エロディ・フレージェ Elodie Frege
フレンチ・ポップスの新しいミューズ

 

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 最近のフレンチ・ポップ・シーンで、個人的に最も注目している女性アーティストである。アイドル的なルックスとは裏腹に、作詞・作曲からクラシック・ギターの演奏までこなすシンガー・ソングライター。フランスで大人気の公開オーディション番組“スター・アカデミー”から出てきたシンデレラ・ガールだ。
 彼女の最大の魅力は、そのノスタルジックでスタイリッシュな音楽性にあると思う。まるで70年代のフレンチ・ポップスを彷彿とさせるような懐かしさが非常に心地よい。コラリー・クレモンやケレン・アンなど、近ごろはかつてのフランソワーズ・アルディやジェーン・バーキンを彷彿とさせる女性アーティストが人気を集めているが、エロディはその決定打とも言える逸材である。何よりも、彼女は“歌える”のだ。繊細ながらも情熱的で力強い歌唱力。シャントゥーゼとしても十分に通用する実力の持ち主である。デビュー・アルバム“Elodie Frege”には心底聴き惚れてしまったもんだった。
 1982年2月15日の生まれというから、まだ25歳になったばかり。音楽一家に生まれ育った彼女は、6歳からクラシック・ギターを学んだ。また、バレエのトレーニングも12年間積んでいる。2003年“スター・アカデミー”に参加して見事優勝、2004年にデビュー・アルバム“Elodie Frege”をリリースし、3枚のヒット・シングルを放った。
 さらに、昨年はセカンド・アルバム“Le jeu des 7 erreurs(7つの大罪についての戯曲)”をリリース。どうもゲンズブールっぽいな、と思ったらプロデュースは案の定バンジャマン・ビオレー。コラリー・クレモンやケレン・アンの仕掛け人であり、アンリ・サルヴァドールやジュリエット・グレコ、フランソワーズ・アルディといったベテランのプロデュースも手掛け、自らも作品を発表する現代のゲンズブールである。なるほど、そうきたか!という感じで、個人的にも思わずニンマリ。21世紀のフレンチ・ポップス界を代表するミューズになってくれることを期待しつつ、今後の活躍に大いに注目したい人だ

“La ceinture”のプロモ・クリップ ココ で見れます

“Je te dis non”のプロモ・クリップ ココ で見れます

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Elodie Frege (2004)

Le jeu des 7 erreurs (2006)

(P)2004 Mercury/Universal (France) (P)2006 Mercury/Universal (France)
1,De l'eau
2,Faire semblant
3,Viens jusqu'a moi (duet with Michal)
4,Moins de toi
5,On se retrouvera
6,Je te dis non
7,Sans en avoir l'air
8,Pardon
9,Quand il me manque
10,Je sais si peu
11,Pourtant
12,Je n'ai pas de remords

produced by Blair Mackichan,Rick Barractough
1,La ceinture
2,Fous de rien
3,La fidelite
4,Douce vie
5,Le jeu des 7 erreurs
6,Le velours des vierges (duet wih Benjamin Biolay
7,Pas la souvent
8,Chez moi
9,Si je reste
10,Est-ce que tu le sois ?
11,Je sais jamais
12,Il en faut
13,A celle
14,Les rideaux

produced by Benjamin Biolay
 70年代のフレンチ・ポップス・ファンにも大推薦のファースト・アルバム。程よく今風のアレンジを施しつつ、全編に渡ってノスタルジックで叙情的なムードが漂う非常にお洒落な1枚です。甘すぎる一歩手前のところで抑制を効かせたメロディも秀逸。個人的にはゴージャスなストリングスとセンチメンタルなメロディが最高に切ないボサノバ・ナンバー#6が大・大・大好き。こういうフレンチ・ポップスを待ってましたよ、本当。たまらんくらいにオススメです。  70年代のジェーン・バーキンを彷彿とさせるゲンズブール・イッシュなセカンド・アルバム。さすがバンジャマン・ビオレー、ツボを心得ていらっしゃる。前作よりも抑え気味なエロディのボーカルも、時折ジェーン・バーキンそっくりに聴こえます。サウンド的にもアコースティック色を強めており、70'sムードたっぷり。#3では懐かしのシンセ・ドラムまで駆使しております。全体的に前作よりもピリっと辛口。この尖がった渋さがまたエロチックなんですよね〜。

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