は、フルート奏者として演奏する傍らでオーケストラ・アレンジも手掛けるように。RAIの制作マネージャーからその才能を認められ、新設されたジャズ・オーケストラの指揮者として起用されることとなった。ちょうどこの時期、友人の勧めで本名を縮めたリズ・オルトラーニを名乗るようになったという。
 そのジャズ・オーケストラが演奏するラジオ番組で知名度を高めた彼は、62年に作曲家として映画界へ進出。処女作に当たるのが、実は『世界残酷物語』だったのだ。モンド・ドキュメンタリーの先駆けとして世界中でセンセーションを巻き起こした『世界残酷物語』だが、そのキワモノ的な内容とは裏腹にロマンティックで美しいテーマ曲「モア」も大変な人気を集めた。作曲はオルトラーニとニノ・オリヴィエロの連名。しかし、その後のフィルモグラフィーを比べてみれば分かると思うが、メロディもアレンジもオルトラーニの才能によるところが大きかったと言えよう。2人はこの作品でアカデミー賞にもノミネートされ、アンディ・ウィリアムスやジュリー・ロンドン、ドリス・デイ、ポール・モーリア楽団など数えきれないほどのアーティストが「モア」のカバー作品をレコーディングした。
 この大成功によって世界中から一躍注目の的となったオルトラーニは、MGMやパラマウントなどハリウッドのメジャー・スタジオから続々と仕事が舞い込むようになる。ユナイテッド・アーティスツはロサンゼルスに豪邸を用意するとまで申し入れたが、彼はアメリカに拠点を移すつもりなど全くなかったため、このオファーを丁重に断ったという。『第七の暁』(64)や『黄色いロールス・ロイス』(64)、『アンツィオ大作戦』(68)などのハリウッド大作と並行して、その後も数多くのイタリア映画を手掛けたオルトラーニ。彼が目指したのは、イタリア映画界と世界の架け橋だったそうだ。
 名作は枚挙にいとまないが、『世界残酷物語』以外の代表作を挙げるとすれば『世界女族物語』(62)、『黄色いロールス・ロイス』、『ヤコペッティのさらばアフリカ』(66)、『女と女と女たち』(67)、『ヤコペッティの残酷大陸』(71)、『警視の告白』(71)、『マッキラー』(72)、『ブラザー・サン シスター・ムーン』(72)、『ヤコペッティの大残酷』(74)、『サハラクロス』(77)、『食人族』(79)、『追憶の旅』(83)、『いつか見た風景』(89)といったところか。巨匠の芸術映画から戦争映画、ホラー映画、アクション映画、ポルノ映画まで、手掛けるジャンルは恐ろしいくらいに幅広い。時には『キラー・クロコダイル』(88)シリーズのようなC級映画まで引き受けているのだから驚く。そうした映画音楽の仕事の傍らで、近年は交響曲やバレエ組曲なども精力的に発表。もちろん、長年の盟友プピ・アヴァティ監督の作品を中心に、映画音楽家としてもまだまだバリバリの現役だ。
 ちなみに、『世界残酷物語』のオリジナル・サントラで「モア」を歌っていた歌手カティナ・ラニエリは現在の奥さん。1964年に結婚して以来のおしどり夫婦だ。2人の間に生まれた娘リージアは映画関係の仕事に就いており、『永遠のマリア・カラス』(02)や『ヴァン・ヘルシング』(04)などのスタッフを務めているという。

 

 

MONDO_CANE.JPG UNA_SULLALTRA.JPG SO_SWEET.JPG ADDIO_ZIO_TOM.JPG

世界残酷物語
Mondo Cane (1962)

Una sull'altra (1969)

Cosi dolce...cosi perversa (1969)

ヤコペッティの残酷大陸
Addio zio Tom (1971)

(P)1993 CAM (Italy) (P)2001 Dagored (Italy) (P)2001 Hexacord (Italy) (P)2010 GDM/Universal (Italy)
1,Life Savers Girl
2,L'isola Maledetta
3,Ragazze e Marinai
4,Hong Kong Cha Cha Cha
   Colazione al Colony
5,L'ultimo Volo
6,Dog Meat
7,China Tarantella
8,I pescatori di ragjput gu squali
9,Ti guardero nel cuore (aka More)
  (Instrumental Version) ビデオ
10,Free Way ビデオ
11,Casa della morte ビデオ
12,Il purgatoro
13,Repabhan strasse
14,La forcada
15,Cargo Cult (Finale del Film)
1,Una sull'altra
2,Susan and Jane
3,Lombard Street ビデオ
4,Sitar in Blues
5,St.Francisco Railways
6,St.Quentin
7,Golden Gate Bridge
8,Latin Quarter ビデオ
9,Susan and Jane
10,The Roaring Twenties ビデオ
11,Una sull'altra
12,Una sull'altra *
13,Sitar in Blues *
14,Susan and Jane *
15,Susan and Jane *

* bonus tracks
1,Main Title Song
2,Main Title Theme-Isntreumental
3,Shake in the Disco ビデオ
4,Sweet Proposals ビデオ
5,Main Title Theme-Instrumental#2
6,A flute in the Night
7,Main Title Theme-Instrumental#3
8,Western
9,Main Title Theme-Instrumental#4
10,Main Title Theme-Instrumental #5
11,Shadows in the Mind
12,Main Title Theme-Instrumental #6
13,Main Title Theme-Instrumental #7
14,The Best Pleasure ビデオ
15,Main Title Theme-Instrumental #8
16,So Soft
17,I'll Be Always Alone
18,So Tender
19,Deeps of the Mind
20,The Climax-End Title Song
1,Oh My Love
2,Maple
3,Mister Ling
4,Rito di Mezzanotte
5,Mamie
6,Sosta nel lago
7,Addio zio Tom ビデオ
8,Il mercato degli schiavi
9,La fiera delle meraviglie
10,Oh My Love (solo orchestra)
11,Fort Bastille
12,Cadet's Waltz
13,Miami ビデオ
14,Oh My Love (solo orchestra #2)
15,Miami (#2)
16,Oh My Love (solo orchestra #3)
17,Miami (#3)
18,Addio zio Tom (#2)

#1 sung by Katyna Ranieri
 何度聞いてもうっとりしてしまう「モア」のメロディを随所に散りばめたオリジナル・サウンドトラック盤。あらゆるカバー・バージョンの原点となったのが#9ですね。ジャジーなピアノとゴージャスなストリングスの絡みが実に美しい。願わくば、これでラニエリのボーカル・バージョンがボーナス・トラックとして収録されていれば完璧だったんですけどね。ちょっとセンチメンタルなチャチャ風の#12も好き。  ルチオ・フルチ監督によるヒッチコック風サスペンスのサントラ。これがビックリするくらいクールでスリリングなモダン・ジャズ・スタイルの作品に仕上がっています。オルトラーニお得意のスウィートなメロディは完全に封印。ファンにとっては賛否両論分かれるところかもしれませんが、これはこれで十分にカッコいい。ジャズマンとしての経験が十二分に生かされた、実に渋くて辛口な作品だと思います。  ウンベルト・レンツィ監督によるジャッロ映画のサントラ。オルトラーニらしいセンチメンタルで抒情的な美しいメロディを軸に、カンツォーネ風のポップ・ナンバーからグル―ヴィーなサイケ・ロックまで、実に幅広いスタイルのスコアを聴かせてくれます。なんとなく火曜サスペンス的なムード漂うのがご愛嬌ではありますが、この手のコテコテにヨーロピアンなサウンドは大好き。ジャッロ系サントラファン必聴です。  盟友ヤコペッティの手掛けた、ほぼ劇映画と呼んでもいい疑似ドキュメンタリー。ヤコペッティ作品の中では最も評価の低い作品ですが、オルトラーニの品格に満ちた音楽スコアは実に素晴らしい。ラニエリの歌うボーカル・バージョン#1を筆頭に幾度となく繰り返されるテーマ曲の荘厳な美しさは鳥肌モノです。また。名曲「モア」を彷彿とさせる流麗なワルツ#12も出色の仕上がり。見事な名盤です。

BROTHER_SUN_SISTER_MOON.JPG DONT_TORTURE.JPG MONDO_CANDIDO.JPG SAHARA_CROSS.JPG

ブラザー・サン シスター・ムーン
Fratello sole sorella luna (1972)

マッキラー / アマゾネス
Non si sevizia un paperino (1972)/Le amazzoni (1973)

ヤコペッティの大残酷
Mondo Candido (1974)

サハラクロス
Sahara Cross (1977)

(P)2000 BMG Ricordi (Italy) (P)1995 Point Records (Italy) (P)2000 Dagored (Italy) (P)2003 Culture Publishing (Japan)
1,Brother Sun Sister Moon ビデオ
2,Meeting with Chiara
3,Departure and Return from the War
4,Simple Prayer
5,Lullaby
6,Meeting with the Pope
7,Francesco with the Dyers Men
8,Brother Sun Sister Moon
9,Bernardo's Conversion
10,Francesco's Undressing
11,Chiara and Francesco
12,Interview with the Pope
13,Francesco Goes Alone Round The World

#4&8 vocal by Claudio Baglioni
Non si sevizia un paperino
1,Quei giorni insieme a te ビデオ
2,Non si sevizia un paperino 
3,Giochi di bambini
4,Come un delirio
5,L'innocenza di un bambino
6,Nel buio, il terrore
7,Tranquillita e angoscia
8,Follia omicida
9,Durante il funerale
10,Disperazione di una madre
11,Don Alberto e l'assassino
12,Quei giorni insieme a te ビデオ
Le amazzoni
13,Le amazzoni
14,Sulla riva del mar morto
15,Echi e trasparenze
16,La battaglia delle amazzoni ビデオ
17,All'ombra dei cedri
18,Le amazzoni
19,Montagne blu
20,La lunga attesa
21,Le amazzoni (finale) ビデオ

#12 sung by Ornella Vanoni
1,Mondo Candido ビデオ
2,Le soldatesse
3,L'altalena
4,Panglos a New York
5,Svegliati ragazzo
6,Un amore cosi tenero ビデオ
7,Cani e gatti
8,Azzurro e nuvole
9,Ferro, chitarra e amore
10,Tema di "Mondo Candido"
1,Sahara Cross (side A on 45 RPM Cinevox)
2,Sahara Cross (Horn Theme)
3,Safari Session (side B MDF113)
4,Sahara Cross (Time of Love)
5,Safari Session (Roundabout)
6,Sahara Cross (All 2nd Version)
7,Safari Session (Night Visions)
8,Sahara Cross (Sand's Theme)
9,Sahara Cross (Tension Reprise)
10,Sahara Cross (Sunshine Effects)
11,Sahara Cross (Timbal Theme)
12,Sahara Cross (Night Effects)
13,Sahara Cross (Suspense)
14,Sahara Cross (Shaft Timbal Theme)
15,Sahara Cross (Sand's Expansion)
16,Safari Session (Dawn Awaiting)
17,Sahara Cross (Night Effect 2nd Ver.)
18,Sahara Cross (Crossing Night)
19,Sahara Cross (All Version)
 巨匠フランコ・ゼフィレッリが聖フランチェスコの物語を映像化した不朽の名作。オルトラーニのスコアは神々しいくらいに美しく気高いムードを漂わせており、恐らく彼のベストワークと呼んでも差し支えないほどの出来栄え。中でも、あのプラシド・ドミンゴもローマ法王の前で歌ったことのある名曲#8は、クラウディオ・バリオーリの素朴な歌声と相まって実に感動的で優しいバラードに仕上がっています。  ルチオ・フルチ監督の猟奇サスペンス『マッキラー』とテレンス・ヤング監督のお色気史劇『アマゾネス』のカップリング。なんといっても『マッキラー』のスコアが素晴らしい。流麗でセンチメンタルなメロディは、まさにオルトラーニ節全開といった感じ。オルネッラ・ヴァノーニの歌う主題歌#12も最高です。一方の『アマゾネス』は時代物らしい牧歌的な内容。随所に抒情的なムードを挿入して悪くないです。  ヤコペッティがヴォルテールの小説を映画化した風刺ドラマ。シャンソンからスイング・ジャズまで多種多様なジャンルを行き来しながら、万華鏡のようにカラフルなサウンドを聴かせるオルトラーニのスコアは見事。中でも、豪華絢爛たるストリングスの音色とため息が出るほどに甘いメロディを堪能できる#3と#6は絶品です。そうかと思えば#9では官能的で艶めかしいR&Bサウンドを披露したりして、実に奥深い。  トニーノ・ヴァレリ監督によるサスペンス・アクションのサントラ。これがラロ・シフリンやフランチェスコ・デ・マージも真っ青のファンキーかつグル―ヴィー、時にダンサンブルな作品に仕上がっているんですね。オルトラーニのディスコグラフィーの中でも異彩を放つ一枚かと思われます。映画そのものも結構面白かったという記憶がありますけど、サントラは輪をかけて見事な出来栄え。超おススメです。

CANNIBAL_HOLOCAUST.JPG TRIESTE.JPG CASANOVA&COMPANY.JPG THREE_SOUNDTRACKS.JPG

食人族
Cannibal Holocaust (1979)

トリエステから来た女
La ragazza di Trieste (1983)

Casanova & Company (1976)
顔のない殺人鬼/La vergine di Norimberga (1963)

Una sull'altra (1969)
Teresa la ladra (1973)
皆殺しのダイヤモンド/Tiffany Memorandum (1967)

(P)1995 Lucertola Media (Italy) (P)2006 Avanz Entertainment (Japan) (P)1993 CAM (Italy) (P)1997 Beat Records (Italy)
1,Cannibal Holocaust (Main Theme)ビデオ
2,Adultress' Punishment
3,Cameraman's Recreation ビデオ
4,Massacre of the Troupe ビデオ
5,Love with Fun ビデオ
6,Crucified Woman ビデオ
7,Relaxing in the Savana
8,Savage Rite
9,Drinking Coco ビデオ
10,Cannibal Holocaust (End Titles)

*limited edition of 1000 copies
1,La ragazza di Trieste
2,Sgomento
3,Spiaggia assolata
4,Nicole addormentata
5,Esaltazione dei sensi
6,Suicidio
7,Attrazione
8,Cercando Nicole
9,Allucinazioni
10,La ragazza di Trieste
Casanova & Company
1,Casanova and Company Theme
2,Giacomo and Cecilia
3,Training in the Convent
4,Escape from the Piombi's
5,Barcarola
6,Giacomo's Theme
7,Casanova and Francesca
8,Beauties at the Castle
9,The Califfa
10,Casanova and Giacomino-Final
La vergine di Norimberga
11,Il dubbio di Mary
12,Una notte di terrore
13,Orribile visione
14,Il dubbio di Mary
15,Irrealta
16,Il dubbio di Mary
17,Momenti di panico
18,Nel vecchio castello
19,Fantomatica apparizione
20,Disperazione di Mary
21,Non c'e scampo
22,Morte violenta
23,Atroci sospetti
Una sull'altra
1,Una sull'altra
2,Susan and Jane
3,Lombard street
4,Sitar in Blues
5,St.Francisco Railways
6,St.Quintin
7,Golden Gate Bridge
8,Latin Quarter
9,Susan and Jane
10,The Roaring Twenties
11,Una sull'altra
Teresa la ladra
12,Teresa
13,Teresa l'illusa
14,Aria di bosco
15,Teresa and blues
16,Teresa for sax
Tiffany Memorandum
17,Beat fuga shake ビデオ
18,Notte al Grand Hotel
19,Tiffany sequence M8
20,A luci spente
21,Tiffany sequence M22
22,Tiffany 23
23,Tiffany sequence M7
24,Tiffany suspence
25,Notte al Grand Hotel
 ルッジェロ・デオダート監督による悪名高きカンニバル映画。名曲「モア」を彷彿とさせる美しいテーマ曲#1と#10は、そんな残酷極まりないストーリーを全く連想させないほどに素晴らしい出来栄えです。それとなくダークなテーマを感じさせるような不協和音を入れ込んではいるんですけど、すっかりストリングスの甘い音色にかき消されていますね(笑)。それ以外のスコアも非常に完成度が高く、聴き応え十分。  パスカーレ・フェスタ・カンパニーレ監督によるアート系エロスの佳作。オルトラーニのスコアはジャズ・フュージョン的な雰囲気が濃厚で、ある意味非常に80年代的なサウンドだと思います。全体的なインパクトとしてはわりと地味ですが、テーマ曲#1や#10では彼らしい繊細なメロディと華麗なストリングスが健在。ただ、もうちょっと印象に残るような楽曲が欲しかったようにも思います。  トニー・カーティス主演による日本未公開のカサノヴァ伝記映画とアンソニー・M・ドーソン監督による怪奇映画のサントラをカップリング
。前者は時代物らしからぬソフトロック調の作品で、実に爽やかでお洒落なメロディとサウンドが満載。当時のトロヴァヨーリ辺りを彷彿とさせます。一方の『顔のない殺人鬼』はホラー・タッチのいかにもなスコアに紛れて、ジャジーでムーディなサウンドを聴かせてくれます。
 上記のルチオ・フルチ作品に加えて、モニカ・ヴィッティ主演の日本未公開作、ケン・クラーク主演によるスパイ映画のサントラをカップリングした1枚。フルチ作と『皆殺しのダイヤモンド』はモノラル収録です。Teresa〜はカルロ・ルスティケッリみたいなイタリア民謡調。『
皆殺し〜』はいかにもスパイ映画らしいモダン・ジャズ・スタイルが好感持てるものの、あまり印象には残らないかもしれません。

THE_GENIUS_OF.JPG

The Genius of Riz Ortolani

(P)2004 BMG Ricordi (Italy)
section 1
1,Il cuore altrove (2003)ビデオ
2,Il sorpasso (1962)ビデオ
3,Una gita scolastica (1982)ビデオ
4,More (New version 2004)
5,Fantasma d'Amore (1981)ビデオ
6,Forget Domani (1965)ビデオ
7,Girolimoni (1972)
8,Addio zio Tom (1972)
9,Confessioni di un
       Commissario (1971)ビデオ
10,Most of All There's You (1967)
11,Celli's Theme (1967)
12,Africa Addio (1965)
13,Teresa la ladra (1974)
14,Anzio (1968)
15,The Seventh Dawn (1964)
16,Cannibal Holocaust (1979)
17,Till Love Touches Your Life (1971)
18,La rivincita di natale (2004)ビデオ
19,Non si svezia un paperino (1973)
20,Ultimo minuto (1987)
section 2
1,Ma quando arrivano
       le ragazze?(2005)ビデオ
2,Valachi, Cosa Nostra (1972)ビデオ
3,The Man of the Americas (1985)
4,The Yellow Rolls Royce (1965)
5,La piovra (1984)
6,Fratello sole sorella luna (1972)
7,Unforgettable Love (1981)
8,I cavalieri che fecero l'impresa (2001)
9,Gran Valzer (1963)
10,La pieta (1990)
11,David (1991)
12,La decimazione (1965)
13,Sette volte donna (1967)
14,Maya (1968)
15,Chiara con Francesco (1972)
16,Mondo Cane Suite e More
 オルトラーニの新旧代表作を集めた究極の2枚組ベスト。1枚目は様々な映画賞に輝いたスコアや主題歌を中心に選曲されています。名曲「モア」#4はポップス調のアレンジを施したニュー・バージョンで、個人的にはイマイチな印象。逆にプピ・アヴァティと組んだ『心は彼方に』#1や『クリスマスの雪辱』#18は老いてなお冴えわたるオルトラーニのメロディセンスに感心させられます。#6は『黄色いロールスロイス』の主題歌のインスト・バージョン。『警視の告白』のテーマ曲#9も印象的です。ただ、全体的にはわりとオーソドックスなスコアが多いかもしれません。  こちらはシンフォニック系スコアの代表作ばかりを集めた2枚目。やはりプピ・アヴァティと組んだ日本未公開作のテーマ曲#1が素晴らしい出来栄え。程よいジャズ・タッチと暖かいメロディが印象的です。『バラキ』のテーマ#2やベニー・グッドマンをフィーチャーした#7
、『女と女と女たち』のテーマ曲#13なんかも、オルトラーニらしい抒情的で繊細なメロディとゴージャスなオーケストラ・アレンジを存分に堪能することが出来ます。そして、なかなか聴き応えがあったのは#16の『世界残酷物語』組曲。もちろん新録ですが、愛妻ラニエリも参加しております。

 

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