ジョーン・クロフォードとベティ・デイヴィス
ハリウッド史上最大のライバル

 

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ジョーン・クロフォード

ベティ・デイヴィス

 ハリウッドが誕生したのは1920年代。それまでニューヨークを基盤としていた製作会社が、発明王トーマス・エジソンによる特許を盾にした独占支配から逃れるために南カリフォルニアへと製作拠点を移してきたのが、そもそもの始まりだった。以来、ハリウッドは数多くの伝説を生み出してきた。中でも、一般大衆の興味を引きつけてきたのは、キラ星のごときスターたちの存在。夜空に輝く星のように、数多くのスターが生まれ、そして姿を消していった。
 世の東西を問わず、昔から芸能界は生き馬の目を抜くような場所と言われるが、映画の都ハリウッドなどはまさにその好例(?)と言えるだろう。勝者には王侯貴族のような生活が待っているが、敗者は無一文で去っていくしかない。それどころか、時には文字通り“死”を宣告されることすらある。華やかな表舞台と残酷な裏街道が表裏一体で存在するのが、ハリウッドという場所の恐ろしいところでもある。今日の友が明日は敵になることだって日常茶飯事。特に、人気商売であるスターという職業には、この種のリスクは常について回る。
 今でこそ、ハリウッドではメジャー会社の他にも数多くの有力な独立系映画会社が存在し、映画以外にもネットワーク・テレビ、ケーブル・テレビ、衛星テレビ、そしてビデオにインターネットと多岐に渡ってメディアが映像コンテンツを提供するようになり、俳優の活躍できる場も幅広くなった。しかし、一部のモーグル(大物)と呼ばれるメジャー会社のボスたちが強大な権力を握り、ハリウッドという狭い社会を支配していた時代においては、スタジオの所有物だったスターたちの生存競争は熾烈を極めていた。中でも、男社会であるハリウッドにおける女優たちのサバイバルが過酷であったろうことは想像に難くない。ゆえに、ハリウッド黄金期における女優たちのライバル伝説というのは、時には映画そのものよりも面白かったりする。ただ、その多くは表面化することなく、あくまでも噂としてゴシップ誌を賑わせるだけだった。が、当事者たちが公然と敵意をむき出しにし、ハリウッド史上でも稀に見る壮絶な争いを繰り広げたのが、ジョーン・クロフォードとベティ・デイヴィスである。

 ジョーンとベティが何故お互いを嫌うようになったのかについては、実は二つの有力な説がある。一つは、ジョーンの2度目の夫である俳優フランチョット・トーンとベティが一夜を共にしたことから、2人の間にライバル心が目覚めたという説。もう一つは、MGMからワーナーに移籍してきたジョーンが移籍第1弾の「ミルドレッド・ピアース」('45)でアカデミー主演女優賞を受賞、一方でワーナーの女王として君臨してきたベティは当時失敗作が続いており、これがきっかけで2人の間に激しい競争心が芽生えたというもの。
 前者の説については、当時のハリウッドの内情を考えれば大いに疑問の余地がある。というのも、主演女優が監督や共演男優とベッドを共にするというのは、当時のハリウッドでは日常茶飯事だったのだ。しかも、仕事仲間と肉体関係を持った数で言えば、ジョーンの方がベティを遥かに上回っている。ベティ曰く、“彼女はMGMの男性スター全員と寝てたわ。ラッシー以外のね。”と。まあ、そういうベティ自身もアナトール・リトヴァグ監督と肉体関係を持った事から、夫人だった女優ミリアム・ホプキンスに相当憎まれていたらしく、「旧友」('43)で共演した際には撮影現場で敵意をむき出しにされたという。“本当に嫌な女だったわ。才能のある女優だったけど、個人的な感情を現場に持ち込むなんて。”と、後にベティ自身が語っているが、よくよく考えればホプキンスの方に非はないはず。開き直るベティの神経も相当なものだが、逆に言えばそれくらい当時は目くじらを立てるような事ではなかったのだろう。ゆえに、前者の説には説得力が乏しいようにも思うのだ。
 一方、後者の説だが、こちらの方が遥かに説得力があるかもしれない。実はジョーンとベティのライバル関係において、当初はどうやらベティが一方的にジョーンを嫌っていたような節があるのだ。というのも、ワーナー移籍後のジョーンは女優としてベティ・デイヴィスを尊敬していると公言しているし、実際にベティを食事に誘ってもいる。しかし、ベティは一方的にこの誘いを断っているのだ。もともとブロードウェイの舞台女優として名を成し、生涯スターであるよりも女優であることに誇りを持っていたベティにとって、ダンサー出身の成り上がり者であるジョーンにお株を奪われたのは相当な屈辱だったはず。演技力よりも美貌でキャリアを築いてきたジョーンを、ベティは明らかに蔑んで見ていた。もちろん、ジョーンもそのキャリアの過程で女優としての実力を磨き、それが結果としてアカデミー主演女優賞受賞へと結びついたわけだが、ベティは生涯それを決して認めようとはしなかった。
 こうした事実をもとに検証してみると、やはりワーナーにおけるジョーンの栄光とベティのスランプが、2人の確執の大きな原因を作ったと考えるのが妥当なのかもしれない。全く正反対のキャリアを歩んできた2人の大女優が、同じスタジオの一つ屋根の下で鉢合わせてしまった事が全ての始まりだったのだ。しかし、彼女たちのキャリアを振り返ってみると、2人が実は根本的な部分で非常によく似ているという事に気付かされる。

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コーラス・ガール時代のジョーン・クロフォード

ブロードウェイ時代のベティ・デイヴィス

 先述したように、ジョーン・クロフォードはダンサーから身を起こした苦労人だった。両親は彼女が生まれる前に離婚しており、母親は3度も再婚を繰り返している。幼い頃のジョーンは非常に貧しく、洗濯女だった母親の仕事を手伝いながら学校に通っていた。この頃の思い出は終生トラウマとして彼女に付きまとい、針金ハンガーを極端に忌み嫌ったり、家では10分おきに手を洗ったり、訪問客の後をついて回って彼らの触った箇所を片っ端から掃除するといった異常な行動の原因となっている。
 貧しい生活から抜け出したい一心だったジョーンは、ダンサーとしてステージに立つようになる。しかし、回ってくるのはコーラス・ガールの仕事ばかり。ハリウッドならチャンスがあるかもしれないと思った彼女は、1925年の元旦にカリフォルニアを訪れた。ダンサーの一人として映画デビューし、「踊る娘達」('28)の自由奔放な現代娘役で一躍スターとして注目を集めた。しかし、当時から彼女の評判は決して芳しいものではなかった。特に派手な夜の生活では悪名高く、“誰とでも簡単に寝るパーティー・ガール”として有名だったのだ。また、共演の女優たちへのライバル心も露骨で、「踊る娘達」の共演者で当時デビューしたばかりの新人だった女優アニタ・ペイジは、撮影現場に付き添っていた母親から“あの娘にだけは気をつけなさい”と釘を刺されたという。
 一方のベティ・デイヴィスも、決して恵まれた幼少時代を過ごしたわけではなかった。弁護士だった父親は物静かな学者肌の男性だったが、感情を決して表に出さないという典型的なピューリタンで、妻や娘に対しては非常に冷淡だった。逆に母親は何でも率直に論議をしたがる女性で、夫婦仲は冷え切っていた。そんな父親をベティは憎んでおり、両親が離婚をした時には素直に喜んだという。ベティにはボビーという妹がいたが、母親は写真家として身を立てて二人の娘を育てた。“3人で世の中に立ち向かっていた”とボビーが後に語っているが、この母娘の結束力は非常に固いものだったようだ。
 母親の強い後押しと妹の協力もあって、ニューヨークの演劇学校を卒業したベティは1923年にオフ・ブロードウェイの舞台でデビューを果たす。さらに1929年にブロードウェイ・デビューを果たしたベティは、たちまち有能な舞台女優として注目を集めた。そして、その評判を聞きつけたユニバーサルの招きで、ベティは1930年に初めてハリウッドを訪れたのだ。しかし、ここで彼女は女優人生最初の屈辱を味わうことになる。容姿よりも実力がものを言う舞台の世界で鍛えられてきたベティにとって、ハリウッドは全く異次元の世界。当時の彼女はメイクや服装には全く無頓着で、駅に迎えに来たユニバーサルの関係者でさえ彼女の前を素通りしてしまったほどだった。スクリーン・テストでは“色気がない”と酷評され、数本の映画に出演したものの、あっという間に解雇されてしまった。
 そんな彼女を救ったのが舞台の名優で、当時映画スターとしても鳴らしていたジョージ・アーリス。ベティの舞台を見ており、その実力を高く評価していたアーリスは自身の主演作“The Man Who Played God”('32)の相手役にベティを抜擢。これが評判となり、ベティはワーナー・ブラザーズと専属契約を結ぶこととなった。

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デビュー当時のジョーン・クロフォード

デビュー当時のベティ・デイヴィス

 このように、ジョーンとベティは非常に対照的な生い立ちを歩んできている。典型的な貧困層に生まれ育ったジョーン、そしてインテリの中産階級に生まれ育ったベティ。ジョーンが己のセックスを武器にゼロからのし上がってきたのに対し、ベティは母親と妹の強力なサポートを得て女優の王道を歩んできた。しかし、2人には大きな共通項があった。父親の不在だ。これこそが、彼女たちにとって厳しい男社会を勝ち抜いていくパワーの源となったのは想像に難くない。男なんて当てにはできない、と。
 どちらも人一倍反骨精神の旺盛な女性だった。ただ、世慣れているという点ではジョーンの方が一枚上手だったかもしれない。ジョーンは男を当てにはしなかったが、自分のキャリアにプラスになるように利用するしたたかさを持っていた。無名時代に離婚歴のある彼女が2番目の夫として選んだのはダグラス・フェアバンクス・ジュニア。ハリウッドの帝王ダグラス・フェアバンクスとアメリカの恋人メアリー・ピックフォードの息子であり、自身も当時ハリウッドのトップ・スターだった超セレブだ。ただ、彼女の出自と当時の評判を快く思わなかったフェアバンクス夫妻は、2人の結婚を認めなかった。ゆえに、フェアバンクス・ジュニアとジョーンは、2人だけでひっそりと挙式を行った。たった4年間の結婚生活だったが、ハリウッドの上流階級の仲間入りを果たしたのはジョーンにとって大きな収穫だった。
 ちなみに、ハリウッドの上流階級とは言っても、結局はどこの馬の骨とも知れない人々の集まり。そもそも、メジャー・スタジオのボスたちの多くが貧しい移民の子で、ほとんど山師と言ってもいいようなキャリアの持ち主ばかり。当時のトップ・スターたちにしたって、その殆どが見世物小屋やボードヴィルの出身で、金持ちになった途端に王侯貴族のように振舞うというのも、よくよく考えればおかしな話なのだった。
 フェアバンクス・ジュニアと離婚したジョーンは、次に俳優フランチョット・トーンと結婚。ニューヨークの上流階級の出身で、古典文学からシェイクスピアまで幅広い教養の持ち主だったトーンは、小学校しか出ていないジョーンにとって最良の教師だった。4番目の夫となった俳優フィリップ・テリーもスタンフォード大学出身のインテリ。彼らを通じて、ジョーンはそれまで欠けていた教養を身に付けることが出来た。そして、5番目の夫となったのがペプシ・コーラ社長のアルフレッド・スティール。たちまち彼女は我がもの顔でペプシ・コーラの経営に口を挟むようになり、自ら広告塔としてキャンペーンに勤しむ毎日を送るようになった。
 一方のベティはジョーンとは違って、男を利用するような器用さは一切持ち合わせていなかった。それどころか、彼女が選ぶ男性は常に彼女よりも社会的地位の低い男性だったというのも興味深い。最初の夫はハイスクール時代からの恋人ハーモン・ネルソン。典型的なニュー・イングランド人だったベティは、ネルソンと結婚するまで処女だったという。2番目の夫アーサー・ファーンズファースも、3番目の夫のウィリアム・グラント・シェリーも、芸能界とは一切関係ない一般人だった。ハリウッドの裏まで知り尽くしていたベティは、同業者とは絶対に結婚しないと心に決めていたという。そんな彼女が4番目の夫として選んだのは、「イヴの総て」で共演した俳優のゲイリー・メリル。盛りを過ぎた女優マーゴ・チャニングの唯一の理解者を演じたメリルとの結婚は、実生活でも中年に差し掛かったベティの不安の表れだったのか。いずれにせよ、ベティは男をキャリアの足しにしようという考えは全く持っていなかったようだ。それだけに、持てる武器を最大限に使うジョーンの生き様に対して批判的だったのかもしれない。
 ベティの反骨精神は並大抵のものではなかった。当時のハリウッドでは、どんな大物スターであってもスタジオにとっては所有物の一つに過ぎず、出演する作品を選んだり好きな監督を選んだりするような権限は一切与えられていなかった。これに不満を抱いたベティは、1936年ワーナーに対して反旗を翻し、勝手にイギリスに渡って映画出演をしようとした。結果的にはワーナーに訴えられて敗訴し、ハリウッドに戻されてしまうのだが、これをきっかけにワーナーは重要な脚本を優先的にベティに回すことになる。ベティの実質的な勝利だった。ハリウッドでも有数の辣腕で、気性の激しい暴君として知られたジャック・ワーナーでさえ、ベティには一目を置いていたという。“少なくとも1度は、私のことを尊敬してると言ってくれたわ”と後にベティも語っているが、彼女は相手がどんな男であろうと対等に渡り合うだけの根性の持ち主だった。ジョーンも一度だけ、MGMのボスであるアーヴィン・サルバーグに楯突いたことがある。サルバーグ夫人であるノーマ・シアラーにばかりいい役が回ることに不満を訴えたのだが、これがサルバーグの逆鱗に触れてしまい、ジョーンは罰としてウェスタン・コメディの汚れ役をあてがわれてしまう。政治力という点では、ベティの方が一枚上手だったのかもしれない。

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「情熱の航路」のベティ

「愛の終焉」で老けメイクに挑んだベティ

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「痴人の愛」で悪女を演じるベティ

初のオスカー受賞作「青春の抗議」

 さて一方、肝心の女優としての実力という点でジョーンとベティを比較してみよう。これは非常に難しいのだが、アカデミー賞の受賞歴では完全にベティの方に軍配が上がる。ジョーンは3度のノミネートのうち受賞は1回だけだが、ベティは合計で11回ノミネートされており、そのうち2回受賞している。
 女優としてのジョーンとベティの決定的な違いは、ベティが自らをあくまでも一人の“女優”と考えていたのに対し、ジョーンは常に“スター”であることにこだわっっていたという点だ。ベティはジョーンについてこう語っている。“私にとって彼女は映画スターの象徴なのよ。クロフォードを演じるクロフォード、それこそが彼女の最大の名演技だと思ってるわ”と。
 ベティは自らのイメージに囚われることのない演技者だった。そればかりではなく、彼女は他の女優が嫌がるような役でも進んで演じるチャレンジ精神の持ち主でもあった。たとえば、彼女が最初にオスカーにノミネートされた「痴人の愛」('34)。欲望のままに生きる自由奔放な悪女ミルドレッド役は、“ハリウッド史上最初のビッチ”と呼ばれており、当時の女優は誰も演じたがらなかった難役だった。また、「女王エリザベス」('39)では老けメイクで60代の女王エリザベス役を熱演。さらに、「情熱の航路」('42)では眉の手入れもしていない地味で醜いオールド・ミス役で登場。「愛の終焉」('44)では、自分の美貌にしか興味のない女性が醜く年老いていく姿を残酷なまでに大熱演した。役柄によってガラリとイメージを変えていくベティは、当時のハリウッドでは全く異色の存在だったと言えるだろう。

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オスカー受賞作「ミルドレッド・ピアース」

エレガントな典型的クロフォード・スタイル

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ジョーンが女ガンマンを演じる「大砂塵」

「大砂塵」でジョーンと敵対するマーセデス・マッケンブリッジ


 一方のジョーンは、良くも悪くも常にジョーン・クロフォードだった。初期のフラッパー・ガール役などは私生活を地で行くものだったし、MGMのトップ・スターになってからは、「グランド・ホテル」('32)で演じた秘書役に代表されるように、勤勉な庶民の女の子が運命を切り開いていく姿を演じて大衆の共感を得た。これだって、自らの生い立ちを美化して演じているに過ぎない。唯一の例外が、「痴人の愛」と同じサマセット・モーム原作の「雨」('32)で演じた堕落した女サディ・トンプソン役。しかし、今でこそルイス・マイルストン監督の傑作として名高い作品だが、当時は興行的に惨敗を喫した失敗作だった。ワーナー移籍第1弾として大成功した「ミルドレッド・ピアース」('45)で、娘を守るために殺人を犯してしまう母親役を演じてからは、運命に翻弄されながらも必死になって耐え忍ぶ女が彼女のトレード・マークとなる。“ベティ・デイヴィスは映画史上最高のサディスト、ジョーン・クロフォードは映画史上最高のマゾキスト”と呼ばれる所以だが、ベティはこんな風に皮肉っている。“私がどうして悪女役を演じるのが上手いかですって?多分、それは私が悪女ではないからよ。だから、彼女(ジョーン)はいつも淑女ばかり演じているんでしょ?”と。いずれにせよ、ジョーンは常にスターである自分のイメージを傷つけないような役柄ばかりを演じてきた。しかも、絶対に主役であることにこだわり抜いていた。
 その2人の女優としての違いが明確に現れたのが、唯一の共演作である「何がジェーンに起こったか?」('62)。年老いたかつての子役スターである妹ジェーン(ベティ・デイヴィス)と、半身不随の元映画女優である姉ブランチ(ジョーン・クロフォード)。子役時代の衣装とメイクで家の中を闊歩するジェーンは、ブランチを精神的にも肉体的にもサディスティックにいたぶっていく。閉ざされた家の中で繰り広げられる地獄のような狂気。かつての大女優がこんな汚れ役を・・・というショッキングな話題性と凄まじい演技合戦で大ヒットを記録した傑作だ。この作品では、ベティが文字通り捨て身の演技で醜悪で哀れな老女ジェーン役を大熱演する一方、ジョーンはブランチの服装が地味すぎると最後まで粘った。結局はロバート・アルドリッチ監督の説得に応じたジョーンだったが、最後まで譲ろうとしなかったのはスターの性なのだろうか。ベティの潔さとは全く対照的だった。
 ちなみに、周囲の心配をよそに撮影現場では諍いごとを起こさなかったベティとジョーン。しかし、実は水面下で壮絶な闘いが繰り広げられていた。こっそりと電話を使おうとしたブランチにジェーンが暴行を加えるシーンでは、ベティは偶然を装って本気でジョーンの頭を蹴りつけて怪我をさせてしまう。一方、ジェーンがブランチをベッドから引きずりおろすシーンでは、逆にジョーンがわざとベティに体重をかけたため、ベティは腰を痛めて入院してしまった。さらに、ジェーン役でベティがアカデミー主演女優賞にノミネートされると、ノミネートされなかったジョーンはアンチ・ベティ・デイヴィスのキャンペーンを敢行。ベティ・デイヴィスに投票しないようにとアカデミー会員に呼びかけて回ったのだ。授賞式当日、プレゼンターとして登場したジョーン・クロフォードは高らかに受賞者であるアン・バンクロフトの名前を読み上げ、満面の笑みでベティを見下ろした。こうして2人の確執は決定的なものとなってしまったのだ。

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ジェーン役を怪演するベティ

虐められるブランチ役のジョーン

 しかし、その後のベティとジョーンのキャリアは全く逆に明暗を分けてしまう。どちらも、「ジェーンに何が起こったのか?」のインパクトが強烈過ぎたためにホラー映画の仕事が多くなってしまったのは同じだったが、主役にこだわることのなかったベティはイタリアの名匠ダミアーノ・ダミアーニ監督の「禁じられた抱擁」('63)やオールスター・キャスト映画「ナイル殺人事件」('78)、サイレント映画の大女優リリアン・ギッシュと共演した「八月の鯨」('87)など幅広い出演作に恵まれた。一方のジョーンは、年老いても“スター”らしいきれいどころの主役にこだわったが為に仕事がなくなっていき、C級モンスター映画「地底の原始人・キングゴリラ」('70)の女性科学者役を最後に映画界を引退してしまう。
 このように、女優として全く異なった資質の持ち主だったジョーンとベティだが、完璧主義者という点では共通していた。そして、2人とも才能のない共演者や未熟な監督には容赦ない態度で臨んだ事でも似通っている。2人とも徹底したプロフェッショナルだったが、そのベクトルの向かった先は正反対だったようだ。良い作品を作るためにはどんな努力も惜しまないベティは、志を同じくする共演者やスタッフとは非常に上手くいった。撮影には決して遅刻しないし、信頼する監督の言葉には素直に従った。
 一方、ジョーンはあくまでも自分が女王である事を常に周囲に知らしめることを忘れなかった。晩年の出演作である「血だらけの惨劇」('63)で共演した女優ダイアン・ベイカーによると、ジョーン以外の出演者やスタッフは彼女が現れる前に現場に入っていなくてはならなかったという。そして、リムジンに乗って現れる大女優ジョーン・クロフォードを、2列に並んで出迎えなくてはならないのだった。それも毎朝である。しかも、この作品は本来ダイアン・ベイカー扮する娘の独白で山場のクライマックスを迎えるはずだった。しかし、台本通りにベイカーが熱演を終えると、セットの反対側で何故かジョーン・クロフォード扮する母親の声がする。ジョーンが勝手にセリフを付け足して、撮影を始めてしまったのだ。小娘なんかに見せ場は譲らないわよ、というわけだ。この揺るぎないエゴこそが、ジョーン・クロフォードのジョーン・クロフォードたる証だったのだろう。
 ただ、彼女の本当に尊敬すべき点は、何故自分がスターでいられるのかということを十分に理解していた事だろう。映画を撮ってくれるスタッフのおかげ、そして自分を愛してくれるファンのおかげ。それゆえに、彼女はスタッフやファンの為にはどんな努力も惜しまなかった。MGMやワーナー時代は、カメラマンから小道具助手に至るまでスタジオ内のありとあらゆるスタッフの名前を憶えていて、彼らの誕生日には花束を贈ることを絶対に欠かさなかった。また、ファン・クラブの会合には必ず出席し、サイン会では長蛇の列の最後の一人まで丁寧に直筆でサインをした。通常は秘書やスタッフが処理するファン・レターへの返信も、ジョーンは必ず自ら直筆で書いていたという。私がスターでいられるのは、ファンのおかげなのだから、と。彼女が終生“スター”であることにこだわったのも、そうしたファンの期待に応えるためだったとも言われている。

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「突然の恐怖」のジョーン

引退作「地底の原始人・キングゴリラ」

 ちなみに、同業の女優に対して厳しかったという点でも、ジョーンとベティはとてもよく似ている。ベティが大親友として認めた女優はオリヴィア・デ・ハヴィアランドただ一人だけだったし、ジョーン・クロフォードに至ってはゲイの2枚目俳優ウィリアム・ヘインズが最良の親友で理解者だった。ただ、ベティがあくまでも“知的レベルが低いから”という理由でハリウッド女優仲間と一線を引いていたのに対して、ジョーンは明らかに周囲の女優に対して激しい敵対心を持っていた。50年代に人気を集めた女優アーリン・ダールは、ワーナーと専属契約を結んだ直後に出席したパーティーで大失敗をしてしまった。憧れの大女優ジョーン・クロフォードに紹介された彼女は緊張してしまい、つい“私の母が大ファンなんです”と口を滑らせてしまった。その瞬間にジョーンの眉がつり上がるのを見て、アーリンは震え上がったという。そして乾杯の瞬間。ジョーンは手に持っていたグラスをあからさまに傾け、真っ赤なワインをアーリンの着ていた純白のサテン・ドレスにこぼした。一部始終を傍で見ていた大女優ジョーン・フォンテインは、思わず“このアバズレ!わざとやったでしょう!”と叫んだという。古き良き時代のハリウッドの、美しくも恐ろしきパーティーの一幕である。
 そんなジョーン自身も、かつて「女性たち」('39・日本未公開)でMGMの女王ノーマ・シアラーと共演した際には、ノーマから16回も衣装のダメ出しをされている。理由は、ジョーンの衣装が彼女のものよりキレイだったから。その度に衣装を着替えさせられた彼女は、“おかげで悪女役を演じるのが楽しくなったわ”というほどプライドを傷つけられたという。とにかく、そういう時代だったのだ。

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「雨」のジョーン

ジョーン、ノーマ・シアラー、ロザリンド・ラッセル
「女性たち」(日本未公開)より

 さて、そんなジョーンとベティの共通点がもう一つある。それは、家庭人としての失敗である。二人とも、映画女優としての栄光とは裏腹に、私生活では妻失格・母親失格であった。先述したように、ベティは夫の社会的地位については一切関心がなかった。彼らに共通していたのは、性格的にも肉体的にも男らしいマッチョだったことだ。ベティは経済的にではなく、精神的に支えてくれるパートナーを求めていた。しかし、本人曰く“誰一人としてミスター・ベティ・デイヴィスの器ではなかった”と。そんな彼女も、子育てには成功したと信じていた。彼女には実の娘一人と養子が二人おり、子供たちの為に料理から洗濯、家事まで何でも完璧にこなした。特に料理の腕前は素晴らしく、元秘書の弁によると“女優になっていなければ、理想の主婦になっていたはず”だという。しかし1985年、実の娘バーバラ・デイヴィスがスキャンダラスな暴露本“My Mother's Keeper”を出版。ズタズタに心を傷つけられたベティは、89年に亡くなるまで二度とバーバラとは口をきかなかった。
 一方のジョーンもまた、養子である娘クリスチーヌに暴露本“Mommie Dearest”を出されてしまった。しかも、こちらの方が内容的には遥かにセンセーショナルなものだった。真夜中に娘のクローゼットに忍び込み、針金ハンガーを見つけては鬼の形相で激怒して暴力を振るう異常な母親、自らのスターとしてのイメージを保つために幸福な家族を演じることを娘たちに強要する冷徹な母親、年頃に成長した娘の若さに嫉妬して常軌を逸した行動に出る醜悪な母親。あまりにも衝撃的な内容だったために大ベスト・セラーとなり、1981年にはフェイ・ダナウェイ主演で映画化(「愛と憎しみの伝説」)までされてしまった。
 どちらの場合も、撮影現場での完璧主義を家庭にまで持ち込んでしまったのが、そもそもの失敗の原因だったのかもしれない。特にジョーンの異常なまでの潔癖主義は、手洗いや家の中の清掃だけに止まらず、子供たちの管理にまで及んでおり、その様子は客観的に見ても地獄であったろう事は想像に難くない。ヴィンセント・シャーマン監督は、パーティーの席で息子をひどく叱り付けるジョーンに対して、“小さな子供に人前で恥をかかせることもないだろう”と声をかけたところ、逆に物凄い剣幕で怒鳴りつけられたという。女優のベッツィ・パルマーはこう語っている。“俳優の家庭に生まれてしまった子供は不幸よ。だって、私たちは異次元から来た人種なんだもの”と。

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ジョーン役を演じるフェイ・ダナウェイ
「愛と憎しみの伝説」

針金ハンガーを見つけて激怒するジョーン
「愛と憎しみの伝説」

 こうして見てくると、改めてジョーン・クロフォードとベティ・デイヴィスが共通項の多い人物であった事がよく分かる。ただ、その人生の方向性や志は全く対照的だった。性格がよく似ているゆえに、お互いの存在が余計に目障りに感じたのかもしれない。ちなみに、1977年にジョーン・クロフォードが亡くなった際に、ベティ・デイヴィスはこう語っている。“死者を悪く言うのはいけないことよ。いい事だけを言わないと。ジョーン・クロフォードが死んだ。いい事だわ。”

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晩年のジョーン・・・ちょっと哀れ

晩年のベティ・・・カッコ良すぎ

 なお、ハリウッドのライバル伝説としては、実の姉妹であるオリヴィア・デ・ハヴィランドとジョーン・フォンテインのオスカーを巡る泥沼の確執も非常に有名。こちらについては、また別の機会にでも言及してみたい・・・。

 

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The Women (1939)

Mildred Pierce (1945)
ミルドレッド・ピアース

Humoresque (1946)
ユーモレスク

The Damned Don't Cry (1950)
悪党は泣かない

(P)2005 Warner Bros. (USA) (P)2005 Warner Bros. (USA) (P)2005 Warner Bros. (USA) (P)2005 Warner Bros. (USA)
画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語・フランス語/字幕:英語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語/地域コード:1/133分/製作:アメリカ

映像特典
オリジナル・ドキュメンタリー2編
ファッション・ショー・シーンの別テイク
予告編集
スコアリング・セッション
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/111分/製作:アメリカ

映像特典
ジョーン・クロフォードのドキュメンタリー
予告編集
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/125分/製作:アメリカ

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
劇場予告編

DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語・フランス語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/103分/製作:アメリカ

映像特典
V・シャーマン監督による音声解説
メイキング・ドキュメンタリー
劇場予告編

監督:ジョージ・キューカー
製作:ハント・ストロムバーグ
脚本:アニタ・ルース
    ジェーン・マーフィン
原作戯曲:クレア・ブース
撮影:オリバー・T・マーシュ
    ジョセフ・ルッテンバーグ
音楽:デヴィッド・スネル
出演:ノーマ・シアラー
    ジョーン・クロフォード
    ロザリンド・ラッセル
    メアリー・ボランド
    ポーレット・ゴダード
    ジョーン・フォンテイン
    ルース・ハッセイ
    マージョリー・メイン
    ルシール・ワトソン
監督:マイケル・カーティス
製作:ジェリー・ウォルド
脚本:ラナルド・マクドガル
原作:ジェームズ・M・ケイン
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:マックス・スタイナー
出演:ジョーン・クロフォード
    ジャック・カールソン
    ザッカリー・スコット
    イヴ・アーデン
    アン・ブライス
    ブルース・ベネット
    リー・パトリック
監督:ジーン・ネグレスコ
製作:ジェリー・ウォルド
脚本:クリフォード・オデッツ
    ザッカリー・ゴールド
原作:ファニー・ハースト
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:フランツ・ワクスマン
出演:ジョーン・クロフォード
    ジョン・ガーフィールド
    オスカー・レヴァン
    J・キャロル・ナイッシュ
    ジョン・チャンドラー
    トム・ダンドレア
    ルース・ネルソン
監督:ヴィンセント・シャーマン
製作:ジェリー・ウォルド
脚本:ハロルド・メドフォード
    ジェローム・ウェイドマン
原作:ガートルード・ウォーカー
撮影:テッド・D・マッコード
音楽:ダニエル・アンフィテアトロフ
出演:ジョーン・クロフォード
    デヴィッド・ブライアン
    スティーヴ・コクラン
    ケント・スミス
    セレナ・ロイル
    ジャクリーヌ・デ・ウィット
    モーリス・アンクラム
 超高級エステ・パーラーのマニキュリストがついつい漏らしてしまった噂話が、ニューヨークの上流階級を激震させる一大スキャンダルに・・・!エステとファッションと噂話には目がないマダムたちが巻きこす大騒動をコミカルに描く女性映画の痛快作。脚本を書いたのも女性なら、出演も女性ばかりのオールスター・キャスト。監督の名匠キューカーだって筋金入りのゲイだったわけだから、面白くないわけがない。女性の怖さと強さをゴージャスに、スタイリッシュに、そしてユーモラスに描く傑作コメディです。日本未公開だなんて・・・!!!  真夜中の邸宅で鳴り響く銃声。倒れこむタキシード姿の男。そして、放心状態で通りを歩く一人の女。殺されたのはレストランの女性オーナー、ミルドレッド・ピアースの再婚相手。最初の夫との離婚を機に主婦から実業家へと転身を計ったミルドレッドだが、捜査の過程で娘との確執が徐々に明らかになっていく。母娘もののメロドラマをフィルム・ノワール風に描いていく作品で、そのリアリスティックでドライなタッチは時として非常に残酷。物質主義の塊のような親不孝娘を演じるアン・ブライスの、天使の顔をした悪魔ぶりがまた絶妙です。  無名の若手天才バイオリニストと恋に落ちた悪名高い有閑マダムの悲恋を描く古典的メロドラマ。激しい恋愛感情を胸に秘めながらも、あくまでもパトロンとしての立場を貫こうとするジョーン・クロフォードの毅然とした姿は、まさしくスター女優の貫禄。天才肌の気難しい芸術家を演じるジョン・ガーフィールドもはまり役。タイトルにもなっているドヴォルザークの“ユーモレスク”のメロディが、激しくも情熱的なドラマを盛り上げます。正統派ハリウッド映画の魅力を素直に楽しみたい1本。ガーフィールドの父親役の名優J・キャロル・ナイシュが好演。  砂漠で見つかったマフィアの死体。残された8ミリフィルムに映されていた大富豪夫人ローナの姿。行方をくらました彼女を捜索する警察は、彼女の素性が総て偽りだった事を知る。社交界の花形として持て囃された美女は一体何者だったのか・・・?不幸な運命に翻弄されながら、どん底から這い上がってきた一人の女の人生を通じて、格差社会の歪みを告発するメロドラマの佳作。貧しくか弱い主婦から、次第にタフな悪女となって男社会を渡り歩いていくヒロイン役を演じるジョーンの熱演が圧巻。まさに彼女の一人舞台的作品です。

SUDDEN_FEAR.JPG STRAIT_JACKET.JPG I_SAW_WHAT_YOU_DID.JPG MOMMIE_DEAREST.JPG

Sudden Fear (1952)
突然の恐怖

Strait-Jacket (1963)
血だらけの惨劇

I Saw What You Did (1965)

Mommie Dearest (1981)
愛と憎しみの伝説

(P)1998 Kino International (USA) (P)2002 Columbia Pictures (USA) (P)1999 Anchor Bay (USA) (P)2006 Paramount (USA)
画質★★★☆☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★★ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/110分/製作:アメリカ

映像特典
なし
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語/地域コード:1/93分/製作:アメリカ

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
J・クロフォードのスクリーン・テスト
殺人シーンのスクリーン・テスト
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:1/82分/製作:アメリカ

映像特典
W・キャッスル監督による予告
劇場予告編
タレント・バイオ
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド・モノラル/音声:英語・フランス語/字幕:英語/地域コード:1/128分/製作:アメリカ

映像特典
J・ウォーターズ監督の音声解説
メイキング・ドキュメンタリー(3編)
フォト・ギャラリー
劇場予告編
監督:デヴィッド・ミラー
製作:ジョセフ・カウフマン
脚本:レノア・コッフィー
    ロバート・スミス
撮影:チャールズ・ラング・ジュニア
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演:ジョーン・クロフォード
    ジャック・パランス
    グリリア・グレアム
    ブルース・ベネット
    ヴァージニア・ヒューストン
    マイク・コナーズ
監督:ウィリアム・キャッスル
製作:ウィリアム・キャッスル
脚本:ロバート・ブロック
撮影:アーサー・E・アーリング
音楽:ヴァン・アレクサンダー
出演:ジョーン・クロフォード
    ダイアン・ベイカー
    リーフ・エリックソン
    ハワード・セント・ジョン
    ジョン・アンソニー・ヘイズ
    ロシェル・ハドソン
    ジョージ・ケネディ
監督:ウィリアム・キャッスル
製作:ウィリアム・キャッスル
脚本:ウィリアム・マクギヴァーン
原作:アーシュラ・カーティス
撮影:ジョセフ・ビロック
音楽:ヴァン・アレクサンダー
出演:ジョーン・クロフォード
    ジョン・アイアランド
    リーフ・エリックソン
    アンディ・ギャレット
    サラ・レイン
    シェリル・ロック
監督:フランク・ペリー
製作:フランク・ヤブランス
脚本:フランク・ヤブランス
    フランク・ペリー
    トレイシー・ホットクナー
    ロバート・ゲッチェル
原作:クリスチーナ・クロフォード
音楽:ヘンリー・マンシーニ
出演:フェイ・ダナウェイ
    スティーヴ・フォレスト
    ダイアナ・スカーウィド
    マラ・ホベル
    ルターニャ・アルダ
    ハワード・ダ・シルヴァ
 ジョーンが演じるのは大富豪の未亡人で有名な劇作家のマイラ・ハドソン。新作劇の主演男優レスターをクビにしたマイラだったが、列車の中で彼と再会して恋に落ちる。レスターと再婚したマイラは、彼が愛人のアイリーンと共謀して彼女の遺産を狙っている事を偶然知ってしまう。身の危険を感じたマイラは、逆に彼らを罠にはめようと画策するのだが・・・。ヒッチコック・スタイルのサスペンスで、決して出来は悪くないものの、ジョーンのナルシスティックな“耐え忍ぶヒロイン”ぶりには少々辟易します。  ギミック映画の帝王ウィリアム・キャッスルが「サイコ」で有名なロバート・ブロックの脚本を映画化したサスペンス・ホラー。夫とその愛人の首を斧で切断して殺害した女性ルーシーが、精神病院から退院して20年ぶりに社会復帰する。兄夫婦の家で待つのは、年頃に成長した一人娘。果たして彼女は本当に回復したのか・・・?キャッスルお得意の思わせぶりなショック・シーンの連続と、ジョーン・クロフォードの過剰なまでの大熱演が下世話でキャンプな魅力を放つ怪作。キャストの顔ぶれも絶妙です。  両親から留守番を任された年頃の女の子リビーと親友のキット。幼い妹テスの子守に飽きた2人は、他愛ないいたずら電話で暇つぶしをする。適当に番号を回しては、“あなたが何をしたか見たわよ。あなたが誰かも分かってるんだから”と呟く2人。しかし、たまたま電話に出た相手が妻殺しの殺人犯だったことから、彼女たちは恐怖の一夜を体験することになる・・・。ジョーンは犯人の隣に住む愛人役で、クレジットは主役ながら出番はちょっとだけ。ティーン向けサスペンス・ホラーの佳作。  ジョーンの養子であるクリスチーナが発表した暴露本を映画化した衝撃の問題作。黄金期のハリウッドの裏側を知る上でも非常に興味深い作品です。しかし、ジョーン役を演じるフェイ・ダナウェイの怪演ぶりの凄まじいの何のって。MGMから解雇を通達され、真夜中に半狂乱となって庭のバラを刈り取ったり、娘の部屋で針金ハンガーを発見し、フェイス・クリームを塗ったままの顔で激怒する姿は、ほとんどホラー映画のモンスター。あまりにもトゥー・マッチな内容が抱腹絶倒の、恐るべき怪作。必見。

MARKED_WOMAN.JPG JEZEBEL.JPG DARK_VICTORY.JPG NOW_VOYAGER.JPG

Marked Woman (1937)
札つき女

Jezebel (1938)
黒蘭の女

Dark Victory (1939)
愛の勝利

Now, Voyager (1942)
情熱の航路

(P)2006 Warner Bros. (USA) (P)2006 Warner Bros. (USA) (P)2005 Warner Bros. (USA) (P)2005 Warner Bros. (USA)
画質★★★★★ 音質★★★★☆ 画質★★★★★ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★★ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/96分/製作:アメリカ

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
クラシック・アニメーション(2編)
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/103分/製作:アメリカ

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
映画史家J・ベイシンガー音声解説
ミュージカル短編(1編)
クラシック・アニメーション(1編)

DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/104分/製作:アメリカ

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
映画史家J・ウルシーニ音声解説
劇場予告編

DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語・フランス語/字幕:英語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語/地域コード:1/118分/製作:アメリカ

映像特典
スコアリング・セッション
キャスト紹介
劇場予告編
監督:ロイド・ベーコン
製作:ハル・B・ウォリス
脚本:エイベム・フィンケル
    ロバート・ロッセン
撮影:ジョージ・バーンズ
音楽:ハリー・ウォーレン
    アル・ダビン
出演:ベティ・デイヴィス
    ハンフリー・ボガート
    ロラ・レイン
    イサベル・ジェウェル
    エドゥアルド・チアネッリ
    ジェーン・ブライアン
    ロザリンド・マルキス
    アレン・ジェンキンス
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:ウィリアム・ワイラー
原作戯曲:オーウェン・デイヴィス
脚本:クレメンツ・リプリー
    エイベム・フィンケル
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:マックス・スタイナー
出演:ベティ・デイヴィス
    ヘンリー・フォンダ
    マーガレット・リンゼイ
    ドナルド・クリスプ
    フェイ・ベインター
    リチャード・クロムウェル
    ヘンリー・オニール
    スプリング・バイイントン
監督:エドマンド・グールディング
製作:ハル・B・ウォリス
脚本:ケイシー・ロビンソン
原作戯曲:ジョージ・エマーソン・ブリューワー・Jr
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:マックス・スタイナー
出演:ベティ・デイヴィス
    ジョージ・ブレント
    ジェラルディン・フィツジェラルド
    ハンフリー・ボガート
    コーラ・ウィザースプーン
    ロナルド・レーガン
    ヘンリー・トラヴィス
    ドロシー・ピーターソン
    ヴァージニア・ブリサック
監督:アーヴィング・ラッパー
製作:ハル・B・ウォリス
脚本:ケイシー・ロビンソン
原作:オリーヴ・ヒギンズ・プラウティ
撮影:ソル・ポリート
音楽:マックス・スタイナー
出演:ベティ・デイヴィス
    ポール・ヘンリード
    クロード・レインズ
    グラディス・クーパー
    ボニタ・グランヴィル
    イルカ・チェイス
    リー・パトリック
    メアリー・ウィックス
 マフィアのボスに妹を殺された水商売女メアリーの壮絶な復讐劇を描くハード・ボイルド映画の秀作。タフで賢くて正義感溢れるヒロインを演じるベティが最高にカッコいいです。そんな彼女に惹かれる有能な検事役を演じるのがハンフリー・ボガート。マフィアのボス役のチアネッリの極悪非道ぶりも強烈です。そして、メアリーの仕事仲間を演じる女優たちも好演。最後には結束してマフィアに立ち向かう彼女たちの姿は感動もの。中でも、姉御肌のギャビーを演じるロラ・レインは秀逸です。妹のプリシラ・レインの方が有名ですが、いい女優ですね。  MGMの「風と共に去りぬ」に対抗してワーナーが名匠ウィリアム・ワイラーに撮らせた大河ドラマの傑作。綿糸工場の経営を受け継いだ鉄火肌の南部美人ジュリー役はベティにとって最高の当たり役。堅苦しい伝統やしきたりを嫌い、自由奔放に生きようとするジュリーと、そんな彼女に惹かれながらも理解できずに苦しむ好青年プレストン(ヘンリー・フォンダ)の数奇な運命をドラマチックに描いていく。リアリズムに徹したベティの演技力は圧巻そのもの。オスカー受賞も納得。ハリウッドの名だたる名脇役を揃えたキャスティングも重厚です。  ベティが演じるのは血気盛んな上流階級のお嬢様ジュディス。希望に満ち溢れた毎日を送る彼女だったが、不治の病に冒されている事が発覚。その絶望の中から、真実の愛と人生の意味を探っていく力強い人間ドラマ。視力を失ってしまう瞬間の巧みな演技を筆頭に、ベティの天才的な演技力を存分に堪能できる作品です。特に演劇を勉強している人は必見。親友アン役を演じる名女優ジェラルディン・フィツジェラルド(「ポルターガイスト2」のお祖母ちゃん)のしっとりとした演技も良いですね。大仰過ぎない演出も好きです。  ベティ全盛期の作品の中でも、個人的に最も好きな作品です。ベティが演じるのは、厳格な母親の支配下で精神的に抑圧されて育った内気な中年女性シャーロット。彼女を心配する親戚が招いた精神科医の助言で、別人のように美しく着飾って南米旅行に出たシャーロットは、生まれて初めて恋をする。しかし、相手の男性は既婚者。出会いと別れを経験した彼女は女としての自立を強く意識し、母親との決別を心に決める。静かだが力強いベティの演技は、どんな激しい大熱演よりも説得力があり、深い感動を呼びます。傑作。必見です。

MR_SKEFFINGTON.JPG THE_STAR.JPG BABY_JANE.JPG SWEET_CHARLOTTE.JPG

Mr. Skeffington (1944)
愛の終焉

The Star (1952)

What Ever Happened To Baby Jane? (1962)
何がジェーンに起こったか?

Hush...Hush...Sweet Charlotte (1964)
ふるえて眠れ

(P)2005 Warner Bros. (USA) (P)2005 Warner Bros. (USA) (P)2006 Warner Bros. (USA) (P)2005 20th Century Fox (USA)
画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★★ 音質★★★★☆ 画質★★★★★ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語・フランス語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/146分/製作:アメリカ

映像特典
V・シャーマン監督音声解説
メイキング・ドキュメンタリー
劇場予告編
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/90分/製作:アメリカ

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
劇場予告編
DVD仕様(北米盤2枚組)
モノクロ/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語・フランス語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/133分/製作:アメリカ

映像特典
チャールズ・ブッシュ音声解説
ドキュメンタリー集(3編)
舞台裏ドキュメンタリー
アンディ・ウィリアムス・ショー
(B・デイヴィス出演エピソード)
DVD仕様(北米盤)
モノクロ/ワイドスクリーン/モノラル・ステレオ/音声:英語/字幕:英語・スペイン語/地域コード:1/132分/製作:アメリカ

映像特典
映画史家G・エリクソン音声解説
劇場予告編
TVスポット集
監督:ヴィンセント・シャーマン
製作:ジュリアス・J・エプステイン
    フィリップ・G・エプステイン
脚本:ジュリアス・J・エプステイン
    フィリップ・G・エプステイン
原作:エリザベス・フォン・アーニム
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:フランツ・ワックスマン
出演:ベティ・デイヴィス
    クロード・レインズ
    ウォルター・アベル
    リチャード・ウェイリング
    ジョージ・クールーリス
    マージョリー・ジョーダン
    ロバート・シェイン
監督:スチュアート・ヘイスラー
製作:バート・E・フリードロブ
脚本:キャサリン・アルバート
    デイル・ユンソン
撮影:アーネスト・ラズロ
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:ベティ・デイヴィス
    スターリング・ヘイドン
    ナタリー・ウッド
    ワーナー・アンダーソン
    マイナー・ワトソン
    ジューン・トラヴィス
    ポール・フリース
    ロバート・ワーウィック
監督:ロバート・アルドリッチ
製作:ロバート・アルドリッチ
脚本:ルーカス・ヘラー
原作:ヘンリー・ファレル
撮影:アーネスト・ホーラー
出演:フランク・デヴォル
出演:ベティ・デイヴィス
    ジョーン・クロフォード
    アンナ・リー
    ヴィクター・ブオノ
    ウェスリー・アディ
    マージョリー・ベネット
    メイディ・ノーマン
    バート・フリード
監督:ロバート・アルドリッチ
製作:ロバート・アルドリッチ
脚本:ヘンリー・ファレル
    ルーカス・ヘラー
撮影:ジョセフ・E・ビロック
音楽:フランク・デ・ヴォル
出演:ベティ・デイヴィス
    オリヴィア・デ・ハヴィランド
    ジョセフ・コットン
    アグネス・ムーアヘッド
    メアリー・アスター
    ヴィクター・ブオノ
    セシル・ケラウェイ
    ウィリアム・キャンベル
    ブルース・ダーン
 これまた大好きな作品です。ベティが演じるのは自分の美貌にしか興味がない社交界の花形ファニー。殿方に崇拝されることだけが生き甲斐で、寝ても覚めてもヘアスタイルやお肌の手入れ、ダイエットのことばかり。莫大な借金を抱えた弟のために、年配の大富豪スケフィントン氏と結婚する。夫の深い愛情をよそに若さと美貌に執着するファニー。しかし、そんな彼女にも老いの現実は容赦なくのしかかってくる・・・。あまりにも残酷で、感動的で、そしてロマンチックなメロドラマ大作。スケフィントン氏を演じるC・レインズのダンディな紳士ぶりも最高です。  明らかに「イヴの総て」の影響を受けた作品。落ちぶれた往年の映画スター、マーガレット・エリオットの苦悩を描くメロドラマ。映画界への復帰を望むマーガレットだが、往年の大女優のプライドが邪魔をして現実を受け入れることができない。唯一の慰めは別れた夫に育てられている最愛の娘マーガレット。何とか脇役として映画出演が決まったものの、主役を食おうとしてかえって現場スタッフから白い目で見られてしまう始末。そんな彼女が一人の人間として、地に足をつけて生きていくようになるまでを描く人間ドラマ。地味ながらも心に残る小品佳作です。  説明の必要もない問題作、傑作です。往年の子役スターと、往年の映画スターの姉妹。お互いに憎しみを募らせて年老いた2人が、閉ざされた屋敷の中で狂気のドラマを繰り広げるサイコ・ホラー。ベティとジョーンのライバル関係を考えながら見ると、より一層楽しめること請け合いです。緊迫感に満ちたアルドリッチの演出も見事なもの。隣に住む主婦役で、40年代のイギリスのお姫様女優アンナ・リーが顔を出すというオマケも付いてます。この2枚組DVDは昨年アメリカで再リリースされたもの。超高画質な上に、映像特典も満載です。ファン必携!  「何がジェーンに起こったか」に続くアルドリッチ監督の老女残酷物語。ルイジアナ州の古びた豪邸を舞台に、37年前に起きた殺人事件を巡るミステリアスな出来事が描かれていく。事件の犯人とされる老女シャーロットは州から立ち退きを命ぜられている。そんな彼女のもとに従妹のミリアムが手伝いに現れるのだが・・・。当初はジョーン・クロフォードが共演するはずだったのを、ベティが現場から追い出して親友オリヴィアを代役に立たせたという曰くつきの作品。よりホラー色を強めたアルドリッチの演出、往年のスターが揃った豪華なキャスティングと、見どころいっぱいの佳作です。

ANNIVERSARY.JPG WICKED_STEPMOTHER.JPG STARDUST.JPG

The Anniversary (1967)
残酷な記念日

Wicked Stepmother (1988)
おばあちゃんは魔女

Stardust:The Bette Davis Story

(P)2006 Anchor Bay (USA) (P)1989 MGM/UA (USA) (P)2006 Warner Bros. (USA)
画質★★★★★ 音質★★★★☆ 画質−−−−− 音質−−−−− 画質★★★★★ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/モノラル/音声:英語/字幕:なし/地域コード:1/95分/製作:アメリカ

映像特典
R・W・ベイカー監督、脚本J・サングスターらによる音声解説
劇場予告編
TVスポット
ポスター&スチル・ギャラリー
タレント・バイオ集
VHS仕様(北米盤)
カラー/スタンダード・サイズ/ステレオ・サラウンド/音声:英語/90分/製作:アメリカ

DVD仕様(北米盤)
カラー・モノクロ/ワイドスクリーン/ステレオ/音声:英語/字幕:英語・フランス語・スペイン語/地域コード:1/88分/製作:アメリカ

映像特典
なし

監督:ロイ・ワード・ベイカー
製作:ジミー・サングスター
脚本:ジミー・サングスター
撮影:ハリー・ワックスマン
音楽:フィリップ・マーテル
出演:ベティ・デイヴィス
    シーラ・ハンコック
    ジャック・ヘドリー
    クリスチャン・ロバーツ
    ジェームズ・コシンズ
    エレイン・テイラー
監督:ラリー・コーエン
製作:ロバート・リットマン
脚本:ラリー・コーエン
撮影:ブライアン・イングランド
音楽:ロバート・フォーク
出演:ベティ・デイヴィス
    コリーン・キャンプ
    ライオネル・スタンダー
    デヴィッド・ラッシュ
    トム・ボズレー
    バーバラ・カレラ
    リチャード・モル
    セイモア・カッセル
    イヴリン・キース
    ローレン・ランドン
監督:ピーター・ジョーンズ
製作:ピーター・ジョーンズ
脚本:ピーター・ジョーンズ
撮影:マーク・カタレーナ
音楽:アール・ローズ
出演:スーザン・サランドン(ナレーター)
    ジェームズ・ウッズ
    ジーナ・ローランズ
    ヴィンセント・シャーマン
    マイケル・メリル
    マリオン・シェリー
    エレン・バースティン
    ジェーン・フォンダ
    アン・ネルソン
    サミュエル・ゴールドウィン・Jr
 ベティ主演によるブリティッシュ・ホラーの名門ハマー・プロダクションの作品。ホラーというよりはブラック・コメディですね。ベティが演じるのはアイパッチを付けた鬼のような老女タガート夫人。亡き夫との結婚40周年パーティーに集まった3人の息子たち。母親に仕える独身の長男、妻子を伴ってきた次男、そして大学を卒業したばかりの三男。その三男が妊娠中の婚約者を連れてきたことから、サディスティックで支配的なタガート夫人による残酷極まりないパーティが幕を開ける・・・。ほとんど悪ノリといった感じのベティの怪演は強烈だが、後味はあまり良くない作品。

 B級映画の鬼才ラリー・コーエン監督によるホラー・コメディ。これがベティの遺作です。とはいえ、撮影3日目でベティが役を降りてしまったために、バーバラ・カレラがベティ扮する魔女の若返った姿として登場。脚本を全面的に変更しなくてはならなくなってしまい、結果的にやっつけ仕事のような作品に仕上がってしまったとのこと。それにしても、トム・ボスレーを筆頭に、映画マニアなら唸ってしまう豪華キャストが顔を揃えているので、それだけも結構楽しめます。特にバーバラ・カレラ・ファンは必見。意外なところでジョーン・クロフォードも特別出演(?)してます。

 ベティに関するドキュメンタリーは過去に何度も作られているので、特に目新しいような内容の作品ではありません。ただ、撮影当時99歳のヴィンセント・シャーマン監督による赤裸々な回想や故アン・バクスターの珍しいインタビュー映像など、映画ファンなら興味津々の貴重な映像を見ることが出来ます。特に、実の娘B.D.がインタビューを拒む一方で、養子である息子マイケルが愛情たっぷりに母ベティの思い出を語るのが印象的でした。親子の絆ってのは血の繋がりではないんですよね、きっと。

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