ギョクハン・オゼン Gökhan Özen
トルコ音楽界の男性スーパー・アイドル

 

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 トルコの男性トップ・スターといえば、国際的にも知名度の高いタルカンとムスタファ・サンダルが有名。で、その二人に匹敵するほどの人気を誇っているのが、このギョクハン・オゼンである。今年で29歳。タルカンやムスタファ・サンダルよりも一世代若い。これまでのトルコの男性スターといえば、セックス・アピールが強くてちょっと濃いめのイケメンというイメージが強かったが、ベビー・フェイスで端正な顔立ちのギョクハンは全く違ったタイプのアイドル・スターで、特に若い女の子たちに絶大な人気を誇っている。
 さらに、ルックスがイケてるだけではないのがギョクハンの強みと言えるかもしれない。幼少時代から正式な音楽のトレーニングを受けていて、作詞・作曲・プロデュースまで独りでこなしてしまうマルチなアーティストでもある。もちろん古典的なトルコ音楽の教養もあり、伝統とトレンドを巧みに融合させたクオリティの高いポップ・センスは、先輩のタルカンを彷彿とさせるものがある。

 1979年11月29日、ギョクハンはトルコのアンカラに生まれた。7歳の頃からアンカラ市立オペラ&バレエ学校で声楽を学び、児童合唱団にも属していたという。さらにクラシック・ギターとキーボードのレッスンも受け、高校卒業と同時にイスタンブールに移った。大学で経済と経営を学ぶ傍ら、地元のラジオでDJをするようになったギョクハン。彼の担当するトーク番組は、FMの年間ベスト・プログラムに選ばれるほど人気があったという。
 その知名度を買われて、99年にファースト・アルバム“Ozelsin”で歌手デビューを果たす。2001年に発売されたセカンド・アルバム“Duman Golzum”がヒット・チャートでナンバー・ワンを獲得し、シングル“Aramazsan Arama”も大ヒット。翌年のクラルTVビデオ賞では最優秀作曲賞を受賞した。
 さらに、2003年にリリースされたサード・アルバム“Civciv”がプラチナ・ディスクを獲得するほどのメガ・ヒットを記録し、名実共にトルコを代表するトップ・スターの仲間入りを果たす。以来、出すアルバムが全てヒット・チャートのトップ10入りを果たしており、トルコ国内では“タルカンの最大のライバル”とさえ言われている。
 2006年には俳優としてテレビのミニ・シリーズに出演して話題になった。とはいえ、本人にとって俳優業はあくまでも片手間だという。昨年は2年ぶりのアルバム“Resimler & Hayaller”がチャートで1位を獲得し、本業での健在ぶりを示している。

 

DUMAN_GOZLUM.JPG CIVCIV.JPG ASLINDA.JPG

Duman Gozlum (2001)

Civciv (2003)

Aslinda... (2004)

(P)2001 Universal Muzik (Turkey) (P)2003 DMD (Turkey) (P)2004 DMD (Turkey)
1,Aramazsan Arama ビデオ
2,Feda Olsun
3,Duman Guzlum
4,Tabir-i Caize
5,Sonlardayim
6,Kopru
7,Gonlumun Sahilinde
8,Don Carem ビデオ
9,Ayaz
10,Ezberimsin

direction by Gokhan Ozen
1,Civciv ビデオ
2,Beni De Gor Yarabbim
3,Can Yoldasim
4,Yemezler
5,Masum Kedi
6,Hatirla
7,Herseyde Biraz Sen Varsin ビデオ
8,Citirim
9,Bir Veda Hikayesi
10,Amaan! Bosver
11,Donemem
12,Odedim
13,Yemezler (Remix)

produced by Gohkan Ozen
1,Oyle Buyu Ki Kalibimde ビデオ
2,Yasin Tutmaz ビデオ
3,Sana Yine Muhtacim
4,Kader Utasin ビデオ
5,Aslinda
6,Birtanesi Sin... ビデオ
7,Yavas Ol Yavas
8,Dayanamam ビデオ
9,Sahillere
10,Mazim Degil
11,Yavas Ol Yavas (Remix)

produced by Gokhan Ozen
 彼がブレイクするきっかけとなったセカンド・アルバム。全曲を自ら作曲し、大半の作詞も手掛けています。いわゆる汎地中海系のワールド・ビート路線。エキゾチックで哀愁溢れるダンス・ポップが満載です。大ヒットしたシングル#1もカッコいいですが、ブズーキの哀しげなメロディが美しいミディアム・ナンバー#2が個人的にはお気に入り。アラベスク調の哀愁バラード#5もジンワリと来ますね。よく出来たアルバムです。  そして、こちらがメガ・ヒットを記録したサード・アルバムです。やはり自ら作詞・作曲・プロデュースを手掛けており、タルカンを彷彿とさせるポップなオリエンタル・ビートを聴かせてくれます。#1や#5なんか、かなりタルカンっぽい雰囲気。それが良いか悪いかは別として、いずれもヒット・ポテンシャルの高い楽曲ばかりで構成されています。個人的にはフラメンコ風の哀愁系オリエンタル・ハウス#9が好きです。  とにかくポップスとしての完成度が非常に高いアルバムですね。メロディ・メーカーとして脂が乗ってきたという印象です。前作まではタルカンのパクリ的なイメージが無くもなかったのですが、本作はオリジナリティという点でもポイントが高い作品。ダンス路線もより一層明確に打ち出されていて、最後まで全く飽きずに聴ける充実した作品だと思います。

KALBIM_SENINLE.JPG RESIMLER_HAYALLER.JPG

Kalbim Seninle (2005)

Resimler & Hayaller (2007)

(P)2005 DMD (Turkey) (P)2007 DMD (Turkey)
1,Benim Icin N'apardin ビデオ
2,Kambim Seninle ビデオ
3,One More Time ビデオ
4,Kader Utansin (Club Mix)
5,Kalbim Seninle (Acoustic Version)
6,Benim Icin N'apardin (Nazan Oncel Version) #

produced by Gokhan Ozen
# produced by Nazan Oncel
1,Aglamak Sirayla ビデオ
2,Tovbeliyim ビデオ
3,Seni Ozledim
4,Resimler & Hayaller
5,Buraya Kadar
6,Inkar Etme
7,Kalsin ビデオ
8,Ikimizde Kaybettik
9,Tovbeliyim (R&B)
10,Tadi Yok
11,Yalan Dunya
12,Seni Ozledim (Trio)
13,Aslinda U
14,Ikimizde Kaybettik (Akustik)
15,Inkar Etme (Akustik)

produced by Gokhan Ozen
 どちらかというと企画盤的な内容のミニ・アルバム。ただ、楽曲は前作に負けず劣らずの充実振りです。しかも、本作は珍しく他人の楽曲を幾つか歌っているんですよね。中でも目玉は大ベテラン、ナザン・オンジェルが作詞・作曲を手掛けた#1と#6。素晴らしくキャッチーなオリエンタル・ビートに仕上がっています。また、#3では英語詞にもチャレンジ。発音はとても流暢で、全く違和感ありません。  本当に久しぶりとなった最新フル・アルバム。今回は作詞・作曲・プロデュースだけでなく、アレンジも自ら手掛けています。まずメロディ・メーカーとしての成長ぶりに驚かされます。特にバラードやミディアムで聴かせるノスタルジックで繊細なメロディの美しさは絶品。もちろん、ダンス・ナンバーも素晴らしい出来映えだし、ボーカリストとしてもスケールが大きくなりましたね。彼の代表作と言うべき1枚です。オススメ。

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