ヘラクレス・マチステ・サムソン・ゴライアス
イタリア産マッスル史劇の全貌

 

 第2次大戦後のイタリア映画界は、ロベルト・ロッセリーニの「無防備都市」やヴィットリオ・デ・シーカ監督の「自転車泥棒」といった、いわゆる“ネオ・レアリズモ運動”の世界的な高評価によって奇跡的な復興を遂げていった。もともと、イタリアはヨーロッパでも最大の映画大国。数多くの世界的なスターや巨匠を生み出してきたわけだが、イタリア映画界にはフランスやドイツといったヨーロッパの他の映画大国と決定的に違う点があった。それは大衆娯楽映画、つまり商業映画が圧倒的なパワーを持っていたということだろう。今でも根強い人気を誇るマカロニ・ウェスタンやイタリアン・ホラーを筆頭に、特定のジャンルにおける商才の鋭さと商魂の逞しさは、他国の追随を許さなかった。その戦後におけるイタリア産娯楽映画の原点とも言えるのが、いわゆる“スペクタクル史劇”というヤツである。
 1950年代後半から60年代半ばにかけて世界的な一大ブームを巻き起こし、数え切れない程の作品が作られたイタリアン産スペクタクル史劇。海外では“Peplum(古代ギリシャの服装に由来)”とか“Sword and Sandal”という名称でも親しまれている。その最大の特徴は、まず画面を所せましと暴れまくる裸のマッチョ・ヒーローたちの存在だろう。スペクタクル史劇というよりは、マッスル史劇である。ヘラクレスやマチステ、サムソン、ゴライアス、ユリシーズなど、ローマ神話や民間伝承によって語り伝えられてきた英雄たちが、民衆を虐げる暴君や蛮族、さらには魔女や妖怪といった敵と、文字通りの肉弾戦を繰り広げるのだ。それは、トロイ戦争のような史実や伝説に基づいている事もあれば、全くのオリジナル・ストーリーである事もあった。基本的にはヒロイック・ファンタジーであり、創造上の制約がないというものイタリア産マッスル史劇の特色と言えるだろう。それゆえに、ヘラクレスが何故だか蒙古支配下の中国に現れたり、18世紀の海賊として登場したりという荒唐無稽なシチュエーションがまかり通っていた。要は、ヒーロー・コミックの延長線上にあったのだ。
 ただ、これらのイタリア産マッスル史劇には、その多くに共通するストーリー展開や設定がある。まずは敵の存在。だいたいは君主を暗殺するなどして、その地位を不正に横取りした憎むべき暴君である。民衆はその圧制に苦しみ、宮廷を追われた正統なる王位継承者が復讐を目論んでいる。そこへ現れるのがヘラクレスやマチステといった無敵のヒーローで、暴君の操る魔物であったりとか、その軍隊などを打ち負かし民衆に自由と平和をもたらす、というわけだ。大抵のイタリア産史劇は、このプロット・ラインに基づいて作られており、その上で様々なバリエーションが加えられていると考えていいだろう。その予定調和を保った分かりやすさこそが、これらの作品が短期間で成功を収めた最大の理由であり、また同時に短期間で飽きられてしまった最大の理由でもあった。
 さらに、火山の噴火や大地震、大火災や群集パニックといったスペクタクル描写、巨大なセットや豪華な衣装なども大きなセールス・ポイントだった。しかし、ほとんどのイタリア産史劇はかなり低予算で作られており、よく見ると他の映画のパニック・シーンを流用していたり、他の映画のために作られたセットを再利用していたりする。特に「ポンペイ最後の日」の群集パニック・シーンは非常に出来が良かった事もあり、あちこちの映画で使いまわしされていた。

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正統派イタリア史劇の壮大なセット
La Regina di Saba ('52)より

月世界からやって来たエイリアン
Maciste e la Regina di Samar ('64)より

古代神話には定番の一つ目怪獣
「片目の巨人」('61)より

 さて、そんなイタリア産マッスル史劇。実は、その歴史はサイレント映画の時代にまで遡ることが出来る。イタリア映画はその草創期から、自国の歴史であるローマ神話や伝説を基にした映画を数多く作っていた。例えば、「ポンペイ最後の日」は1908年に最初に映画化されているし、イタリアで最初の長編劇映画は1909年の「トロイの陥落」だった。さらに、1912年には「クオ・ヴァヂス」が記録的な大ヒットとなり、アメリカでも大変な評判となった。ちなみに、サイレント期には字幕を英語に差し替えるだけで済むということから、アメリカでは数多くのヨーロッパ映画が輸入されている。
 そして、サイレント期におけるイタリア映画の金字塔と言われているのが「カビリア」('14)。紀元前3世紀のイタリアを舞台に、様々な史実を交えながらカビリアという少女の数奇な運命を描いていく作品で、上映時間約3時間という当時としては超の付く大作だった。で、この作品に登場したのが、カビリアを守る怪力の大男マチステ。肉体労働者から俳優に転じたバルトロメオ・パガーノが演じたマチステは、たちまち国民的な英雄となってしまった。そう、後のスペクタクル史劇ブームの人気ヒーローとなったマチステは、この「カビリア」のために作られたオリジナル・キャラクターだったのだ。そのため、マチステという名前が全く知られていないアメリカでは、数多くのマチステ映画がヘラクレスものとして公開されている。
 というわけで、1915年に作られた“Maciste”を皮切りに、1920年代半ばまで数多くのマチステ映画が製作され、バルトロメオ・パガーノはイタリアを代表するトップ・スターとなった。日本でも「強力マチステ」('19)や「マチステ武勇伝」('20)、「マチステの公休」('21)、「マチステの地獄征伐」('25)などが劇場公開されている。シリーズは作品を追うごとに設定が荒唐無稽になっていき、マチステが現代のスコットランドに住んでいてギンガムチェックで登場したりするようになっていった。“何でもアリ”というのはイタリア映画界伝統のお家芸なのかもしれない。
 その後、ムッソリーニによる独裁体制を経て第二次世界大戦へと突入して行ったイタリア。「シピオネ」のようなプロパガンダ的な歴史劇は作られたものの、いわゆる大衆娯楽映画としてのスペクタクル史劇は陰をひそめていった。そして、ネオ・レアリスモの時代を経て1949年に巨匠アレッサンドロ・ブラゼッティが発表したのが「ファビオラ」。4世紀のローマ帝国におけるキリスト教迫害の歴史を、騎兵隊の若者と貴族の娘との恋愛ドラマを軸に描いていく史劇大作で、敗戦国イタリアの本格的な復興を強く印象付けた。
 しかし、50年代後半からのイタリア産史劇ブームの直接的なルーツは別のところにあると考えるべきだろう。それは、ハリウッドである。1950年代のハリウッドは、スタジオ・システムが崩壊した時代だった。ハリウッドに君臨したMGMのタイクーン、ルイス・B・メイヤーが1950年に引退したのは象徴的だった。1948年にスタートしたテレビ放送はたちまち映画館から観客を奪うようになり、1951年に391本だったハリウッド映画の製作本数は1954年には254本に激減してしまった。さらに、労働組合の力が増大するに従ってスタッフや俳優のギャラが高騰し、映画製作そのものが困難な状況に追い込まれていった。
 そんな折にハリウッドで流行したのが“ランナウェイ方式”と呼ばれる映画製作スタイルである。これは、外国を舞台にした映画は外国で撮影するというもので、戦後の海外旅行ブームで目の肥えた観客を意識してのものだった。この“ランナウェイ方式”によって、実はヨーロッパで撮影した方が安上がりだと気付いた映画会社は、特にスタッフや俳優を大量に使わなくてはいけない超大作映画をヨーロッパで撮影するようになる。何といっても人件費が安いからだ。その中でも特に好まれたのがイタリアだった。イタリアにはムッソリーニが設立したヨーロッパ最大の撮影スタジオ、チネチッタがある。しかも映画製作の伝統と歴史があるだけに、熟練したスタッフを多数抱えている。スタジオ以外にも撮影に適した観光スポットが沢山ある。しかも人件費が安いので、大作映画に欠かせないエキストラも大量に使える。まさにイタリアは、ハリウッドの映画会社にとっての理想郷だったのだ。
 こうしてローマのチネチッタを撮影スタジオとして使うようになったハリウッドは、そのロケーションと伝統を生かしたスペクタクル史劇を次々と製作するようになる。マーヴィン・ルロイ監督の「クオ・ヴァディス」('51)辺りが最初ではないかと思われるが、シネマスコープ第1作となった「聖衣」('53)、「ジュリアス・シーザー」('53)、「ディミトリアスと闘士」('54)、「トロイのヘレン」('56)など、次々とハリウッドの史劇大作がチネチッタで撮影されていった。さらに、チャールトン・ヘストン主演の「十戒」('56)の世界的な大ヒットの影響もあり、ハリウッドでは史劇映画が大きなブームとなっていく。そうした状況の中で、イタリア映画界でもおのずと史劇映画が盛んに作られていくようになったのだ。
 かくしてイタリアでもカーク・ダグラス主演の「ユリシーズ」('54)やアンソニー・クィン主演の「侵略者」('54)といったハリウッド並の史劇大作が作られるようになった。そして、その「侵略者」を手掛けたピエトロ・フランチージ監督が世に送り出したのが、ローマ神話の英雄ヘラクレスを主人公にした「ヘラクレス」('58)だったのだ。ハリウッドでは無名だった元ボディ・ビルダーのアメリカ人俳優スティーヴ・リーヴスを主演に迎えたこの作品は、イタリア映画では初のシネマスコープ大作という事もあって各国で大ヒットを記録。特に翌年公開されたアメリカでは伝説的興行主ジョセフ・E・レヴィンの大々的なキャンペーンのおかげもあり、同年のハリウッド映画「ベン・ハー」('59)に匹敵するほどの大ヒットとなった。そして、この「ヘラクレス」を皮切りに、本格的なイタリア産マッスル史劇ブームが訪れることとなったのだ。

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ブロンズ製(?)のマッチョ・ロボット軍団
“Il Trionfo di Ercole”('64)より

70年代にはアマゾネス映画ブームが
「空手アマゾネス」('74)より

 
 さて、「ヘラクレス」の大成功によって巻き起こったイタリア産マッスル史劇ブーム。60年代半ばにブームが終息するまでに170本以上の作品が製作されたと言われている。ヘラクレスやマチステ、サムソンといったお馴染みのキャラクター以外にも、バルカンやらキンダーやらマクススやら、ヘラクレスやマチステの息子を名乗る英雄たちが続々と登場。しまいには、クレオパトラの息子なんてのも登場する始末だった。
 このブームの背景には、先述した「ベン・ハー」やキューブリックの「スパルタカス」('60)の大成功、映画史上最大の失敗作と呼ばれて話題になった「クレオパトラ」('63)などハリウッド史劇の影響が少なからずあった事は否定できない。しかし、それと同時にハリウッドそのものの弱体化とイタリア映画界の急成長、アメリカにおけるドライブ・イン・シアター人気と2本立て興行の普及など、様々な状況が重なり合って需要を拡大していったと考えられる。ドライブ・イン・シアターに代表されるように、50年代のアメリカはティーンが自分の小遣いをアルバイトで稼いで遊び始めた時代。仲間とバカ騒ぎしながら気楽に楽しめる低予算の娯楽映画は需要があったのだ。
 また、無名の若手アメリカ人俳優を主役に起用し、イタリア人俳優・スタッフがアングロサクソン名を使うなど、観客にハリウッド映画のような印象を与えるというイタリア娯楽映画のお家芸的な商業主義の伝統も史劇ブームによって生み出され、後のマカロニ・ウェスタンへと受け継がれていった。
 そのマカロニ・ウェスタンのブームが到来し、60年代半ばにはほぼ死滅してしまったイタリア産マッスル史劇。70年代にはテレンス・ヤング監督による「アマゾネス」('73)が話題になったことから、「アマゾネス対ドラゴン/世紀の激突」('74)や「空手アマゾネス」('74)といったアマゾネス映画が一時的なブームになった。ただ、これらの作品はアマゾネスを血に飢えた野蛮なレズビアン集団のように描いており、フェミニズムに対する露骨な嫌悪や偏見が感じられてあまり気分は良くない。
 さらに80年代にはアーノルド・シュワルツェネッガー主演のハリウッド映画「コナン・ザ・グレート」('82)と「キング・オブ・デストロイヤー」('84)が爆発的な大ヒットとなった事から、再び時ならぬマッスル史劇ブームが訪れる。その口火を切ったのがルイジ・コッツィ監督、ルー・フェリグノ主演の「超人ヘラクレス」('83・日本ではビデオ発売)。MGMを通じて世界配給されたこの作品は予想外のヒットとなり、続編の「超人ヘラクレス2」('85・日本ではビデオ発売)も製作されている。さらに、「超人ヘラクレス」よりも若干前に製作された「世紀末戦士アトー/炎の聖剣」('82・ビデオ発売)や「未来から来たハンター/ヨオ」('83・ビデオ発売)、「魔宮神話レジェンド・オブ・サンダー」('90・ビデオ発売)などSFXを多用したイタリア産マッスル史劇が作られたが、残念ながらかつてのような世界的ブームにまでは至らなかった。80年代はイタリア映画が急速に勢いを失っていった時代。特に娯楽映画の分野においては、技術的にも予算的にもハリウッドとの差は歴然としていた。もはや、かつての「ヘラクレス」や「ポンペイ最後の日」のような娯楽大作を撮る力はイタリア映画界に残されておらず、いずれの作品も低予算の侘びしさばかりが後に残る酷い出来映えだった。
 「グラディエーター」('00)や「トロイ」('03)、「300」('06)などハリウッドでは相変わらず史劇映画は人気が高いが、娯楽映画がほぼ死滅してしまったイタリアではもう「グラディエーター」や「トロイ」のまがい物が作られることもなくなってしまった。

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スティーヴ・リーヴス

リチャード・ハリソン

マーク・フォレスト

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ゴードン・ミッチェル

ダン・ヴァディス

アラン・スティール

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ゴードン・スコット

カーク・モリス

レジ・パーク

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マッシモ・ジロッティ

ローランド・ケリー

ルー・フェリグノ

さて、次にイタリア産マッスル史劇の生み出したマッチョ俳優たちに軽くスポットを当ててみたい。
 まずはスティーヴ・リーヴス。イタリア産マッチョ史劇の生み出した最大のスーパースターだ。モンタナ州出身のアメリカ人で、1947年にミスター・アメリカ、48年にミスター・ワールド、そして50年にミスター・ユニバースを獲得した伝説的なボディビルダーで、ハリウッド映画でチョイ役をやっていた。ピエトロ・フランチージ監督が「ヘラクレス」の主役を探していたところ、ハリウッド映画“Athena”で彼を見ていた監督の娘が推薦したという。59年に「ヘラクレス」が各国で公開されるやいなや大ヒットを記録し、リーヴスは一夜にして世界的なスターとなったのだった。その後も、続編の「ヘラクレスの逆襲」('59)や「鉄腕ゴライアス・蛮族の恐怖」('59)、「ポンペイ最後の日」('60)、「マラソンの戦い」('60)、「闘将スパルタカス」('62)など数多くの作品に出演。しかし、マカロニ・ウェスタンの到来と共に人気は失速し、何本かウェスタンに出演するものの成功せずに引退してしまった。ちなみに、シルヴェスター・スタローンはスティーヴ・リーヴスに憧れて体を鍛えるようになったという。
 このように、スティーヴ・リーヴスはマカロニ・ウェスタンにおけるクリント・イーストウッドのような存在だった。そして、マカロニ・ウェスタンの時と同じように、彼の成功を見習った数多くのアメリカ人ボディビルダーたちが一攫千金を狙ってイタリアへ渡ってくるようになる。「豪勇ペルシウス大反撃」('63)や「7人のあばれ者」('63)のリチャード・ハリソン、「豪勇ゴライアス」('60)や「鉄腕マチステ」('63)のマーク・フォレスト、「蛮族の逆襲」('61)のエド・フューリー、「エトランティス征服」('63)のレジ・パーク、「片目の巨人」('61)や「スパルタカスの復讐」('65)のゴードン・ミッチェル、日本では何故か公開作のなかったダン・ヴァディスなどがその代表格と言えるだろう。
 ただ、いずれも俳優としては殆ど素人で、その多くがブームの終焉と共にスクリーンから消え去ってしまった。その中で、特筆すべきキャリアを歩んだのがリチャード・ハリソン。マッスル史劇スターの中でも特にハンサムな顔立ちで人気のあった彼は、もともとモデルから俳優になったというキャリアの持ち主。「南太平洋」('58)や「殴り込み海兵隊」('59)などハリウッド映画で活躍していたものの、いま一つパッとしなかった。B級映画で有名なAIPの社長であるジェームズ・H・ニコルソンの娘と結婚したハリソンは、AIPが当時イタリア産史劇を積極的に配給していたことから“Il Gladiatore invincibile(無敵のグラディエーター)”('62)に主演。これがきっかけで、たちまち史劇映画の人気スターとなった。さらに「赤い砂の決闘」('63)などのマカロニ・ウェスタンや「女王陛下の大作戦」('67)のようなスパイ映画など、次々とイタリア産娯楽映画のブームに乗って器用に活躍。さらに80年代の忍者映画ブームの際にはアメリカや香港で数多くの忍者映画に主演し、さらに「プラトーン」('86)をきっかけにして起った戦争映画ブームにもちゃっかり便乗。90年代半ばまでアクション・スターとして驚くべき活躍を見せたのだった。
 また、ヒーロー役としてはあまりにも極悪な顔つきが異色だったゴードン・ミッチェルも、その個性を生かしてマカロニ・ウェスタンやイタリアン・ホラーの悪役として重宝され、80年代半ばにアメリカに戻ってからもジム経営の傍らB級映画に数多く出演し続けた。一方、ダン・ヴァディスもマカロニ・ウェスタンに数多く出演したものの大成せず、アメリカに戻ってクリント・イーストウッド作品の常連として活躍した。マーク・フォレストはもともとオペラ歌手志望だったらしく、史劇ブーム終焉後は声楽教師としてオペラを教えるようになったという。また、父親がバーベル製造会社の社長だったレジ・パークは南アフリカでボディビルのインストラクターとなり、彼に憧れていたアーノルド・シュワツェネッガーも一時期門下生だったという。
 一方、イタリア人のボディビルダーたちもアングロサクソン系を名乗って史劇スターとして活躍した。例えば「ヘラクレス・サムソン・ユリシーズ」('64)のカーク・モリスは本名をアドリアーノ・ベリーニというイタリア人で、後に渡米して広告マンとして成功している。また、アラン・スティールも本名をセルジョ・チアーニというイタリア人で、70年代後半までマカロニ・ウェスタンやホラーに出演し続けた。また、マカロニ・ウェスタンでトップ・スターとなるジュリアーノ・ジェンマも、デビュー当時には史劇で準主役クラスを務めている。
 その他、変ったところではスイス生まれのフランス人で、パリのコメディ・フランセーズ出身という本格派だったのがローランド・ケリー。アメリカ映画「空中ぶらんこ」('56)でバート・ランカスターのスタントを担当したことがきっかけで「ララミー牧場」や「ボナンザ」といったアメリカのテレビ・ドラマに出演するようになり、イタリアのプロデューサーにスカウトされたという。また、レックス・バーカーに代わるターザン俳優として「ターザンの激闘」('58)などで活躍したゴードン・スコットは、ターザン役をクビになって仕事に困っていたところを親友スティーヴ・リーヴスに誘われてイタリアに渡った。さらに、ヴィスコンティ映画などで知られるイタリアの名優マッシモ・ジロッティも、何本か史劇映画に出演している。
 そして、マッスル史劇ヒーローの最後を飾るのがルー・フェリグノだろう。テレビ「超人ハルク」で日本でも有名なボディービルダーだが、80年代に「超人ヘラクレス」('83)やダン・ヴァディス共演の「七人の輝ける勇士」('83)などのマッスル史劇に主演している。

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アルトゥーロ・ドミニチ

ミンモ・パルマーラ

 さて、マッスル史劇がマカロニ・ウェスタンほど熱狂的なカルト・ジャンルにならなかった理由の一つに、個性的な脇役・悪役を生み出さなかった事が挙げられる。それは、どれも紋切り型のキャラクターばかりで、脇役がヒーローを盛り立てるだけの存在価値しか与えられなかった事が最大の原因であろう。そうした中で、いかにも憎々しげな悪役を数多く演じて印象を残したのがアルトゥーロ・ドミニチ。マリオ・バーヴァ監督の「血ぬられた墓標」('60)でも有名な俳優で、マカロニ・ウェスタンやホラー映画でも悪役専門で活躍していた。また、「ヘラクレス」でスティーヴ・リーヴスのライバル役を演じたミンモ・パルマーラも、数多くのマッスル史劇で憎まれ役を演じた俳優。ただ、彼の場合はヒーローの親友や味方を演じることも少なくなく、マッスル史劇には貴重な個性的脇役だった。マカロニ・ウェスタン・ブームの際にはディック・パーマー名義で主演作も作られている。

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シルヴァ・コシナ

ジャンナ・マリア・カナーレ

レオノーラ・ルッフォ

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チェロ・アロンゾ

ロレダーナ・ヌシアク

ホセ・グレシ

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マリーナ・ベルティ

モイラ・オルフェイ

ロサルバ・ネリ

 次に紹介するのはマッスル史劇のヒロインたち。女性が重要な役割を与えられることが少なかったマカロニ・ウェスタンに比べて、マッスル史劇は個性的なヒロインが非常に多かった。確かに、神話や古代史の世界でもサロメやクレオパトラ、シバの女王など強烈な個性を持った女性は少なくない。そうしたことから、マッスル史劇のヒロインたちはただ可憐なだけのお嬢様として描かれることはあまりなかった。逆に、悪女的な個性を持ったヒロインの方が多かったかもしれない。
 そうした中で、その美しさという点で際立っていたのが「ヘラクレス」のシルヴァ・コシナだろう。もともとネオレアリスモの傑作「鉄道員」('56)で注目されたコシナだが、続編の「ヘラクレスの逆襲」('59)や「大遠征軍」('57)といった史劇にも出演し、60年代から70年代にかけてイタリアを代表する美人女優として世界的に活躍した。
 また、史劇ブームの生み出した大女優として忘れてならないのはジャンナ・マリア・カナーレの存在だろう。リカルド・フレーダ監督の「テオドラ」('54)で伝説の悪女テオドラ役を演じて名を高めた彼女は、「ヘラクレス」ではアマゾネスの女王、「カルタゴの女奴隷」('57)でも稀代の悪女ジュリアを演じるなど、ヴァンプ専門の史劇女優として一時代を築いた。しかし、史劇ブームの終焉と共に、その女優生命も終わってしまったのは残念だった。
 その他、フェリーニの名作「青春群像」('53)の可憐なヒロイン役で知られるレオノーラ・ルッフォも、“La Regina di Saba”('52)のシバの女王役や「ヘラクレス 魔界の死闘」('61)のデイアニラ姫役など数多くの史劇に出演。その清楚で端正な美しさが印象的だった。“キューバの爆弾娘”の異名でパリの夜を彩った人気ダンサー、チェロ・アロンゾも「ローマの旗の下に」('58)や「マチステ」('60)などの史劇に多数出演、かなり強烈な悪女役で鳴らした。マカロニ・ウェスタン「続・荒野の用心棒」('66)で有名なロレダーナ・ヌシアクもマッスル史劇の出身。さらに、スペイン出身のホセ・グレシ、妹のリアーナと共に美人姉妹として鳴らしたモイラ・オルフェイ、そして史劇だけではなくホラーからウェスタンまで数多くのイタリア産娯楽映画で活躍したカルト女優ロサルバ・ネリなども、マッスル史劇の常連スターとして活躍していた。ちなみに、モイラ・オルフェイはイタリアでも有名なサーカス一家の生まれで、今でも家族と共にサーカス団を運営している。また、庶民派の娘役としてイタリアの国民的アイドル女優となったマリーナ・ベルティも史劇に出ているが、彼女の場合は「ベン・ハー」('59)や「クレオパトラ」('63)などハリウッド大作の方が有名かもしれない。

 そして、最後にマッスル史劇を代表する監督についても触れておこう。やはり最も重要な仕事をしたのは、「ヘラクレス」シリーズで有名なピエトロ・フランチージ監督だろう。ただ、様々な関係者の証言によるとフランチージ監督はかなりの怠け者で、現場をそっちのけで優雅にシエスタを楽しんでいる事の方が多かったようだ。そんな現場を取り仕切ったのが、当時イタリアを代表する撮影監督として鳴らしていたマリオ・バーヴァ。バーヴァこそが陰の立役者だったと言えるだろう。また、「テオドラ」('54)や「シーザーの黄金」('61)のリカルド・フレーダ監督も、スケール感のある正統派スペクタクル史劇を数多く残している。
 その他、ヴィットリオ・コッタファーヴィ、カルロ・ルドヴィコ・ブラガリア、ジョルジョ・フェローニといった監督が印象的な作品を残しているが、実際には当時のイタリアの映画監督の殆どが史劇を手掛けていた。その点については、後のマカロニ・ウェスタンと同様と言えるだろう。ただ、マカロニ・ウェスタンとの決定的な違いは、セルジョ・レオーネやセルジョ・コルブッチのような作家性の高い才能を生み出すことができなかった点だ。あくまでも大衆娯楽としてのファンタジー映画であり、そこにはマカロニ・ウェスタンのような映像的実験や政治的メッセージなどが介在する余地はなかった。それゆえに、マッスル史劇はただ一過性のブームに終始してしまい、マカロニ・ウェスタンのように後の映画界に強い影響を与えるようなムーブメントとはなり得なかったのだ。

 ということで、ここからはイタリア産マッスル史劇の中でも、いい意味でも悪い意味でも一度は見ておきたい作品を幾つか紹介していく。なので、映画ファン必見の傑作もあればトンでもないバカ映画も混じっている事をご承知頂きたい(笑)。また、当時の作品の中には今となっては見る手段のない作品も少なくなく、ボクも全ての史劇作品を見ているわけではないので、何故に漏れてるんだ!?という作品もあるかもしれない。例えば、学生時代にビデオで一度見たきりの「ポンペイ最後の日」('60)や「ロード島の要塞」('61)なんかも、マッスル史劇の代表作として重要な位置を占める映画ながら、記憶に曖昧なところもあるので今回はあえて紹介をしていない。

「カビリア」(1914)
Cabiria

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エトナ山の大噴火シーン

地震で崩壊する宮殿

カルタゴの巨大な神殿

バルトロメオ・パガーノ演じるマチステ(右)

 イタリア産マッスル史劇の英雄マチステを生み出した作品として、やはり触れておかねばならない一本だろう。第一次世界大戦前夜のイタリア映画界は、文字通りの黄金期を迎えていた。そのイタリア映画界が総力を結集して製作したのが、この史劇大作「カビリア」だ。製作準備に2年間、撮影期間は6ヶ月、そして上映時間は約3時間。1914年といえば、まだチャップリンが短編を撮っていた時代。当時は長編映画でも長くてせいぜい1時間半で、撮影も1ヶ月以内で終わらせるのが当たり前だった。その数字だけを見ても、この作品がどれだけの超大作だったかが想像出来よう。トリノで行われたプレミア上映ではフル・オーケストラで伴奏が演奏され、ローマ、パリ、ロンドン、ニューヨークと世界各国で劇場公開された。この作品を見たアメリカの巨匠デヴィッド・ワーク・グリフィスが強い衝撃を受け、あの不朽の名作「イントレランス」('16)を作ったというのは余りにも有名な話だ。
 物語は紀元前3世紀のシチリア。エトナ山の大噴火で街がパニックに陥る中、大富豪の幼い娘カビリアと乳母の二人は、奴隷たちの助けによって命からがら逃げ出す。しかし、彼らの乗った船がフェニキアの海賊に捕えられ、カルタゴの奴隷市場に連れて行かれてしまう。カビリアと乳母が売られた先はモロック神殿の神官。当時カルタゴはローマとの戦乱の真っ最中で、毎日のようにモロッコ神への生贄として幼子が犠牲となっていた。カビリアの運命を悟った乳母は、カルタゴの内情を探るために潜入していたローマの青年貴族フルヴィオと、その従者である怪力の大男マチステ(バルトロメオ・パガーノ)に助けを求める。神殿で生贄にされそうになっているカビリアを間一髪で救出したフルヴィオとマチステ。フルヴィオはカルタゴの名将ハンニバルの遠征軍と戦うために戦地へ赴き、カビリアはソフォニスバ姫の従女として育てられた。ハンニバルがローマの名将スキピオに破れ、フルヴィオは再びカルタゴに潜入する。奴隷となっていたマチステを救出したフルヴィオ。その頃、カビリアはその正体を見抜いたモロック神殿の神官によって、再び生贄にされようとしていた。その事を知ったフルヴィオとマチステは、カビリアを助けるべく神殿へと向かう・・・。
 ローマとカルタゴが死闘を繰り広げた第2次ポエニ戦争を背景に、ハンニバルやスキピオといった実在の人物を交えながら壮大なスケールで描かれる少女カビリアの数奇な運命。彼女を救うために大活躍する怪力の大男マチステは、当時のイタリアで絶大な人気を得た。その他、ミニチュアとの合成も見事なエトナ山の大噴火シーンや、迫力満点の大地震のパニック・シーン、そして綿密な時代考証を基に作られたカルタゴの大神殿や宮廷の美術セットなど、今見てもビックリするような見せ場が満載だ。歴史的価値としてだけではなく、娯楽作品としても未だに十分通用する傑作と言えるだろう。監督はジョヴァンニ・パストローネ。当時イタリアで絶大な人気のあった文豪ガブリエル・ダンヌンツィオが脚本を書いたとされていたが、実際にはネームバリューを宣伝に使っただけで、殆ど関与はしていなかったらしい。

 

「マチステの地獄征伐」(1925)
Maciste all'inferno

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マチステ役のバルトロメオ・パガーノ

地獄で群れをなす餓鬼たち

首が飛んでおどけてみせる餓鬼

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人間を食らう地獄の帝王ルシファー

ドラゴンの背中に乗るマチステ

地獄の妖女に誘惑されるマチステ

 これはサイレント時代にバルトロメオ・パガーノ主演で大量生産されたマチステ映画の中の一本。ファンタジー映画的な要素が非常に濃厚で、後のマッスル史劇にも通じる楽しさのある作品だ。実際に、1962年にリカルド・フレーダ監督・カーク・モリス主演でリメイクもされている。監督のグイド・ブリニョーネは、後に「カルタゴの女奴隷」('57)や「ローマの旗の下に」('58)などの史劇を手掛けている。
 地獄の帝王ルシファーの命を受け、英雄マチステを地獄へおびき出そうとする悪魔たち。しかし、その策略が失敗したため、悪魔たちはマチステの恋人グラツィエラをジョルジョという青年と結婚させ、その間に出来た子供を誘拐してしまう。愛するグラツィエラの子供を救うべく地獄へやって来たマチステ。彼を待ち受けていた地獄の餓鬼たちと壮絶な戦いを繰り広げるものの、ルシファーの妖艶な娘プロセルピナに誘惑されて自ら餓鬼にされてしまう。しかし、地獄の反乱軍を征したことからルシファーに認められて地上に戻る許しを得るものの、彼を愛するプロセルピナに阻止されてしまう・・・。
 マチステが現代のイングランドに住んでいるという設定そのものが摩訶不思議な作品だが、彼が地獄に行ってからの冒険譚も実に荒唐無稽で面白い。地獄の悪魔や餓鬼たちの特殊メイクは勿論のこと、マチステに首を飛ばされた餓鬼が自分の頭で遊んでみたり、殴られて潰れてしまった餓鬼の顔が元に戻ったりと、後のイタリアン・ホラーにも通じるようなゲテモノ感覚が満載。さらに、マチステがドラゴンの背中に乗って地獄の谷間を飛行するシーンではミニチュア撮影を駆使し、カメラがマチステの目となって空を飛ぶ。ルシファーが人間をつまみあげてムシャムシャと食べるシーンも印象深い。この地獄の描写については、明らかにベンヤミン・クリステンセン監督のデンマーク映画「魔女」('22)の影響を受けているのだが、より見世物小屋的な演出が施されているのはイタリア映画の面目躍如たるところだろう。

 

Sins Of Rome (1952)
Spartaco

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スパルタカスとアミティス

妖艶な悪女サビーナ

コロシアムでのスペクタクル・シーン

反乱軍を組織するスパルタカス

 お馴染みのスパルタカスの伝説を、名匠リカルド・フレーダ監督が映画化した作品。マッスル史劇ブーム以前に作られた作品で、日本では劇場未公開のまま終わってしまったが、歴史映画らしい風格とスケール感を持った立派な大作に仕上がっている。
 舞台は紀元前74年。ローマ軍の兵士だった青年スパルタカス(マッシモ・ジロッティ)は、無謀な殺戮を繰り広げる上官に歯向かった事から軍法会議にかけられる。彼を見初めた貴族の娘サビーナ(ジャンナ・マリア・カナーレ)の機転で処刑は免れたものの、奴隷に身を落とすこととなってしまった。奴隷商人に売られていったスパルタカスはグラディエーターとしてローマ市民の人気者となる。そんな彼を誘惑しようとするサビーナだったが、スパルタカスは彼と同じく奴隷にされてしまった若い娘アミティス(リュドミラ・チェリーナ)を愛していた。やがて、彼は反乱軍を組織してローマ帝国の支配に挑む事となる。
 キューブリックの不朽の名作「スパルタカス」('60)の8年前に作られた作品で、同じ題材を扱っているからということもあるが、随所にキューブリック作品と酷似したシーンが見受けられる。スペクタクル・シーンの演出も堂々たる風格で、日本では代表作の多くが未公開のままのフレーダ監督だが、この作品を見ると彼がなかなかの力量を持った名匠であった事がよく分かる。主役に名優マッシモ・ジロッティを起用したのも正解だった。そして、ヒロインを演じる二人の女優。史劇映画の女王ジャンナ・マリア・カナーレの妖艶な美しさも見どころだが、フランス・バレエ界の名花として知られた元プリマドンナ、リュドミラ・チェリーナの可憐な魅力もキューブリック版のジーン・シモンズを彷彿とさせる。この二人の好対照な個性が、作品を盛り上げる重要な鍵となっている。

 

ヘラクレス(1958)
Le Fatiche di Ercole

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ヘラクレスとイオーレ

イオーレを演じるシルヴァ・コシナ

イアソンと愛し合うアンテア

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黄金の羊毛を守るドラゴン

神殿の柱を破壊しようとするヘラクレス

崩壊する神殿

 イタリア産マッスル史劇ブームを巻き起こした大ヒット作。撮影監督を務めたマリオ・バーヴァの類稀な色彩感覚とライティング技術、そして見事な特殊効果が思う存分生かされた娯楽大作に仕上がっている。フランスで開発されたディアリスコープを採用しており、イタリアで作られた最初のシネマスコープ・サイズ作品としても知られる。
 物語は「アルゴ探検隊の大冒険」としてハリウッドでも映画化されたギリシャ神話の叙事詩“アルゴナウタイ”をベースにしている。神々の王ゼウスと人間の間に生まれた不死身の英雄ヘラクレス(スティーヴ・リーヴス)は久々にテッサリアを訪れ、王女イオーレ(シルヴァ・コシナ)と深く愛し合うようになる。そんなヘラクレスを敵視するイオーレの兄イフィトゥス(ミンモ・パルマーラ)は何かにつけてヘラクレスに挑戦するが、結局いつも恥じをかく羽目になる。ライオンに襲われたイフィトゥスを救出したヘラクレスだったが、とき既に遅くイフィトゥスは死んでしまう。イオーレとの間に溝が生じてしまったヘラクレスは、己の不死身の体を呪うのだった。そんな折、彼は洞窟で老人に匿われている若者を発見する。この若者こそが謎の死を遂げた前王の息子であり、正当なる王位継承者イアソン(ファブリツィオ・ミオーニ)だった。イアソンは父親が死を遂げた際に奪われた黄金の羊毛を探すために旅に出ることを決意し、前王の親友だったヘラクレスも同行することになる。一方、イアソンの出現に心中穏やかでないのがテッサリア王ペリアス(イヴォ・ガラーニ)。彼は家臣エウリステウス(アルトゥーロ・ドミニチ)にそそのかされ、前王の殺害を謀った張本人だったのだ。
 こうしてヘラクレスとイアソンたちの冒険譚が繰り広げられていくわけだが、骸骨軍団との壮絶な戦いなど当時最先端の特殊効果を駆使した「アルゴ探検隊の大冒険」に比べると、さすがに地味な印象は拭えない。しかし、古代ギリシャの桃源郷とも言えるアマゾネスの国の幻想的な美しさや巨大なドラゴンとの死闘などの見せ場を盛り込み、大人から子供まで楽しめるアドベンチャー映画としてスケール感のある作品に仕上がっている。スティーヴ・リーヴスの見事な肉体を存分に生かしたアクション・シーンも豪快だし、イオーレ役を演じるシルヴァ・コシナの可憐な美しさ、そしてアマゾネスの女王アンテアを演じるジャンナ・マリア・カナーレの妖艶な美しさも、作品に華やかさを添えている。イタリア産史劇を語る上で絶対に欠かせない作品だ。

 

豪勇ゴライアス(1960)
Goliath And The Dragon


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ドラゴンと対決するゴライアス

悪の帝王エウリステウス

コウモリ怪獣と戦うゴライアス

神託を受けるゴライアス

 ゴライアスとは旧約聖書のサムエル記に登場する巨人兵士ゴリアテのこと。聖書ではダビデに首をはねられてしまうゴライアスだが、マッスル史劇の世界では無敵の英雄として活躍することとなる。
 舞台は古代ギリシャのとある国。首が三つある犬の妖怪や火を吹く沼地に生息するコウモリ怪獣との戦いに明け暮れるゴライアス(マーク・フォレスト)だったが、その間に愛する弟イスメネ(サンドロ・モレッティ)がとんでもないトラブルに巻き込まれる。アルシノエ(ギャビー・アンドレ)という美しい娘と恋に落ちたイスメネだったが、彼女は暴君エウリステウス(ブロデリック・クロフォード)の妻となる身だったのだ。嫉妬に燃えるエウリステウスはイスメネを捕え、巨象の下敷きにして殺そうとするが、間一髪のところでゴライアスが現れてイスメネを救出する。そこでエウリステウスは半人半獣のケンタウロスを使ってゴライアスの妻デハニラ(レオノーラ・ルッフォ)を誘拐。ゴライアスは愛する妻を救うために巨大ドラゴンに立ち向かい、宿敵エウリステウスを倒すのだった。
 実はこの作品、もともとヘラクレス映画として製作されたものの、商標登録の関係から世界公開に当たってヘラクレスの名前が使えず、苦肉の策として主人公をゴライアスに変更してしまったという経緯があった。なので、旧約聖書に出てくるゴライアスを主人公としながら、何故か古代ギリシャを舞台に物語が展開するという不都合が生じてしまっている。とはいえ、歴史映画ではないのでそんな事にいちいち目くじらを立てていても仕方あるまい。
 冒頭に登場する犬の妖怪やコウモリ怪獣、そしてドラゴンなどのモンスター・エフェクトは正直言って非常に稚拙。その辺りは予算の問題というよりも技術的な問題が大きいように思う。その一方で、荘厳で美しい神殿の美術セットやアリーナでのスペクタクル・シーンなどは堂々たるものがあり、全体的には神話の世界らしい幻想的な美しさが最大限に生かされた映画に仕上がっている。職人監督ヴィットリオ・コッタファーヴィの代表作と言っても差し支えないだろう。また、「オール・ザ・キングスメン」('49)でアカデミー主演男優賞を受賞し、フェリーニの名作「崖」('55)で老詐欺師の悲哀を演じていた名優ブロデリック・クロフォードがエウリステウス王役を演じており、そのマフィアのボスのような威風堂々とした存在感は主演のマーク・フォレストを完全に食ってしまっている。

 

Hercules VS The Hydra (1960)
Gli Amori di Ercole

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ヘラクレス役のミッキー・ハージティ

女王役のジェーン・マンスフィールド

悪役リコスを演じるマッシモ・セラート

三つ首怪獣ヒドラ

 ハリウッドの巨乳女王ジェーン・マンスフィールドとダンナの元ボディビルダー、ミッキー・ハージティが共演した唯一のイタリア産マッスル史劇。この二人が出ているというだけでも、ある意味見る価値のある一本と言えるだろう。
 ストーリーは単純明快。エウリト王国の軍隊に愛する妻を殺されたヘラクレス(ミッキー・ハージティ)は、復讐のためにエウリト王国に殴りこむ。文字通り正面から殴りこんでいくのが笑える。しかし、既にエウリト国王は何者かによって暗殺されており、残された女王ディアニラ(ジェーン・マンスフィールド)は自ら罪を償うべく身を差し出そうとするが、その姿に感動したヘラクレスと恋に落ちる。実は、全ては国王の座を奪おうと考える家臣リコス(マッシモ・セラート)の策略だったのだ。リコスはアマゾネス王国の魔女ネミー(モイラ・オルフェイ)を使い、ヘラクレスを誘惑して骨抜きにしようとする。ネミーはディアニラそっくりに変身してヘラクレスの気を引こうとするのだが・・・
 という、本当に下らないストーリー展開に大爆笑の連続間違いなし。ジェーン・マンスフィールドの大根演技もさることながら、ただ走り回るだけで何の威厳も迫力もないミッキー・ハージティ演じるヘラクレスの情けなさたるや、ある意味で感動ものだ。結局、ジェーン・マンスフィールドのダンナというだけで、俳優としては全く成功しなかったハージティだが、このカリスマ性の無さではそれも仕方あるまい。悪役にはイタリアの国民的2枚目スター、マッシモ・セラートを起用しているが、彼もなんとなく居心地悪そう。そんなハリウッドの誇る肉体派夫婦のバカっぷりを思う存分楽しみたい一本である。

 

「ヘラクレス 魔界の死闘」(1961)
Ercole al centro della terra

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ヘラクレスと親友テセウス

悪の帝王リコ役のクリストファー・リー

幻想的で美しいセット撮影

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恋人の危険を知らされるヘラクレス

黄泉の国の美女ペルセポネ

魔界から甦ったバンパイアたち

 「血ぬられた墓標」('60)に続くマリオ・バーヴァの監督2作目。彼の監督作としては初のテクニカラー映画となる。色彩の魔術師であるバーヴァらしいカラフルで妖しげな映像世界を存分に堪能できる、怪奇タッチのマッスル史劇に仕上がっている。
 冒険のたびから祖国に帰ってきたヘラクレス(レジ・パーク)は、愛する恋人デイアニラ姫(レオノーラ・ルッフォ)の気がふれてしまった事を知らされる。夢遊病者のように歩き回り、ヘラクレスの事も認識できない状態のディアニラ姫。巫女メディアに占ってもらったところ、魔界にある“忘却の石”を持ち帰れば、ディアニラ姫の意識が戻るとの事。そこで彼は親友テセウス(ジョルジュ・アルディソン)とテレマクス(フランコ・ジャコビーニ)を連れて魔界へと旅立つ。しかし、全てはディアニラ姫を我がものにし、ヘラクレスを葬り去ろうとするディアニラの叔父リコ王(クリストファー・リー)の策略だった。
 原色の照明を駆使した幻想的な映像空間、悪夢のような美術セット、そしてイマジネーション豊かな特殊効果の数々など、マリオ・バーヴァらしい独特の世界観が広がる異色のマッスル史劇。最近では「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの悪の帝王サルマン役でもお馴染みの名優クリストファー・リーがリコ王役を演じているのも嬉しい。また、テセウスと恋に落ちる冥府の美女ペルセポネ役で、マカロニ・ウェスタンでもお馴染みの女優イヴリン・スチュアートが本名のイーダ・ガリ名義で出演しているのにも注目したい。クライマックスに登場するバンパイア軍団の異様な迫力も特筆もので、ホラー・ファンタジー系のファンなら是非とも一度は見ておきたい名作である。

 

Giants of Thessaly (1961)
I Giganti della Tessaglia

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テッサリア王イアソン

イアソンを誘惑する魔女ガイア

一つ目の巨大モンスター

怒れるテッサリアの神

 こちらはスイス出身のフランス人俳優ローランド・ケリーを主演に、名匠リカルド・フレーダ監督がギリシャ神話の叙事詩“アルゴナウタイ”を再び映画化した作品。他のフレーダ作品に比べると明らかに予算が少なく、その分どうしても見劣りしてしまう作品だが、随所で低予算を逆手に取った見事なトリック撮影を見せてくれており、なかなかどうして捨てがたい娯楽映画に仕上がっている。
 蛮族の侵略や疫病の流行など、様々な災難に見舞われているテッサリアの王イアソン(ローランド・ケリー)。全ては神の怒りが原因だと知った彼は、富と栄光をもたらすと言われる“黄金の羊毛”を求めて、賢き盟友オルフェウス(マッシモ・ジロッティ)らとアルゴ号に乗って旅に出る。しかし、王の不在をいいことにテッサリアでは家臣エウリステオ(ルチアーノ・マリン)が王妃クレウサ(ジーヴァ・ロダン)を我がものにして王位を奪おうとしていた・・・。
 魔女ガイア(ナディア・サンダース)が支配するアマゾネスの国の幻想的な美術セットは、ホラー・ファンタジー的な雰囲気が濃厚で非常に美しい。また、美しき魔女ガイアが醜い老女に変身してしまうシーンは、照明の切り替えと鏡の効果を巧みに使ったワン・ショット撮影で、原始的なテクニックでありながらも非常に手が込んでいる。一方の一つ目の巨大モンスターとの格闘シーンは、どことなく愛嬌のあるモンスター・スーツも今見ると何とも安っぽく感じられてしまう。この辺りは、やはり当時のイタリア映画界における技術的な限界だったのかもしれない。

 

Samson and the Seven Miracles of the World (1961)
Maciste alla corte de Gran Khan

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中国人民を助ける英雄サムソン

お姫様役を演じる谷洋子

エキゾチックな中国の宮殿

残虐な公開処刑シーン

 モンゴルの支配下にある中国で、英雄サムソンが人民を解放するべく奮闘するという荒唐無稽な史劇巨編。こちらも、もともとはマチステ映画として製作されたものの、マチステというキャラクターそのものがアメリカでは全く知られていないために英語版では旧約聖書の英雄サムソンに変更されてしまっている。監督を務めるのは名匠リカルド・フレーダ。
 舞台はモンゴルに支配された中国のとある小国。モンゴル人の策略でトラに食われそうになった少年を助けたサムソン(ゴードン・スコット)は、寺院に少年を匿う。実は、少年はこの国の王子だった。寺院の高僧(ワレリー・インキジノフ)から反乱軍が組織されている事を知ったサムソンは、反乱軍のリーダーであるバヤン(ダンテ・ディ・パオロ)に協力し、モンゴル軍に捕えられたレイリン姫(谷洋子)を救出しようとするが、自らも捕えられてしまう。モンゴルの悪女キウタイ(ヘレーネ・シャネル)はサムソンを誘惑して骨抜きにしようとするのだが・・・。
 中国の洞窟寺院や宮殿の豪華絢爛なセット、意外にも真っ当に中国文化を理解した上で作られた美術デザインなどが目を引くが、実は全てもともとロリー・カルホーン主演の歴史映画「豪快!マルコ・ポーロ」('61)のために作られたもの。巨額の制作費を投じて作ったセットを1回で取り壊してしまうのはもったいないと、プロデューサーがドゥッチョ・テッサリとオレステ・ビアンコーリに急遽脚本を書かせたのだった。それにしても、リカルド・フレーダ監督はなかなかコツを心得ていて、酒場での大乱闘シーンなどは台湾や香港の武侠映画を思わせるものがあり、程よいユーモア・センスもまた心憎い。
 ヒロイン役を演じるのは、日本人の国際派スターだった谷洋子。もともとフランスに生まれた人で、ヨーロッパ各国の映画はもとよりハリウッド映画でも活躍していたが、日本人好みの美人ではなかったことから日本では殆ど人気が出なかった。本作の主要キャストの中で唯一「豪快!マルコ・ポーロ」から引き続きの出演だった。
 そして我らがサムソン・・・いえ、マチステを演じるゴードン・スコット。マッチョでなけりゃ普通の人、ってなくらいにカリスマ性がない。本作でも個性豊かな脇役やフレーダ監督の演出、豪華な美術セットなどに助けられているという印象は拭えないだろう。

 

7人のあばれ者(1962)
I Sette Gladiatori

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コロッシアムでの一大スペクタクル

ダリウスと愛し合うアグライア

仲間を集めていくダリウス

アグライアに言い寄るパヌルグス

 タイトルから想像できる通り(?)、黒澤明監督の「七人の侍」をヒントにしたイタリア産マッスル史劇。監督はスペイン出身のペドロ・ラザガで、スピーディかつスケール感のある痛快なアクション作品に仕上がっている。
 主人公はスパルタの有力者の息子である将校ダリウス(リチャード・ハリソン)。剣闘士の脱走事件の責任を取らされた彼は、その罰として自ら剣闘士となってしまう。数年後、ローマから脱走したダリウスは故郷のスパルタに戻るが、父親は暴君パヌルグス(リヴィオ・ロレンゾン)によって暗殺されていた。さらに、恋人アグライア(ロレダーナ・ヌシアク)の父親殺害の濡れ衣を着せられ、追われる身となったダリウス。そこで彼は7人の仲間を集めて、宿敵パヌルグスを倒すために闘いを挑む。
 ダリウスの集める7人の仲間というのがいずれも個性的な面々で、飲んだくれのナイフ投げ名人や怪力の大男、弓矢の名人など、それぞれに得意技を持っているというのがミソ。リチャード・ハリソン扮するダリウスも明るい好青年という感じで、ジメジメしていないのがいい。軽快でアクロバティックなアクション・シーンはマカロニ・ウェスタンを彷彿とさせるもので、何も考えずに楽しめるのが嬉しい。意外な拾い物といった感じの作品だ。

 

鉄腕マチステ(1963)
Maciste, l'eroe piu grande del mondo

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マチステを演じるマーク・フォレスト

マチステと盟友サンドロス

大規模な海洋バトル・シーン

戦車競技シーンもスケールがデカい

 マカロニ・ウェスタンやポリス・アクションでも知られるイタリアの職人監督ミケーレ・ルーポが手掛けたマチステ映画の一本。大量のエキストラを動員した海洋バトル・シーンや巨大なアリーナでのド迫力の戦車競技など、かなりスケールの大きなスペクタクルを楽しめる立派な史劇アクションに仕上がっている。
 久しぶりに故郷を訪れたマチステ(マーク・フォレスト)は、騎兵隊に連れ去られようとしていた若い娘を救う。彼は故郷がバビロニア王国の支配下にあり、若い処女が次々と神への生贄として連れ去られていることを知らされた。そこで、彼は反乱軍を組織するサンドロス(ジュリアーノ・ジェンマ)やアルシアス(ミンモ・パルマーラ)と共にバビロニアに潜入する。そこで彼は、腹黒い家臣たちに利用されている女王チェリーマ(ホセ・グレシ)の存在を知り、バビロニアを悪政から開放するために戦う。
 ストーリーそのものは単純明快で能天気なものだが、無駄のない軽快なテンポとスケールの大きな演出で、史劇ファンでなくても楽しめること間違いなしの一本。特に、戦車競技のシーンの迫力はリアルそのもの。ここでは、勝気な女王がマチステとレースを競うのだが、女王役のホセ・グレシがスタントなしで戦車を操っているのにはビックリする。今のところ正式にビデオ・ソフトとして発売された事がなく、海外でもパブリック・ドメインの粗悪マスターを使用したDVDでしか見れないのが残念。是非とも、デジタル・リマスターしたクリアな正規盤で見たいものである。

 

豪勇ペルシウス大反撃(1963)
Perseo l'invincibile

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ペルシウスとアンドロメダ

異様な姿の妖怪メドゥーサ

沼に棲む巨大ドラゴン

ペルシウスの母ダナーエ

 低予算ながらファンタジー・アドベンチャーの醍醐味が存分に詰まったマッスル史劇の隠れた名作。確かに、ハリウッド映画に比べると特撮は稚拙かもしれないが、ない予算で知恵を絞った製作陣の努力を買いたい。特に等身大の巨大ドラゴンはなかなかの迫力で、こいつが沼の中から姿を現すシーンは鳥肌ものでカッコいい。しかも、イタリア映画お得意の着ぐるみやハリボテ、ミニチュア合成ではなく、機械仕掛けのフル・スケール・モデルなのは拍手喝采!さすがに自由自在に動き回ることは出来ないものの、首の動きや瞬きなどリアルに芸が細かい。また、大木のお化けみたいな妖怪メドゥーサのクリーチャー・デザインは賛否両論ながら、その独創的ないでたちはインパクト強烈。これらの特撮を手掛けているのがカルロ・ランバルディ。そう、あのスピルバーグの「E.T.」を手掛けてアカデミー賞を受賞したイタリア屈指の特撮マンだ。このランバルディの見事な仕事ぶりを見るだけでも価値のある作品と言えるだろう。
 隣国アルゴスの侵略を受けて危機的な状況に立たされている王国セリフォス。アルゴスの軍隊によってセリフォスへの道は閉ざされてしまっており、セリフォスにたどり着くためにはドラゴンの棲む沼やメドゥーサの棲む谷を通らねばならない。数多くの兵士がセリフォスを救うために果敢にも挑むが、ドラゴンに食い殺されたり、メドゥーサによって石に変えられてしまっていた。セリフォスの勇敢な王子アルセウス(フェルナンド・リゲール)もまた、メドゥーサの犠牲となってしまう。アルゴスのアクリシウス王(アルトゥーロ・ドミニチ)は息子ガレノア(レオ・アンチョリス)とセリフォスの王女アンドロメダ(アンナ・ラナッリ)を政略結婚させ、セリフォスを我がものにしようと画策していた。
 一方、アンドロメダはたびたび身分を隠して狩りを楽しんでおり、湖畔に住む天涯孤独の若者ペルシウス(リチャード・ハリソン)と秘かに愛し合うようになる。そんな折、アンドロメダのもとを訪問したガレノアがペルシウスと諍いになり、セリフォス王の前で武術による決着をつけることになる。そこでガレノアに勝利したペルシウスはアンドロメダの護衛将校として召抱えられる。アンドロメダと共にアルゴスを訪れたペルシウスは、そこで前王の后ダナーエ(エリザ・チェガーニ)と出会い、自分が彼女の行方不明になった息子であり、アルゴスの正当な王位継承者である事を知る。父親がアクリシウスによって殺害されたことを知ったペルシウスは復讐を誓うのだった。
 監督を手掛けたのはイタリアきっての職人監督アルベルト・デ・マルティーノ。彼らしい旺盛なサービス精神が全編に渡って貫かれている。先述したドラゴンやメドゥーサの特殊効果の他にも、メドゥーサによって石にされた人々が並ぶ谷の幻想的で妖しげな雰囲気、そして豪快かつ迫力溢れる戦闘シーンなど見どころが盛りだくさん。相変わらず好青年ぶりを発揮するリチャード・ハリソンも適役だ。さらに、アクリシウス王を演じる名優アルトゥーロ・ドミニチや母ダナーエ役を演じる大女優エリザ・チェガーニなど、脇役の顔ぶれも充実。何も考えずに楽しめるという、プログラム・ピクチャーのお手本のような一本である。

 

Hercules VS The Moloch (1963)
Ercole contro Moloch

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ヘラクレスを名乗るグラウコ王子

ミケーネの女王ディミトラと王女メディア

醜い息子を溺愛する女王ディミトラ

グラウコに味方する将校エウネオス

 一応、タイトルにも謳われているようにヘラクレス映画として製作された作品ながら、厳密にはヘラクレスが出てこないという変化球的な一本。随所に幻想ファンタジー的な演出が施されており、意外にも実験性の高いマッスル史劇に仕上がっている。
 物語は火山の大噴火シーンから始まる。モロク神の怒りに触れた小国が大地震で崩壊して国王も死亡する。残された王妃ディミトラ(ロサルバ・ネリ)は身重ながら、幼い義理の娘メディアや国を失った民を連れ、新天地を目指して旅をする。それから数年後、ディミトラによって建国された王国ミケーネは、周囲の国々を次々と侵略して国力を拡大していた。彼らは邪悪な神モロクを信仰し、侵略した国々から連れて来た奴隷の中から若く美しい娘を生贄として捧げていた。隣国の王子グラウコ(ゴードン・スコット)は、ミケーネ王国を倒すべくヘラクレスを名乗り、奴隷の中に紛れてミケーネに潜入する。一方、美しい娘に成長した王女メディア(アレッサンドラ・パナーロ)は、義母ディミトラの横暴ぶりに辟易していた。また、ミケーネ国内でもディミトラに対する不満が募っており、下級将校エウネオス(ミシェル・レモーネ)を中心として秘かに反乱軍の準備が進んでいた・・・。
 まず、冒頭の大掛かりなスペクタクル・シーンに驚かされるが、これが良く見ると「ポンペイ最後の日」('60)のパニック・シーンの流用。恐らく、美術セットなども他の映画で使用したものを流用していると思われるが、全く違和感はないのでよしとしよう。一番の見どころはモロック神への生贄の儀式で、原色のカラフルな照明の中で、人間とも魔女ともつかない女性たちが次々と乱舞したり太古を叩きまくったりするサイケデリックな演出が面白い。さらに、犬の仮面を被った半裸の男が現れ、生贄の女性の美しい顔を血に染める。古代の邪教と現代のポップ・アートが混ざり合ったような、何ともシュールな映像だ。で、実はこの仮面の男はディミトラの息子で、醜い顔を隠すために仮面を被っている。そして、自らモロック神の化身を演じ、美しい女性の顔をズタズタにしてコンプレックスを解消しているというわけだ。
 さらに、普段は存在感のあまりないゴードン・スコットが、本作では別人のように生き生きとしているのも面白い。というよりも、髭をたくわえて髪型を変えたらリチャード・ハリソンそっくりになってしまった。

 

Hercules VS The Sons Of The Sun (1964)
Ercole contro i figli del sole

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ヘラクレスと王女ヤマラ

インカ帝国の王子マイタ

暴君アタフアルパと妃

インカ帝国の大神殿

  時代も場所も選ばない神出鬼没の英雄ヘラクレスが、今度は14〜5世紀のインカ帝国に現れるという何でもアリなイタリア産マッスル史劇。時代考証が正しいのかどうかは分からないが、豪華絢爛な衣装と美術セットはなかなかの見応え。ただし、よくみると宮殿の門や塀が他の史劇作品でもたびたび使われているセットであるのに気付く。ローマもギリシャもインカも全て一緒くたにしてしまう大らかさ(?)もまた、イタリア映画の醍醐味と言えるかもしれない。
 船が難破し、気がついたら南米はペルーの海岸に打ち上げられていた英雄ヘラクレス(マーク・フォレスト)。助けてくれたインカ王国の王子マイタ(ジュリアーノ・ジェンマ)と意気投合した彼は、マイタの父であるフアスカル王(ホセ・フレスコ)が幽閉され、彼の家臣だったアタフアルパ(フランコ・ファンタジア)が王位を奪って悪政の限りを尽くしている事を知る。一方、王子マイタと王女ヤマラ(アンナ・マリア・パーチェ)の率いる反乱軍を一網打尽にしたいアタフアルパは、王女ヤマラを誘拐して神への生贄にしようとする。ヤマラと愛し合うようになったヘラクレスは、彼女を救うため、そしてインカ帝国に平和をもたらすために、マイタ王子と共に立ち上がるのだった。
 という、従来のマッスル史劇のストーリーをそのままインカ帝国に置き換えただけの内容。安直と言ってしまえば安直なのだが、次々とスクリーンに現れる煌びやかなセットや衣装、ダンスなど見どころは盛りだくさんで、アドベンチャー・アクションとして十分に楽しめる内容に仕上がっている。監督はマカロニ・ウェスタンでも活躍した中堅どころオズワルド・チヴィラーニ。

 

Hercules The Avenger (1965)
La Sfida dei giganti

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魔界に囚われた息子を探すヘラクレス

ヘラクレスの息子と妻

偽ヘラクレスと女王

洞窟のトカゲ怪獣

 イタリア産マッスル史劇ブームの末期に製作された作品で、さすがにこの頃になると低予算の粗が隠せなくなってきている。そうした中、反則技とも言えるご都合主義で低予算の荒波を渡りきろうとしたのが本作。というのもこの作品、全体の三分の一以上をマリオ・バーヴァ監督の「ヘラクレス 魔界の死闘」('61)から頂戴してしまっているのだ。まあ、確かに同じレジ・パークの主演なわけだし、当時は今のようにビデオで気軽に過去の作品を見ることも出来なかったわけだから、大して問題にもならなかったのだろう。で、問題の流用シーンというのは、いわゆる魔界でのヘラクレスの冒険譚なわけで、要は本作の見せ場の大半に当たるわけだ。脚本もそれを念頭に置いて書かれたであろうことは明白で、何とも意味のないストーリー展開になっているのが爆笑もの。
 愛する妻と息子に囲まれて平和に暮らすヘラクレス。そんな折、息子が怪我をして気が触れてしまう。巫女メディアに相談をしたところ、息子の魂が魔界に囚われてしまったという。そこで、ヘラクレスは息子を取り戻すために魔界へと旅立つ。そのヘラクレスの不在を狙い、大地の女神ガイアは息子アンタイウス(ジョヴァンニ・チャンフリリア)を地上に送り込み、悪の女王と結託させて偽ヘラクレスとして悪事の限りを働かせる。魔界で様々なモンスターやバンパイア軍団と戦って息子を取り戻したヘラクレスは、偽ものを成敗して再び地上に平和をもたらす。
 ということで、「ヘラクレス 魔界の死闘」を先に見ておけば、ここもあそこも使いまわしじゃん!と笑いながら見る事ができる珍作。唯一、本作のオリジナルとして登場するのが洞窟の中に棲むトカゲ怪獣。これも、明らかに人間がモンスタ^・スーツを着ているというのがバレバレの代物で、見ていると妙に微笑ましく思えてくるのだから不思議。監督のマウリツィオ・ルチディは70年代にそこそこ出来の良いアクション映画を撮っている人なので、嫌々ながら押し付けられた仕事だったのかもしれない。

 

超人ヘラクレス(1983)
Hercules

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ヘラクレス役のルー・フェリグノ

巨大化したヘラクレス

SFチックな美術セットも特徴

随所に登場するメカ・モンスター

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悪女アリアドネ役のシビル・ダニング

女神ヘラ役のロッサナ・ポデスタ

女神アテナ役のデリア・ボッカルド

悪徳将校役のジャンニ・ガルコ

 ダリオ・アルジェント監督の元助監督としても知られるルイジ・コッツィ監督が、ルイス・コーティス名義で手掛けたSFX時代のマッスル史劇。とにかく、コッツィ監督の特撮映画に対する熱い思い入れだけで作られてしまったような作品で、その余りのセンスのなさに失笑しつつも愛さずにはいられないという珍妙な映画に仕上がっている。ボクも10年ほど前にローマに行った際、コッツィ監督に直接会ってエスプレッソをおごってもらいながらいろいろと話をした事があるが、とにかく特撮やファンタジー映画が大好きな人。中でも日本の特撮映画が大好きで、最大のヒーローがガメラだと言って憚らない筋金入りのマニアだった。本作でもそんなマニア趣味を全開に張り切っているものの、いかんせん全てがチャチい。
 ストーリーは殆どあってないようなもの。全知全能の神ゼウス(クラウディオ・カッシネリ)によってこの世に生を受けたヘラクレス(ルー・フェリグノ)が、神々によって次々と試練を与えられる・・・とういうだけ。この次々とというのが厄介者で、着ぐるみの熊からメカ・ロボットまで、あれもこれも思いついたネタを片っ端から突っ込みましたという無節操な展開のおかげで、本来はあったであろうストーリーが完全に破綻しているのだ。それくらい、ルイジ・コッツィはやる気満々だったのだろうが、どうも限度というものを知らなかったようだ。
 さらに、いろいろとネタを突っ込むのはいいのだが、どうも予算の事を考えずに脚本を書いてしまったようだ。その結果、言う事だけは大きいがやることは小さいという、何とも情けないSFXのオンパレードとなってしまった。「スターウォーズ」風のオープニングからして現代的なスペース・オペラ風の作品を意識しており、メカ・モンスターやら宇宙船やらがバンバンと登場するのはいいのだが、ストップ・モーション撮影のコマ数を省きすぎていて何とも動きがぎこちない。これがマリオ・バーヴァだったらシンプルなアイディアとセンスのいい撮影テクニックで、それなりに見栄えのいいものを作ってしまっていたかもしれないが、小学生がそのまま大人になってしまったようなルイジ・コッツィには、そこまでの職人技は身についていなかったようだ。全体的にテレビの特撮ドラマ・レベルに終始している。
 さらに、本作の大きな痛手は筋肉以外に取り得のないルー・フェリグノの存在。「超人ハルク」の成功の秘訣は、彼に演技パートを与えなかったことだった。とりあえず暴れまくるだけでオーケーだったので、彼のボディビルダーとしての資質が生かされたと言えるだろう。ところが、本作ではトンでもない事にルー・フェリグノに演技をさせてしまっているのだ。過去のマッスル史劇スターたちも決して演技が上手かったわけではない。しかし、スティーヴ・リーヴスがシェイクスピア俳優に見えてしまうほど、フェリグノの演技は酷いのだ。恐らく何にも考えずにセリフを喋っているに違いない。
 ということで、真っ当な映画ファンには決してオススメは出来ないものの、ルイジ・コッツィの偏愛的マニア魂に共感できる人であれば、案外退屈せずに楽しめる作品ではあると思う。そうだよなー、ここは本当ならこんな風に見せたかったんだろうなー!とか、そうそう分かる分かる!あの映画からパクりたかったんだ!みたいにほくそ笑みながらマニアックに楽しむ事をお勧めしたい。なお、コッツィのマニアぶりはキャスティングにもよく現れていて、ロッサナ・ポデスタやらクラウディオ・カッシネリ、デリア・ボッカルド、ブラッド・ハリス、ジャンニ・ガルコ、ウィリアム・バーガーなど、イタリア産娯楽映画黄金期を飾った往年の人気スターが大挙して出演している。

 

Sinbad of the Seven Seas (1989)

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シンドバッドと仲間たち

悪の魔術師ジャファール

シンドバッドらを襲う死霊軍団

中国人役のアル・ヤマノウチ

 こちらも、特殊な映画マニアにのみオススメしたいお子様向けマッスル冒険活劇。とりあえず、ルー・フェリグノにはアクション・パートしか任せていないのは大正解。暴れまくるしか能のないデクノ坊ヒーロー、シンドバッドというのは、ある意味で適役だ。監督は手堅い仕事で評判のベテラン職人監督エンツォ・G・カスッテラーリ。彼のフィルモグラフィーの中では可もなく不可もなくの部類だが、低予算の娯楽アクション映画が好きな人なら十分に楽しめるだろう。
 舞台はアラブの平和な王国バスラ。心優しい王様のもとで、人々はこの上なく幸せに暮らしていたが、邪まな心を持つ魔術師ジャファール(ジョン・スタイナー)によって平和のシンボルである魔法の石が壊されてしまう。人々は希望を失ってしまい、王国はジャファーの意のままとなってしまう。そこで、5つに砕け散った魔法の石を取り戻すべくシンドバッド(ルー・フェリグノ)はアリ王子(ローランド・ワイベンガ)ら仲間と共に船旅に出る。行く先々で彼らを待ち受けているのは、亡霊船に乗った死霊軍団や岩石モンスター、亡霊騎士団、アマゾネス魔女などなど。彼らの留守中にジャファールは、さらに美しいアリーナ姫(アレッサンドラ・マルチネス)を我がものにしようと企む。果たしてシンドバッドたちは魔法の石を集めて、王国バスラに再び平和を取り戻すことが出来るのか!?
 と粗筋を読んでも分かるように、完全に子供向けに作られたお伽噺。ダリア・ニコロディ扮する現代の母親が幼い娘に話して聞かせるという形式を取っていることからも、その意図は明白だろう。アラビアン・ナイトの船乗りシンドバッドを、ヘラクレスのような英雄として描いているのも不自然ではない。俳優たちの大袈裟な演技も、やはり小さな子供を意識してのことだと思えば鼻にもつかないだろう。特にジャファール役を演じるジョン・スタイナーの悪乗りしまくりの悪役ぶりは、さながら男版曾我町子。その他、80年代以降のイタリアンB級アクションには欠かせない日本人俳優アル・ヤマノウチが奇妙な中国人役でカンフーを披露してくれたり、マカロニ・ウェスタンでもお馴染みの悪役スター、ロマーノ・プッポが騎兵隊長役で出てきたりと、古くからのイタリア映画ファンには嬉しいキャスティングも見ものだ。

 

※「ヘラクレス 魔界の死闘」のDVD情報は、マリオ・バーヴァのページを参照してください。
※ヨーロッパの古い低予算映画は、オリジナル・ネガの所在が分からなかったり、著作権管理者が誰なのか確定していなかったりする場合が多いため、正規盤DVDのリリースが大変困難であるというのが実情です。特に、イタリア産史劇は激安のパブリック・ドメイン・マスターが流布していることもあって、アメリカでも粗悪なDVDがかなり横行しています。とはいえ、その殆どが現状では他に見る手段がないレアな作品ばかり。そうした状況ですので、下記のDVDの中には粗悪なマスターを使用したものも含まれているということをご了承下さい。各DVDの解説には、きちんと画質の良し悪しを明記してあります。なお、最近になってドイツやフランスで高画質マスターを使用したマッスル史劇ものDVDが続々出ているようです。ただ、残念ながらどれもドイツ語やフランス語の吹き替えバージョン。ただ、近い将来はアメリカやイギリスでも高画質マスターの商品が出回るようになるかもしれません。ただ日本では、このジャンルのDVDは殆ど出ていないので望みは薄いかも。

CABIRIA_DVD.JPG MACISTE_IN_HELL_DVD.JPG QUEEN_OF_SHEBA_DVD.JPG HERCULES_DVD.JPG

Cabiria (1914)
カビリア

Maciste in Hell (1925)
マチステの地獄征伐

La Regina di Saba (1953)
The Queen Of Sheba

Hercules (1958)
ヘラクレス

(P)2000 Kino Video (USA) (P)2002 Grapevine Video (USA) (P)2002 Wellspring Video (USA) (P)2006 Retromedia (USA)
画質★★★★☆ 音質★★★★★ 画質★★★☆☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★☆☆
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/ステレオ/音声:サイレント/字幕:イタリア語・英語/地域コード:ALL/123分/製作:イタリア

映像特典
特になし
DVD仕様(北米盤)
モノクロ(着色)/スタンダード・サイズ/ステレオ/音声:サイレント/字幕:英語/地域コード:ALL/80分/製作:イタリア

映像特典
短編映画“A Bird's A Bird”
(チェスター・コンクリン主演)
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/ステレオ/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/93分/製作:イタリア

映像特典
劇場予告編
フィルモグラフィー集
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/ 107分/製作:イタリア・スペイン

映像特典
“Mole Men Against The Son Of Hercules”(マーク・フォレスト主演)
監督:ジョヴァンニ・パストローネ
製作:ジョヴァンニ・パストローネ
脚本:ジョヴァンニ・パストローネ
字幕:ガブリエル・ダンヌンツィオ
撮影:エウジェニオ・バーヴァ他
出演:ウンベルト・モッツァート
    バルトロメオ・パガーノ
    イタリア・マンツィーニ
    レティツィア・カテーナ
    レティツィア・クアランタ
監督:グイド・ブリニョーネ
監督:リカルド・アルトゥッフォ
撮影:ウバルド・アラータ
    マッシモ・テルツァーノ
    セグンド・デ・チョモン
出演:バルトロメオ・パガーノ
    フランツ・サラ
    エレナ・サングロ
    ルチア・ザヌッシ
    ウンベルト・グアラチーノ
監督:ピエトロ・フランチージ
製作:マリーノ・フランチージ
脚本:ピエトロ・フランチージ
    ジョルジョ・グラジオーシ
    ラウル・デ・サロ
撮影:マリオ・モントゥオーリ
音楽:ニノ・ロータ
出演:レオノーラ・ルッフォ
    ジーノ・チェルヴィ
    ジーノ・レウリーニ
    マリーナ・ベルティ
    フランコ・シルヴァ
    ドリアン・グレイ
監督:ピエトロ・フランチージ
製作:フェデリコ・テチ
脚本:エンニオ・デ・コンチーニ
    ピエトロ・フランチージ
    ガイオ・フラッティーニ
撮影:マリオ・バーヴァ
音楽:エンゾ・マセッティ
出演:スティーヴ・リーヴス
    シルヴァ・コシナ
    ジャンナ・マリア・カナーレ
    ファブリツィオ・ミオーニ
    イヴォ・ガラーニ
    アルトゥーロ・ドミニチ
 この作品には幾つかのバージョンが存在して、このDVDに収録されているのは残念ながら一番短いバージョンです。とはいえ、しっかりとレストアが施されており、製作年度を考えれば十分すぎるくらいの高画質を実現しています。映画ファンならば一生に一度は見ておくべき作品でしょう。  ジャケットにデカデカと1926って書いてありますが、正確には1925年の作品です。制作年代を考えればまずまずの画質だとは思いますが、恐らく単純にテレシネをしただけでレストア等は施されていないと思います。ただ、こんな古いマニアックな作品がDVDで見れるというだけでも感謝。文句は言いますまい。  英語吹き替えバージョンというのがちょっと不満ですが、この画質であれば我慢しましょう。豪華絢爛な美術セットやスペクタクル・シーンも隅から隅まで存分に堪能できる高画質。モノクロのコントラストもくっきりしていて、その美しさはハリウッド大作並み。音声が若干こもり気味なの唯一の欠点。  遂に登場した「ヘラクレス」の高画質版DVD!今までパブリック・ドメインの粗悪マスターを使用したビデオ・ソフトばかりが出ていたので、ファンにとっては喜ぶべき快挙です。ちなみに、映像特典として収録されているマーク・フォレスト主演作はフル・フレームのトリミング版で、画質は星二つ。

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Sword And Sandal
Double Feature

Goliath And The Dragon (1960)
豪勇ゴライアス

Son of Samson (1960)
マチステ

Samson and the Seven Miracles of The World (1961)

(P)2004 VCI Entertainment (USA) (P)2001 Something Weird Video (USA) (P)2006 Retromedia (USA) (P)2004 Alpha Video (USA)
画質★★★☆☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★☆☆ 音質★★★☆☆ 画質★★☆☆☆ 音質★★☆☆☆
DVD仕様(北米盤)
カラー・モノクロ/ワイドスクリーン&スタンダードサイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/製作:イタリア

映像特典
ポスター&スチル・ギャラリー
劇場予告編集
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/82分/製作:イタリア

映像特典
“The Conqueror of Atlantis”(カーク・モリス主演)
イタリア史劇予告編集
ポスター・ギャラリー
短編3本収録
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/ 89分/製作:イタリア

映像特典
"Son Of Cleopatra”(マーク・ダモン主演)

DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/ 70分/製作:イタリア・フランス

映像特典
特になし

"I Giganti della Tessaglia" (1961)
監督:リカルド・フレーダ
撮影:ラファエレ・マスチオッキ
音楽:カルロ・ルスティケッリ
出演:ローランド・ケリー
    ジーヴァ・ロダン
    マッシモ・ジロッティ
"Spartaco" (1953)
監督:リカルド・フレーダ
撮影:ガボール・ポガニー
音楽:レンツォ・ロッセリーニ
出演:マッシモ・ジロッティ
    リュドミラ・チェリーナ
    ジャンナ・マリア・カナーレ
    カルロ・ニンキ
監督:ヴィットリオ・コッタファーヴィ
製作:アキーレ・ピアッツィ
    ジャンニ・フォクス
脚本:ドゥッチョ・テッサリ
    マルチェロ・バルディ
    マリオ・フェラーリ
    アーチボルド・ザウンズ・ジュニア
撮影:マリオ・モントゥオーリ
音楽:レス・バクスター
出演:マーク・フォレスト
    ブロデリック・クロフォード
    レオノーラ・ルッフォ
    ギャビー・アンドレ
    ギリップ・ヘルセン
    ジャンカルロ・スブラギア
    ワンディサ・グイダ
「サムソン」
監督:カルロ・カンポガリアーニ
脚本:エンニオ・デ・コンチーニ
    オレステ・ビアンコーリ
撮影:リカルド・パロッティーニ
音楽:カルロ・インノチェンツィ
出演:マーク・フォレスト
    チェロ・アロンソ
    カルロ・タンベルラーニ
“Son of Cleopatra”
監督:フェルディナンド・バルディ
脚本:フランコ・ジラルディ
    フェルディナンド・バルディ
撮影:ビット・アルベルティーニ
出演:マーク・ダモン
    シラ・ガベル
監督:リカルド・フレーダ
製作:エルマンノ・ドナーティ
    ルイジ・カルペンティエリ
脚本:ドゥッチョ・テッサリ
    オレステ・ビアンコーリ
撮影:リカルド・パロッティーニ
音楽:レス・バクスター
出演:ゴードン・スコット
    谷洋子
    ヘレーネ・シャネル
    ダンテ・ディ・パオロ
    ガブリエル・アントニーニ
    レオナルド・セヴェリーニ
    ワレリー・インキジノフ
    フランコ・レッセル
 リカルド・フレーダ監督作品の2本立て。画質はバラバラで、“Spartaco”は星四つあげてもいいくらい良好。逆に“I Giganti della Tessaglia”は色褪せ気味です。しかも、スクリーン・サイズがおかしいので、全体的に若干歪んでます。まあ、どちらも滅多に見れない作品なので、贅沢は言いませんけどね。  オリジナル・ネガからのデジタル・リマスターで、画質は大変良好。逆に、カップリングの“The Conqueror of Atlantis”はトリミングされたスタンダード・サイズで、画質は星二つという感じです。予告編集では、恐らく今後も本編を見ることが出来ないであろうレアな作品も混ざっていて、ファンなら必見。  「マチステ」の方はまずまず、あまり気にならないくらいの画質です。一方の“Son of Cleopatra”は、かなり荒れ模様(笑)。トリミングされたスタンダード・サイズで、画質的には星二つという感じです。ただ、やはり珍しい作品なので、結局は有り難く拝見させていただくことになるんですけどね〜。  こちらは完全にパブリック・ドメインの粗悪マスターを使用しています。それでも、画質的にはPD素材の中でもまだ見れる方。一応ワイドスクリーンですが、やはりサイズがおかしいために画像が歪んでいます。近い将来、正規盤がリリースされることを願いつつ、何とか我慢しましょう。

ULYSSES_DVD.JPG ATLAS_DVD.JPG FIRE_MONSTERS.JPG GODS_OF_WAR_DVD.JPG

Ulysses Against The Son Of Hercules (1961)

Atlas in the Land of the Cyclops 片目の巨人(1961)

Fire Monsters Against The Son Of Hercules (1962)

Gods Of War

(P)2005 Alpha Video (USA) (P)2005 Alpha Video (USA) (P)2005 Alpha Video (USA) (P)2005 Inspired Pictures (USA)
画質★☆☆☆☆ 音質★★☆☆☆ 画質★☆☆☆☆ 音質★☆☆☆☆ 画質☆☆☆☆☆ 音質★☆☆☆☆ 画質★★☆☆☆ 音質★★★☆☆

DVD仕様(北米盤)
カラー/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL
/91分/製作:イタリア・フランス

映像特典
特になし

DVD仕様(北米盤)
カラー/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL
/98分/製作:イタリア

映像特典
特になし
DVD仕様(北米盤)
カラー/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL
/79分/製作:イタリア

映像特典
特になし

DVD仕様(北米盤)
カラー/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL
/190分(合計)/製作:イタリア

映像特典
特になし

監督:マリオ・カイアーノ
脚本:マリオ・カイアーノ
    アンドレ・タベ
撮影:アルヴァロ・マンコリ
音楽:アンジェロ・F・ラヴァニーノ
出演:ジョルジュ・マルシャル
    マイク・レイン
    アレッサンドラ・パナロ
    ドミニク・ボシェロ
    ガブリエル・ティンティ
    ラファエラ・カッラ
    エレオノラ・ビアンキ
監督:アントニオ・レオンヴィオラ
製作:エルマンノ・ドナティ
    ルイジ・カルペンティエリ
脚本:オレステ・ビアンコリ
    ジーノ・マンジーニ
撮影:リカルド・パロッティーニ
音楽:カルロ・インノチェンツィ
出演:ゴードン・ミッチェル
    チェロ・アロンソ
    ヴィラ・シレンティ
    ダンテ・ディ・パオロ
    ラファエラ・カッラ
監督:グイド・マラテスタ
製作:アルフィオ・クアットリーニ
    ジョルジョ・マルゼッリ
脚本:グイド・マラテスタ
    アルパド・デリーソ
撮影:ジュゼッペ・ラ・トーレ
音楽:グイド・ロブスキ
出演:レジ・ルイス
    マーガレット・リー
    ルチアーノ・マリン
    アンドレア・アウレッリ
    ビルギット・ベルゲン
「マラソンの戦い」(1962)
監督:ジャック・ターナー
脚本:エンニオ・デ・コンチーニ 他
撮影:マリオ・バーヴァ
音楽:ロベルト・ニコロージ
出演:スティーヴ・リーヴス
    ミレーヌ・ドモンジョ
    セルジョ・ファントーニ
“The Last Glory Of Troy”(1962)
監督:ジョルジョ・リヴァルタ
製作:アルバート・バンド
音楽:ジョヴァンニ・フスコ
出演:スティーヴ・リーヴス
    リアーナ・オルフェイ
    ジャンニ・ガルコ
 これもパブリック・ドメイン・マスターを使用した粗悪DVD。ですが、やっぱり正規盤が発売されていないので、こういった形でしか見る手段がないんですね〜。そういえば、ジョルジュ・マルシャルの主演作も、殆どビデオ・ソフト化されていません。  やっぱりパブリック・ドメインの粗悪マスターです。他のメーカーからも発売されていますが、全く同じマスターを使用しています。作品自体は、いかにも低予算のファンタジー・アドベンチャーという感じで、なかなか面白いんですけどね。正規盤が出る・・・ことはないだろうな。  こりゃまた酷いパブリック・ドメイン・マスターを使用したもんです。色は殆ど褪せてしまっているし、音声も割れっぱなし。主演のレジ・ルイスは元ミスター・ユニバースらしいですが、筋肉以外は全く俳優に向いていないボンクラです。着ぐるみのちびっ子ザウルスも笑えます。  スティーヴ・リーヴス主演作の2本立て。特に“The Last Glory Of Troy”はかなり珍しい作品です。ただ、残念ながらどちらも画質は決して良いとは言えず、スタンダード・サイズにトリミングされてしまっています。やはり、見れるだけでも感謝して我慢しましょう。

RETURN_TO_TROY_DVD.JPG MOON_MEN_DVD.JPG AVENGER_DVD.JPG GLADIATORS_DVD.JPG

Return To Roy

Hercules Against The Moon Men (1964)

Hercules The Avenger (1965)

Gladiators

(P)2005 Inspired Pictures (USA) (P)2002 Retromedia (USA) (P)2004 Retromedia (USA) (P)2002 BCI Eclipse (USA)
画質★★☆☆☆ 音質★★☆☆☆ 画質★★☆☆☆ 音質★★☆☆☆ 画質★★★☆☆ 音質★★★☆☆ 画質★★☆☆☆ 音質★☆☆☆☆

DVD仕様(北米盤)
カラー/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL
/201分(合計)/製作:イタリア

映像特典
特になし

DVD仕様(北米盤)
カラー/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL
/88分/製作:イタリア・フランス

映像特典
劇場予告編
スチル・ギャラリー
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/ 90分/製作:イタリア

映像特典
“Hercules and the Black Pirate”
スチル・ギャラリー
DVD仕様(北米盤2枚組)
カラー/スタンダード・サイズ(一部ワイドスクリーン)/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/368分(合計)/製作:イタリア

映像特典
特になし
“Lion Of Thebes”(1964)
監督:ジョルジョ・フェローニ
脚本:レミジオ・デル・グロッソ 他
撮影:アンジェロ・ロッティ
音楽:フランチェスコ・デ・マージ
出演:マーク・フォレスト
    イヴォンヌ・フルノー
    マッシモ・セラート
“Fury of Achilles”(1962)
監督:マリノ・ジロラーミ
脚本:ジーノ・デ・サンティス
撮影:マリオ・フィオレッティ
音楽:カルロ・サヴィーナ
出演:ゴードン・ミッチェル
    ジャック・ベルジェラク
    クリスティナ・ガイオーニ
監督:ジャコモ・ジェンティローモ
製作:ルイジ・モンデッロ
脚本:ニノ・スコラーロ
    アルパド・デリーソ
撮影:オベルダン・トロイアーニ
音楽:カルロ・フランチ
出演:アラン・スティール
    ジャニー・クレア
    アンナ・マリア・ポラーニ
    ナンド・タンベルラーニ
    デリア・ダルベルティ
    ジャン=ピエール・オノーレ
“Hercules The Avenger”(1965)
監督:マウリツィオ・ルチディ
脚本:ロレンツォ・ジッカ
撮影:アルヴァロ・マンコリ
音楽:ウーゴ・フィリッポ
出演:レジ・パーク
    ジア・サンドリ
    ジョヴァンニ・チャンフリリア
“Hercules and The Black Pirate”(1964)
監督:ルイジ・カプアーノ
脚本:ピエロ・ピエロッティ
    アルパド・デリーソ
撮影:アウグスト・ティエッツィ
音楽:アンジェロ・F・ラヴァニーノ
出演:アラン・スティール
    ロサルバ・ネリ
“Rebel Gladiators”(1963)
監督:ドメニコ・パオレッラ
出演:ダン・ヴァディス
    グロリア・ミランド
    ホセ・グレシ
“Duel of the Champions”(1961)
監督:フェルディナンド・バルディ
    テレンス・ヤング
出演:アラン・ラッド
“Giants of Rome”(1964)
監督:アンソニー・M・ドーソン
出演:リチャード・ハリソン
    ワンディサ・グイダ
「7人のあばれ者」(1962)
監督:ペドロ・ラザガ
出演:リチャード・ハリソン
    ロレダーナ・ヌシアク
 どちらも日本未公開のマニアックな作品ながら、非常に見応えのある作品です。特に“Fury Of Achilles”では、ゴードン・ミッチェルがアキレス役を演じており、かなりの当たり役。惜しむらくは、やはりパブリック・ドメイン・マスターを使用しているため、画質が悪いこと。  レトロメディアの単品DVDとしては、かなり画質の悪い作品ですね。まあ、内容的にもクズですけど。月からの侵略者とヘラクレス(実際はマチステ)が戦うんですけど、この月世界人のデザインが最悪。オマケで当時の宣伝用ブックレットのレプリカが付いてます。  マッスル史劇のDVDをリリースしているメーカーの中でも、レトロメディアは唯一の良心的な会社。このDVDも、まずまずのクオリティです。ただ、カップリング作品の方は、残念ながら星二つクラス。このジャンルで良質なマスターを探すのは難しいのかもしれませんね。  パブリック・ドメイン・マスターを集めた粗悪DVDですが、「7人のあばれ者」だけがワイド・スクリーンで画質も良好。MGMのクレジットとか入っていて、果たして本当に大丈夫なのでしょうかね?いずれにせよ、手軽にレアなマッスル史劇を楽しめる2枚組ではあります。

ADVENTURE_HERCULES_DVD.JPG WARRIORS_DVD.JPG BATTLE_AMAZONS_DVD.JPG NEW_HERCULES_DVD.JPG

The Adventures Of Hercules

50 Movie Pack : Warriors

Battle of the Amazons (1974)
空手アマゾネス

Hercules(1983)/The Adventures Of Hercules (1985)
超人ヘラクレス/超人ヘラクレス2

(P)1999 Trimark Home Video (USA) (P)2006 Mill Creek (USA) (P)2001 Eurovista (USA) (P)2005 MGM Home Enter.(USA)
画質★★★☆☆ 音質★★★☆☆ 画質★☆☆☆☆ 音質★☆☆☆☆ 画質★★☆☆☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤4枚組)
カラー/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:英語/地域コード:1/ 640分(合計)/製作:イタリア

映像特典
特になし

DVD仕様(北米盤13枚組)
カラー/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL
/合計時間不明/製作:イタリア

映像特典
特になし

DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/ 92分/製作:イタリア

映像特典
スチル・ギャラリー
劇場予告編
TVスポット集
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/ステレオ・サラウンド/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/188分(合計)/製作:イタリア

映像特典
劇場予告編

“Hercules VS The Hydra”(1960)
監督:カルロ・ルドヴィコ・ブラガリア
出演:ジェーン・マンスフィールド
    ミッキー・ハージティ
“Lion Of Thebes”(1964)
監督:ジョルジョ・フェローニ
出演:マーク・フォレスト
    イヴォンヌ・フルノー
「大城砦」(1962)
監督:ジョルジョ・フェローニ
出演:スティーヴ・リーヴス
    ジョン・ドリュー・バリモア
「豪勇ペルシウス大反撃」(1963)
監督:アルベルト・デ・マルティーノ
出演:リチャード・ハリソン
“The Triumph of Hercules”(1964)
監督:アルベルト・デ・マルティーノ
出演:ダン・ヴァディス
    マリルー・トロ
“Hercules Vs The Sons Of The Sun”
監督:オスワルド・チヴィラーニ
出演:マーク・フォレスト
    ジュリアーノ・ジェンマ
“Hercules VS The Moloch”(1963)
監督:ジョルジョ・フェローニ
出演:ゴードン・スコット
    ロサルバ・ネリ

Ali Baba and the Seven Saracens
(ゴードン・ミッチェル主演)
片目の巨人(ゴードン・ミッチェル主演)
Caesar the Conqueror(キャメロン・ミッチェル主演)
Cleopatra's Daughter(デブラ・パジェット主演)
アマゾンの女王(ロッド・テイラー主演)
Colossus and the Headhunters(カーク・モリス主演)
Conqueror of the Orient(リク・バッタリア主演)
Damon and Pythias(ガイ・ウィリアムス主演)
Devil of the Desert Against the Son Of Hercules(カーク・モリス主演)
Duel of Champions(アラン・ラッド主演)
Fire Monsters Against the Son of Hercules(レジ・ルイス主演)
Fury of Achilles(G・ミッチェル主演)
ヘラクレスの怒り(ブラッド・ハリス主演)
マラソンの戦い(スティーヴ・リーヴス主演)
The Giants of Thessaly(ローランド・ケリー主演)
Gladiators of Rome(ゴードン・スコット主演) 他 全50作品収録
監督:アルフォンソ・ブレスチア
製作:リカルド・ビッリ
脚本:マリオ・アメンドーラ
    ブルーノ・コルブッチ
撮影:ファウスト・ロッシ
音楽:フランコ・ミカリッツィ
出演:リンカーン・テイト
    ルクレチア・ラヴ
    パオラ・テデスコ
    マルタ・ミラー
    ベニト・ステファネッリ
    ジェニー・ウッズ
    ソルヴィア・ストゥビング
    ロバート・ヴィドマーク

「超人ヘラクレス」
監督:ルイジ・コッツィ
製作:メナハム・ゴーラン
    ヨーラム・グローバス
脚本:ルイジ・コッツィ
音楽:ピノ・ドナッジョ
出演:ルー・フェリグノ
    シビル・ダニング
    ブラッド・ハリス
    イングリッド・アンダーソン
    ロッサナ・ポデスタ
    ミレッラ・ダンジェロ
    ウィリアム・バーガー
    ジャンニ・ガルコ
    デリア・ボッカルド
「超人ヘラクレス2」
監督:ルイジ・コッツィ
製作:ジョン・トンプソン
脚本:ルイジ・コッツィ
音楽:ピノ・ドナッジョ
出演:ルー・フェリグノ
    ミリー・カルルッチ
    ソニア・ヴィヴィアーニ
    ウィリアム・バーガー
    セレナ・グランディ
    エヴァ・ロビンス
    マージ・ニュートン

 これまたレアなマッスル史劇を7本集めた4枚組DVD。さすがに大手トライマーク社からのリリースなので、粗悪DVDとまでは言わないですが、決してクオリティの高い商品ではありません。フィルムの傷もそのままですが、恐らく色調補正はされていると思われます。悪くはない、というレベルですね。  ということで、13枚のDVDに50本のイタリア産マッスル史劇が収録されて、何と20ドル以下という激安ボックス。当然、全てパブリック・ドメイン・マスターを使用しています。画質は本当に様々ですが、良くて星二つ程度。他では見れない作品も数多く含まれていますので、割り切って見るしかないでしょう。  画質は中の下といった感じですが、こんな映画がDVDで、しかもワイドスクリーンで見る事ができるというだけで満足しとかないとバチが当たるでしょう。当時アメリカではAIPが配給を担当したらしく、AIPの製作した宣伝用パンフレットのレプリカも封入されています。B級映画マニアには興味深い商品でしょう。  こんな作品が・・・と言っちゃ失礼ですが、まさかMGMから高画質・ワイドスクリーンでリリースされるとはまた贅沢な話ですな〜。しかもシリーズ2本立てで。まあ、それもこれもルー・フェリグノの根強い人気のおかげかもしれません。

SINBAD_DVD.JPG

Sinbad of the Seven Seas (1989)

(P)2005 MGM Home Enter. (USA)
画質★★★★☆ 音質★★★☆☆
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/93分/製作:イタリア

映像特典
劇場予告編
監督;エンツォ・G・カスッテラーリ
製作:エンツォ・G・カスッテラーリ
脚本:ティト・カルピ
    エンツォ・G・カスッテラーリ
撮影:ブラスコ・ジュラート
音楽:ドブ・セルツァー
出演:ルー・フェリグノ
    ジョン・スタイナー
    ローランド・ワイベンガ
    エンニオ・ジロラーミ
    アル・ヤマノウチ
    アレッサンドラ・マルチネス
    ダリア・ニコロディ
    ロマーノ・プッポ
 こちらもMGMからのリリースです。全体的にライティングが強くてフワッとした映像は、この時期のイタリア製娯楽映画の特徴ですね。特に屋外シーンなんかは、ちょっとフォーカスが甘いように見えてしまうのが弱点です。

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