リアーナ Leana
スウェーデンから舞い降りたクラブ・ディーバ

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 個人的に、今最も注目している女性アーティストの一人が、このリアーナ。昨年リリースされたシングル“Dance With A Stranger”が、インディペンデント・レーベルの作品にも関わらずビルボードの全米ダンス・チャートで9位にランクされて一躍注目の的となった女性だ。
 後期のアバを彷彿とさせる、ちょっと暗くて哀しげなメロディが印象的な幻想感のあるダンス・ナンバー。スウェーデン語訛りの英語と併せて、何とも言えぬ叙情的な味わいのある素敵な作品だった。今年に入ってリリースされた“Faith”も、同様に儚げで美しいロマンティックなユーロ・ハウス。いずれのシングルも、ダンス・チャート、クラブ・チャートだけでなく、ポップ・チャートでも十分に通用する作品と言っていいだろう。
 本名をリアーナ・グリーン(Leana Greene)という彼女は、年齢不詳。スウェーデンのストックホルムで生まれ育ち、ロサンゼルスを拠点にして音楽活動を続けてきた。デビュー・シングルは、マドンナの大ヒット“Open Your Heart”やジェーン・ウィードリンの“Rush Hour”のソングライターとして有名なPeter Rafelsonと、ピンクやブラン・ニュー・ヘビーズ、シェリル・クロウ、テイラー・デインなどのリミックスを数多く手がけているPete Lorimerの二人が作曲・プロデュースを担当。さらに、セカンド・シングルの“Faith”は、古くはレイフ・ギャレットの“I Was Made For Dancing”やピンク・レディーの全米デビュー曲“Kiss In The Dark”、さらに映画「ダーティ・ダンシング」('87)のサントラを手がけた事で有名なMichael Lloydをプロデューサーに迎えている。
 しかも、所属レーベルであるSwedish Diva Recordsは、自ら立ち上げたレコード会社。こうしたバックグラウンドといい、人脈といい、かなりのやり手なのかもしれない。ボーカリストとしては決して巧いタイプの人ではないが、その独特な音楽性を含めて、ここ最近では一番興味を引かれるアーティストである。尊敬するアーティストがアバという辺りも親近感大(^^; 是非とも、日本でも注目されるようになって欲しい。

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Dance With A Stranger (2005)

Faith (2006)

Faith (2006)

(P)2005 Swedish Diva Records (USA) (P)2006 Swedish Diva Records (USA) (P)2006 Swedish Diva Records (USA)
1,Album Version 3:36
2,Mike Rizzo - Global Factory Dlub Mix 7:49
3,Eric Kupper - Pulse Mix 7:10
4,Chris Cox - Club Anthem 9:53
5,Pete Lorimer - House Mix 8:22
6,Peter Rafelson - MORE Trance Mix 9:41
7,Mike Rizzo - Global Radio Edit 3:48
8,Eric Kupper - Pulse Radio Edit 3:54
9,Chris Cox - Radio Mix 4:06
10,Pete Lorimer - Radio Edit 4:07
11,Peter Rafelson - MORE Radio Edit 4:55

produced by Peter Rafelson & Pete Lorimer
1,Stonebridge Big Vocal Mix 9:21
2,Stonebridge Dub 8:08
3,Stonebridge Big Mix Radio Edit 4:10

produced by Michael Lloyd.
remix produced by Stonebridge
1,Lenny B's Faithful Club Mix 6:06
2,Lenny B's Faithful Mix Show Edit 7:08
3,Lenny B's Faithful Radio Edit 3:02

produced by Michael Lloyd
remix produced by Lenny Bertoldo
 幻想的で美しい哀愁系ユーロ・ハウスの傑作。アバの“Lay All Your Love On Me”や“The Day Before You Came”辺りを彷彿とさせる叙情感溢れる作品です。リミックス陣の顔ぶれも豪華そのもの。中でも、ここ数年いい仕事をしているMike Rizzoの手がけた#2と#8はクラシカルな雰囲気さえ漂う完成度の高さ。派手派手なChris Coxの#4と#9も、原曲の良さを生かしたハード・ハウスに仕上がっていていい感じ。  ロクセットやレニー・クラヴィッツのリミックスを手がけた、スウェーデンを代表する大物ミキサーStonebridgeによるリミックス盤。透明感のある幻想的なフィルター・ハウスに仕上がっています。ディスコティックなベース・ラインに、エコーのかかった物憂げなコーラスが独特な世界観を生み出していますね。特に#2のダブ・ミックスは、ジャジーなキーボードとの絡みが程よくファンキー。  Stonebridge盤に比べて、よりメリハリのハッキリとしたポップでアッパーなユーロ・ハウスに仕上がった好盤。程よい哀愁感が乙女チックな雰囲気を高めています。リミックスを手がけているのは、エイス・オブ・ベイスやジェシカ・シンプソン、ブリトニー・スピアーズ、シェールなど大物スターのヒット曲を数多くリミックスしてきた大御所レニー・バートルド。ポップスのツボを心得たナイスなクラブ・ミックスです。

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