LAID TO REST (2009)

 

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(P)2009 Starz Media/Anchor Bay (USA)
画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン(スクィーズ収録)/5.1chサラウンド/音声:英語/字幕:英語/地域コード:1/90分/製作:アメリカ

特典映像
メイキング・ドキュメンタリー
特殊メイク・ドキュメンタリー
未公開シーン集
NGシーン集
オリジナル予告編
R・ホール監督と女優B・S・ルーサーによる音声解説
監督:ロバート・ホール
製作:ボビー・スー・ルーサー
   チャン・ツェン
脚本:ロバート・ホール
撮影:スコット・ウィニング
特殊メイク:オールモスト・ヒューマン,Inc.
音楽:デッドボックス
出演:ボビー・スー・ルーサー
   ケヴィン・ゲイジ
   ショーン・ウェイレン
   レナ・ヘディ
   リチャード・リンチ
   ジョナサン・シェック
   トーマス・デッカー
   ジャナ・クレイマー
   ルーカス・ティル
   ニック・プリンシプ

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葬儀場で目を覚ました若い女性(B・S・ルーサー)

支配人ジョーンズ氏(R・リンチ)の背後から…

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見知らぬ土地をさまよう女性

親切な中年男タッカー(K・ゲイジ)の車に拾われる

 テレビドラマ「バフィー〜恋する十字架〜」('97〜03)や「エンジェル」('99〜04)の特殊メイク・デザインを担当して有名になり、近年は「モーテル」('07)や「プロム・ナイト」('08)、「REC:レック/ザ・クアランティン」('08)、「クレイジーズ」('10)など数多くのホラー映画に携わっている気鋭の特殊メイクマン、ロバート・ホールが演出を手がけた作品。ビデオカメラを肩にかけた鉄仮面の連続殺人鬼クロムスカルが、深夜の田舎町で次々と人を殺していくスラッシャー映画だ。
 まず、若い女性が棺桶の中で目を覚ましたところから物語は始まる。そこは片田舎の葬儀場。しかし、彼女はなぜここにいるのか、そもそも自分が誰なのかすら全く覚えていない。後頭部を強打したせいで記憶を失っているようだ。そんな彼女に襲いかかる鉄仮面の男クロムスカル。果たして、ヤツはいったい何者なのか?そして、なぜ彼女が執拗に狙われるのか?真夜中の片田舎を逃げ回る女性。だが、彼女と関わった人間は次々と殺人鬼の犠牲となっていく…。
 とりあえず、特殊メイクマンの作った映画なので当然と言えば当然かもしれないが、スプラッター・シーンの特殊メイクはとても良く出来ている。「悪魔のいけにえ2」や「サランドラ」、「オペラ座/血の喝采」など過去のホラー映画からヒントを得つつ、オリジナリティを盛り込んだ残虐極まりない殺しの数々は見ごたえ十分だ。リアルな特殊メイクとCG加工のバランスも絶妙で、細かいディテールにまでこだわり抜かれた人体破壊描写はなかなか過激。なので、血みどろスプラッターが大好きという人はそれだけで楽しめるかもしれないが、逆に苦手な人だとかなり苦痛に感じるかもしれない。
 ただ、ロバート・ホール監督自身が書いた脚本は大いに問題あり。別にご都合主義を全面否定するつもりはないし、でなけりゃダリオ・アルジェントのファンなんかやってられないのだが(笑)、それにしても行き当たりばったりで不自然な展開が多過ぎる。ヒロインをはじめとする登場人物たちの言動も、バカとか間抜けとかいうレベルを通り越してほとんど理解不能。アンタたちは逃げようとしているのか殺されたいのかどっちなんだ!?と首をかしげることしきりだ。
 さらに、演出そのものも玉石混交。残酷描写の見せ方はさすがに上手いし、随所に織り込まれる悪夢的なイメージ映像も印象深いものがある。特に、殺人鬼クロムスカルのクールな出で立ちは監督の最も拘った点なのだろう。だが、それ以外はまるっきりダメ。サスペンスの盛り上げ方なんか全然なっていないし、申し訳程度の人間ドラマも極めて退屈だ。そもそもこの監督は人間を撮るのがヘタっくそ。加えて、なぜそこでそのカットを挟み込む!?という編集のぎこちなさもかなり痛いし、ヒロイン役を演じるグラビアモデル、ボビー・スー・ルーサーの演技力不足もいかんともしがたいものがある。
 恐らく、こういう画を撮りたい、こういう残酷シーンを見せたいという要所々々のイメージだけが先行し、あとのストーリーだ人間ドラマだといったものは思いつきで取って付けただけなのだろう。監督自身は熱心なホラー映画マニアだというし、実際に様々な名作ホラーへのオマージュもたっぷりと盛り込まれているが、それも結局はマニアの自己満足レベルに過ぎない。
 とまあ、いつの間にやら酷評しまくってしまったが(笑)、とりあえずスプラッター描写以外に多くを期待しなければ、それなりに楽しめる映画ではある。あくまでもコアなホラー映画ファン限定ということで。

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タッカーの妻シンディ(L・ヘディ)は女性を泊めることにする

鉄仮面の殺人鬼クロムスカル(N・プリンシプ)が現れる

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躊躇することなくシンディを虐殺するクロムスカル

何も知らずに帰ってきたジョニー(J・シェック)と恋人ジェイミー

 暗闇の中で1人目を覚ました若い女性(ボビー・スー・ルーサー)。自分が棺桶の中にいることに気付いた彼女はパニックに陥るが、台の上から転がり落ちた拍子に棺桶の扉が開いて外へ出ることができた。そこは葬儀場。わけも分からず建物から外へ出ようとした彼女だったが、出入口はロックされている。そこで、彼女は出入口の脇にある遺体安置所から電話をかけることにした。
 受話器を取って911に助けを求める女性。だが、自分がどこにいるのか全く見当がつかないし、自分の名前すら思い出せない。警察は電話を逆探知して場所を特定しようとする。だが、安置所に横たわる老女の遺体に気を取られた彼女は、誤って電話線を切ってしまった。するとその時、扉の外から物音が聞こえた。恐る恐る覗き見ると、鉄仮面をかぶった怪しげな男がこちらに気付いて襲いかかってきた。慌てて扉の鍵を閉める女性。そのまま彼女は気を失ってしまった。
 再び目覚めると、今度は外から人の声が聞こえる。葬儀場の支配人ジョーンズ氏(リチャード・リンチ)だ。女性を介抱しようとするジョーンズ氏だったが、背後から忍び寄った鉄仮面の男(ニック・プリンシプ)によって惨殺されてしまう。隙をついた女性は猛ダッシュで外へと逃げ出し、たまたま通りがかった車に助けられた。
 車を運転していたのは片足の不自由な中年男性タッカー(ケヴィン・ゲイジ)。彼は女性の話をにわかには信じられない様子だったが、ひとまず彼女を自宅へと連れていくことにする。夫が夜中に若い女性を連れてきたことに憤慨する妻シンディ(レナ・ヘディ)。だが、本人に話を聞いてみると悪い女性ではなさそうだし、なにか相当辛い体験をしてきたようだ。後頭部に大きな傷跡があることから、恐らく誰かに襲われたショックで記憶を失ったのだろう。妻の了解を得たタッカーは女性を自宅に泊めることにし、彼女が自分の名前を思い出すまでプリンセスと呼ぶことにした。唯一、思い出した記憶が子供の頃に好きだったというお姫様の人形だったからだ。
 ひとまず、自宅の電話は数ヶ月前から止められているし、車のガソリンも残り少ないことから、明け方に帰宅する予定の義理の弟に女性を町まで送ってもらい、警察に相談しようと考えたタッカー。ところが、寝室へ戻ると妻の姿がない。ふと見ると、クロムスカルがシンディを拉致していた。返して欲しければプリンセスをこちらへ渡せという。なんとか妻を救おうとしたタッカーだったが、クロムスカルは特殊なサバイバルナイフで彼女のこめかみを一突きして殺してしまう。タッカーは急いでプリンセスを車に乗せて逃げ去った。
 そこへ、義理の弟ジョニー(ジョナサン・シェック)とその恋人ジェイミー(ジャナ・クレイマー)が自宅へと戻ってきた。義兄が見たこともない女と車で走り去るのを目撃したジョニーは、彼が浮気しているのではと疑い、家の前に停まっているクロムスカルの車をその浮気相手のものと勘違いして調べようとする。だが、ジョニーはクロムスカルのサバイバルナイフで顔面を削ぎ落とされて絶命し、わき腹を切り裂かれたジェイミーも内臓をボロボロとこぼしながら悶絶死した。
 その頃、車に乗って逃げたタッカーとプリンセスは、残ったガソリンで行ける限りの所まで行き、その近くの一軒家に助けを求める。出てきたのはスティーヴン(ショーン・ウェイレン)というオタク男性。つい先日母親を亡くしたばかりの彼は、広い家に一人で暮らしていた。電話はないがパソコンならあるという。警察にメールでSOSを送ったスティーヴンは、さらに該当する犯人の情報をネットで調べた。すると、この自称クロムスカルという殺人鬼は複数の州にまたがって30人以上の女性を殺害しており、その様子をビデオテープに録画して警察へ送りつけていた。そういえば、犯人の肩にはビデオカメラが搭載されていた。
 ぐずぐずしているとクロムスカルに追いつかれてしまうかもしれない。タッカーとプリンセスはスティーブンの車で町の警察署へと向かう。ところが、既に警察官たちは八つ裂きにされており、クロムスカルは手ぐすねを引いてプリンセスたちが来るのを待っていた。慌てて逃げ出すプリンセスたち。その足で、彼らはプリンセスが目を覚ました葬儀場へと向かう。そこへ行けば、彼女が自分のことを思い出すかもしれないからだ。
 ジョニーが殺されたことを知らないタッカーは、義弟が帰る前に妻の遺体を片付けておきたいと一人で自宅へ戻った。残されたプリンセスとスティーヴンがふと外を見ると、葬儀場に隣接した古い納屋へクロムスカルが入っていく。どうやら、彼の隠れ家になっているようだ。自分のことを思い出すためには彼と真っ向から向き合わねばならない。そう考えたプリンセスは、スティーヴンが止めるのも聞かずに納屋へと突入していく。
 納屋の中には無数の棺桶が並んでいた。すると、その中にまだ生きている女性がいる。なんとか彼女を助けようとしたプリンセスだったが、女性の叫び声を聞いたクロムスカルに見つかってしまう。女性は喉をかっ捌かれて死亡し、逃げようとしたプリンセスも薬物を注射されて気を失ってしまった。
 一方、拳銃を片手に戻ってきたタッカーは、スティーヴンと一緒にプリンセスを救出するべく納屋へと忍び込む。クロムスカルを銃弾で倒した彼らは、バラバラになった死体がゴロゴロとしている納屋の凄惨な光景に戦慄しつつも、棺桶の中に閉じ込められたプリンセスを助け出した。傍にはクロムスカルのビデオカメラも残されており、彼らは証拠としてそれを持ち去っていく。
 クロムスカルの車を奪ってスティーヴンの自宅へと戻ったプリンセスたち。その頃、クロムスカルは自らの手で銃弾を摘出し、傷口を縫い閉じて完全復活していた。一方、ビデオカメラに残されたテープを見ていたプリンセスは、葬儀場のジョーンズ氏や保安官がクロムスカルの手先だったことを知って愕然とする。だが、テープの途中でバッテリーが切れてしまった。彼女はタッカーたちが目を離したすきにナビで近隣の雑貨屋を探し、電池を買うために一人で出かけてしまった。
 道路沿いにポツリとたたずむ小さな雑貨屋へと到着したプリンセス。だが、クロムスカルが遠隔操作で車のロックを閉めてしまったため、外へ出ることができない。そこへ、別の車で追ってきたクロムスカルが現れ、雑貨屋で新しいビデオテープを購入するようプリンセスに指示する。だが、店番をしていた若者(ルーカス・ティル)は彼女が何者かに脅かされていることに気づき、ライフルを手にしてクロムスカルを追い払おうとした。若者を止めようとするプリンセス。だが、彼はクロムスカルにねじ伏せられ、ライフルで頭を吹き飛ばされてしまった。
 たまたまその場に居合わせた若者トミー(トーマス・デッカー)、アンソニー(アンソフィー・フィツジェラルド)と店に立てこもったプリンセス。だが、裏口を確かめに行ったアンソニーはクロムスカルに首をもぎ取られてしまった。そこへ、プリンセスの行方を探すタッカーとスティーヴンが合流。彼らはどこに潜んでるとも知れないクロムスカルに対抗する手段を模索するのだったが…。

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クロムスカルのサバイバルナイフがジョニーの顔面を貫通

そのまんま顔が削ぎ落とされてしまった

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近隣の家に助けを求めるプリンセスとタッカー

スティーブン(S・ウェイレン)はメールで警察に通報する

 わざわざ他人を巻き込んでしまうようなことばかりするヒロインのトンチンカンぶりも去ることながら、そんな彼女と遭遇する人々もまた自ら墓穴を掘るようなアホばかり(笑)。とりあえずタッカー夫妻は気の毒だとしても、あとはもうなんかねえ…という感じだ。どれもこれも殺されるためだけに登場するキャラクターばかり。感情移入する余地が全くないので、おのずと物語にもスリルや恐怖は一切生まれない。クロムスカルの正体や動機も結局はまるっきり明かされないままだし、彼とジョーンズ氏や保安官との関係も放置されたまま。しかも、そんなことどうでもいいさ、とばかりにストーリーが進行してしまうため、もはや謎が謎にすらなっていない。やはり、ホラー映画といえども人物や背景がちゃんと描けていなければ怖くもなんともないのだ。
 で、そんな殺され役を演じる俳優たちは意外にも豪華というか、いずれもそれなりに名の通った役者ばかり使われているのだが、これは監督が特殊メイクマンとして培った幅広い人脈のおかげだったようだ。レナ・ヘディとトーマス・デッカーは、ホール監督が当時関わっていたドラマ「ターミネーター/サラ・コナー・クロニクルズ」の主演コンビ。二人とも熱狂的なホラー映画マニアなのだそうで、新しくこんなスラッシャー映画を撮るんだよと話をしたら、ぜひ出して出して!と乗っかてきたらしい。また、ジョナサン・シェックは「プロム・ナイト」や「REC:レック/ザ・クアランティン」などで一緒に仕事をしており、プライベートでもホール監督とは大の仲良しだとのこと。本作も“思いっきり残酷な殺され方をする役がある”と聞いて、お願いだからやらせてくれ!と頼み込んで出演することになったのだそうだ。当時の婚約者だったジャナ・クレイマーも引き連れて(笑)。
 まあ、万事がそんな調子で作られた映画だったようなので、なるほど内輪受け以上でも以下でもない作品が出来上がってしまったのも無理はないのかもしれない。そもそも、製作と主演を兼ねたボビー・スー・ルーサーも当時はホール監督夫人だったわけだし、スタッフも彼が普段から付き合いのある友達ばっかり。もちろん、そういう映画があってもいいとは思うのだけれど。作っている人たちはそりゃ楽しいだろうしね。

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町の警察署へと駆け込んだ3人だったが…

保安官たちは既に皆殺しにされていた

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クロムスカルの隠れ家を発見したプリンセス

囚われた若い女性を助けようとするのだが…

 で、先述したように特殊メイクマンとして近年目覚しい活躍ぶりのロバート・ホール監督。アラバマ州の片田舎で育った彼は子供の頃から特殊メイクの世界に憧れ、18歳の時にトム・バーマンのもとへ弟子入りしてハリウッドに拠点を移した。さらに、22歳で自らの特殊メイク工房オールモスト・ヒューマンを設立。大好きなロックバンド、キッスの曲から社名を取った。当初はロジャー・コーマンのコンコルド・ピクチャーズが製作するゼロ・バジェット映画の激安な仕事を引き受けていたが、テレビ「バフィー〜恋する十字架〜」とそのスピンオフ「エンジェル」の仕事が高く評価され、やがてメジャー級の仕事が増えるようになった。'04年には自らの少年時代の経験をもとに、保守的な田舎町で鬱屈した青春を送る変わり者の少年を描いた映画“The Lightning Bug”で本格的な監督デビュー。本作が劇場用長編映画第2弾となる。ただし、全米主要都市でプレミア上映は行われたもののロードショー公開は見送られ、結局はDVDストレートの扱いとなってしまった。
 ボビー・スー・ルーサーと共に製作を手がけているチャン・ツェンは、テレビの2時間サスペンス“McBride”シリーズの製作コーディネーターを長年務めた中国系プロデューサー。本作ではクライマックスのクロムスカル絶命シーンの演出をノークレジットで担当している。また、撮影監督のスコット・ウィニングはテレビCMのカメラマンとして売れっ子だったということだが、映画のDPを担当するのは本作が初めてだった。
 で、演出に専念するホール監督の代わりとしてオールモスト・ヒューマンの特殊メイク監修を手がけたのは、ホール監督の右腕として「クレイジーズ」や「プロム・ナイト」などに携わってきたエリック・ポルノ。近年は多忙なホール監督と二人三脚で仕事をすることも多い有望株だ。
 さらに、「ブラッド・オブ・ヴァンパイア」('07)や「合衆国感染」('08)などの超低予算ホラーを手がけているアンドリュー・ベントラーが編集を担当。本作ではハイビジョン・カメラで撮影された映像を、そのまま現場で監督の立ち会いのもと編集したらしいのだが、残念ながら二人揃って編集のセンスがなかったせいなのか、とても打ち合わせができているとは言い難いような仕上がりになっている。
 なお、撮影はメリーランド州アナポリスの近郊で行われており、葬儀場や納屋などの廃墟をほぼタダ同然で使用し、撮影経費を抑えたのだそうだ。なので、どうやらセット建設費のかさばるスタジオ撮影は一切行なっていないらしい。そのせいなのかどうかはなんとも言えないところだが、車を運転するシーン全てにおいて、実際には車が動いていないということがモロにバレてしまっている。恐らく駐車場か倉庫の暗がりで撮影したのだろう。物語の設定が真夜中なので誤魔化せると思ったのかもしれないが、外の景色はおろか車までがピクリとも動かないというのはなんとも…(笑)。いくら街灯もないド田舎とはいえ、夜の暗闇だって動いて見えるものである。

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叫び声に気付いたクロムスカルが現れる

サバイバルナイフで喉元を切り裂かれる女性

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プリンセスを救出するために駆けつけたタッカーとスティーヴン

納屋の中には犠牲者の腐乱死体がところ狭しと並んでいた

 製作も兼ねる主演のボビー・スー・ルーサーは撮影当時のホール監督夫人で、アメリカでは男性誌のグラビアモデルとして知られる女性。映画「ファイナル・デッドパーティー」('09)では悪魔に憑依される女性スザンヌ役を演じていたが、ぶっちゃけ女優としてはほぼ素人も同然。まあ、素人なりに頑張って大熱演を繰り広げていることだけは評価できるものの、残念ながら実力が全く伴っていなかった。それは本人も重々承知しているのだろうか、本作をきっかけに裏方としての活動に本腰を入れるようになったらしく、ホールと離婚した現在も映画プロデューサーとして活躍している。
 で、なんの縁もゆかりもないヒロインをなぜか助けて助けて助けまくる中年男タッカー役に、「ヒート」('95)でデ・ニーロの子分ウェイングロー役を演じていたケヴィン・ゲイジが登場。これはもう脚本が薄っぺらいせいなのだから仕方ないのかもしれないが、ベテラン俳優にあるまじき説得力のなさはちょっと頂けない。妻の死を悲しむシーンなんてウソ泣きにしか見えないもんね。
 そんなタッカーの妻役を演じているのは、ドラマ「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」のサラ・コナー役や、映画「オネーギンの恋文」('99)や「300」('07)で有名なイギリス人女優レナ・ヘディ。同じく「サラ・コナー・クロニクルズ」で息子ジョン・コナー役を演じていたトーマス・デッカーも終盤に登場するのだが、先述したように二人とも大のホラー映画マニアということで、テレビの合間をぬっての友情出演だったようだ。
 で、これまた同じく友情出演しているのが、イタリアの巨匠フランコ・ゼフィレッリ監督の「尼僧の恋」('93)の美青年役で映画デビューし、「すべてをあなたに」('96)や「グレイスランド」('98)などに出演してきた濃厚フェロモン系俳優ジョナサン・シェック。その恋人役を演じているジャナ・クレイマーはドラマ「One Tree Hill」の女優アレックス役で知られる人で、本作の撮影当時ジョナサンの婚約者だったことから、彼に誘われての登板となった。なお、二人は本作の翌年に結婚しているが、たったの1ヶ月で離婚してしまったそうだ。
 そのほか、アメリカでは牛乳のテレビコマーシャルで有名なショーン・ウェイレンがスティーヴン役を、「ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー」('09)や「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」('11)で注目されているブラッド・ピット似のイケメン若手俳優ルーカス・ティルが雑貨屋の店員を、「地獄のコマンド」('85)や「悪夢の惨劇」('87)などB級映画の悪役俳優としてカルトな人気を誇る大ベテランのリチャード・リンチが葬儀屋ジョーンズ氏を演じている。
 また、トーマス・デッカー扮するトミーの友人アンソニー役で顔を出しているアンソニー・フィツジェラルドは、デッカーが主演した映画“Whore”('09)でも友人役を演じており、私生活でも2人は大の親友。ということで、彼もまたトーマスに誘われて本作に顔を出したのだそうだ。

 なお、本作は一部のホラー・マニアの間でわりと評判が良かったらしく、トミー役のトーマス・デッカーを主演に据えた“Chromeskull: Laid to Rest 2”('11)という続編映画が作られている。こちらは「ビバリーヒルズ高校/青春白書」でお馴染みのブライアン・オースティン・グリーンが2代目クロムスカルと言うべき弟子のサイコ・キラーに扮し、「ハロウィン4」('88)と「ハロウィン5」('89)及びリメイク版「ハロウィン」シリーズなどでお馴染みの女優ダニエル・ハリスが悪女役を演じるというお楽しみはあるものの、出来栄えは明らかに1作目以下。ストーリーは残虐なスプラッター描写を見せるためだけの言い訳に過ぎず、演出もカメラワークもチープなことこの上なし。さすがに低予算ホラーに寛大な自分でも、見るに耐えない代物だった。

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クロムスカルのビデオで衝撃の事実を知るプリンセス

バッテリーを買うために雑貨屋を訪れるのだが…

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クロムスカルを追い払おうとする若い店員(L・ティル)

店内に取り残されたプリンセスとトミー(T・デッカー)

 

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