インディア India
男ばかりのサルサ界を征した最強のディーバ

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 今や押しも押されぬサルサの女王であり、アメリカのヒスパニック女性の間ではロールモデル的存在として尊敬を集めているディーバである。もともとは、80年代後半のラテン・ヒップ・ホップ/フリースタイル・ブームに乗ってシーンに躍り出た女性歌手だったが、90年代ニューヨークのラテン・コミュニティにおける若い世代のルーツ回帰の気運、そして夫だったリトル・ルイ・ヴェガの影響もあって、いち早くサルサへの転向を図った。
 伝統的にマッチョな男社会であるサルサの世界。50年代からセリア・クルーズが唯一の女王として君臨していたが、女性がキャリアを築くのには相当な根性が必要だと言われている。事実、セリア・クルーズの登場以来、サルサの世界では有力な女性シンガーが殆ど現れなかった。現在でも、インディア以外に目立った活躍をしている女性シンガーは非常に少ない。
 そうしたハードな状況の中で、サルサ界をリードするトップ・スターとなったインディア。彼女自身“男には決して服従しない”と公言しているように、非常にタフで自立心の強い女性だと言われている。故ティト・プエンテやエディ・パルミエリといった大御所とも対等に渡り合い、ストリートで鍛えられてきた屈強なギャングスタたちからも一目置かれる大姐御。80年代以降、すっかり時代から取り残されてしまったサルサを見事に再生させた功績は非常に大きい。

 1969年(1970年説あり)、プエルトリコのリオピエドラスに生まれたインディア。本名をリンダ・ベル・カバレーロ(Linda Belle Caballero)という。幼い頃から美少女と評判の高かった彼女は、伝説的なインディアンの酋長の娘ポカホンタスをイメージして“インディア”と呼ばれていた。幼くして家族と共にニューヨークへ移住した彼女は、ブロンクスのスパニッシュ・ハーレムで育った。貧困と犯罪の渦巻く過酷な街で育った彼女に強い影響を与えたのは祖母だったという。祖母は彼女に、自立心を持つこと、自由に生きることの大切さを教えてくれた。インディアのトーレドマークと言えば口にくわえた葉巻だが、これも祖母の影響らしい。
 また、彼女が育った70年代はファニア・サウンドに代表されるニューヨーク・サルサの全盛期で、彼女自身サルサを子守唄にして育ったという。しかし、80年代に入るとサルサは急速に活気を失ってしまい、完全に時代遅れの音楽となってしまう。
 ハイスクール時代に同世代のリトル・ルイ・ヴェガと知り合ったインディアは、彼を通じて音楽業界に関わるようになる。フリースタイル系グループ、TKAのメンバーとして16歳でデビューしたインディアだったが、ほどなくしてグループを脱退。マドンナのプロデューサーとして名を馳せたジェリービーンのバックアップを得て、88年にシングル“Dancing On The Fire”でソロ・デビューを果たした。その後、ジェリービーンのシングル“Mirage”でボーカルを担当し、90年にリリースしたシングル“Right From The Start”がダンス・チャートで大ヒットして、一躍フリースタイル系の女性シンガーとして注目されるようになった。同年、アルバム“Breaking Night”もリリース。
 一方、89年に結婚した夫リトル・ルイ・ヴェガは、盟友マーク・アンソニーと共にリリースしたシングル“Ride On The Rhythm”を皮切りに、ラテン音楽とハウス、ヒップ・ホップの融合を図るようになる。それは、やはり友人だったDJのケニー・“ドープ”・ゴンザレスと結成したプロジェクト“Masters At Work”でさらに顕著になった。さらに、マーク・アンソニーがサルサ歌手に転向。こうした周囲の音楽的変化に影響されたインディアは、少女時代に夢中になったサルサへの原点回帰を意識するようになる。
 そんな折、リトル・ルイ・ヴェガのレコーディング・スタジオを訪れたラテン音楽の大御所ピアニスト、エディ・パルミエリがインディアの歌声を聴いて共演を申し出る。その結果生まれたのが、インディアにとって記念すべき初のサルサ・アルバムである“Llego La India(インディアがやって来る)”だった。パルミエリとのコラボ・アルバムとしてリリースされた作品だったが、これが批評家を中心に高い評価を得たのだった。
 デビュー当初は体が細かった事もあって、いくらシャウトしてみても明らかに声量にパワーが足りなかったインディアだが、この頃から次第に声も体格もずっしりと貫禄が付いてきた。

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デビュー当時のインディア

 こうして新世代のサルサ・アーティストとして活躍するようになったインディア。97年にリリースしたサード・アルバム“Sobre El Fuego”に収録された“La Voz De La Experiencia”では女王セリア・クルーズとのデュエットを実現。さらに、翌年のグラミー賞にもノミネートされ、名実共にセリアの後を継ぐ存在として認められることとなった。
 一方で96年に離婚したリトル・ルイ・ヴェガとのプロジェクトにも積極的に参加し、Nuyorican Soul名義でリリースしたガラージ・ハウスの傑作“Runaway”(往年のサルソウル・ヒットのカバー)でもリード・ボーカルを担当。ここ日本でもクラブを中心に爆発的な大ヒットとなった。
 この頃から、彼女やマーク・アンソニーのサルサ界での成功に影響を受けて、ブレンダ・K・スターやサファイア、ジョージ・ラモンド、クリッシー・アイシーらフリースタイル系のアーティストが続々とサルサへの転身を図ったが、結局目立った成功を収めたのはブレンダ・K・スターのみ。
 また、リッキー・マーティンの大成功の余波を受けてクラブ・シーンを中心に、ラテンのルーツ・ミュージックを積極的に取り入れたラテン・ハウスが一世を風靡し、グロリア・エステファンまでが原点回帰をするほどのブームとなったが、インディアはそれらを尻目にあくまでも自分のスタイルを貫き続けた。
 ここ数年は、アルバムでは正統派のサルサを、シングルではクラブ・ミュージック的アプローチをといった感じでマーケットに応じて使い分けをしているが、最新アルバム“Soy Diferente”では旬のレゲトンを大胆に導入。セリア・クルーズ亡き後のサルサ界を牽引すべく、女王の座に甘んじないチャレンジ精神を発揮している。

“Ese Hombre”のプロモ・クリップ ココ で見れます!

“Mi Mayor Veganza”のプロモ・クリップ ココ で見れます!

“Soy Diferente”のプロモ・クリップ ココ で見れます!

DANCING_ON_FIRE.JPG RIGHT_FROM.JPG BREAKING_NIGHT.JPG LOVER_WHO.JPG

Dancing On The Fire (1988)

Right From The Start (1989)

Breaking Night (1990)

The Lover Who Rocks You (All Night) (1990)

(P)1988 Warner Bros. (USA) (P)1989 Warner Bros, (USA) (P)1990 Reprise Records (USA) (P)1990 Reprise Records (USA)
Side One
1,Extended Dance Mix 7:20
2,Bailando En El Fuego (Spanish Mix) 4:38
Side Two
1,Heartthrob Mix 4:50
2,Fun House Mix 4:43
3,A Cappella 2:56

produced & arranged by Jellybean
remixed by "Little" Louie Vega
1,Kickin' It Mix 7:15
2,Kickin' It Dub 6:39
3,Kickin' It 7" Edit 3:56
4,Fly Mix 7:50 *
5,B Room D ub 6:07 *
6,Fly 7" Edit 4:25 *

produced by Mantronik
* remixed by David Morales
1,Right From The Start 4:33
2,Dancing On The Fire 4:50
3,Breaking Night 5:40
4,The Lover Who Rocks You (All Night) 5:53
5,Steppin' Out 4:46
6,I've Got A Plan 4:31
7,When You Were Mine 5:11
8,You Should Be Loving Me 4:51
9,Send Yourself To Me 5:37
10,I'm Through With Love 4:34
11,Dancing On The Fire (Extended Dance Mix)7:22
12,Right From The Start (Fly Mix) 7:50

produced by Jellybean, Mantronik, "Little" Louie Vega, Paul Robb, Winston Jones & David Shaw
1,Single Version Without Rap 3:56
2,Single Version With Rap 4:27
3,Little Louie Single Mix 4:29 *
4,Rock U Right Mix 7:25
5,Little Louie Rocks Mix 7:40 *
6,Steppin' Out 4:50

produced by Winston Jones & David Shaw
* remixed by "Little" Louie Vega
 情熱的でパワフルなニューヨーク系フリースタイルの佳作。インディアの絶叫系ボーカルも冴えまくりで、かなりテンションの上がる1曲。程よいラテン風味がいかにもジェリービーンらしい仕上がりだが、リトル・ルイ・ヴェガのリミックスは無難な出来栄え。もうちょっと遊んでも良かったような気がしますね。  フリースタイル時代のインディアの最高傑作と言っても間違いない、超キャッチーでダンサンブルな哀愁系ラテン・ダンス・ポップ・ナンバー。シンセ・リフなんて一発で覚えてしまうくらいキャッチーです。ただ、デヴィッド・モラレスによるハウス・ミックスはあまり相性が良いとは言えず、原曲の良さを生かしきれてません。当時ならトニー・ハンフリーズ辺りがやった方がいい感じのミーハー・ハウスに仕上がったかも。  記念すべきインディアのファースト・アルバム。当時のヒット・メーカー陣をプロデューサーに迎えた良質なフリースタイル・アルバムに仕上がってます。アルバム・トラックも非常に丁寧に作られていて、派手さには欠けるものの、フリースタイルらしい哀愁感溢れるキャッチーなメロディが存分に楽しめます。ダンス系のアーティストにありがちな手抜きが一切ないのは立派。80〜90年代のダンス・ポップ・ファンにオススメです。  当時パジャマ・パーティー等のプロデュースで活躍していたウィンストン・ジョーンズとデヴィッド・ショウの手掛けた、パワフルで疾走感溢れるポップ・ハウスの佳作。当時既にフリースタイルは全盛期を過ぎつつあり、シングルとしては賢い選曲。ダンナだったリトル・ルイ・ヴェガによるリミックスもツボを心得た華やかな仕上がりで、隠れた名曲と言えますね。インディアのボーカルもハイ・テンションでパワフルそのもの。

LLEGO_LA_INDIA.JPG DICEN_QUE_SOY.JPG RUNAWAY.JPG SOBRE_EL_FUEGO.JPG

Llego La India (1992)

Dicen Que Soy (1995)

Runaway (1997)

Sobre El Fuego (1997)

(P)1992 RMM Records (USA) (P)1995 RMM Records (USA) (P)1997 GRP Records (USA) (P)1997 RMM Records (USA)
1,Vivir Sin Ti 5:02
2,Llego La India 6:30
3,Soledad 4:35
4,Mi Primera Rumba 5:38
5,Yemaya Y Ochun (Prelude)
6,Yemaya Y Ochun 5:42
7,Merengue Internacional 5:48
8,Solitude 4:35
9,I Wanna Dance 4:30
10,Soledad/ Bi-Lingual Version 6:19

produced by Eddie Palmieri
co-producer Little Louie Vega
1,Nunca Voy A Olvidarte 4:57
2,Que Banas De No Verte Mas 4:49
3,Ese Hombre 4:40
4,Dicen Que Soy 4:41
5,O Ella O Yo 4:47
6,Dejate Amar 5:04
7,I Just Want To Hang Around You 5:01
8,No Me Conviene 4:47
9,Vivir Lo Nuestro 6:06

produced by Sergio George
1,Radio Edit 4:19
2,Original Flava 12" 12:30
3,Mongoloids In Space 11:35
4,Mousse T's Jazz Funk Experience 8:19
5,Radio Edit with Spanish 4:18
6,Spanish Underground Mix 7:50

produced by "Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalez
#3 remixed by Armand Van Helden
#4 remixed by Mousse T.
1,Me Canse De Ser La Otra 5:50
2,Costumbres 5:43
3,Burlada Inocencia 4:40
4,No Me Lo Confiesas 4:40
5,Si Tu Eres Mi Hombre 5:28
6,Mi Mayor Venganza
7,Sobre El Fuego 5:15
8,Te Dare Dulzura5:32
9,La Voz De La Experiencia 5:24
  (Duet with Celia Cruz)
10,Si Estuvieras Aqui 6:00
11,Hazme El Amor 4:44
 (Duet with Oscar D'Leon)

produced by Isidro Infante
 ラテン音楽界の大御所ピアニスト、エディ・パルミエリとの共演によるインディア初のサルサ・アルバム。全体的にオーケストラを従えたオールド・スタイルの正統派サルサ路線だが、パワフルでセクシーな気迫溢れるインディアのボーカルは秀逸。#4なんか仰け反りそうになるくらいに濃厚でエロティック。既にディーバの貫禄を十二分に感じさせてくれています。個人的にも大好きな一枚。  90年代のサルサ界を代表するクリエイター、セルジオ・ジョージがプロデュースを手掛けたストリート感覚溢れる新世代のサルサ・サウンドを展開するセカンド・アルバム。歌謡サルサの伝統を踏襲したメロディアスで美しい楽曲とキレの良い新鮮なサルサ・サウンドが見事に溶け合った作品で、この中から#1、#2、#3がシングルとしてヒット。アルバム自体もビルボードのラテン・アルバム・チャートで4位を獲得してます。ちなみに、#5はマリア・コンチータ・アロンソの名曲のカバー。  泣く子も黙る超メガ・ヒット・ナンバー。ビルボードのクラブ・チャートで1位を記録した他、日本でもあちこちのクラブでヘヴィー・ローテーションとなった大傑作ですね。もともとはサルソウル・オーケストラによる70年代のディスコ・ヒット。原曲の良さを最大限に生かしたキャッチーでソウルフルなガラージ・ハウスに仕上がっています。ギター・リフなんか最高にカッコいいですねー。Mousse T.らしいファンキーでクレイジーなフィルター・ハウスに仕上がった#4やトライバルでスペイシーな#6もオススメ。  よりロマンティックでダンサンブルな歌謡サルサを聴かせてくれる珠玉の1枚。ビルボードのラテン・アルバム・チャートで4位を記録。全体的にカバー作品が多いのも特徴。ラテン・シングル・チャートで8位になった#2はロシオ・ドゥルカル、#5はジェニファー・ラッシュの「パワー・オブ・ラブ」、#7はチャカ・カーンの「スルー・ザ・ファイア」、#8もアンジェラ・ボフィルのカバーです。全体的にエレガントでメロディアス、ドラマティックで力強い作品が多く、特に女性のリスナーにオススメしたい仕上がりです。

SOLA.JPG SEDUCE_ME.JPG SONG_BIRD.JPG SOY_DIFERENTE.JPG

Sola (2000)

Seduce Me Now (2002)

Latin Song Bird (2002)

Soy Diferente (2006)

(P)2000 RMM Records (USA) (P)2002 Sony/Jellybean (USA) (P)2002 Sony Discos (USA) (P)2006 Univision Records (USA)
1,Salsa Version 5:17
2,Ballad Version 4:58
3,2000 Dance Mix 6:26 *
4,Extended Salsa Mix 5:50 *

Ballad Version produced by KC Porter
Salsa Version produced by Isidro Infante & India
* remixed by Sean James & SF Groove
1,Georgie's Tribal Mix 6:16
2,Teri & Todd's Seduce The Bass Mix 6:20
3,Terry's Club Mix 7:15
4,Tony's Dark Dub 7:32
5,DJ Fluid's Seduction Mix 3:35
6,DJ Magnum Remix 3:42
7,Obadam Remix 4:09
8,Mr. Mig Remix 3:23

produced by KC Porter
#1 remixed by Georgie Porgie
#2 remixed by Teri Bristol & Todd Minor
#3 remixed by Terry Hunter
#4 remixed by Tony Cano
#5 remixed by DJ Fluid
#6 remixed by DJ Magnum
#7 remixed by Oba"Frank"Lords & Albert Camara
#8 remixed by Steve"Mr. Mig"Migliore
1,Seduceme (Tropical) 5:18
2,Tracion (Tropical) 4:42
3,El Anillo 4:05
4,El Hombre Perfecto (Balada) 4:21
5,Soy Mujer 4:50
6,La Gran Tirana 2:57
7,Que Me Importa 4:50
8,Seduceme (Pop/Balada) 4:23
9,Ensename A Olvidar 3:51
10,El Hombre Perfecto (Merengue) 4:13
11,Razones Tengo 4:49
12,Confiando En Ti 3:46
13,Tracion (Pop/Balada) 3:18
14,Navidad Sin Verte 2:26

producers ; Iisidro Infante, India, Jose Gazmey, Emilio Estefan Jr., Ricardo y Alberto Gaitan, KC Porter, Randall M. Barlow, Tony Mardini
1,Soy Diferente (Salsation)
2,Solamente Una Noche (Salsa)
3,Un Amor Obsesivo
4,Cuando Hieres A Una Mujer
5,No Es Lo Mismo
6,Lagrimas
7,Tengo Que Dejarte Ir
8,Soy Diferente (Reggaeton)
9,Madre E Hija aka Madre
10,Solamente Una Noche (Reggaeton)
11,Bugarron

produced by Sergio George, Isidro Infante, Emilio Estefan, Rafael Pina
 これまた切なくて爽やか、限りなく美しい乙女チックなサルサ・ナンバー。インディアのボーカルもパワフルでありながら、非常に叙情的でフェミニンな雰囲気を表現しています。#2のバラード・バージョンなんて殆どヨーロピアン・ポップスみたいな印象。ただ、アンダーグランドなトライバル・ハウスに仕上げた#3、エレクトリックでコアなサルサに仕上げた#4はどちらも原曲の繊細な美しさを台無しにしてしまってます。リミックスするならポップなユーロ・ハウス路線が正解だったかも。  ラテン・シングル・チャートで1位を記録した大ヒット・ナンバー“Seduceme”の英語バージョン。こちらはビルボードのクラブ・チャートで最高2位をマークしました。合計で8バージョンものリミックスを収録している豪華版。#1〜#4まではいずれも手堅い仕上がりのディープ・ハウス。で、#5がハードなトランス、#6もアゲアゲなユーロ・ハウス、#8ではコアなフリースタイルにまで挑戦しているものの、いずれも原曲の良さを生かすには至らず。何となくチープさが漂うのも残念だったりします。  サルサのみならず、ボレロやメレンゲにも挑戦した意欲作で、“ラテンの歌姫”というタイトルにも示されているように幅広い意味でのラテン音楽を背負って立つインディアの決意のようなものを感じさせる1枚。トラディショナルなラテン音楽と“今”の音が程よくミックスされてます。ラテン・チャートで1位に輝いた#1と#8のバージョン違いを聴き比べると、伝統とトレンドの混在するラテン音楽の今がよく分かりますね。アルバムそのものもビルボードのラテン・チャートで7位を記録してます。  今が旬のレゲトンを大胆に取り入れたインディアの最新作。サルサトンと名づけたヒップ・ホップ・ミーツ・サルサな#1からダントツにクールでカッコいいですね〜。キャッチーで哀愁感炸裂のメロディも最高です。貫禄たっぷりの豪快なインディアのボーカルもまさに円熟の一言。ラテン・アルバム・チャートでは11位止まりでしたが、個人的にはここ数年のラテン・アルバムの中でも5本の指に入るイチオシ作品です。また、プロデュースに懐かしいセルジオ・ジョージが復活しているのにも注目です。

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Solamente Una Noche (2006)

(P)2006 Univision Records (USA)
1,Original Tropical Version 4:15
2,Reggaeton Remix 3:37
3,Rosabel's Dance Remix Radio Edit-Spanish 4:00
4,Rosabel's Dance Remix Radio Edit-English 4:00
5,Rosabel's Dance Remix-Spanish 8:28
6,Rosabel's Dance Remix-English 8:28
7,Da Freek's "Just For One Night" Dub 7:02

produced by Isidro Infante
#3-#6 remixed by Ralphi Rosario & Abel Aguilera
#7 remixed by Al Camara & Mike Mucci
 エレガントでゴージャス、ため息が出るほどに美しくてスケールの大きな哀愁系ラテン・ナンバーの傑作。正統派サルサに仕上げた#1、ドラマチックでグルーヴィーなレゲトンに仕上げた#2共に素晴らしい出来栄えです。そして、よくぞやってくれました!と言わんばかりのキャッチーでポップでアゲアゲなユーロ・ラテン・ハウスに仕上げたRosabelのクラブ・リミックスも最高。原曲の魅力を十分に理解した職人技ですね。ビルボードのクラブ・チャートでも5位を記録。ただ、DJプロモのみのリリースというのは理解できません。

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