ピラール・モンテネグロ Pilar Montenegro
〜レゲトン界のエロ・テロリスト!?〜
日本でもダンディー・ヤンキーの「ガソリーナ」の大ヒットや、ドリカムの「SUNSHINE」(めざましテレビのテーマ)ですっかり御馴染みのレゲトン。アフロ・カリビアン・サウンドとラテン・ヒップ・ホップを融合させた新しい音楽として、アメリカではここ数年大人気のジャンルだ。そのレゲトン業界で注目を集めているスターがピラール・モンテネグロ。見ての通りのエロエロ全開なセクシー路線の女性アーティストで、日本では全く知られていないものの、メキシコやアメリカでは絶大な人気を誇っているスターだ。
レゲトンの女王と言えばアイヴィー・クイーンという女性ラッパーが有名だが、ピラールはもともとは平均的なラテン・ポップス系の女性ボーカリストだった。90年代にメキシコで一世を風靡した男女混成のアイドル・グループ、ガリバルディのメンバーとして活躍し、1996年にソロ・デビュー。当初はボレロ系のバラードやクンビアを歌っていたが、同じくガリバルディ出身のパトリシア・マンテローラがラテン・ダンス・ポップで大成功を収めたのに影響されてか、2004年にリリースされたアルバム“Pilar”辺りからダンス路線を前面に打ち出し、ジゼル・ドコールとのデュエット・アルバム“Euroreggaeton”で本格的にレゲトンに挑戦。最新作“South
Beach”でもレゲトンをベースにしたダンス・ポップを聴かせてくれている。
レゲトンと言えば基本的にラップだが、彼女の場合は歌ものが中心。キャッチーで分りやすいメロディ・ラインが特徴で、非常にポップで親しみやすい楽曲が多い。露出過多なルックスに似合わないハスキーでパワーのあるボーカルも魅力で、単なるセクシー系と片付けられない実力の持ち主だったりする。
1972年8月1日、メキシコの生まれ。本名をマリア・ロペス(Maria Lopez)という。当初はFresas Con Cremasというグループに在籍していたが、1989年に当時人気上昇中だったガリバルディ(Garibaldi)に加入。その後、メキシコのテレビ・ドラマに数多く主演し、1996年にリリースしたソロ・アルバム“Son del Corazon”がメキシコを中心に大ヒットを記録。さらに、2002年にはシングル“Quitame Ese Hombre”がビルボードのラテン・チャートで1位を獲得、ポップ・チャートでも74位にランクされてトップ・スターの仲間入りを果たした。まだまだアメリカや南米以外では無名に近い存在だが、プロモーション次第ではヨーロッパやアジアでもブレイクする可能性を秘めたスターだと思う。ラテン系ダンス・ポップが好きな人には是非ともオススメしたい。
“Prisonera”のプロモ・クリップ ココ で見れます!(画質悪し)
“Tomalo Suave”のプロモ・クリップ ココ で見れます!
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Pilar (2004) |
Euroreggaeton (2004) |
South Beach (2005) |
(P)2004 Golden Music Group (USA) | (P)2004 Lideres Entertainment (USA) | (P)2005 Del Angel/EMI Latin (USA) |
1,Prisonera (Version Balada) 2,Te sigo amando igual 3,Que lastima 4,Vamos a darnos tiempo 5,Por que sera (Nortena) 6,Ta candente 7,Se me hizo facil (Nortena) 8,Prisonera (Version Original) 9,Vamos a darnos tiempo (Nortena) 10,Love Is All You Need 11,Prisonera (Version Pop) 12,Lo voy a dividir (Unplugged) produced by Rudy Perez, Pedro Iniguez |
1,Tomalo
Suave (Reggaeton Version) 2,Euroreggaeton 3,Suave 4,Hay Amores 5,I Wanna (Shall We Dance) 6,Piedeme 7,Saint Tropez 8,Seda 9,I Wanna (Shall We Dance)(Latin Version) 10,Tomalo Suave (Pop Version) 11,Tomalo Suave (Spanglish Version) 12,Tomalo Suave (Piano) bonus Tomalo Suave (video clip) produced by Adrian Posse |
1,Noche
De Adrenalina (Reggaeton) 2,Necio Corazon 3,Hasta Que Te Conoci 4,South Beach 5,Para Siempre Te Amore 6,Adicta (Reggaeton) 7,Instinto Animal 8,Geisha 9,Mogia 10,Como Te Extrano Mi Amore 11,Adicta (Pop) 12,Noche De Adrenalina (Pop) bonus 13,Noche De Adrenalina (Cumbia) produced by Adrian Posse |
ソロ・デビュー以来、ボレロ風のバラード系路線で売ってきたピラールが、初めてラテン・ダンス・ポップに挑戦したアルバム。・・・とはいえ、大半はしっとりとしたバラードやテファーナ(古典的なメキシコのダンス音楽)で構成されている。とりあえず、シングル・カットされた“Prisionera”が一番の聴きもの。#1ではロック・バラード風に、#8ではテファーナ風に、そして#11ではフラメンコ・ディスコ風にといった具合に、3バージョンが楽しめる。キャッチーな哀愁路線のメロディが日本人にも親しみやすい感じです。その他は、比較的平凡なバラードが多く、アルバム1枚を通しで聴くのはちょい辛いかも。 | 数年前にエルヴィス・クレスポとのデュエットで注目を集めた女性歌手ジゼル・ドコールとのデュエット作で、ピラールにとって初の本格的なレゲトン・アルバム。超キャッチーな哀愁系ポップ・レゲトン#1は全てのラテン・ポップ・ファンにオススメの佳作。ちょっと蓮っ葉な感じがまたセクシーです。#10と#11は別バージョンながら、ミックスは殆ど同じような感じ。で、#12はインスト・バージョンに仕上がってます。また、オリエンタル・テイストのお色気レゲトン#5の濃厚なセックス・アピールもなかなか捨て難し。ただ、コアなレゲトン・ファンにはちょっとポップ過ぎるように感じられるかもしれません。 | 前作に比べて、よりコアなレゲトン・サウンドに取り組んだ最新アルバム。ドン・オマールやビッグ・マンなどのラッパーをゲストに迎え、結構アンダーグラウンドでヘヴィーな音を聴かせてくれる。それでも、ラテン音楽らしいキャッチーなメロディはしっかり健在で、ラテン・ポップス・ファンにも楽しめる仕上がり。なので、ヒップ・ホップからの流れで聴いてしまうと、かなり物足りなく感じるかもしれません。また、前作における“Tomalo Suave”に匹敵するようなインパクトの強い楽曲も不在。それでも、レゲトンにクンビアのテイストを盛り込んだ#6の、気だるくてビッチな雰囲気はなかなかカッコいいです。 |