ファファ・デ・ベレン Fafa De Belem
ブラジルの肝っ玉姐さん

 

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 この人のパワフルで豪快な歌いっぷりが大好きである。ファドの影響を受けたロマンティックで情熱的なバラードもいいが、何といってもダイナミックでトライバルなサンバやアフロ・ビート・ナンバーを歌わせたら天下一品。ハスキーな低音ボーカルで、自由奔放に感情をぶつけて歌いまくる様はまるでアマゾンの野生児。そのアッケラカンとした豪快な逞しさは、まさに肝っ玉姐さんという感じだ。日本ではあまり知られていないが、ブラジルのみならずポルトガルでも絶大な人気を誇っているという。サンバやマラカトゥ、ロック、ラテン、アフロ、ファドなどを盛り込んだ彼女の作品は、90年代にブレイクしたアシェ・ミュージックを先駆けていたとも言える。90年代以降はボレロやAORの要素を盛り込んだバラード作品が多いが、やはり躍動感溢れるファファ姐さんが一番魅力的だと思う。

 1956年8月9日、ブラジル北部パラの町ベレンの生まれ。少女時代から歌手に憧れ、10代の頃には夜な夜な家を抜け出しては地元のクラブで歌っていた。1973年に音楽エージェントのロベルト・サンタナと知り合ったファファは、彼の勧めでリオ・デジャネイロやサルヴァドルのクラブでも歌うようになり、1975年にシングル“Filho da Bahia”でレコード・デビュー。翌年にリリースされたファースト・アルバム“Tamba-Taja”が批評家に大絶賛されて知名度を高めた。さらに、77年にリリースされたセカンド・アルバム“Agua”からシングル“Foi Assim”が爆発的なヒットを記録し、一躍人気スターの仲間入りを果たす。
 その人気はポルトガルにも飛び火し、1992年にはファドに挑戦したアルバム“Meu Fado”をリリース。また、2003年にはブラジルに蔓延する人種差別にメスを入れた問題作“Garotas do ABC”で映画女優としてもデビューを果たしている。

 

TAMBA_TAJA.JPG CONTIGA_PRA_NINAR.JPG PASSARO_SONHADOR.JPG CORACAO_BRASILEIRO.JPG

Tamba-Taja (1976)

Cantiga Pra Ninar Meu Namorado (1994)

Passaro Sonhador (1996)

Coracao Brasileiro (1998)

(P)2002 Universal (Brasil) (P)1994 Columbia (Brasil) (P)1996 Columbia (Brasil) (P)1998 Warner Music (Brasil)
1,Indaue-Tupa
2,Tamba-taja
3,Sirie
4,Vento negro
5,Xamego
6,Haragana
7,Cancao da volta
8,Pode entrar
9,Ca-ja
10,Gaudencio Sete Luas
11,Fazenda
12,Este rio e minha rua
13,Fracasso

produced by Roberto Santana
1,Todo Dia
2,Grao de Areia
3,Quando a Sanfona Tocar
4,Tenho Pressa
5,Fiel Como Un Cao
6,Porque?
7,Poeira de Esirelas
8,Bandoleiro
9,Marcas
10,Coracao de Sape
11,Ping Pong do Amor
12,O Homem Que Eu Amo
13,Cantiga Pra Xinar Meu Namorado

produced by Cesar Augusto e Fafa de Belem
1,Vermelho
2,Abandonada
3,Entre a Luz e a Escuridao
4,A Queima-Roupa
5,Pot-Pourri
6,Pra Nunca Mais
7,Aparencias
8,E Tao Bom Te Amar
9,Mania de Te Amar
10,Ja E Tarde
11,Passaro Sonhador
12,Vermelho (bonus track) duet with David Assayag

produced by Michael Sullivan
1,Coracao Brasileiro
2,Eternamente
3,Mar De Estrelas
4,Pirilampo
5,Lamento de Raca
6,Mais e Mais
7,Volta Pra Casa Meu Nego
8,Dom de Passarinho
9,Margarida Perfumada
10,Pai
11,Pout-Pourri
12,Eternamente (bonus track)

produced by Michael Sullivan
 ファファの記念すべきデビュー・アルバム。サンバやマラカトゥを全面に押し出した、アフロ・テイスト溢れるトライバルでエネルギッシュな作品に仕上がっています。ファファのボーカルもはちきれんばかりの若さ。#2や#4ではボサ・タッチのソフトなバラードにも挑戦してます。70年代特有のグルーヴ感が楽しめる素晴らしい1枚で、ブラジル音楽ファンのみならず、ジャズやソフト・ロックが好きな人にもオススメです。  全体的にボレロやアフロ・カリビアンの影響が濃厚な1枚。しっとりとした大人のバラードが中心で、躍動的なファファはすっかり影を潜めてしまっています。ということで、個人的には可もなく不可もなくなアルバム。ただ、#6は70年代のフレンチ・ポップスを思わせるようなドラマチックでスケール感のあるバラードで、ファファのダイナミックな歌いっぷりはなかなか感動的。これ1曲のためだけでも聴く価値はあるでしょう。  サンバとボレロ、AORをミックスした、大人のためのブラジリアン・ポップスに仕上がった1枚。目玉はChico da Silva作曲によるロマンティックでダンサンブルなサンバ・ナンバー#1と#12。da Silvaといえば、アルシオーネの名曲“Sufoco”のソングライターとしても知られるが、ここでも思わず微笑みがこぼれてしまうようなハッピーで心温まるメロディを聴かせてくれる。名曲です。  これは大好きなアルバムです。超キャッチーでハッピーなサンバ・ナンバー#1で幕を開ける、躍動感に満ちた改心の1枚。爽やかでポップなサンバ#3、ファンキーでダイナミックなサンバ#4などアップビートなナンバーも素晴らしいし、ノスタルジックでセンチメンタルなバラード#7も感動的。そして、トライバル感炸裂のファンキーなマラカトゥ・ナンバー#9。豪快なファファのボーカルと、ちょっと哀しげなメロディが最高です。

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Grandes Amores (2000)

Dentro De Mim Mora Un Anjo

Millennium

(P)2000 Som Livre (Brasil) (P)2001 Universal (Brasil) (P)1998 Polygram (Brasil)
1,Tudo Pode O Amor
2,Meu Dilema
3,Fazendo Fumaca
4,Personagem
5,Grandes Amores
6,Motivos
7,Lambadas V
8,Coisas Mais Loucas
9,Tua Presenca
10,Amores

produced by Max Pierre
1,Dentro De Mim Mora Un Anjo
2,Bom Dia, Belem
3,Cancao Da Volta
4,Crenca
5,Este Rio E Minha Rua
6,Pode Entrar
7,Confidencia
8,Para Um amor No Recife
9,Carece De Explicacao
10,Pergunte O Que Quiser
11,Tanto
12,Fazenda
13,Ontem Ao Luar
14,Pauapixuna
1,Foi Assim
2,Meu Disfarce
3,Bilhete
4,Sob Medida
5,Atrevida
6,Menestrel Das Alagoas
7,Coracao Aprendiz
8,Seducao
9,Meu Deilema
10,Pauapixuna
11,Ilusao A-Toa
12,Cavalgada
13,Maria Solidaria
14,Raca
15,Margana
16,Doce Magia
17,Memorias
18,Que Me Vinha Esse Homem
19,Meu Homem
20,Nos Bailes Da Vida
 バーブラ・ストレイサンドも歌ったスティービー・ワンダーのバラード“All In Love Is Fair”のカバー#1で幕を開ける1枚。全体的にAOR的なムードの濃厚なアルバムです。ノスタルジックで甘いバラードが中心で、これはこれで好きですね。情熱的でパワフルなファファのボーカルも聴き応え十分。  1976年〜80年までのヒット曲で構成されたベスト盤。初期のファファ作品はCD化されているものがとても少ないので、とても貴重なコンピレーションです。どちらかというと、バラード系の作品に重点を置いて選曲されている感じですね。大ヒット#14はアフロ・ジャズ・タッチの渋いアレンジが光るドラマチックなバラードの佳作。  歌謡曲風のセンチメンタルなメロディが印象的な出世作#1を含むベスト盤。主に80年代〜90年代のヒット曲から選曲されているので、左の“Dentro De〜”とは殆ど楽曲が被りません。ブラジル音楽ファン注目は、Chico Buarque作曲のヒット・ナンバー#4。「枯葉」風のジャジーでメロウなシャンソン・バラード#18もオススメです。

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