パニック!パニック!パニック!
70年代パニック映画ブームを振り返る

 

 映画の魅力・醍醐味というのは、なかなか一口では簡単に言い尽くせないものではある。が、やはり現実には目の当たりにする事のない大規模なスペクタクル・シーンなんか見せられると、やっぱ映画はこれだよなー、とついつい身を乗り出してしまう。そう、大地震やエイリアンの来襲、巨大旅客機の墜落などの描写は、まさに映画ならではの見せ場と言えるだろう。実際にそんな場に遭遇するのは嫌だけど見てみたい、というのは人間の本能的な好奇心である。
 そうした非日常的なスペクタクル描写は草創期からの映画の売り物で、古くはイタリアの「カビリア」('14)でのエトナ火山噴火シーンやアメリカの「イントレランス」('16)でのバビロンの崩壊、はたまたロン・チャニー主演「大地震」のサンフランシスコ大地震など、今見てもビックリするような素晴らしいスペクタクル・シーンがスクリーンに再現されてきた。
 その他にも、同じくサンフランシスコ大地震を描いた「桑港(サンフランシスコ)」('36)や豪華客船の難破シーンが迫力あった「歴史は夜作られる」('37)、クライマックスのシカゴ大火災シーンが有名な「シカゴ」('38)、そしてアトランタ炎上シーンが印象深い「風と共に去りぬ」('39)、タイタニックの悲劇を再現した「SOSタイタニック/忘れえぬ夜」('58)など、スケールの大きなスペクタクル・シーン、パニック・シーンは映画というエンターテインメントの大きな見せ場として観客を魅了してきた。
 しかし、そうしたシーンは本来あくまでも映画のアクセントであり、映画を見せる上でのセールス・ポイントではあってもテーマではなかった。そのスペクタクル・シーン、パニック・シーンそのものを映画の最大の売り物としたのが、70年代にブームとなったパニック映画の数々である。
 その70年代パニック映画には大きな特徴というか、ルールみたいなものがある。まず、地震や火災など特定の災害現象が映画のテーマとなる。そこには様々なバリエーションが生まれ、動物パニックから派生した巨大生物もの、交通災害に政治テロを絡めたものなど、次々と裾野を広げていった。
 さらに、新旧スターを大勢揃えたオールスター・キャスト。特に、知名度が高い割にギャラの安い往年のスターやテレビ・スターが大挙して動員された。災害という絶望的な状況下における群集劇を描くパニック映画において、数多くの登場人物をスターで固めるというのは実に効果的な売り方だった。観客はスターを見るために映画館に来る、というハリウッドの古くからの鉄則が見事に実証されたとも言えるだろう。当時のハリウッドはアメリカン・ニュー・シネマ全盛期で、スターのネーム・バリューよりも作家性やメッセージ性が尊ばれていた。そうした状況下でオール・スター・キャストという商売が成功したのは、50年代末から60年代にかけてヨーロッパ映画にすっかりお株を奪われてしまったハリウッドの本格的な復活を意味するものでもあった。

 さて、その70年代パニック映画の先駆けとなった作品と言えば、やはり「大空港」('70)だろう。保険金目的の自爆犯によって空中分解の危機にさらされた旅客機の決死のサバイバルを描く航空パニック映画の金字塔であり、その背景にある人間ドラマまで丁寧に描いたスケールの大きな傑作だった。爆破で機体に穴の空いてしまった旅客機、豪雪で滑走路の機能が麻痺してしまった大空港などサスペンスの見せ場も豊富。さらには、バート・ランカスター、ディーン・マーティン、ジーン・セバーグ、ジャクリーン・ビセットといったトップ・スターからヘレン・ヘイズ、ヴァン・ヘフリン、ダナ・ウィンターといった往年の大スター、ジョージ・ケネディ、モーリーン・ステイプルトン、ロイド・ノーラン、バーバラ・ヘイルといった名脇役までバランス良く揃えられたオールスター・キャストの顔ぶれも見事だった。まさにパニック映画のお手本とも言うべき作品だろう。
 この「大空港」は当初シリーズ化される予定はなかったのだが、その後の「ポセイドン・アドベンチャー」や「タワーリング・インフェルノ」の大成功を受けて次々と続編が作られる事になる。そのシリーズ第2弾が「エアポート'75」('74)。こちらはセスナ機と衝突してコクピットが破損してしまい、パイロット不在となってしまったジャンボ・ジェット機の恐怖を描く。前作ほどのスケール感には乏しいものの、オール・スター・キャストの顔ぶれは前作を上回る豪華さだった。主演にはトップ・スター、チャールトン・ヘストンと当時アメリカで人気絶頂だったカレン・ブラック。さらにはグロリア・スワンソン、マーナ・ロイ、ダナ・アンドリュース、マーサ・スコットといったハリウッド黄金期を代表する往年の映画スター、シド・シーザー、エド・ネルソン、エフレム・ジンバリスト・ジュニア、ロイ・シネスといったテレビ黄金期を支えた人気スター、ビヴァリー・ガーランド、ナンシー・オルソン、ノーマン・フェル、ガイ・ストックウェルといった中堅スターに、シリーズ名物となったジョージ・ケネディ、人気歌手ヘレン・レディ、当時人気絶頂の子役スター、リンダ・ブレア。これぞハリウッドの底力。こうしたスターの顔見せ映画は、今ではなかなか作られなくなってしまった。ちなみに、本作でカレン・ブラック扮するヒロインを助けるブロンドのスチュワーデスを演じるエイミー・ファレルは、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督の人体破壊スプラッター「ゴア・ゴア・ガールズ」('71)のヒロインを務めた女優さん。また、「白バイ野郎ジョン&パンチ」のエリック・エストラダも若手操縦士役で顔を出している。

「エアポート'75」

AIRPORT75_1.JPG AIRPORT75_2.JPG AIRPORT75_3.JPG

セスナ機との激突で穴の空いたコクピット

年を取ってもゴージャスなグロリア・スワンソン(右)

あんたの顔が一番怖いよ、カレン・ブラック

 さらにシリーズは「エアポート'77/バミューダからの脱出」('77)、「エアポート'80」('79)へと続いていく。「エアポート'77/バミューダからの脱出」ではハイジャックされた旅客機が墜落して海底に沈んでしまう。生き残った乗客がどうやって脱出するかが見ものだったが、スペクタクル的な見せ場が少ない上に紋切り型の人物描写が薄っぺらで、単なるスターの顔見せ映画になってしまった感は否めなかった。また、主人公の機長役のジャック・レモンはともかく、その相手役にブレンダ・ヴァッカロというのも華に欠けるキャスティングだった。彼女は脇で活きるタイプの女優で、決してヒロイン向きではなかったと思う。リー・グラントやオリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョセフ・コットン、クリストファー・リー、ジェームズ・スチュワートといった大御所スターに完全に食われてしまっていた。その他、ダーレン・マッギャビンやジェームズ・ブース、マイケル・パタキといった渋めの役者の顔ぶれも良かったし、若かりし頃のキャスリーン・クインランがまた初々しくて美しかっただけに、残念な仕上がりだったと言える。
 続く「エアポート'80」は海外マーケットを強く意識した作品で、パリの観光名所を随所に織り込みながら国際的なキャストを揃えていた。もしかしたら、もうアメリカ国内だけでは採算が取れないだろうと踏んでいたのかもしれない。アラン・ドロンにシルヴィア・クリステルという主役の顔合わせは、明らかにアメリカ国内ではセールスにならなかったはず。なんたって、国民の大半がハリウッド映画しか見ないというお国柄なのだから。ハリウッド・スターの顔ぶれにしても、ロバート・ワグナーを筆頭に、エディ・アルバート、デヴィッド・ワーナー、マーセデス・マッケンブリッジ、マーサ・レイ、シシリー・タイソンと、非常に映画通好みのスターを揃えているものの、今までのシリーズ中では最も地味なキャスティング。その他、当時アメリカで人気のあったメキシコ出身のお色気女性ギタリスト、チャロや西ドイツ出身のポルノ女優シビル・ダニング、そしてベルイマン映画のヒロインとして有名なスウェーデン女優ビビ・アンデションなど、個人的には思わずニンマリしてしまうような顔ぶれなので、結構捨てがたい作品ではあるのだが・・・。そうは言っても、謎の武器密輸業者に狙われたコンコルドの決死のサバイバルを描くという割には、著しく緊迫感に欠ける観光映画になってしまっていた事は否めない。
 これをもって、“エアポート・シリーズ”は終了する。しかし、このシリーズの大成功のおかげもあってか、70年代のパニック映画ブームの中でも航空パニックは特に人気の高いジャンルの一つだった。「追跡者」のデヴィッド・ジャンセンを主演に、レイ・ミランドやブロデリック・クロフォードといった往年のオスカー俳優、ミュージカル・スターだったジェーン・パウエル、リンダ・デイ・ジョージやマージョ・ゴートナーといった中堅スターを揃えたハイジャック映画「メイデイ40,000フィート」('77・元はTVムービー)、「アンタッチャブル」のロバート・スタックを主演に、ウォルター・ピジョン、ラレイン・デイ、ラルフ・ベラミーといった往年のハリウッド・スター、ヒュー・オブライエンやフェルナンド・ラマス、セオドア・バイケルといった渋い名優にファラ・フォーセットが華を添えるTVムービー「大空港75/スカイパニック」('75)、さらにはイタリアでもジェームズ・フランシスカス、ヴァン・ジョンソン、ジョセフ・コットン、ミムジー・ファーマーといったスターを揃えたパニック映画「コンコルド」('79)という作品が作られた。
 また、80年代には航空パニック映画をネタにしたパロディ映画「フライングハイ」('80)と「フライングハイ2/危険がいっぱ月への旅」('82)が公開されてヒットしている。オール・スター・キャストの顔ぶれは“エアポート・シリーズ”に比べると小ぢんまりしていたものの、何よりもピーター・グレイヴスやウィリアム・シャトナー、レイモンド・バー、チャック・コナーズといったコメディとは無縁のシリアス俳優にバカ演技をさせたのは画期的だった。今ではすっかりコメディアンとなってしまったレスリー・ニールセンも、この「フライングハイ」で初めて喜劇に挑んでいる。

「ポセイドン・アドベンチャー」

POSEIDON_1.JPG POSEIDON_2.JPG POSEIDON_3.JPG

楽しそうにぶら下がってる・・・わけじゃないですね

逃げときゃ良かったのにねえ・・・

50歳にしてスタントなしで大熱演のシェリー・ウィンタース

 さて、「大空港」が70年代パニック映画の先陣を切った作品とするならば、本格的なブームの到来を告げたのは「ポセイドン・アドベンチャー」('72)だったと言えるだろう。豪華客船の転覆という大スペクタクルを軸に、生き残った人々の決死の脱出劇を描く作品で、危機的状況下での集団心理や主人公たちの内面の葛藤までをも丁寧に描きこんだスターリング・シリファントの脚本は見事だった。その辺りは、人間ドラマを得意としていたロナルド・ニーム監督の手腕もあったろう。
 当時話題になったパーティー会場の床と天上が逆さまになってしまうパニック・シーンは、今見ると“ああ、こっから下はマットが敷かれてるのねえ〜”って具合にカラクリが見抜けてしまうものの、俳優やスタントマンによる体を張った演技の迫力には圧倒される。なんといっても、まだCGなど一切ない時代だ。また、当時50歳だったオスカー女優シェリー・ウィンタースがスタントなしで素潜りに挑戦するシーンは観客の度肝を抜き、その直後に彼女が死ぬ感動シーンと併せて本編最大のハイライトとなった。もともとウィンタースは肝っ玉母さん系のキャラで、歯に衣着せぬ言動からハリウッドのゴッドマザー的存在の女優だったが、その男顔負けのプロ根性はアッパレとしか言いようがない。
 製作を手掛けたアーウィン・アレンは直前になって20世紀フォックスから出資を断られ、友人から資金を募って完成にこぎ着けたという。しかも、撮影から公開まで短期間の強行スケジュールを実行したおかげで、その友人たちは実際に現金を支払う事なく利益の分配にあずかったというから大したもの。アーウィン・アレンの商売人としての才能と決断力がずば抜けていた事の証だろう。また、この作品の制作費は500万ドル。同じ年に公開された「ゴッドファーザー」が600万ドル、「キャバレー」も600万ドル、「ラ・マンチャの男」が1200万ドルというから、決してケタ外れに高い制作費が注ぎ込まれたわけではない。低予算のテレビ業界で叩き上げてきたアレンならではの倹約術によって、実際の制作費よりも遥かにスケールの大きなスペクタクル映画に仕上げられていたのである。
 オール・スター・キャストにしても、当時旬の人気スターは主演のジーン・ハックマンだけ。後はステラ・スティーブンス、キャロル・リンレー、レスリー・ニールセンといった全盛期を過ぎてしまったスター、そしてシェリー・ウィンタースやアーネスト・ボーグナイン、レッド・バトンズ、ロディ・マクドウォール、ジャック・アルバートソンのような名脇役といった、知名度が高い割りに実はギャラの安い役者を揃えることによって制作費を抑えていたのだ。そして、最終的にはこの年最大の興行収入を記録する大ヒット作となったのだから、アーウィン・アレンの完勝だったと言っても間違いないだろう。
 ちなみに、その後アレン自身が監督も手掛けた「ポセイドン・アドベンチャー2」('79)が製作されたが、こちらは映画そのものが転覆してしまった。

「タワーリング・インフェルノ」

TOWERING_1.JPG TOWERING_2.JPG TOWERING_3.JPG

火だるまになった上に超高層ダイビング・・!!!

ジェニファー・ジョーンズの墜落シーン、ショッキングでした・・・

爆破と洪水の一大スペクタクル

 「ポセイドン・アドベンチャー」の大成功でハリウッド業界において高い信頼を勝ち得たアーウィン・アレンが、前作の約3倍に当る1400万ドルという当時としては巨額の制作費を投じて製作したのが「タワーリング・インフェルノ」('74)。主演にはスティーブ・マックイーンにポール・ニューマンという、当時のハリウッドを代表する2大スターを揃え、やはり当時ハリウッドを代表するトップ女優だったフェイ・ダナウェイ、大御所のウィリアム・ホールデンにフレッド・アステア、50年代を代表する名女優ジェニファー・ジョーンズ、テレビ界のトップ・スターだったリチャード・チェンバレンにロバート・ヴォーン、新進スターとして注目されていたスーザン・ブレイクリー、そして50年代を代表する2枚目スターだったロバート・ワグナーといった具合に、前作を遥かに上回る豪華なスターの競演を実現させた。さらに、ジョン・ギラーミン監督と共にアレン自身もアクション・シーンの監督を務めるなど、文字通り彼のプロデューサー人生を賭けた入魂の1作だったと言えるだろう。
 今回の舞台は地上134階の超高層ビル。手抜き工事による電気系統の故障で火事に見舞われたビルに取り残された人々の決死のサバイバルと、救助に当る消防隊の命がけの活躍を描くパニック映画の金字塔とも言える傑作。まさに圧巻の火災シーンもさることながら、人間の愚かさと崇高さ、無慈悲に人命を奪っていく災害の恐ろしさ、そして神をも恐れぬ現代文明の功罪を描ききった脚本がまた素晴らしい。スターリング・シリファントは、この後も「ダーティハリー3」('76)や「テレフォン」('77)といった秀作をものにしていくものの、再びアレンと組んだ「スウォーム」('78)辺りから失速していってしまう。
 いずれにせよ、70年代パニック映画は、この「タワーリング・インフェルノ」で頂点を迎えたと言って差し支えないだろう。

 こうして「ポセイドン・アドベンチャー」に「タワーリング・インフェルノ」というパニック映画の2大傑作を世に送り出したアーウィン・アレンは、その後も数多くのパニック映画を手がけていった。ダムの決壊による大洪水を描くTVムービー「大洪水」('76)は、テレビ「アイ・スパイ」シリーズで人気を得たロバート・カルプを主演にバーバラ・ハーシー、テレサ・ライト、リチャード・ベイスハート、キャメロン・ミッチェル、そして「ポセイドン・アドベンチャー」のロディ・マクドウォールにキャロル・リンレーといったテレビとは思えない豪華な顔合わせで製作されたものの、パニック・シーン以外に見るところのない凡作だった。さらに、山火事を題材にした「大火災」('77)でもアーネスト・ボーグナイン、ヴェラ・マイルズ、ロイド・ノーラン、パティ・デューク、ネヴィル・ブランド、ドナ・ミルズといった名優・中堅スターを揃えたものの失敗。まるで「ポセイドン・アドベンチャー」と「タワーリング・インフェルノ」の2本で燃え尽きてしまったかのような体たらくだった。
 さらに、「スウォーム」('78)では蜂の大群が全米を次々と襲うという昆虫パニックに挑戦。マイケル・ケインとキャサリン・ロスを主演に、ヘンリー・フォンダやフレッド・マクマレー、オリヴィア・デ・ハヴィランド、リー・グラント、ホセ・フェラー、ベン・ジョンソン、リチャード・ウィドマーク、ブラッドフォード・ディルマン、リチャード・チェンバレン、キャメロン・ミッチェル、パティ・デュークと、まさに錚々たる顔ぶれのスターを集めたものの、緊張感もリアリズムもない荒唐無稽な失敗作となってしまった。
 それでもパニック映画というジャンルに固執するアレンは、火山噴火を題材にした「世界崩壊の序曲」('80)を手掛ける。こちらも、ポール・ニューマン、ジャクリーン・ビセット、ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ヴァレンティナ・コルテーゼ、バージェス・メレディス、バーバラ・カレラ、ジェームズ・フランシスカスといったスターが揃ったが、制作費の大半が彼らのギャラに費やされたとしか思えないような安手のパニック映画に仕上がってしまった。これを最後に、アレンはパニック映画のジャンルから全面撤退をする事となる。

 

 さて、ここからは70年代に作られたその他のパニック映画をざっとおさらいしていきたい。「ポセイドン・アドベンチャー」の成功に刺激されて作られたのが「大地震」('74)。こちらは“エアポート・シリーズ”のジェニングス・ラングが製作を手がけた作品で、そのタイトルが映画の総てを物語っている。「ゴッドファーザー」のマリオ・プーゾが手掛けた脚本は薄っぺらだが、アカデミー賞を受賞した大地震の特撮は見事だった。主演にはチャールトン・ヘストンとジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドが当り、エヴァ・ガードナー、ジョージ・ケネディ、ロイド・ノーラン、バリー・サリヴァン、リチャード・ラウンドツリー、さらには「ボナンザ」で有名なローン・グリーンといった顔合わせも豪華。名優ウォルター・マッソーもワン・シ−ンだけ顔を出している。ちなみに、当時は重低音を生かした立体音響センサラウンド方式での上映が話題になった。
 大地震というのはパニック映画には格好の題材だと思われるが、欧米では地震そのものがあまり身近ではないためか、本作以外はあまり作られていない。逆に、94年のロサンゼルス地震以降の方が、テレビ映画を中心に地震映画が数多く作られるようになっている。

 その他、自然災害ものとしては都市の大火災を描いたカナダ映画「シティ・オン・ファイア」('79)や雪崩を題材にした「アバランチ/白銀の恐怖」('78)と「アバランチ・エクスプレス」('79)、南洋の島を襲うハリケーンを描く「ハリケーン」('79)などがある。
 「シティ・オン・ファイア」は街全体が火災に見舞われるという着眼点は良かったものの、スケール的にはテレビ映画の域を出るものではなかった。また、ヘンリー・フォンダ、エヴァ・ガードナー、シェリー・ウィンタース、レスリー・ニールセンといったパニック映画お馴染みのオール・スター・キャストも揃ったが、バリー・ニューマンとスーザン・クラークという主演コンビはさすがに地味過ぎた。「アバランチ/白銀の恐怖」は、さすが低予算映画の帝王ロジャー・コーマンが製作を手がけただけあって、ロック・ハドソンとミア・ファローというビッグ・ネームを主演に据えて豪華さを演出しながらも、後はロバート・フォスター以下地味な顔ぶれでちゃっかりとお茶を濁している。肝心の雪崩シーンも迫力なし。一方の「アバランチ・エクスプレス」はパニック映画風に仕立てたスパイ・サスペンスで、リー・マーヴィン、ロバート・ショー、マクシミリアン・シェル、ホルスト・ブッフホルツといった渋好みの映画通なら唸ってしまう豪華キャストだったが、ご都合主義の目立つ残念な仕上がりだった。また、「ハリケーン」はスウェーデンの名匠ヤン・トロエル監督がパニック映画を手掛けた事で話題になったが、こちらもパニック・シーン以外に見所のない凡作。ジェイソン・ロバーズ、ミア・ファロー、トレヴァー・ハワード、マックス・フォン・シドーという豪華なキャストも、単なる顔見せでしかなかった。

 さて、70年代パニック映画で意外にも多いのが動物・昆虫パニックもの。中でも、「スウォーム」を筆頭に「恐怖の殺人蜜蜂」('74)、「キラー・ビー」('76)、「ザ・キラー・ビーズ」('78)といった蜂ものが多い。また、発火能力のある未知の昆虫がゴキブリと交配して大量発生し人々を襲う「燃える昆虫軍団」('75)なんていう異色作もあった。
 しかし、やはり動物パニックものの代表作と言えば「ジョーズ」('75)。人喰いサメは動物パニックものの定番で、パニック映画ブームが去ってからも現在まで数え切れないほどの作品が作られている。もちろん、「ジョーズ」以前にも動物パニックものは作られている。一番有名なのは、やはりヒッチコック監督の「鳥」('63)だろう。が、ブームというほどの盛り上がりは見せなかった。猫が大量に出てくる「猫」('69)やネズミ軍団が登場する「ウィラード」('71)なんて作品もあったが、いずれもパニックをメインには描いていない。異色作としては、巨大化したウサギ軍団が人間を襲うというもの凄く奇妙なパニック映画「Night of the Lepus」('72・日本未公開)なんてのもあった。
 巨大化した動物といえば、「巨大生物の島」('76)と「テンタクルズ」('77)も忘れてはならない。何でも巨大化するのが大好きなバート・I・ゴードン監督がパニック映画ブームにかこつけて趣味で作ってしまったような作品で、巨大化した蜂やネズミ、芋虫がこれでもかと登場する。そして「テンタクルズ」は巨大タコ。ヘンリー・フォンダを筆頭に、ジョン・ヒューストン、シェリー・ウィンタース、クロード・エイキンス、デリア・ボッカルドといった有名スターが、ミニチュア相手に格闘する本物のタコを見て大騒ぎするというだけのバカ丸出し映画。どちらも、今作ればCGの技術で少しはまともな作品になったのかもしれない・・・ってこともないか。
 また、70年代に数多くの異色低予算ホラーを世に送り出し、若くしてこの世を去ったウィリアム・ガードラー監督も、「グリズリー」('76)に「アニマル大戦争」('77)という2本の動物パニックを手掛けている。「グリズリー」は森林公園を舞台に巨大熊が人々を襲いまくるという作品で、脇役俳優のドン臭い演技が気になるものの、なかなか良く出来たパニック映画だった。クリストファー・ジョージ、アンドリュー・プライン、リチャード・ジャッケルという渋いB級スターの競演もなかなか。さらに「アニマル大戦争」はオゾン層破壊の影響で動物たちが人間を襲うという設定にクビをかしげるものの、次々と見せ場が用意されていて飽きない娯楽作に仕上がっている。今回はクリストファー・ジョージ以下、レスリー・ニールセン、リンダ・デイ・ジョージ、ルース・ローマン、リチャード・ジャッケル、マイケル・アンサラ、アンドリュー・スティーブンスと、微妙な顔ぶれながらオール・スター・キャストも揃っている。「ジョーズ」で最初の犠牲者役を演じた事で有名なスーザン・バックリーニが顔を出しているのも見逃せない。ちなみに彼女、この作品では動物トレーナーも兼任している。
 その他、「大来襲!吸血コウモリ」('74)、「ピラニア」('77)、「殺人魚フライング・キラー」('81)、そして異色の香港映画「人蛇大戦 蛇」('82)など、ありとあらゆる動物パニック映画が世に送り出されている。

 そうそう、パニックと言えば「ポセイドン・アドベンチャー」の船、“エアポート・シリーズ”の飛行機といった具合に乗り物も欠かせない。乗り物パニックとしては、ドイツの飛行船ヒンデンブルグ号の爆発事故を描いた「ヒンデンブルグ」('75)、ジェットコースターを狙う爆弾魔と捜査官の駆け引きを中心に描く「ジェット・ローラー・コースター」('77)、列車が駅に突っ込むクライマックスの大パニックが迫力満点だった「大陸横断特急」('76)などが挙げられる。また、巨大バスが様々なトラブルに巻き込まれる「弾丸特急ジェット・バス」('76)も、パニック映画のパロディ・ネタ満載で面白かった。しかし、何と言っても異色だったのは「カサンドラ・クロス」('76)だろう。

「カサンドラ・クロス」

CASSANDRA_1.JPG CASSANDRA_2.JPG CASSANDRA_3.JPG

存在そのものがスペクタクルなソフィア・ローレン

迎え撃つはエヴァ・ガードナー・・・もうお腹いっぱいですぅ

でもって、かなりショッキングなクライマックスへ突入

 細菌兵器に感染したテロリストがヨーロッパ大陸横断超特急に乗り込んだ事から起きるパニック。しかも、アメリカ陸軍は機密保持のために列車ごと乗客を抹殺しようと画策する・・・という政治スリラーとスペクタクル・パニックを合体させた迫力の問題作。見所は何と言ってもクライマックスの列車事故。朽ちかけた鉄橋カサンドラ・クロスに差し掛かった列車が、乗客を乗せたまま橋もろとも河へと墜落していく。ひしゃげるコンパートメント、押しつぶされる乗客、座席を突き破るレール・・・まさに悪夢。後に「ランボー」や「コブラ」でハリウッドのアクション映画監督となるジョルジュ・パン・コスマトス監督だが、前作の「裂けた鉤十字」('73)といい本作といい、当時は気骨溢れる社会派エンターテイメントを撮らせたら天下一品だった。また、キャストも信じられないくらいに豪華。列車に乗り合わせる科学者夫婦をリチャード・ハリスとソフィア・ローレンが演じる他、アメリカ陸軍大佐をバート・ランカスター、国際保険機構の女性科学者をイングリッド・チューリン、陸軍情報局員をジョン・フィリップ・ロー、テロリストをルー・カステルが演じる。さらに乗客にはエヴァ・ガードナー、マーティン・シーン、O・J・シンプソン、アリダ・ヴァリ、レイモンド・ラヴロック、アン・ターケル、リー・ストラスバーグ、車掌がライオネル・スタンダーという凄い顔ぶれ。イタリアのカルロ・ポンティ製作だけあって、ハリウッドとヨーロッパの名優を配した素晴らしいキャスティングだった。尼僧役で「フィーリング・ラブ」('78)の母親役が思い出深いアンジェラ・グッドウィンまで登場する。ハリウッドのパニック映画ブームに対するヨーロッパからの回答といってもいい入魂の1作だった。
 ちなみに、細菌パニックと言えば、軍の開発した細菌兵器に感染した人が次々と凶暴化し、しまいには町の住人が軍に皆殺しにされるというジョージ・A・ロメロ監督の「ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖」('72)も衝撃的な作品だった。

 さて、こうした世界的なパニック映画ブームの中、ここ日本でもスケールの大きなパニック映画が作られる。もともと、日本は「ゴジラ」に代表されるようなミニチュア合成を駆使した特撮映画はお手のもの。「ゴジラ」にしたって、最大の見せ場はゴジラの東京襲撃という一大スペクタクル・パニック・シーンだった。

「日本沈没」

NIPPON_1.JPG NIPPON_2.JPG NIPPON_3.JPG

地震で大パニックに陥る東京の様子がリアル

見事としか言いようのないミニチュア撮影

逃げ惑う人々とミニチュアの合成が素晴らしい

 その和製パニック大作の原点にして頂点と言えるのが、「日本沈没」('73)である。言うまでもなく、小松左京のベスト・セラー小説の映画化。東京大地震に富士山の噴火と、自然災害と常に隣り合わせで生きている日本人のリアルな恐怖を題材にした作品で、民族の存亡・尊厳までを問う悲壮感溢れるクライマックスまで一気に見せてしまう傑作。総理大臣を筆頭に、政界・財界の要人が祖国を失う日本国民の将来のために率先して働く姿は、今となって見れば美談が過ぎるようにも感じるが、そうした理想主義すらも感動的に描ききってしまうパワーが圧倒的だ。日本を代表する特撮マン、中野昭慶による特撮の凄まじさは言うに及ばず、その視覚効果に負けないくらいに重厚で説得力のあるストーリー・テリングが見事と言うしかない。
 また、自らの全てを投げ打ってでも国民を守ろうとする総理大臣を演じる丹波哲郎以下、藤岡弘、小林桂樹、滝田裕介、中丸忠雄、夏八木勲と、主要キャスト陣の演技がとにかく熱い!その賑々しいのなんのって。その他、日本演劇界の重鎮である島田正吾、高橋昌也、神山繁、細川俊夫、村井国夫、中村伸郎、鈴木瑞穂、二谷英明と、この頃の日本映画界には本当にいい顔をした素晴らしい役者が揃っていたなあ、と思わず唸ってしまうような豪華な顔ぶれが緊迫したドラマを盛りたてる。紅一点いしだあゆみの、まったく古めかしさを感じさせないモダンな美貌とたたずまいも素敵だ。まさに世界に誇れる日本のパニック超大作と言っていいだろう。

 この「日本沈没」の大成功を受けて、早速東宝が作ったのが「ノストラダムスの大予言」('74)。当時大ベストセラーとなっていた五島勉による同名本を原作にした作品。一部現在では差別に当るような表現が含まれている事からビデオ化等はされておらず、筆者も10年近く前に英語吹き替え・短縮編集されたアメリカ盤レーザー・ディスクで見ただけなので何とも言えないのだが、スペクタクル描写という点では「日本沈没」以上に派手で衝撃度の高い作品だった。丹波哲郎が相変わらずの怪演を見せる(英語吹き替えだと尚更インパクト強烈)他、黒沢年男、由美かおる、山村聡、司葉子、岸田今日子、志村喬、内藤武敏、平田昭彦と、こちらも錚々たる豪華キャスト。是非ともノー・カットのオリジナル版で再見したい作品だ。
 一方、東宝に負けじと東映もノンストップ・パニック大作「新幹線大爆破」('75)を発表。こちらは、時速80キロ以下になると爆発するという爆弾を仕掛けられた新幹線を巡る作品で、当時の国鉄が撮影協力を拒否。そのために、新幹線の走行シーンを全てミニチュアで撮影する事になり、これがかえって変に迫力のあるスペクタクルシーンを作り上げることになった。不況を背景にした爆弾魔高倉健の切ないドラマや、操縦士・千葉真一の異常にテンションの高い演技など、いかにも東映らしい泥臭さがまたユニーク。一歩間違えれば荒唐無稽になってしまう、そのギリギリの微妙なセンスはちょっと捨てがたい。監督の佐藤純弥は作品によって非常に出来不出来の激しい人で、少なくともビジュアリストとは呼べない職人肌の監督だが、この作品ではその個性のなさが逆に特撮班の優れた仕事を際立たせている。キャストも、高倉、千葉の他にも宇津井健、丹波哲郎、山本圭、藤田弓子、渡辺文雄、川地民夫、露口茂、風見章子など手堅い顔ぶれで、北大路欣也、多岐川裕美、志保美悦子がワン・シーンだけカメオ出演している。
 この東映の「新幹線大爆破」を受けて、東宝もパニック映画第3弾「東京湾炎上」('75)を発表。石油タンカーがテロリストにシー・ジャックされるという事件が発生。テロリストは石油備蓄基地の爆破とそのテレビ中継を要求する。政府の対策本部は苦肉の策として特撮を駆使して撮影したニセの基地爆破映像を放送するが、現地の雨の映像を見たテロリストに見破られてしまう。この基地爆破映像のミニチュア撮影が今見るといかにもミニチュアです、って感じの仕上がりなのが残念だったが、テロリストとの駆け引きを巧みに描くストーリー展開は秀逸だった。パニック映画にはこの人、といった感のある丹波哲郎を筆頭に、藤岡弘、金沢碧、宍戸錠、内田良平、佐藤慶、水谷豊、渡辺文雄、北村総一朗と、東宝パニック大作の役者陣は相変わらず手堅い。

「復活の日」

FUKKATSU_1.JPG FUKKATSU_2.JPG

グレン・フォード、ロバート・ヴォーンにヘンリー・シルヴァ

朽ち果てたホワイト・ハウス

 そして、日本のパニック映画の真打ちとして角川映画が世に送り出したのが「復活の日」('80)。制作費22億円という、当時の日本映画としては前代未聞のスケールで製作された作品。冷戦時代における東西のスパイ活動が原因で流出してしまった細菌兵器によって世界が滅亡してしまい、南極に残された僅か863人の生存者に人類の未来が託されるという壮大なドラマ。往年のハリウッド・スター、グレン・フォードを筆頭に、ジョージ・ケネディ、オリヴィア・ハッセー、ボー・スベンソン、ロバート・ヴォーン、チャック・コナーズ、ヘンリー・シルヴァ、エドワード・ジェームズ・オルモスといったハリウッド大作と見まごうばかりの豪華キャストが揃っている。日本からも草刈正雄以下、渡瀬恒彦、千葉真一、緒形拳、多岐川裕美、永島敏行、夏木勲、森田健作、丘みつこ、中原早苗(深作監督夫人)と、こちらも錚々たる顔ぶれ。しかし、内容的にはご都合主義が目立ち、パニック・シーンも意外にあっさりとしていてスケール感に乏しく、制作費の殆どが南極ロケと出演者のギャラに消えていったような印象を受ける。中でも、南極基地の無線で傍受されるアメリカ人少年の自殺エピソードはあまりにも不自然で失笑ものだった。が、それでも国際マーケットに通用するような大作を撮ろう、という製作サイドの意気込みみたいなものは十分に伝わってくる力作である。

「地震列島」

JISHIN_1.JPG JISHIN_2.JPG JISHIN_3.JPG

阪神淡路大震災を予見したかのような高速道路壊滅シーン

航空パニックまで満載の出血大サービス!

マンション崩壊シーンのリアルさはお見事!

 その「復活の日」公開の2ヵ月後に登場したのが、和製パニック映画の締めを飾る力作「地震列島」('80)。ドラマ的には「日本沈没」を昼メロ風に仕上げてしまったような感じだったが、東京崩壊シーンの凄まじい迫力、スケール感は「日本沈没」にも匹敵するほどの出来映えで、マンション崩壊、旅客機炎上、地下鉄浸水と、災害パニックのフルコースてんこ盛りといった感じ。中盤からの、これでもかと言わんばかりの見せ場の連続には息を呑むばかりだった。中でも、自宅マンションで大地震に襲われる多岐川裕美の体当たりの演技は必見。リハーサルではこんなに揺れなかったらしく、このシーンで彼女が見せる恐怖に引きつった表情は本物だったという。監督も恨まれたんじゃなかろうでしょうか・・・?(笑)
 それにしても、勝野洋といい、松尾嘉代といい、本作の出演者はスタントなしでかなり危険な演技を見せている。まさに役者根性。さらに、総理大臣役で登場する佐分利信がまた文字通り映画スターのオーラ出しまくりで、かつての日本映画黄金期の風情を漂わせていて非常に感慨深い。こういう、そこにいるだけで他を圧してしまうような役者って、もう日本にはいないよなあ・・・。その他、岡田英次、三木のり平、松村達雄、大滝秀治、山崎努、佐藤慶、村瀬幸子など、日本の映画界・演劇界を代表する名優揃いで、日本のパニック映画ブームの最後を飾るに相応しい作品に仕上がっていた。
 その後、「首都消失」('87)という名前ばかりのパニック大作が作られたものの、この種の作品は日本映画界から姿を消してしまった。そして2006年、「日本沈没」が33年ぶりにリメイクされる。予告編を見る限りでは、CGによるパニック・シーンはそれなりに見栄えがするようだが、あの世紀の大傑作に挑むということで果たして勝算はあるのだろうか・・・?個人的には、その後に控えているパロディ映画「日本以外全部沈没」の方がよっぽど興味をそそられるのだが。

 さて、世界的に見ても80年代初頭を最後にパニック映画ブームは一気に沈静化する。世の中はスピルバーグやルーカスによるSFファンタジー大作やアドベンチャー大作が主流になっていった。こうして振り返ってみると、70年代に大量生産されたパニック映画群だが、その中で傑作・秀作と呼べるものは「大空港」、「ポセイドン・アドベンチャー」、「タワーリング・インフェルノ」、「ジョーズ」そして「カサンドラ・クロス」くらいのものだった。大半の作品がパニック映画というフォーマットを流用しただけの俗悪品で、ブームが去れば必然的に忘れられてしまうような代物だったと言えるだろう。
 ところが、90年代半ばに再び時ならぬパニック映画ブームが訪れる。そのきっかけとなったのが「インディペンデンス・デイ」('96)。50年代風の侵略型エイリアンの登場するSFホラーにパニック映画的要素を詰め込んだ作品で、これを契機に「ツイスター」('96)、「ボルケーノ」('97)、「ダンテズ・ピーク」('97)、そして「タイタニック」('97)と、CGIの普及で格段にスケールアップしたSFX技術を駆使した話題作が次々と封切られた。その後も、「ディープ・インパクト」('98)、「ザ・コア」('03)、「デイ・アフター・トゥモロー」('04)などが話題になっている。スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演による往年のSF映画リメイク「宇宙戦争」('05)も殆どパニック映画と呼んでいい作品。CGIをフル活用し、今までに見たこともないようなスケールのパニック・シーンが続出だった。
 また、「シャーク・アタック」('99)や「スパイダーズ」('00)などの動物パニックものをビデオ市場向けに大量生産しているヌー・イメージや「ワイルド・グリズリー」('99)や「ヴィシャス」('01)を手掛けたポーチライト・エンターテインメントのような製作会社も次々と登場し、ビデオ・レンタル店に行くと数え切れないほどのパニック映画が店頭を飾っている。それもこれも、CGIの普及によって比較的手軽にパニック・シーンを再現できるようになったおかげだろう。
 90年代以降のパニック映画と70年代のそれとの大きな違いは、SFXがスターに取って代わってしまったという事だろう。ロバート・デュバルやヴァネッサ・レッドグレーヴ、マクシミリアン・シェル、モーガン・フリーマン、イライジャ・ウッド、リリー・ソビエスキーといったオール・スター・キャストを揃えていた「ディープ・インパクト」は別として、殆どの作品はキャストのネーム・バリューよりもCGIによる派手なSFXシーンで観客の興味を引きつけている。

「ザ・グリード」

GREED_2.JPG GREED_3.JPG

「ポセイドン・アドベンチャー」顔負けのスタント!

うぎゃああああ・・・!!ちゃんと消化してえええ・・・!!

 そんな中で、個人的にとってもお気に入りなのが「ザ・グリード」('98)。「ポセイドン・アドベンチャー」ミーツ「テンタクルズ」といった感じのモンスター・パニックで、ただのタコだった「テンタクルズ」とは大違いの巨大な未確認深海生物が豪華客船の乗客を皆殺し・・・というかまとめ食いしまくる痛快作。伏線として、豪華客船に乗り込んだ小型ボートの船員たちと、そのボートをチャーターした謎の武装集団の対立といったスリリングなドラマも小気味良く、非常に良く出来た作品に仕上がっている。中でも、パーティー会場を舞台にしたパニック・シーンは、「ポセイドン・アドベンチャー」も顔負けのド迫力。モンスター体当たりの衝撃で乗客は次々とバルコニーから振り落とされるわ、ガラス戸に突っ込むわ、テーブルやイスと一緒に吹き飛ばされるわの大スペクタクル。ただのモンスター映画だと思っていただけに、嬉しい誤算だった。
 ということで、相変わらず人気の高いパニック映画だが、手を変え品を変えの即物的なパニック描写も既に出尽くしてしまった感が否めない。「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイクとして鳴り物入りで公開された「ポセイドン」('06)が見事にコケてしまったのも仕方ないだろう。「日本沈没」にしたって公開直前にも関わらず、巷で盛り上がっているような雰囲気は全くない。もはや、SFXの際限ないスペクタクル描写に慣れてしまった観客は、豪華客船の転覆や大地震、大火災なんかでは驚かなくなってしまっているのだろう。それでも、一定の周期でホラー映画ブームが訪れるように、そのうちパニック映画のブームも再燃するに違いない。なんだかんだ言っても、人間ってのは好奇心の強い生き物だから。

 

AIRPORT.JPG AIRPORT_1975.JPG AIRPORT_77.JPG CONCORDE.JPG

大空港
Airport (1970)

エアポート'75
Airport 1975 (1974)

エアポート'77
Airport '77 (1977)

エアポート'80
The Concorde Airport '79 (1979)

(P)2005 Universal Studios (Japan) (P)2005 Universal Studios (Japan) (P)2005 Universal Studio (Japan) (P)2005 Universal Studio (Japan)
画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/2.0chモノラル/英語音声/字幕:日本語・英語/地域コード:2/131分/製作:アメリカ

映像特典
劇場予告編
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/2.0chモノラル/音声:英語・日本語/字幕:日本語/地域コード:2/106分/製作:アメリカ

映像特典
劇場予告編
DVD仕様
カラー/ワイドスクリーン/2.0chモノラル/音声:英語・日本語/字幕:日本語/地域コード:2/113分/製作アメリカ

映像特典
劇場予告編
DVD仕様
カラー/ワイドスクリーン/2.0chモノラル/音声:英語・日本語/字幕:日本語/地域コード:2/113分/製作:アメリカ

映像特典
劇場予告編
監督:ジョージ・シートン
製作:ロス・ハンター
原作:アーサー・ヘイリー
脚本:ジョージ・シートン
撮影:アーネスト・ラズロ
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:バート・ランカスター
    ディーン・マーティン
    ジーン・セバーグ
    ジャクリーン・ビセット
    ジョージ・ケネディ
    ヴァン・ヘフリン
    ヘレン・ヘイズ
    モーリン・ステイプルトン
    バリー・ベルソン
    ダナ・ウィンター
    ロイド・ノーラン
    バーバラ・ヘイル
    ヴァージニア・グレイ
監督:ジャック・スマイト
製作総指揮:ジェニングス・ラング
脚本:ドン・インガルス
撮影:フィリップ・ラスロップ
音楽:ジョン・カカヴァス
出演:チャールトン・ヘストン
    カレン・ブラック
    ジョージ・ケネディ
    グロリア・スワンソン
    ヘレン・レディ
    エフレム・ジンバリスト・ジュニア
    スーザ・クラーク
    シド・シーザー
    リンダ・ブレア
    ダナ・アンドリュース
    ロイ・シネス
    ナンシー・オルソン
    エド・ネルソン
    マーナ・ロイ
    マーサ・スコット
    ビヴァリー・ガーランド
監督:ジェリー・ジェームソン
製作総指揮:ジェニングス・ラング
脚本:デヴィッド・スペクター
    マイケル・シェッフ
撮影:フィリップ・ラスロップ
音楽:ジョン・カカヴァス
出演:ジャック・レモン
    リー・グラント
    ブレンダ・ヴァッカロ
    ジョセフ・コットン
    オリヴィア・デ・ハヴィランド
    ダーレン・マッギャヴィン
    クリストファー・リー
    ジョージ・ケネディ
    ジェームズ・スチュアート
    ロバート・フォックスワース
    ロバート・フック
    モンテ・マーカム
    キャスリーン・クインラン
    ギル・ジェラード
    ジェームズ・ブース
監督:デヴィッド・ローウェル・リッチ
製作:ジェニングス・ラング
脚本:エリック・ロス
撮影:フィリップ・ラスロップ
音楽:ラロ・シフリン
出演:アラン・ドロン
    スーザ・ブレイクリー
    ロバート・ワグナー
    シルヴィア・クリステル
    エディー・アルバート
    ビビ・アンデション
    チャロ
    シビル・ダニング
    アンドレア・マルコビッチ
    マーセデス・マッケンブリッジ
    マーサ・レイ
    シシリー・タイソン
    デヴィッド・ワーナー
    ジョージ・ケネディ
 真っ暗な画面に空港ロビーのざわめきとアナウンスが鳴り響くオープニングからワクワクさせられる航空パニック映画の金字塔。パニック・アクション、サスペンス、ドラマと全体的にバランス良く作られており、豪華な顔ぶれの役者もただの顔見せだけで終わっていないのは立派。DVDは画質・音質共に非常に良好ながら、せっかくのメジャー大作にも関わらず特典が予告編だけというのは残念。スタッフも主要キャストも大半が既に故人なだけに、今のうちに関係者のインタビューでも残しておいて欲しいもの。ちなみに、屋外シーンは「西部開拓史」や「ネバダ・スミス」の名匠ヘンリー・ハサウェイ監督が撮影している。  パニックのスケールは前作に及ばないものの、キャストの顔ぶれは前作以上に贅沢なシリーズ第2弾。グロリア・スワンソンにマーナ・ロイの乗っている旅客機なんて想像できません(笑)。しかも、「サンセット大通り」でスワンソンと共演したナンシー・オルソンまで同乗。ハリウッド人種嫌いの老尼僧役を演じるのがオスカー候補経験もある舞台の大女優マーサ・スコットというのも粋なキャスティング。しかし、今じゃZ級のホラー映画にしか顔出さないカレン・ブラックも、この頃はハリウッドを代表する人気女優だったんですよねー。チャールトン・ヘストンの恋人役ですよ。70年代ってのはまことに不思議な時代でした(笑)。  今回も、これぞハリウッド!的な豪華スター大共演。ジャック・レイモンの相手役がブレンダ・ヴァッカロというのはミス・キャストだったけど、ジェームズ・スチュアートにオリヴィア・デ・ハヴィランドを担ぎ出してきたのはさすが。しかも、デ・ハヴィランドがアカデミー主演女優賞を受賞した「女相続人」の衣装を手掛けてオスカーを受賞したイーディス・ヘッド(「ローマの休日」や「麗しのサブリナ」でも有名)が本作でも衣装を担当。クリストファー・リーとリー・グラントが夫婦役というのもセンスの良いキャスティングだし、「事件記者コルチャック」のダーレン・マッギャヴィンが後半で大活躍するのも個人的に嬉しいですねー。  シリーズの息の根を止めた大失敗作。テレビ映画を手掛ける事の多いデヴィッド・ローウェル・リッチ監督には荷が重すぎたか、スケール感に乏しい作品に仕上がってしまった。しかし、キャストの顔ぶれはシリーズ中でも最もユニーク。エマニエル夫人がスチュワーデスやってる飛行機なんて誰が考え付いたのでしょーか(笑)それも、コンコルドですぜ。しかも、機長はオバサマ・キラーのアラン・ドロン。えらくエロい飛行機です。その他、「チャップリンの殺人狂時代」でチャップリンを食うほどの怪演を見せたマーサ・レイ、「大砂塵」でジョーン・クロフォードと対決した怪女優マーセデス・マッケンブリッジの共演もグッド。

POSEIDON_ADVENTURE.JPG TOWERING_INFERNO.JPG HINDENBURG.JPG ROLLERCOASTER.JPG

ポセイドン・アドベンチャー
The Poseidon Adventure(1972)

タワーリング・インフェルノ
The Towering Inferno (1974)

ヒンデンブルグ
The Hindenburg (1975)

ジェット・ローラー・コースター
Rollercoaster (1977)

(P)2006 20th Century Fox (Japan) (P)2006 20th Century Fox (USA) (P)1998 Universal Home Video (USA) (P)1998 Universal Home Video (USA)
画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★★ 画質★★★☆☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★☆☆
DVD仕様(日本盤2枚組)
カラー/ワイドスクリーン/ステレオ・モノラル/音声:英語・日本語/字幕:日本語・英語/地域コード:2/117分/製作:アメリカ

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
撮影の舞台裏(6種類)
監督インタビュー(3種類)
プロモーション映像集
脱出ルート検証
スチル・ギャラリー
監督による音声解説
キャストによる音声解説
ストーリーボードと映像の比較
劇場予告編
DVD仕様(北米盤2枚組)
カラー/ワイドスクリーン/4.0chサラウンド・ドルビーサラウンド・モノラル/音声:英語・スペイン語/字幕:英語・スペイン語/地域コード:1/164分/製作:アメリカ

映像特典
メキング・ドキュメンタリー(9種類)
未公開シーン集(30種類)
ストーリーボードと映像の比較
批評家フィーニーの音声解説
SFX監督M・ヴェジナ/スタント監督B・ラッキの音声解説
テレビ特番
オリジナル・プロモーション映像
予告編集
スチル・ギャラリー
※プレス用ブックレットのレプリカ封入
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/ドルビー・サラウンド/音声:英語・スペイン語・フランス語/字幕:英語・スペイン語・フランス語/地域コード:1/127分/製作:アメリカ

映像特典
劇場予告編
プロダクション・ノート
フィルモグラフィー
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語・スペイン語・フランス語/字幕:英語・スペイン語/地域コード:1/119分/製作:アメリカ

映像特典
劇場予告編
プロダクション・ノート
フィルモグラフィー
監督:ロナルド・ニーム
製作:アーウィン・アレン
原作:ポール・ギャリコ
脚本:スターリング・シリファント
    ウェンデル・メイズ
撮影:ハロルド・E・スタイン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ジーン・ハックマン
    アーネスト・ボーグナイン
    レッド・バトンズ
    キャロル・リンレー
    ロディ・マクドウォール
    ステラ・スティーブンス
    ジャック・アルバートソン
    シェリー・ウィンタース
    パメラ・スー・マーティン
    レスリー・ニールセン

監督:ジョン・ギラーミン
製作:アーウィン・アレン
原作:リチャード・マーティン・スターン
    トーマス・M・スコーティア
    フランク・M・ロビンソン
脚本:スターリング・シリファント
撮影:フレッド・コーエネキャンプ
音楽:ジョン・ウィリアムス
出演:スティーヴ・マックイーン
    ポール・ニューマン
    ウィリアム・ホールデン
    フェイ・ダナウェイ
    フレッド・アステア
    スーザ・ブレイクリー
    リチャード・チェンバレン
    ジェニファー・ジョーンズ
    O・J・シンプソン
    ロバート・ヴォーン
    ロバート・ワグナー
    スーザ・フラナリー

監督:ロバート・ワイズ
製作:ロバート・ワイズ
脚本:ネルソン・ギディング
撮影:ロバート・サーティース
音楽:デヴィッド・シャイア
出演:ジョージ・C・スコット
    アン・バンクロフト
    ウィリアム・アザートン
    ロイ・シネス
    ギグ・ヤング
    バージェス・メレディス
    チャールズ・ダーニング
    リチャード・ダイサート
    ルネ・オーベルジョノワ
    キャサリン・ヘルモンド
監督:ジェームズ・ゴールドストーン
製作:ジェニングス・ラング
脚本:リチャード・レヴィンソン
    ウィリアム・リンク
撮影:デヴィッド・M・ウォルシュ
音楽:ラロ・シフリン
出演:ジョージ・シーガル
    リチャード・ウィドマーク
    ティモシー・ボトムズ
    ハリー・ガーディーノ
    スーザン・ストラスバーグ
    ヘンリー・フォンダ
    ヘレン・ハント
    ウィリアム・プリンス
    クレイグ・ワッソン
 リメイク映画「ポセイドン」の公開に合わせて日本発売された2枚組のコレクターズ・エディション。アーウィン・アレンが、いかに苦難の道を辿って本作を完成に漕ぎ着けたかがよく分る。しかしこの人、相当ケチだったらしいですね。ステラ・スティーブンスを最高のディナーに招待すると言って、ファミリー向けのハンバーガー・チェーンに連れて行ったそうです。もちろん、ステラはジョークだと思って、後で彼の奥さんに訊いたところ、そこは確かにアレンの行きつけのレストランだったとのこと。まあ、金持ちほど倹約家とは言いますがね・・・。しかし、映像特典に登場するキャロル・リンレーがすっかり老け込んでしまってるのにはビックリ。口がもごもごしてて、まるっきりお婆ちゃんです。  こちらは日本未発売の2枚組スペシャル・エディション。ドキュメンタリーの内容は一部「ポセイドン・アドベンチャー」のものと被っている。しかし、30種類にも及ぶ未公開シーンはボリュームたっぷり。画質も音質も過去最高と言える仕上がりです。でも、画質が良すぎるのも玉に瑕で、ヘリコプターのシーンでスタッフが写りこんでるのが見えてしまうんですけどね(笑)。特典のドキュメンタリーにはリチャード・チェンバレン、ロバート・ヴォーン、スーザン・フラナリー、スーザン・ブレイクリーが登場。できればポール・ニューマンやフェイ・ダナウェイにもインタビューを取って欲しかったです。意外だったのは、当時の舞台裏映像に登場するギラーミン監督。本作や「キング・コング」を撮った人とは思えない、物静かで映画スター並みにハンサムな英国紳士でした。  ヒンデンブルグ号爆発事故の謎に迫るパニック映画。ナチズムの台頭する時代を背景に、様々な人間模様が交錯するドラマチックなスペクタクル大作に仕上げられていて、他のパニック物とは一線を画する風格がある。ただ、クライマックスに至るまでがスローペースな上に、肝心の爆破シーンもドキュメンタリー映像を交えながら描かれるため、パニック映画特有のカタルシスには乏しい。玄人好みの渋いオール・スター・キャストも魅力的だが、ヒロインの伯爵夫人役にアン・バンクロフトというのはちょっと地味すぎたかもしれない。それこそ、エヴァ・ガードナー級の大女優を当てるべきだったと思う。巨匠ロバート・ワイズ監督作品としては及第点といった印象。また、DVD版の画質にも若干問題あり。フィルムの傷やゴミが気になるのが残念です。  「大地震」と同じくセンサラウンド方式での上映で、パニック映画として鳴り物入りで公開された作品だが、厳密に言うとパニック映画ではない。確かに、ジェットコースターの脱線事故シーンは、かなり派手なスタントを使って見応えあるものの、中盤に1回登場するだけ。基本的には遊園地のジェットコースターばかりを狙う神出鬼没の連続爆弾魔と、その凶行を阻止しようとする安全捜査官や警察の息詰まる頭脳戦を描くサスペンス映画。当時、アメリカン・ニューシネマや青春映画の好青年として人気のあったティモシー・ボトムズが、今で言うオタク青年的雰囲気の爆弾魔を演じていて怖い。主演のジョージ・シーガル以下、渋めの豪華キャストが揃っていて、その辺りもパニック映画ブームに便乗しているのが明白。とはいえ、手に汗握るなかなかの力作に仕上がっている。

LEPUS.JPG BUG.JPG JAWS.JPG GRIZZLY.JPG

Night of the Lepus (1972)

燃える昆虫軍団
Bug (1975)

ジョーズ
Jaws (1975)

グリズリー
Grizzly (1976)

(P)2005 Warner Home Video (USA) (P)2004 Paramount Pictures (USA) (P)2000 Sony Pictures (Japan) (P)2006 Media Blasters (USA)
画質★★★★☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★☆☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★★ 画質★★★☆☆ 音質★★★☆☆
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語・フランス語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/88分/製作:アメリカ

映像特典
劇場予告編
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:英語/地域コード:1/99分/製作:アメリカ

映像特典

DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド・モノラル/音声:英語・スペイン語/字幕:英語・日本語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タイ語/地域コード:2/124分/製作・アメリカ

映像特典
メイキング・オブ・ジョーズ
未公開シーン
NGシーン
劇場予告編
フォト・ギャラリー
プロダクション・ノート
クイズ
スクリーンセーバー
タレント・ファイル

DVD仕様(北米盤2枚組)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語・スペイン語/字幕:なし/地域コード:1/97分/製作:アメリカ

映像特典
劇場予告編
製作者・出演者による音声解説
オリジナル・プロモーション映像
メイキング・ドキュメンタリー
フォト&ポスター・ギャラリー
ラジオ・スポット集
2005年リバイバル上映会の様子
監督:ウィリアム・F・クラクストン
製作:A・C・ライルズ
原作:ラッセル・ブラッドン
脚本:ドン・ホリデイ
    ジーン・R・キアーネイ
撮影:テッド・ヴォイトランダー
音楽:ジミー・ハスケル
出演:スチュアート・ホイットマン
    ジャネット・リー
    ロリー・カルホーン
    デフォレスト・ケリー
    ポール・フィックス
    メラニー・フラートン
監督:ヤノット・シュワーク
製作:ウィリアム・キャッスル
脚本:ウィリアム・キャッスル
    トーマス・ペイジ
原作:トーマス・ペイジ
撮影:マイケル・ヒューゴ
音楽:チャールズ・フォックス
出演:ブラッドフォード・ディルマン
    ジョアナ・マイルズ
    ジェイミー・スミス・ジャクソン
    パトリシア・マコーマック
    リチャード・ギリランド
監督:スティーブン・スピルバーグ
製作:リチャード・D・ザナック
    デヴィッド・ブラウン
原作:ピーター・ベンチリー
脚本:ピーター・ベンチリー
    カール・ゴッドリーブ
撮影:ビル・バトラー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ロイ・シャイダー
    ロバート・ショー
    リチャード・ドレイファス
    ロレイン・ゲイリー
    マレー・ハミルトン
    スーザン・バックリーニ
監督:ウィリアム・ガードラー
製作:ハーヴェイ・フラックスマン
    デヴィッド・シェルドン
脚本:ハーヴェイ・フラックスマン
    デヴィッド・シェルドン
撮影:ウィリアム・L・アスマン
音楽:ロバート・O・ラグランド
出演:クリストファー・ジョージ
    アンドリュー・プライン
    リチャード・ジャッケル
    ジョーン・マッコール
    ジョー・ドーシー
    チャールズ・キッシンジャー
 巨大化したウサギが西部の町をパニックに陥れるという、あまりにもバカバカしすぎて楽しいカルト映画。ウサギの異常繁殖を抑えるために開発されたホルモン剤の影響で、何故だかウサギが巨大化&凶暴化してしまう。で、徒党を組んだジャイアント・ラビット軍団は町の住人を食い散らかし、次々と建物を破壊して暴れまくる。さぞかし醜悪なミュータント・ウサギが出て来るかと思いきや、これが普通にウサギさんなんです。ミニチュア・セットの中でウサギをうろちょろさせているだけ。訳も分らず血糊まみれにされたウサギさんが何とも間抜け。ちっとも巨大化したように見えません(笑)。名優揃いの出演者も出来上がった作品を見て“騙された!”と思ったんじゃないでしょーかね。  これまた凄く奇妙なテイストの昆虫パニック。ゴキブリが苦手な人は要注意。いっぱい、いっぱい出てきます。冒頭からの地震パニックに思わずワクワク。この地震で、地中から未知の昆虫が現れる。こいつら発火能力があり、狙った獲物を燃やしては、その炭化した死体を食うという恐ろしい習性を持つ。町の人々が次々と燃やされていく一方で、妻を殺されて頭のおかしくなった主人公の生物学者は、この昆虫とゴキブリの交配実験にのめりこんで行く。この研究で生まれた新種のゴキブリは高度な知能を持ち、しまいには人文字ならぬ虫文字で意思表示をするに至る。ギミック映画の帝王ウィリアム・キャッスルが製作・脚本を手掛けており、単なる荒唐無稽なB級映画と片付けられない異様な迫力のある怪作。  動物パニックの頂点にしてプロトタイプとなった永遠の名作。今更語ることもないでしょう。平和な日常生活に突如として現れる凶暴な動物、その存在にいち早く気付く主人公、聞く耳を持たない権力者や周囲の人々、そして最悪の事態が訪れ人々はパニックに陥る。「ジョーズ」以降の動物パニックの殆どが、このパターンを踏襲していると言って間違いない。シンプルだからこそ非常に力強い傑作に仕上がっている。特に主演の三人の男気溢れる演技は感動もの。ちなみに、このDVDは最初に発売されたバージョンで、画質的にまだ改良の余地があるような仕上がり。昨年には30周年記念の2枚組スペシャル・エディションが発売されているので、そっちの方がオススメかもしれません。  まさに“陸のジョーズ”。「ジョーズ」の基本プロットをそのまま森の中に置き換えただけの動物パニック。ベテラン男優3人の主演というところまで一緒。全体的に安っぽくてB級感炸裂ながらも、サービス精神は旺盛で全く飽きない。その点では、熱狂的ファンが多いのも頷ける。しかし、主要キャスト以外は素人を使ってるとしか思えない。少なくともニコニコ笑いながら逃げるのはよせ(笑)。ヒロイン役のジョーン・マッコールも微妙なブス顔で、ちっとも感情移入ができないのは問題。それでも、8日間で脚本を書いて4週間で撮影を終えるという猛スピードで作られたにしては上出来だと思う。ちなみに、アメリカ映画としては非常に珍しく、小さな子供が脚をもぎ取られるという衝撃的なシーンがある。映像特典満載のDVDはファン必携です。

ANIMALS.JPG CASSANDRA_CROSSING.JPG ST_HELENS.JPG BIG_BUS.JPG

アニマル大戦争
Day of the Animals (1977)

カサンドラ・クロス
The Cassandra Crossing (1976)

セント・ヘレンズ
St. Helens (1981)

弾丸特急ジェット・バス
The Big Bus (1976)

(P)2006 Media Blasters (USA) (P)2001 東北新社 (Japan) (P)2002 Platinum Disc (USA) (P)2002 Paramount Pictures (USA)
画質★★★☆☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語・スペイン語/字幕:なし/地域コード:1/97分/製作:アメリカ

映像特典
女優L・D・ジョージによる音声解説
出演者インタビュー集
劇場予告編
フォト・ギャラリー
別バージョン“Something Is Out There”(97分)
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:日本語/地域コード:2/129分/製作:イタリア・イギリス

映像特典
劇場予告編
プロダクション・ノート
キャスト・スタッフ紹介
DVD仕様(北米盤)
カラー/スタンダードサイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:1/90分/製作:アメリカ

映像特典

DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド・モノラル/音声:英語・フランス語/字幕:英語/地域コード:1/88分/製作:アメリカ

映像特典

監督:ウィリアム・ガードラー
製作:エドワード・L・モントーロ
脚本:エドワード・L・モントーロ
撮影:ロバート・ソレンティーノ
音楽:ラロ・シフリン
出演:クリストファー・ジョージ
    レスリー・ニールセン
    リンダ・デイ・ジョージ
    リチャード・ジャッケル
    マイケル・アンサラ
    ルース・ローマン
    アンドリュー・スティーブンス
    スーザン・バックリーニ
監督:ジョルジュ・パン・コスマトス
製作:カルロ・ポンティ
脚本:ジョルジュ・パン・コスマトス
    ロバート・カッツ
    トム・マンキーウィッツ
撮影:エンニオ・グァルニエリ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:ソフィア・ローレン
    リチャード・ハリス
    マーティン・シーン
    O・J・シンプソン
    ライオネル・スタンダー
    アン・ターケル
    イングリッド・チューリン
    リー・ストラスバーグ
    バート・ランカスター
    エヴァ・ガードナー
    ルー・カステル
    ジョン・フィリップ・ロー
    アリダ・ヴァリ
    レイモンド・ラブロック
監督:アーネスト・ピントフ
製作:ピーター・S・デイヴィス
    ウィリアム・N・パンツァー
脚本:ピーター・ベルウッド
    ラリー・ファーガソン
撮影:ジャック・エイトキン
音楽:ゴブリン
出演:アート・カーニー
    デヴィッド・ハフマン
    キャシー・イェーツ
    アルバート・サルミ
    ロン・オニール
    ティム・トマーソン
    ビル・マッキニー
    ネヘマイア・パーソフ
監督:ジェームズ・フロウリー
製作:フレッド・フリーマン
    ローレンス・J・コーエン
脚本:フレッド・フリーマン
    ローレンス・J・コーエン
撮影:ハリー・ストラドリング・ジュニア
音楽:デヴィッド・シャイア
出演:ジョセフ・ボローニャ
    ストッカード・チャニング
    ジョン・ベック
    ルネ・オーベルジェノワ
    ネッド・ビーティ
    ホセ・フェラー
    ルース・ゴードン
    ハロルド・グールド
    ラリー・ハグマン
    サリー・ケラーマン
    リチャード・マリガン
    リン・レッドグレーヴ
    リチャード・B・シュル
 「グリズリー」のガードラー監督が、今度は森の動物たちを総動員して描く本格的パニック作品。オゾン層の破壊で動物たちが凶暴化するというのは非常に無理があるが、そんな嘘八百を力技で見せきってしまうのだ。中でも、動物たちも顔負けなくらいに凶暴化してしまうレスリー・ニールセンが、巨大熊と素手で格闘するするシーンはいろんな意味で見もの。キャストの顔ぶれも賑やかで、往年のハリウッド美人女優ルース・ローマンが、かつての妖艶なファム・ファタールぶりが嘘のような肝っ玉母さんぶりを発揮してくれる。映像特典には「ジョーズ」の第一犠牲者役でも有名なスタント・ウーマン、スーザン・バックリーニが登場するが、まるでオッサンのようなゴツいオバちゃんになっていてビックリ。  イタリアの誇る世界的な大物プロデューサー、カルロ・ポンティだからこそ実現した超豪華キャストによるパニック映画の傑作。細菌兵器・軍隊・大陸横断超特急をキー・ワードに、ヨーロッパ近代史の悲劇であるナチ・ホロコーストのイメージを巧みに織り込んだ脚本が秀逸。特に、軍部という巨大で冷酷な組織の恐ろしさを象徴するクライマックスがずっしりと胸にのしかかる。キャストの中では、やはりソフィア・ローレンとエヴァ・ガードナーの伊・米の大女優対決が目を引くが、国際保険機構におけるバート・ランカスター扮する陸軍大佐とイングリッド・チューリン扮する女性化学者の、お互いの腹の中を探り合う緊迫したやり取りは特に見もの。演出・脚本・役者の全てにおいてレベルの高い作品。  パニック映画ブーム末期の作品。セント・ヘレンズ火山の噴火事件を題材にした実話もので、基本路線は日本の「地震列島」なんかと似ている。頻発する地震に火山噴火を予知する若手地質学者が主人公だが、町の人々は観光ビジネスへの影響を恐れる有力者の言葉を信じてしまう。もちろん、彼の予知は当って火山は噴火、多くの人々が犠牲になる。アメリカのショー・ビジネス界の伝説的存在アート・カーニーが、主人公の言葉を信じる老人役を好演。80年代に数多くのB級アクションに主演するティム・トマーソンが保安官役を演じる。クライマックスのパニック・シーンは実際の記録映像を交えている事もあって、派手な特撮を期待すると失望するかも。全体的に可もなく不可もなくな出来。  “これまでに大きな地震の映画、大きな船が沈む映画、大きなビルが燃える映画、大きなドイツ製の気球が破裂する映画があった・・・そして今、大きなバスの映画が生まれる!”とオープニングのナレーションで語られるように、様々なパニック映画のパロディを詰め込んだ“パニック・コメディ”。デヴィッド・シャイアの音楽は“エアポート・シリーズ”そっくりだし、ブロードウェイの伝説的大女優ルース・ゴードンの役は、彼女のライバルだったヘレン・ヘイズが出演した「大空港」を意識してのものだろう。バカ丸出しのナンセンス・ギャグは抱腹絶倒で、メル・ブルックス辺りのファンはツボにハマること間違いなし。オスカー俳優ホセ・フェラーの捨て身の(?)バカ演技にも注目です。

AIRPLANE.JPG AIRPLANE_2.JPG NIPPON_CHINBOTSU.JPG FUKKATSUNO_HI.JPG

フライングハイ
Airplane ! (1980)

フライングハイ2/危険がいっぱい月への旅
Airplane U The Sequel

日本沈没 (1973)

復活の日 (1980)

(P)2003 Paramount Pictures (Japan) (P)2003 Paramount Pictures (Japan) (P)2003 東宝株式会社 (Japan) (P)2002 角川書店/アスミック(Japan)
画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド・モノラル/音声:英語/字幕:英語・日本語/地域コード:2/88分/製作:アメリカ

映像特典
劇場予告編
監督・プロデューサーによる音声解説
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:英語・日本語/地域コード:2/84分/製作:アメリカ

映像特典
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル・5.1chサラウンド/音声:日本語/字幕:日本語/地域コード:2/140分/製作:日本

映像特典
特報
予告編
スペシャル対談 小松左京×竹内均
DVD仕様(日本盤2枚組)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル・5.1chサラウンド・DTSサラウンド/音声:日本語/字幕:日本語・英語/地域コード:2/174分/製作:日本

映像特典
深作組音声解説
劇場特報・予告編集(4種類)
キャスト・スタッフ プロフィール
未公開映像集
ロケーションアルバム
美術資料集
特撮・画コンテ
メイキング
インタビュー集
海外版「VIRUS」(英語)
プロモーション・フィルム
監督:ジム・エイブラハムズ
    デヴィッド・ザッカー
    ジェリー・ザッカー
製作:ジョン・デヴィッドソン
脚本:ジム・エイブラハムズ
    デヴィッド・ザッカー
    ジェリー・ザッカー
撮影:ジョセフ・バイロック
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演:ロバート・ヘイズ
    ジュリー・ハガティー
    ピーター・グレーヴス
    ロイド・ブリッジス
    レスリー・ニールセン
    ロバート・スタック
    エセル・マーマン
    カミール・アブドル=ジャバール
    モーリン・マクガバーン
    ケネス・トビー
    バーバラ・ビリングスレー
    キットゥン・ナティヴィダッド
監督:ケン・フィンクルマン
製作:ハワード・W・コッチ・ジュニア
脚本:ケン・フィンクルマン
撮影:ジョセフ・バイロック
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演:ロバート・ヘイズ
    ジュリー・ハガティー
    ロイド・ブリッジス
    レイモンド・バー
    チャック・コナーズ
    リップ・トーン
    ジョン・デナー
    チャド・エヴェレット
    ピーター・グレーヴス
    ケント・マッコード
    ウィリアム・シャトナー
    ジョン・ヴァーノン
    アル・ホワイト
    ソニー・ボーノ
    リー・パーセル
    ジャック・ジョーンズ
    リチャード・ジャッケル
    サンダール・バーグマン
    ローレン・ランドン
監督:森谷司郎
製作:田中友幸
    田中収
原作:小松左京
脚本:橋本忍
撮影:村井博
    木村大作
特技監督:中野昭慶
音楽:佐藤勝
出演:藤岡弘
    丹波哲郎
    いしだあゆみ
    小林桂樹
    滝田裕介
    二谷英明
    中丸忠雄
    村井国夫
    夏八木勲
    島田正吾
    中村伸郎
    細川俊夫
    神山繁
    高橋昌也
    角ゆり子

監督:深作欣二
製作:角川春樹
    岡田裕
    大橋隆
原作:小松左京
脚本:高田宏治
    深作欣二
    グレゴリー・ナップ
撮影:木村大作
音楽:羽田健太郎
    テオ・マセロ
出演:草刈正雄
    オリヴィア・ハッセー
    グレン・フォード
    渡瀬恒彦
    千葉真一
    ロバート・ヴォーン
    ボー・スヴェンソン
    多岐川裕美
    緒形拳
    ジョージ・ケネディ
    チャック・コナーズ
    夏木勲
    森田健作
    エドワード・ジェームズ・オルモス
    丘みつ子

 「裸の銃を持つ男」シリーズなどで有名なザッカー兄弟&エイブラハムズのトリオが手掛けた永遠のバカ映画。航空パニックをベースにしながら、「ジョーズ」から「サタデー・ナイト・フィーバー」、「地上より永遠に」など、数え切れないほどのパロディ・ネタを詰め込んだ作品。コメディとは無縁のベテラン名優が画面の隅っこで下らないギャグをこそこそやってたりするアホなセンスが最高。爆撃のショックでエセル・マーマンになった軍人役でマーマン本人が登場する下りなんか大爆笑。「エアポート’75」ネタでは、尼僧役に「ポセイドン・アドベンチャー」や「タワーリング・インフェルノ」の主題歌を歌ったモーリン・マクガバンを起用するなど、凝りに凝ったキャスティングが見ものです。  ザッカー兄弟&エイブラハムズのトリオから「グリース2」や「フーズ・ザット・ガール」を手掛けたケン・フィンクルマンにバトン・タッチしたシリーズ第2弾。今回は月世界旅行に出たスペース・シャトルに爆弾魔が・・・。ということで、「スター・ウォーズ」から「E.T.」、「2001年宇宙への旅」、「サウンド・オブ・ミュージック」までパロディ・ネタが盛りだくさん。キャストも前作以上に賑やかな顔ぶれが揃っていて、とりあえずは安心して楽しめる。ただ、ギャグのセンスがあまりにも前作と似すぎていて、単にザッカー兄弟&エイブラハムズの物真似をしただけのようにも感じられる。まあ、シリーズ物の宿命みたいなもんか。それと、全体的にマイノリティ差別ネタが多すぎるのもちょいと引っかかる。

 和製パニック映画の金字塔ですね。全体的にとても重厚な作りで、下手に若いだけのアイドル・スターを起用せず、ベテランの大御所を中心に固められたキャスティングも秀逸。こういう大人の為のスペクタクル大作って80年代以降はなかなか作られなくなりました。中でも一種異様な雰囲気を漂わせる科学者を演じた小林桂樹と、日本国民の運命を一身に背負う総理大臣を演じた丹波哲郎のぶっちぎりに熱い大熱演はインパクト強烈。ヒーロー役の藤岡弘といい、政界の黒幕である老人を演じる島田正吾といい、濃厚なキャラクターが激突しあうドラマの力強さは圧巻です。そして、中野昭慶による素晴らしいミニチュア特撮。大炎上する下町の光景は東京大空襲の悪夢と悲劇を思わせて胸が熱くなります。

 当時としては日本映画史上最高の制作費を投入して作られたパニック大作。意味不明なディスコの裸踊りとか、わざわざ無線にむかって自己紹介と状況説明までした上で自殺するアメリカ人少年とか、脚本にはご都合主義で興味本位な部分も目立つし、肝心の特撮シーンも決して出来が良いとは言えない。が、とにかくハリウッド映画に負けない超大作を撮ってやろうというスタッフの意気込みだけは十分に伝わってくる作品。本DVDには映像特典としてアメリカ公開もされた海外版も収録されているのだが、草刈正雄や渡瀬恒彦演じる日本側主人公たちのエピソードがごっそり削られてしまっている。これが、余計なお涙頂戴シーンもない分、意外にスッキリとまとまった作品に仕上がっていいて面白い。

JISHIN_RETTOU.JPG RATS.JPG DEEP_RISING.JPG

地震列島 (1980)

ラッツ
Rats : Night of Terror

ザ・グリード
Deep Rising (1998)

(P)2003 東宝株式会社(Japan) (P)2001 クリエイティブアクザ(Japan) (P)1999 パイオニアLDC (Japan)
画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/4.0chステレオ/音声:日本語/字幕:日本語/地域コード:2/126分/製作:日本

映像特典
勝野洋による音声解説
中野昭慶インタビュー
特報・劇場予告編
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:日本語/地域コード:2/92分/製作:イタリア・フランス

映像特典
劇場予告編
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド・2chステレオ/音声:英語・日本語/字幕:日本語/地域コード:2/107分/製作:アメリカ

映像特典
劇場予告編
監督:大森健次郎
製作:田中友幸
脚本:新藤兼人
撮影:西垣六郎
特技監督:中野昭慶
音楽:津島利章
出演:勝野洋
    松尾嘉代
    永島敏行
    多岐川裕美
    大滝秀治
    佐分利信
    松原千明
    村瀬幸子
    松村達雄
    佐藤慶
    山崎努
    岡田英次
    三木のり平
監督:ヴィンセント・ドーン
    (ブルーノ・マッテイ)
共同監督:クライド・アンダーソン
       (クラウディオ・フラガッソ)
脚本: クラウディオ・フラガッソ
     ハーヴ・ピッチーニ
撮影:フランコ・デリ・コリ
音楽:ルイジ・チェッカレッリ
出演:リチャード・レイモンド
    (オッタヴィオ・デラクア)
    ジャンナ・ライアン
    (ジェレッタ・ジェレッタ)
    アレックス・マクブライド
    (マッシモ・ヴァンニ)
    リチャード・クロス
    トニー・ロンバルド
    (ファウスト・ロンバルディ)
監督:スティーブン・ソマーズ
製作:ローレンス・マーク
    ジョン・バルデッチ
脚本:スティーブン・ソマーズ
撮影:ハワード・アサートン
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:トリート・ウィリアムス
    ファムケ・ヤンセン
    ケヴィン・J・コナー
    ウェス・スチュディ
    アンソニー・ヒールド
    デリック・オコナー
    ウナ・デーモン
    ジェイソン・フレミング
    クリフ・カーティス
    クリフトン・パウエル
 個人的には「日本沈没」と並ぶ和製パニック映画の最高峰。人間ドラマ部分はちょっと昼メロっぽいムードが鼻につくが、学界や政界の古い体質と名誉ばかりを尊重する家庭に翻弄される地震学者を主人公にした大映ドラマ的ストーリー展開は嫌いじゃない。随所に新藤兼人のリベラリストぶりが垣間見えるのも面白いし。役者の顔ぶれも見事。特に松尾嘉代、多岐川裕美の女優陣は大熱演。文字通り体当たりのスタント・シーンもこなして、女優根性を見せ付けてくれる。三木のり平も少ない出番で絶妙な演技を見せてくれるし、佐分利信に至っては映画スターの演技とは何たるかを改めて思い知らさせてくれる。迫力満点の特撮シーンの含めて、パニック映画ファン必見の秀作。  当時イタリアで流行っていた核戦争後の近未来アクションと動物パニックを合体させた低予算映画。ヴィンセント・ドーンことブルーノ・マッテイはナチものから尼僧もの、食人ものまでキワもの映画だったら何でも撮ってしまう悪名高き職人監督。脚本と共同監督を務めるクラウディオ・フラガッソは、殆どの作品でコンビを組んでいる盟友。このイタリアZ級映画界の名物コンビらしいバッド・テイストに溢れた怪作。核戦争後の世界で、食料を求めて彷徨うバイク集団の男女が、高度な知能を持った殺人ネズミの大群に襲われるというストーリーで、ドブネズミに見せかけた大量のモルモットが登場。寝ている女の子の体を食い散らかした上に口から飛び出して来たりする。笑えます。が、本当にネズミを燃やしているのはどうかと・・・。  モンスター・パニック+ポセイドン・アドベンチャーといった感じの痛快な娯楽作。監督は「ハムナプトラ」シリーズや「ヴァン・ヘルシング」のスティーブン・ソマーズで、低予算ながら大作映画並みの見せ場を次々と用意し、スピーディーに飽きさせず見せる力量はなかなかのもの。特に豪華客船にモンスターが体当たりするパニック・シーンや、食い散らかされた乗客の死体が山のように散乱するエグいシーン、はたまた怪物の胃から消化されかけの人間が飛び出して来るシーンなど、そのサービス精神の旺盛ぶりには感心させられる。思わず大爆笑してしまう皮肉なクライマックスも最高。主演のトリート・ウィリアムスのカッコいいし、もともとは2枚目でデビューしたケヴィン・J・オコナーの憎めないダメ男ぶりもいい。

戻る