フランコ・ミカリッツィ Franco Micalizzi

 

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 90年代以降のクラブ・シーンを中心としたイタリア映画音楽人気によって再評価されるようになった作曲家は少なくないが、中でも特にその恩恵を受けているのがこのフランコ・ミカリッツィかもしれない。
 コメディ・ウェスタンの先駆けとなった『風来坊/花と夕日とライフルと・・・』(70)のテーマ曲が当時ヨーロッパで大ヒットしたミカリッツィだが、そのフィルモグラフィーの殆んどがB級映画だったために一時は半ば忘れられた存在だった。
 しかし、ジャズ・ファンクをベースにした『デアボリカ』(74)のグルーヴィなスコアがクラブDJによって発掘され、7年ほど前に日本で初めてCD化されて話題になる。さらに、一昨年辺りから続々と過去の作品がCD復刻されるようになり、改めて脚光を浴びるようになったという次第だ。
 モリコーネやピッチョーニ、トロヴァヨーリに多大な影響を受けたというミカリッツィ。偉大な先輩たちに比べるとコンポーザーとしての決定的なトレードマークに欠けるきらいはあるものの、ジャズやクラシックをベースにした変化自在のイージー・リスニング的サウンドはまさに職人技だ。モリコーネやピッチョーニのごとくクールに決めたかと思えば、時にはチプリアーニのごとくメロウ&スウィートに、また時にはトロヴァヨーリのごとくスインギー&グルーヴィに。B級映画のスコアでありながら、決してB級感を漂わせないクオリティの高さがミカリッツィ作品の身上と言えるだろう。

 1939年12月21日、ローマの生まれ。物心ついた頃から大の映画ファンで、自然に映画音楽の道をを志すようになったという。処女作は友人の作曲家ロベルト・プレガディオと組んだマカロニ・ウェスタン『アヴェ・マリアのガンマン』(69)。その翌年に手掛けた『風来坊/花と夕日とライフルと・・・』のポップでハート・ウォーミングなテーマ曲がシングル盤として大ヒットし、一躍その名を知られるようになった。
 実はこの作品、数々の有名作曲家から断られた末に、当時まだ駆け出しだったミカリッツィのもとへ舞い込んだ仕事だったという。というのも、コメディ・タッチのマカロニ・ウェスタンという発想がまだ一般的ではなく、企画そのものに懐疑的な人が多かったのだそうだ。結果的に本編もスコアもヨーロッパでは大変なヒットを記録し、たちまちコメディ・ウェスタンのブームが到来することとなる。
 この成功をきっかけに売れっ子作曲家となったミカリッツィ。先述した『デアボリカ』を筆頭に、日本でも話題となったお涙頂戴のメロドラマ『メリーゴーランド』(74)やアニー・ベル主演のソフト・ポルノ『卒業生』(76)、マウリツィオ・メルリ主演のポリス・アクション『特攻警察』(76)など数多くのB級娯楽映画を手掛けるようになった。
 中でも、“Il giustiziere sfida la citta”(75)に始まるウンベルト・レンツィ監督とのコラボレーションは有名で、『ナポリ犯罪ルート』(76)や『ザ・ビッグ・バトル』(78)、『シシリアン・ボス』(79)、『ブラック・デモンズ』(91)など計11本の作品でコンビを組んでいる。

 90年代半ばからは自ら率いるジャズ・バンド“Big Bubbling Band”の演奏活動に比重を置くようになり、映画の仕事はすっかりご無沙汰だった。しかし、セイジ・スタローン(シルヴェスター・スタローンの息子)が監督・製作を手掛けて高く評価された短編ノワール“Vic”(06)で、久々に映画スコアの仕事へ復帰。また、07年には『特攻警察』のスコアが、タランティーノ監督の『デス・プルーフinグラインドハウス』(07)に使用されて話題になっている。
 その一方、バンド活動も精力的に続けており、06年には自らの映画スコアをジャズ・リメイクしたアルバム“Cinema A Mano Armata”をリリースした。ちなみに、息子のアレッサンドロとクリスティアーノの二人も、ミュージシャンとして彼のバンドに参加している。

 

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TRIPLE_SOUNDTRACKS.JPG

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Sei iellato, amico hai incontrato Sacramento (1972) / I due volti della paura (1972)

幸せの咲く樹/メリーゴーランド/星空の神話
L'ultima neve di primavera (1973)
L'albero dalle foglie rosa (1974)
Bianchi cavalli d'agosto (1975)

アマゾネス対ドラゴン/
世紀の激突
Superuomini Superdonne Superbotte (1974)

(P)2007 Digitmovies (Italy) Limited Edition (P)2009 Digitmovies (Italy) Limited Edition (P)Fin de Siecie Media (Sweden)
Sei iellato, amico hai incontrato Sacramento
1,Sacramento Tビデオ
2,Il cielo negli occhi
3,Senza paura
4,Masticando tabacco
5,Sacramento U
6,Mexico
7,Immaginazione
8,Salvezza
9,Jesus We Love You
10,Colline verdi
11,Do You Remember The Moon?
12,Hernandez
13,Senza via d'uscita
14,Il cielo negli occhi U
15,Sacramento V
I due volti della paura
16,Sospetto (Titoli di testa) ビデオ
17,Al campo di golf (Il lato romantico)
18,Con la mente a dio
19,Gimkana
20,Al campo di golf (Versione Beat)
21,Una corsa verso la verita
22,Sospetto (Il lato romantico)
23,Ansia disoerata
24,Il lato romantico
25,Tensione Sommessa
26,Beat For Two
27,Sospetto
28,Pedinamento
Disc 1
L'ultima neve di primavera
1,L'ultima neve di primavera ビデオ
2,Una stagione breve
3,Le luce del Luna Park
4,L'ultima neve di primavera (#2)
5,Agostina ビデオ
6,Mai piu insieme
7,L'ultima neve
8,L'ultima neve di primavera (#3)
9,Crianca
10,Una stagione breve (#2)
11,Agostina/Crianca
12,Vodka per due
13,L'ultima neve (finale)
14,L'ultima neve di primavera (#4)
15,Crianca (#2)
16,Agostina (#2)
17,L'ultima neve di primavera (#5)
18,Mai piu insieme (#2)
19,Agostina (#3)
20,Una stagione breve (#3)
21,L'ultima neve di primavera (#6)
22,Crianca (#3)
23,L'ultima neve di primavera (#7)
L'albero dalle foglie rosa
24,L'albero dalle foglie rosa ビデオ
25,Occhi blu No1
26,Favola
27,Background
28,Pensieri
L'albero dalle foglie rossa
1,Di sera
2,Una favola/L'albero dalle foglia rosa
3,Occhi blu No2
4,Giallo Rosa
5,L'albero dalle foglie rosa (sequenza finale)
Bianchi cavalli d'agosto
6,Bianchi cavalli d'agosto
7,Tempo d'estate
8,Lea
9,Storie di mare
10,On The Sea
11,Bianchi cavalli d'estate/Tempo d'estate
12,Tempo d'estate (Vocal)
13,In ansia per bunny
14,Un paese, il sole, un'osteria
15,Bianche cavalli d'agosto/storie di mare
16,Riflessioni di Lea
17,Come un sonno
18,Storie di mare (#2)
19,Tempo d'estate (#2)
20,Come un sonno (#2)
21,Lea (#2)
22,Bianchi cavalli d'agosto (Disco)
23,Bianchi cavalli d'agosto (Suite)
24,Storie di mare (#3)
1,Track #27 ビデオ
2,Track #01
3,Track #05
4,Track #09
5,Track #18
6,Track #10
7,Track #11
8,Track #14
9,Track #21
10,Track #20
11,Track #22 ビデオ
12,Track #26
13,Track #33
14,Track #41
15,Track #28
16,Track #42
17,Track #50
18,Track #52
19,Track #54
20,Track #19/31/17/29/15
21,Track #06/53/55/56
22,Track #07/08/04
23,Track #12/13
24,Track 30/32/16
25,Track #24/23/25
26,Track #34/35
27,Track #36-40
28,Track #51/02/03
29,Titoli
30,You Can Be Like A Thunderbolt
 ジョルジョ・クリスタリーニ監督タイ・ハーディン主演のマカロニ・ウェスタンと、トゥリオ・デミケッリ監督ジョージ・ヒルトン主演のジャッロをカップリングした1枚。1作目は西部劇のサントラと思えないほどポップでグルーヴィ。随所にゴスペルやメキシカンの要素を盛り込みながら、モダンなラウンジ・スタイルで統一されています。西部劇スコアが苦手という人にもおススメできる、かなりの拾い物。一方の2作目もモリコーネを彷彿とさせるジャッロ・スコアで、程よいメロウ具合のさじ加減が絶妙。エッダのスキャットも官能的です。どちらも絶品!

 日本でも大人気だった名子役レナート・チェスティエの主演作3本をカップリングしたサントラ集。メロウでセンチメンタルな映画スコアが好きな人にはたまらん2枚組です。このディスク1は、まず『幸せの咲く樹』のテーマ曲がなんといっても絶品。チプリアーニの『ベニスの愛』に、ルスティケッリやトロヴァヨーリの人情味を足したような哀しくも美しいメロディが最高!本編を見ていなくても泣けること必至です。そして、日本でも有名な『メリーゴーランド』。『禁じられた遊び』を彷彿とさせる出だしから、切なくも優しいメロディが炸裂です。

 そして、こちらの2枚目は『メリーゴーランド』の残り半分に『星空の神話』を加えた内容。『メリーゴーランド』は、テーマ曲よりも#1の切ないメロディが個人的には好みかもしれません。一方の『星空の神話』は『幸せの咲く樹』と似たようなセンチメンタル路線ですが、よりハートウォーミングな明るさを強調したポップな仕上がり。テーマ曲#6も出だしこそ『幸せの咲く樹』のテーマと似ていますが、後味は意外にも爽やか。その辺りで好き嫌いが分かれるかなとは思います。少年ボーカルをフィーチャーした#12の甘酸っぱさも秀逸。  アルフォンソ・ブレスチア監督によるC級お色気アクション。一応映画の舞台は古代ギリシャではあるものの、ミカリッツィのスコアは完全に時代考証を無視したジャズ・ファンクです。これがなかなか痛快なくらいにファンキーでグルーヴィー。サイケな味付けを施した#3と#4なんか、そのままクラブ・プレイにも使い回せるくらいカッコよいですね。そうかと思えば、#9のように穏やかなラウンジ・スタイルあり、#10のようにトボけたコミカル調ありといった具合でバラエティも豊か。これが世界初のソフト化ということで、なかなかの拾い物です。

ADOLESCENZA.JPG CHI_SEI.JPG LAURE.JPG GENOVA_A_MANO.JPG

Adolescenza perversa (1974)

デアボリカ
Chi sei? (1974)

卒業生
Laure (1976)

Genova a mano armata (1976)

(P) Fin de Siecle Media (Sweden) (P)2002 Culture Publishers (JP) (P)2009 Digitmovies (Italy) Limited Edition (P)2009 Digitmovies (Italy) Limited Edition
1,Titoli ビデオ
2,M2 ビデオ
3,M4
4,M5
5,M7
6,M23 Vers. Lunga
7,M8
8,M10
9,M11
10,M9
11,M12
12,M13
13,M14
14,M3
15,M15
16,M16
17,M23 Vers. Corta
18,M16 Bis
19,M18
20,M19
21,M20
22,M22
23,M21
24,M6 Bis
1,Bargain With The Devil ビデオ
2,Jessica's Theme
3,Dimitry's Theme ビデオ
4,Robert's Theme
5,Jessica's Theme
6,Family's Theme
7,Bargain With The Devil (Orchestra)
8,Flute Sequence
9,Dimitry's Theme (Slow Version)
10,Family's Theme (Slow Version)
1,Laure (Theme song)
2,Mara's Theme
3,Emmelle ビデオ
4,Laure
5,Manile
6,Crescendo
7,Laure (#2)
8,Mara's Theme (#2)
9,Laure (#3)
10,Emmelle (#2)
11,Atmosfera a Manila
12,Laure (#4-incido)
13,Mara's Theme (#3-versione veloce)
14,Laure (#5-libero)
15,Mara's Theme (#4)
16,Laure (#6-inciso)
17,Mara's Theme (#5)
18,Laure (#7-tema completo)
1,Genova a mano armata (Seq.1-Titoli)
2,Genova a mano armata (Seq.2)
3,Sambamba
4,Genova a mano armata (Seq.3)
5,Genova a mano armata (Seq.4)
6,Genova a mano armata (Seq.5)
7,Genova a mano armata (Seq.6)
8,Genova a mano armata (Seq.7)
9,Genova a mano armata (Seq.8)
10,Genova a mano armata (Seq.9)
11,Genova a mano armata (Seq.10)
12,Genova a mano armata (Seq.11)
13,Genova a mano armata (Seq.12)
14,Genova a mano armata (Seq.13)
15,Genova a mano armata (Seq.14)
16,Genova a mano armata (Seq.15)
17,Genova a mano armata (Seq.16-Finale
 ホセ・ベナゼラフ監督フェミ・ベヌッシ主演で、美しい女教師と反抗的な男子学生の道ならぬ恋を描いたソフト・ポルノ。ジャズやボサノバをベースにした、イージーでグルーヴィーなラウンジ・サウンドを堪能できる一枚です。特に、バロック調のメロディが哀愁をかきたてるメロウなソフト・ロック・ナンバー#2と#14は絶品。エッダの官能的なスキャットをフィーチャーした#5もエロさ満点だし、ワルツ・スタイルのノスタルジックでロマンティックな#13なども秀逸です。一部が過去にオムニバス盤CDに収録されたことはありましたが、サントラ盤としては世界初のソフト化。  日本で世界初のCD化が実現した傑作。ミカリッツィの再評価を高めるきっかけにもなった一枚と言えるでしょう。映画そのものは当HPイタリア映画コーナーの『オヴィディオ・G・アッソニティス』のページで紹介していますので、そちらを参照して頂くとして、ミカリッツィのスコアは身震いするくらいにファンキーでクール。とてもじゃないけど、ホラー映画のサントラとは思えません。テーマ曲#1なんて、ほとんど70年代黒人アクション映画のノリ。それこそアイザック・ヘイズやハービー・ハンコックを思わせるようなカッコよさです。R&Bファンにも是非聴いて欲しい1枚。  『エマニエル夫人』の原作者エマニュエル・アルサンが監督したことでも話題になったアニー・ベル主演のソフト・ポルノ。そこはかとなくおフレンチな雰囲気が漂っているのはそのせいでしょうか。ゲンズブール&バーキンを彷彿とさせるアンニュイなテーマ曲を歌っているのは、なんとミカリッツィ本人と監督のアルサン。まさにジュ・テーム・モワ・ノン・プリュな雰囲気の漂う佳作です。また、作品の舞台がフィリピンのマニラということもあって(?)、アフロ・ジャズなセンスのスコアも目立ちますね。いずれにせよ、イタリア産ソフト・ポルノとしてはワリと異色な出来栄えだと思います。  ハリウッド俳優のトニー・ロー・ビアンコとボンド・ガール、モード・アダムスが主演した、マリオ・ランフランキ監督によるポリス・アクション。全体的に、ラロ・シフリンを彷彿とさせる骨太なジャズ・ファンクでまとめられたサントラです。異色なのは、そこはかとない哀愁の漂う陽気なサンバ#3。イタリア産ブラジリアン・サウンドには傑作・名作が多いですが、これもご多分に漏れない出来栄え。この1曲のためだけに買っても損はないかもしれませんね。ただ、それ以外は正直なところ可もなく不可もなくといったような印象。ちょっとアメリカンなテイストが強すぎるかもです。

ITALIA_A_MANO.JPG HOLD_UP.JPG LA_BANDA_DEL_GOBBO.JPG THE_STRIDULUM.JPG

特攻警察
Italia a mano armata (1976)

Hold-Up, Istantanea di una rapina (1977)

La banda del gobbo (1978)

ザ・ビジター
Stridulum (1979)

(P)2007 Beat Records (Italy) (P) Fine de Siecle Media (Sweden) (P)2007 Digitmovies (Italy)Limited Edition (P)1991 RCA/BMG Ariola (Italy)
1,The Criminal Gang ビデオ
2,A Dirty Trick
3,The Cruel Kidnapper
4,Hunting The Gang
5,The False Hostage
6,Temptation and Siege
7,The Child and The Sister
8,Hard Falling
9,The Pleasant Visit
10,A Man Before Your Time
11,Shall We Dance?
12,A Nosy Guy
13,Too Much Nosy ビデオ
14,Death in the Cave
15,The No-Peace Pursuit ビデオ
16,A Tree Could Hurt
17,A Snare for Betti
18,An Angel, A Devil
19,Damned Bricks
20,Machinegun Death
21,Black and White Ending
22,The Criminal Gang
23,Tiny Armed Suite
24,Detecting the Boss
1,Titoli
2,M3 ビデオ
3,M11/M10
4,M36/M38/M6/M37/M9
5,M13/M14/M8
6,M12/M18/M21/M1/M28
7,M40
8,M31/M27/M35/M33
9,M19/M4
10,M22 ビデオ
11,M40 Vers. Spagnola
12,M20/M34/M39
13,M26/M7/M5/M16
14,M32
15,M29/M23/M15/M30/M24/M2
16,Hold Up Vers. Disco
17,No 3 Vers. Disco
1,La banda del gobbo (Seq.1-Titoli)ビデオ
2,La banda del gobbo (Seq.2)
3,La banda del gobbo (Seq.3)
4,La banda del gobbo (Seq.4) ビデオ
5,La banda del gobbo (Seq.5)
6,La banda del gobbo (Seq.6)
7,La banda del gobbo (Seq.7)
8,La banda del gobbo (Seq.8)
9,La banda del gobbo (Seq.9)
10,La banda del gobbo (Seq.10)
11,La banda del gobbo (Seq.11)
12,La banda del gobbo (Seq.12)
13,La banda del gobbo (Seq.13)
14,La banda del gobbo (Seq.14)
15,La banda del gobbo (Seq.15)
16,La banda del gobbo (Seq.16)
17,La banda del gobbo (Seq.17)
18,La banda del gobbo (Seq.18-Finale)
1-16 Etoille (1989) by Jurgen Knieper

17,Stridulum Theme ビデオ
18,Here's The Dream
19,Running Away From Jerzy ビデオ
20,Sadness Theme
21,Distressing Sequence
22,Hospital Sequence
23,Voices For Sadness Theme ビデオ
24,Jerzy, Again
25,Sadness Theme (2nd part) ビデオ
26,Atmosphere
27,Back In The Hospital
28,Distressing Sequence
 マウリツィオ・メルリ主演、フランコ・マルティネッリ監督による典型的なポリス・アクション物。タランティーノ作品に使われたヤツですね。のっけからドファンク全開なミカリッツィのスコアは迫力満点。おのずとテンションも上がってくるというもんです。この過剰なまでの賑々しさというのが、イタリア映画ならではの醍醐味と言えるかもしれませんね。疾走感溢れるファンク・ビートに乗って、吼えまくる分厚いブラス・セクションのカッコいいこと!さりげなく甘いラブ・テーマ(#7、#9、#18)を挟み込む辺りのセンスも気が利いています。  こちらはロドルフォ・サバッティーニ監督、フレデリク・スタッフォード、ナタリー・ドロン主演のポリス・アクション。ジャズ・ファンクをベースにしながらも、ヨーロッパ的な哀愁感を漂わせたテーマ曲#1がなかなか印象的です。エッダのもの哀しげなスキャットが絡む部分も含めて、モリコーネのアクション物を彷彿とさせるナンバーと言えるでしょう。ロー・ビートなグルーヴ感を押し出したR&B#5と#10も大変クールだし、爽やかで甘いソフト・ロック・タッチの#2、華麗でロマンティックなラブ・テーマ#9も聴き応え十分。隠れた佳作です。  トーマス・ミリアン主演、ウンベルト・レンツィ監督によるハードなバイオレンス・アクション。ミカリッツィのスコアも基本ベースはラロ・シフリン調のアメリカンなジャズ・ファンク路線ですが、随所にイタリア古典歌謡風のノスタルジックなナンバーや、ディスコ・ソウル風のポップなナンバーを挿入し、かなりバラエティに富んだサントラとして仕上げています。この頃になるとエレクトリックな楽器も使うようになってきていますね。そういった意味で、ゴブリンのアクション作品を彷彿とさせるような部分もあります。悪くはないですね。  ジュリオ・パラディーシ監督、メル・フェラー、ジョン・ヒューストン
、サム・ペキンパー(!)、シェリー・ウィンタースら豪華キャストのB級ホラー映画のサントラ。ジェニファー・コネリー主演の『エトワール』とカップリングです。これがまるでポリス・アクションかと思うようなファンキーな作品に仕上がっているんですね。中でも、骨太なグルーヴにゴージャスなブラス&ストリングスの絡むテーマ曲#17は秀逸。メロウなジャズ・フュージョン風のラブ・テーマ#20と#23、#25もなかなかの名曲です。さすがは『デアボリカ』のミカリッツィ。傑作!

NON_CE_DUE.JPG

笑撃のダブル・トラブル
Non c e due senza quattro (1984)

(P)2008 Beat Records (Italy)
1,What's Going On In Brazil
2,The Mysterious Man
3,Flying Carousel
4,Double Trouble Theme
  (Bossanova version)
5,A Guy With It's Pretty Girls
6,Double Trouble Theme
  (Jazz band version) ビデオ
7,Hear It Tonight
8,Double Trouble Theme
  (Samba version)
9,Mississipi Dream
10,Quica Theme
11,The Mysterious Man
12,Flute Rhythm
13,Double Trouble Theme
 エンツォ・バルボーニ監督、テレンス・ヒル&バド・スペンサー主演のアクション・コメディ。ヒル&スペンサー・コンビの作品はデ・アンジェリス兄弟の専売特許のような印象がありますが、ミカリッツィも意外とちょろちょろ手掛けているんですよね。本作はブラジルが舞台となっていることもあって、全編を通じてサンバ&ボサノバ色が濃厚。これがなかなか良質な出来栄えなんですよね。ラテン・ジャズ的なアプローチの、陽気なラウンジ・サウンドをたっぷりと聴かせてくれます。コミカルなビッグ・バンド風の#6もユニーク。おススメの1枚です。

 

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