Jasmin
究極のスウィート・アイドル・ポップ!

 

JASMIN_1.JPG

 

 2003年の大ヒット“Dolchie Vita”(イタリア語で“甘い生活”)で“ソング・オブ・ザ・イヤー”を受賞し、今やトップ・アイドルとして不動の人気を誇るJasmin(本名Sara Semendueva)。今年のユーロビジョン・ソング・コンテストのロシア代表最有力候補とも言われており、文字通りノリにノリまくっているスーパー・スターである。しかも、私生活ではロシアの大手スーパー・チェーン“エルドラド”の社長夫人という超セレブ。
 社長夫人にしてスーパー・アイドルという、女の子の願望を同時に達成してしまった感のあるJasmin。しかし、それでいて少女のようにナイーブな歌声と、ちょっとシャイではにかんだような笑顔、そして庶民的な親しみやすい個性でロシアでは絶大な人気を誇っている。
 そして、何よりも魅力的なのは、その臆面もないくらいにポップでキュートな、これぞアイドル・ポップの王道!といった感じの楽曲の数々。ノリ的には60年代〜70年代のフレンチ・ポップ、もしくは70年代〜80年代にかけての日本のアイドル・ポップを彷彿させるものがあって、なんだか日本人にとっても懐かしくもあり新鮮でもある。センチメンタルでロマンチック、乙女チックでキャッチー。彼女のようなタイプのアイドル・シンガーは、アメリカやイギリスでは70年代に死滅してしまっているし、日本でも現在はあややくらいのもんで、まさに風前の灯。今やその存在はロシア音楽界独特のものと言っていいかもしれない。

 1977年10月12日、ダゲスタン共和国はデルベルトの生まれ。ダゲスタン共和国は、地理的にいうとロシア連邦の南に位置する小さな国で、カスピ海に面している。かつてはペルシャやアラブに支配されていた国で、国民の大半がイスラム教徒。そう、Jasminはアラブ系なのである。
 父親はバレエの振付師、母親はオーケストラ指揮者という芸術一家に生まれ育つが、両親は音楽に興味のなかった彼女にあえて英才教育を受けさせるような事はしなかった。しかし、ひょんな事からステージの上で歌を歌う機会のあった彼女は、次第に音楽に興味を抱くようになる。そんな彼女に一大決心をさせたのが、母親の突然の死。当時18歳だったJasminは、母の死を機に独り立ちすべくモスクワへ向かう。
 モスクワでモデルの仕事をはじめたJasminは、ファッション・デザイナーであるJean-Claudes Jitroisの目に留まり、彼の経営するサロンのイメージ・キャラクターに選ばれる。これがきっかけで人気モデルとなり、実業家のVyacheslav Semenduevと結婚。そして、その夫の後押しで2000年に歌手デビューをすることとなった。

 大物実業家の夫人にしてアイドル歌手というからには、ゴシップ誌のネタも事欠かない状態だが、彼女自身は“仕事とプライベートは全く無関係。ゴシップ誌の記事は全てデタラメよ。”と一蹴する。実際、確かに彼女の恵まれた環境は出来すぎているようにも感じるが、とにかくその楽曲を聴けば、彼女の人気が金にものを言わせて得たものではない事は一目瞭然。聴く者をとろけさせるような甘くて切ないポップ・ナンバーの数々は、まさに素晴らしいの一言に尽きる。ただ、“Dolchie Vita”で確立したアイドル・ポップ路線をいつまで続けるのか、それに代わる新たなJasminのカラーを確立できるのか、が今後の大きな課題と言えるかもしれない。

JASMIN_2.JPG JASMIN_3.JPG

“Dolchie Vita”のプロモ・クリップ ココ で見れます!(画質悪し)

※以下ディスコグラフィーは、アルバム・タイトルを英語訳で、曲目はロシア語の英語表記で記してあります。

JASMIN1.JPG JASMIN2.JPG GOLOVOLOMKA.JPG DOLCE_VITA.JPG

Jasmin

I Will Rewrite The Love

Puzzle

100% Love

(P)2002 S.T.R. Records (Russia) (P)2001 Ruskii Zvuk/Jasmin (Russia) (P)2002 Jasmin (Russia) (P)2003 Kvadro-Disc/Jasmin(Russia)
1,Dolgie dni
2,Toropishusya slishkom
3,Perepishu lyubovu
4,Leli-leli
5,Letnii denu
6,Ne jdi menya
7,Padal sneg
8,Molodoi mesyats
9,Ne privuikatu
10,Angel
11,Kapriz
12,Padal sneg (Remix)
13,No toluko dlya tebya
14,Dojdu za oknom
15,Tak buivaet
16,Leto na letu
17,Oni ne ya

1,Perepisyu lyubovu
2,Leli-Leli
3,Ne hovori mnye
4,Toropishsya slishkom
5,Leto na letu
6,Oni ne ya
7,Ya bez tebya
8,Istoriya kak u vsej
9,Budem otkrovennui
10,Govorila mama
11,Rojdestvenskaya
12,Belaya metelu
13,Toropishsya slishkom (Remix)
14,Perepisyu lyubovu (Remix)

1,Golovolomka
2,Ne otluskai menya
3,Opozdatu
4,Zalutala
5,Tui daleko
6,Mamino serdtse
7,V etot vecher
8,Ne poluchilosu
9,Ne budu budu
10,Ukradi menya
11,Dva solntsa
12,Samolet
13,Opozdatu (Remix)
14,Tui daleko (Remix)
1,Dolchie Vita
2,Holodno
3,100%
4,Imena na nebesah
5,Shalom
6,Toluko tui
7,Dvajdui
8,V dekabre ne buivaet aplerya
9,Lyubovu
10,Debruie primetui
11,Buivaet tak
12,Mambo
13,I Love You
14,Obruchalunoe kolutso
bonus
video clip "Dolchie vita"
 2000年発売のファースト・アルバム“Dolgie Dni”(長い一日)にセカンド・アルバムからの新曲を加えて再発されたコンピレーション盤。ファースト・アルバムの楽曲にだけ関して言えば、まだ全体的に平凡な作品が多く、どう売り出していくべきかを模索しているような印象を受ける。後の作品のような清々しいまでの潔さが感じられず、アイドル路線でいくべきか、一応本格派を狙ってみるか迷っているような感じで、それが結果的に中途半端な楽曲ばかりを生んでしまっている。  ロシア的なセンチメンタリズムを前面に押し出したロマンティックで切ないポップ・バラードの秀作#4を生み出したセカンド・アルバム。現在のJasminの原点とも言えるアルバムでしょう。ただ、基本的にはAlsouのファースト・アルバムからの影響が濃厚。ロシア音楽界の歴史的な事件とも言えるAlsouの大成功は、後続の女性アーティストにも多大な影響を与えたが、このJasminもその例外ではなかったのだ。その象徴とも言えるのが、先述した#4なのだが。ただ、Alsouの甘くて切ないポップな部分だけを抽出して、独自のカラーに染めていったのがJasminのサウンド。その原石となったのが、このアルバムだ。タイトル曲#1や#6のように軽やかなリズムに切ないメロディを乗せた哀愁系ダンス・ポップや、バロック風の宮廷音楽を思わせるイントロが印象的なポップ・トランス#8、フレンチ・ポップを思わせるような爽やかでキャッチーなミディアム・ポップ#12など、楽曲のレベルも前作に比べて格段にアップしている。  Jasminの快進撃は、このサード・アルバムから始まったと言っていいだろう。70年代のフレンチ・ポップを思わせる爽やかで甘酸っぱい乙女チックなダンス・ポップ#1で幕を開け、都会的でセンチメンタルなメロウ・グルーヴ#2、ドラマチックで切ない王道バラードの秀作#3、かつてのPWLも真っ青の乙女チック炸裂な超ポップでキャッチーで切ないダンス・ポップ#4・・・と、良質のアイドル・ポップを思う存分堪能できる素晴らしい1枚。Kylie Minogueの“Turn It Into Love”やSoniaの“Listen To Your Heart”辺りが大好きな人はツボにはまりまくること間違いなしです。Jasminにとっても、ひとつの転機となったアルバム。前作までは恐る恐るという感じだったバリバリのアイドル路線を全面に押し出した思い切りの良さが結果的に功を奏していると言えるだろう。  これぞ究極のアイドル・ポップ!と言うべき大傑作#1を含む、Jasminの代表作。とにかく、#1の凄まじいばかりのキャッチーさは感動的ですらある。誰もが一度聴いただけで思わず口ずさんでしまうであろう口笛のメロディで始まる、ノスタルジックで切ない胸キュン(死語)ダンス・ポップ。半年くらいは、こればっかり毎日聴いてました。その他、ラテン節炸裂の哀愁系お祭りサンバ・ディスコ#3、これまたノスタルジックで切ないバラード#4、キュートでモンドなオリエンタル風ダンス・ポップ#5、ヨーロッパ映画風の壮大でドラマチックなバラード#6、まるで昭和歌謡ポップスのような泣きのメロディが日本人の琴線に触れまくる#7、フワフワとした浮遊感のあるサウンドに切なくも甘いメロディがドリーミーに絡むバラード#8、これまた昭和歌謡ポップスを彷彿とさせる演歌風の哀愁ポップ#9、超キャッチーでドリーミーな可愛らしいボサ・ポップ#10と、もうこれでもかと言わんばかりに愛らしい楽曲が満載の1枚!

DA.JPG TEBE.JPG

Yes!

It Will Please You

(P)2004 Kvadro-Disc (Russia) (P)2005 Studiya Monolit (Russia)
1,Da!
2,Samui lyubimuii
3,Razgadai lyubovu
4,Kaplya leta
5,Tri slova
6,Vremya lyubvi (Non-stop)
7,Kak vsegda
8,More-More
9,Vkus nochi
10,Ierusalii
11,Tui menya lyubil
12,Nazovet
13,Tak ne doljno buitu
14,Utrennyaya Gimnastika
15,Samyuu lyubimuii (Remix)
16,Holodno (Remix)
bonus
videoclip "Samuii lyubimuii"
videoclip "Da!"
1,Tebe ponravitsya
2,Kak tui mne nujen
3,Indiiskoe disko
4,Tuk-Tuk
5,Na odnom duihanii lyubvi
6,Vozumi ot jizni vse
7,Devochka
8,Kis-Kis
9,Shalom
10,Virtualunuii macho
11,Kuklui
12,Poslednii potselui
13,Naperegonki
14,Davai obuyavim mejdu nami mir
bonus
videoclip "Kak tui mne nujen"
videoclip "Indiiskoe disko"
videoclip "Tebe ponravitsya
 前作が余りにも強烈にキャッチーだったために、少々地味な印象は否めない5枚目のアルバム。壮大なスケールの哀愁ユーロ・ディスコ#1にしても、ちょっとインパクト不足かな・・・という感じ。それでも、ついつい一緒になってメロディを口ずさんでしまいそうな懐メロ風ポップ#3、Gloria Gaynorの“I Will Survive”にインスパイアされたとおぼしき哀愁ユーロ・ディスコ#6、ロシア的なセンチメンタリズムに満ちた哀しきギター・ポップ#7、これぞJasminといった感じの爽やかでノスタルジックでキュートなダンス・ポップ#8、太田裕美の「九月の雨」を彷彿とさせる切ないダンス・ポップ#11など、相変わらずの乙女チックな哀愁アイドル・ポップ路線まっしぐら。日本人にこそ楽しめる1枚かもしれない。  “Dolchie vita”路線の甘く切ない乙女チック・ダンス・ポップ#1で幕を開ける最新作。#3ではシタールまで駆使したボリウッド風のオリエンタル・ディスコ・ポップに挑戦。CGを使いまくったカラフルでキュートなプロモ・ビデオも楽しめる。また、昨年爆発的なヒットとなった切ないバラード#2も素晴らしい出来。今回は、Smash!!のヴラドと共演した#5やロシアのマイケル・ジャクソンと呼ばれたスーパー・スター、フィリップ・キルコロフと共演の#9など、デュエット作品が多いのも特徴だ。ここへきて、アイドル・シンガーから本格的な女性アーティストへの脱皮を試みているようにも思われる。それでも、きっちりとファンの嗜好を大切にしたポップな路線は健在。コサック・ダンス風のキャッチーで可愛らしいダンス・ポップ#8や70年代の青春フォークを思わせるノスタルジックで切ない#14など、ツボを抑えた選曲はさすが。

戻る