マンドー Mando
ギリシャを代表する天才女性ボーカリスト
とにかく、上手い。オペラのアリアからジャズ、ギリシャ民謡、アラブ歌謡まで完璧に歌いこなす天才的な歌唱力の持ち主。ここまで上手いと、聴いてて本当に胸がスッキリする。トルコのセルタブをゲスト・ボーカルに迎えたヒット曲“Fos (Ask)”では、圧巻のソプラノ・ボイスや神業としか思えないようなコブシ回しを駆使しており、その実力の凄まじさをまざまざと感じさせた。ここ3年間ほどは長期の育児休暇に入っていたが、今年は4年ぶりのニュー・アルバムもリリースされる予定。どんな天才ぶりを聴かせてくれるのか大いに楽しみだ。
マンドーはギリシャのピラウスに生まれ、アテネで育った。生年月日は4月13日生まれという事しか公表されていないが、様々な資料から推測すると1966年頃と思われる。父親のニコス・スタマトポウロスはジャズ・ピアニストで、母親のマリー・アペルギはギリシャ国立オペラのソプラノ歌手。いわゆるサラブレッドというやつだ。本名はアダマンティア・スタマトポウロス。国立音楽院でピアノとダンスを学び、独学でギター、パーカッション、そして作曲を学んだ。
14歳の時にミュージカル“ジーザス・クライスト・ザ・スーパースター”の舞台でデビューを果たしたマンドーは、数多くのオーケストラやジャズ・バンドで歌うようになる。18歳でCBSと契約してレコード・デビュー。デビュー曲の“Fill
Me
Up”はギリシャ国外でもヒットして、一躍注目を浴びるようになった。しかし、彼女はすぐに歌手活動を休業して渡米。アメリカの高名なボイス・トレーナー、ハル・シャファーのもとで訓練を積んだ。
その後、ギリシャに戻った彼女は、1989年ミノス・レコードから再デビュー。6枚のアルバムをリリースした後、1995年にソニー・ミュージック・エンターテインメントに移籍した。2003年にはアルファ・レコードに移籍して、同年のユーロビジョン・ソング・コンテストにも出場。残念ながら17位に終わってしまった。
こうしたレコーディング活動の傍らで、マンドーはソングライターとしても活躍しており、最近ではアメリカのスーパー・スター、ジェシカ・シンプソンのヒット曲“Where
You
Are”の作曲を手掛けている。また、ジャン=ミシェル・ジャールやピーター・ガブリエルといった世界的なアーティストとのコラボレーションも行っており、近い将来は国際舞台でも活躍するようになるかもしれない。
“Fos (Ask)”(セルタブとのデュエット)のプロモ・クリップ ココ で見れます!
Gia Oles Tis Fores
(1997) Se Alli Diastasi
(2000) I Megaliteres Epithies
(2003)
(P)1997 Columbia/Sony
(Greece)
(P)2000 Columbia/Sony
(Greece)
(P)2003 Columbia/Sony
(Greece)
1,Gia Oles Tis
Forest
2,Danika
3,Faros
4,Ftes Esi (Cancao Do Mar)
5,Timima
(La Cita)
6,Teleftea Fora (Devami Var)
7,Ble
8,Matea
9,Me Miso
Feggari
10,Erastes Ke Dolofoni
11,Ola Ki Ola
12,Gine
13,Dio
Sagapo
14,Fevgo (Yemin Ettim)
15,Pou Pas (Until I'm
Satisfied)1,I Zoi (C'est la vie)
2,Akoma
Mia Fora
3,Pio Poli
4,An Ine I Agapi Amartia
5,E...Ke
6,Ola
Arhizoun Xana
7,Tha S' Agapo (Je te dis
oui)
8,S'efharisto
9,Fovamai
10,Lathos Mou
11,Oute Zesti Oute
Krio
12,Kalimera Monaxia Mou
13,Fthinoporines
Psihales
14,Gelastika
15,Fos (Ask) (duet with Sertab)Disc 1
1,Se Xeperasa
2,Ligo
Ligo
3,Emis
4,Fos (Ask)
5,S'etharisto
6,Tha S'agapo
7,An
Ine I Agapi Amartia
8,Pio Poli
9,I Zoi
10,Fotia Sta
Prepi
11,Fthinoporines Psihales
12,Ola Ta Rologia
13,Ti Mou His
Kani
14,ProdosiaDisc 2
1,Me Miso
Feggari
2,Ftesi Esi
3,Matea
4,Teleftea Fora
5,Dio S
Agapo
6,Faros
7,Danika
8,Gia Oles Tis Fores
9,Don
Kihotis
10,Agapi Ble
11,Gialina Feggaria
12,Stis Alikes Tou
Kosmou
13,Apili
14,Ston Evdomo Ourano
ライカ特有のメランコリックなメロディとブズーキの音色が切ない民族色濃厚なポップ・バラード#2と、哀愁ユーロビート風のポップ・ナンバー#3が大ヒットを記録した8枚目のアルバム。ソニー移籍第2弾になります。タイトルの意味は“いつでも”。奇妙なメイクの意味は分かりません(笑)。フランスの女性シンガー、ヘレネ・セガーラのカバーであるアラブ歌謡風のバラード#4では、貫禄溢れるコブシ回しを聴かせてくれます。ヨーロッパとオリエンタルのエッセンスを程よくブレンドさせたアルバム。
ジャン=ミシェル・ジャールがマンドーの為に書いたオリエンタル・ハウス#1で幕を開ける10枚目のアルバム。アラブ歌謡風のコブシ回しでねっとりと歌い上げています。全体的に汎地中海系のエキゾチックでオリエンタルな作品で構成されており、デジタルとアコースティックのバランスが絶妙。哀愁系のキャッチーなメロディが多いのも個人的には嬉しいですね。一番の聴きものは、トルコのスター、セルタブと共演した#15。マンドーのボーカリストとしての実力が遺憾なく発揮された傑作です。
ユーロビジョン出場候補となったシングル#2(Disc
1)を含む、ソニー時代を総括した2枚組ベスト盤。95年〜02年までのシングル及び代表曲の全てが網羅されています。特に90年代の作品は殆どが廃盤になっているので、新たなファンにとっては有難いコレクションです。こうしてまとめて聴くと、ソニー時代のマンドーの作品は、楽曲そのもののクオリティよりも彼女のボーカリストとしての才能に依存している部分が大きいようにも感じます。ジャンルを問わず、女性ボーカル・ファンは必聴です。
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Never Let You Go (2003) |
A Agapes Fevgoun Ta Tragoudia Menoun (2003) | |
(P)2003 Alpha Records (Greece) | (P)2003 Alpha Records (Greece) | |
1,Euro Version 3:00 |
Disc 1 1,Pia Matia Se Koitazoun 2,Kardia Mou Ego 3,Poia Nhita S'eklepse 4,Ela 5,Pali Tha Klapso 6,Ola Dika Sou 7,Tis Ores Pou Se Thelo 8,Min Ta Filas Ta Matia Mou 9,Fteme Ki Oi dio 10,Me Ti Kardia Ton Kosmo N'Arnitho 11,Itan Mia Fora Ke Ena Kero 12,Otan 13,Dos'mou T'athanato Nero 14,To Palio Roloi |
Disc
2 1,Fenete 2,S'anazito 3,Ise Sti Zoi Mou 4,De Me Afora 5,To Telefteo Fili |
念願のユーロビジョン出場曲。都会的でメロウなAORという感じで、いわゆるギリシャ的な民族色は皆無な作品です。程よくジャズ・フュージョン的な要素が盛り込まれていて、派手さはないものの、とてもいい曲です。#4と#5のリミックスでは、フラメンコ・ギターをフューチャーした華麗でエキゾチックなラテン・ハウスに仕上げられていて、個人的にはこちらの方が好きかな。相変わらず派手に歌い上げまくるマンドーのボーカルも気持ち良し。 |
アルファ・レコード移籍第1弾に当たるアルバムで、2枚組という気合の入った作品。今までになく民族色の強い、これぞギリシャ音楽といった感じのエキゾチックで哀愁溢れるナンバーが揃っており、マンドーのボーカルもスケールが大きくて貫禄たっぷり。打ち込みをベースにしつつも、アンナ・ヴィッシやデスピナ・ヴァンディのようなクラブ路線に走るのではなく、ライカの伝統を踏襲しているのが特徴ですね。非常に完成度の高いアルバム。オススメです。 |