ディスコ・オムニバス・コレクション
PART 1

 

 

 一時期ほどではないにせよ、現在もコンスタントに発売されているディスコ及びダンス・クラシックのオムニバスCD。中には単独でCD化されていない楽曲や中古のアナログでもまず見かけないような楽曲を含んでいるものも少なくない。ディスコ・ファンにとっては嬉しい限りだが、あまりにも多くのオムニバス盤が出回っているので、どれが良いのか迷ってしまう人も多いと思う。また、探しているレア・トラックが収録されていることを知らずに買いそびれてしまっているリスナーもいるに違いない。そこで、今回は個人的にオススメのディスコ・オムニバス盤CDの一部を紹介してみたいと思う。とても一度では全部を紹介しきれないので、何回かに分けていくのでご了承願いたい。

 その前に、まず大前提として理想的なディスコ・オムニバス盤の定義みたいなものを記しておこう。
<12インチ・バージョンが存在するものは12インチ・バージョンで収録すること>
 やはりダンス・ミュージックの基本は12インチ・バージョン。なぜなら、ディスコやクラブでDJがプレイするのは主に12インチ・バージョンだからだ。アーティストや楽曲によっては、12インチ・シングル用のロング・バージョンを優先的に制作し、それを短くエディットしたものを通常のシングルやアルバム用に収録するというケースも少なくなかった。
 もともと12インチ・シングルというのは、ディスコやクラブでDJがプレイするのに便利なよう特別に制作されたもの。まず、ディスコ草創期のDJたちを悩ませたのは、人気のある曲でダンス・フロアが盛り上がるのはいいのだが、曲が終わってしまうと一気に客が散らばってしまうことだった。しかも、当時は1曲が2分〜3分という短さだったので、あっという間にフロアから客が引いてしまう。そこで彼らは2台のターンテーブルをミキサーで繋げて、曲と曲をノンストップでプレイするということを考え付いた。同じ楽曲のシングル盤を2枚使いしてロング・バージョンを即席で作ったり、曲と曲の合間をいれずにヒット・ナンバーを次々とプレイしたり。
 そうした流れを受けて、70年代初頭のディスコ・シングルはA面にメイン・バージョンを、B面にインスト・バージョンを収録し、DJが自由にミックスできるよう配慮するようになった。しかし、演奏時間の短い曲を上手く繋げるのは苦労が多く、客の様子を見ながら選曲をしていく余裕もなかなかない。しかも、面積が狭いために盤面の溝が細くて密集しているシングル盤だと、ディスコの大音響で再生した際の音質にも問題があった。
 そこで登場したのが12インチ・シングルだったわけだ。LP盤と同じサイズで片面1〜2曲を収録するので、太くて深い溝を記録することができ、音質は格段に向上した。しかも、5分や6分といったロング・バージョンを収録するだけの余裕も十分にある。
 世界で最初の12インチ・シングルは、セプター/ワンド・レーベルがリリースしたジェシー・グリーンの“Nice & Slow”とスウィート・ミュージックの“I Get Lifted”のカップリング盤。1976年のことだ。その他のレコード会社もすぐに追随した。ディスコ・ナンバーをヒットさせるためには、DJにディスコでプレイしてもらうことがとても重要。ゆえに、レコード会社は12インチ・シングルという新しいメディアを率先して取り入れたわけだ。ただ、当初の12インチ・シングルはあくまでもプロモーション・ツールであり、一般に販売はされていなかった。
 一般向けに市販された最初の12インチ・シングルは、76年に大ヒットしたタヴァレスの“Heaven Must Be Missing An Angel”である。さらに、ディスコ・ブーム初期を支えたエンジニア、トム・ムールトンによって12インチ・シングル専用のリミックスという概念も生まれた。つまり、よりディスコ・プレイで映えるようにベース・ラインを強調したり、パーカッションなどの楽器を増やしたりしながら、DJがノンストップ・ミックスしやすいよう計算して長尺化するようになったのである。
 このリミックスという概念は80年代に入ってより進化し、1枚の12インチ・シングルに様々なスタイルのバージョンが収録されるようになった。特に80年代後半からハウスやフリースタイル、ユーロビート、テクノなどダンス・ミュージックの形態が細分化されていくと、それぞれのマーケットに対応できるよう一つの楽曲を幾つものアレンジでリミックスするようになったのだ。さらに、本来は裏方だったDJやミキサーがリスナーからスター的存在として注目を集めるようになると、レコード会社は人気DJを何人も起用してリミックスの競演をさせるようになる。旬のDJやミキサーを集めることが、楽曲の売り上げに影響を及ぼすようになったのだ。よって、1つの楽曲の12インチ・シングルにアルバム並みのトラックが収録されることも珍しくなくなったのである。
 とまあ、説明が長くなってしまったが、ダンス・ミュージックにおいて12インチ・バージョンは基本中の基本。しかも、その一方でレコード会社にとってはプロモーション・ツールであることに変わりがないため、再発されることは極めて少ない。だからこそ余計に、ディスコ関連のオムニバス盤に12インチ・バージョンが収録されるということは重要な意味を持つのである。
 ちなみに、70年代のディスコ・シーンではアルバム・バージョンも重要な位置を占めていた。というのも、アルバム・バージョンを短く編集して12インチ・バージョンや7インチ・バージョンを制作するアーティストも少なくなかったからだ。アルバム・バージョンが10分を超す大作であることも珍しくはなかった。なので、当時のディスコ系アーティストのアルバムは、収録曲が4〜5曲しかなかったりする。そうした場合は、やはりオムニバス盤にもアルバム・バージョンをフルで収録するのが望ましいかもしれない。
<有名な定番ヒットとマニアックなマイナー・ヒットをバランス良く収録すること>
 これだけ巷にディスコ・オムニバスが氾濫すると、当然のことながら収録曲にダブりが生まれる。まあ、版権の問題もあるわけだから仕方がないとはいえ、なるべくなら最大限に避けて欲しいもの。また、ディスコ・ミュージックは水物扱いされることも多いため、当時ヒットしたにも関わらずCDでの再発がされていない楽曲が少なくない。さらに、中ヒット・レベルのシングルを2〜3枚出しただけで消えてしまったアーティストに至っては、アーティスト単体でのCD化は極めて望み薄いだろう。
 そうした事情などを踏まえると、やはりメジャー・ヒットとマイナー・ヒットをバランス良く織り交ぜながら選曲することは、ディスコ・オムニバスにとって重要な課題となってくる。定番ヒットのレア・ミックスを収録するというのも一つの手だろう。
<勝手にエディットをしない>
 オムニバス盤というのは、収録曲の数もセールス・ポイントに繋がる可能性がある。よって、少しでも多く楽曲を詰め込むため、中には勝手に演奏時間を短くしてしまっているオムニバス盤も存在するのだ。クレジットでは12インチ・ミックスと表記しておきながら、本来の演奏が終了する前にフェイド・アウトしてしまったり、前奏や間奏を編集でカットしてしまったり。これは言語道断。楽曲に対する愛情の欠如としか言いようがない。

 とまあ、以上の条件を踏まえつつ、ディスコ・ファン必携のオムニバス盤CDを紹介してみたい。

 

Grand 12-inches シリーズ

 オランダを代表する世界的なDJ兼ミキサーであるベン・リーブランドのライフ・ワークとも言えるディスコ・オムニバス盤シリーズ。まず、その選曲に対するこだわりが尋常でない。さすが30年以上のキャリアを誇るベテランDJ。その豊富な知識と深い愛情により、超メジャーなヒット・ナンバーから知る人ぞ知るマイナー・ヒットまで、驚くくらい充実した楽曲が並んでいる。しかも、チョイスするバージョンにも細心の注意が払われているのは嬉しい。
 そればかりか、ベン・リーブランドはオリジナル・マスター・テープからのデジタル・リマスターにこだわり、各レコード会社の倉庫だけでなく、楽曲の権利者や関係者、さらには世界中のコレクターにまでコンタクトを取ってマスター・テープを取り寄せている。届いたものがオリジナル・マスターでなかった場合は、あえて収録を見送るのだそうだ。
 先述したように、12インチ・バージョンというのはレコード会社にとってプロモーション・ツールでしかなかったため、有名な楽曲であっても12インチ・バージョンのオリジナル・マスターだけが行方不明というケースも少なくないらしい。それだけに、音源にたどり着くまでの苦労も並大抵ではないようだ。中には、マスター音源だといってネットからダウンロードしたMP3やノンストップ・ミックスCDからリッピングしたデータ、傷だらけのアナログ盤からコピーした音源を送りつけてくるレコード会社もあるという。音楽業界も不況による人手不足が深刻で、自社の音源管理すらまともに出来ないような状況らしい。
 その一方で、中にはスリー・ディグリーズの“The Runner”のように、12インチ・バージョンのオリジナル・マスターを探していたら、未発表らしき別ミックスが発見されたという思わぬ出来事も。ただ、結果的に本来の12インチ・バージョンのオリジナル・マスターが永遠に失われてしまったということも判明したらしいのだが。
 いずれにせよ、選曲のセンスは抜群。しかも、驚異的と言っていいくらいに音質が良い。ドナ・サマーの“Last Dance”やアース・ウィンド&ファイアーの“Boogie Wonderland”など、ディスコ・オムニバスの定番的な楽曲なんかも、他で聴くのとは比べ物にならないくらい音に立体感があって鮮明。オリジナル・マスターそのものの音質を忠実に再現しているのだ。ヘッドホンで大音量にして聴いて欲しい。個人的にもダントツにイチオシのシリーズと言えるだろう。

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Grand 12-inches (2003)

(P)2003 Sony Music Entertainment (Holland)
CD 1
1,Donna Summer
  I Feel Love (Original 12" Version) 8:13 ビデオ
2,Giorgio Moroder
  Chase (Original 12" Version) 8:24 ビデオ
3,Lipps Inc.
  Funky Town (Original 12" Version) 7:46 ビデオ
4,Cerrone
  Supernature
  (Full Length Album Version) 10:54
5,Patrick Cowley
  Menergy (Original 12" Version) 8:47 ビデオ
6,Gino Soccio
  Dancer (Original 12" Version) 8:29 ビデオ
7,Sylvester
  You Make Me Feel (Mighty Real)
  (Original 12" Version) 6:30 ビデオ
8,Gonzalez
  Haven't You Stopped Dancing Yet
  (Original 12" Version) 7:59 ビデオ
9,Kat Mandu
  The Break (Original 12" Version) 8:40 ビデオ
CD 2
1,Yarbrough & Peoples
  Don't Stop The Music
  (Original 12" Version) 7:35 ビデオ
2,Chic
  Good Times (Original 12" Version) 8:00 ビデオ
3,Patrice Rushen
  Forget Me Nots (Original 12" Version) 4:42
4,Change
  A Lover's Holiday
  (Full Length Album Version) 6:16 ビデオ
5,Oliver Cheatham
  Get Down Saturday Night
  (Original 12" Version) 6:51 ビデオ
6,Kool & The Gang
  Fresh (12" Remix) 5:50
7,Michael Zager Band
  Let's All Chant (Original 12" Version) 6:50ビデオ
8,Rick James
  Super Freak (Original 12" Version) 7:06
9,Sugarhill Gang
  Rapper's Delight (Full Length Version) 14:36
10,Indeep
  Last Night A DJ Saved My Life ビデオ
  (Original 12" Version) 5:41
11,Indeep
  Last Night A DJ Saved My Life
  (Acapella) 3:11
CD 3
1,D' Train
  You're The One For Me
  (Special Vocal/Dub Edit) 7:16
2,Sharon Redd
  Beat The Street
  (Special Dub/Vocal Edit) 7:20
3,Carol Jiani
  Hit 'n Run Lover
 (Original 12" Version) 8:14 ビデオ
4,Jacksons
  Shake Your Body (12" Remix) 8:36
5,Shannon
  Let The Music Play
  (Original 12" Version) 5:46
6,Freeez
  I.O.U. (Original 12" Version) 8:42 ビデオ
7,Classi Action
  Weekend (Original 12" Version) 8:25 ビデオ
8,Moses
  We Just (Original 12" Version) 6:27
9,Donna Summer
  I Feel Love (Patrick Cowley Remix) 15:57
CD 4
1,Ce Ce Peniston
  Finally (12" Choice Mix) 7:02 ビデオ
2,Technotronic
  Pump Up The Jam (Vocal 12" Version) 5:21
3,Robin S.
  Luv 4 Luv (Original 12" Version) 6:05
4,Robin S.
  Show Me Love (Original 12" Version) 8:49
5,Snap
  Rhythm Is A Dancer (12" Mix) 5:11
6,Kristine W
  Feel What You Want
  (Our Tribe Vocal 12" Mix) 5:30
7,2 Unlimited
  Get Ready For This (Original 12" Version) 5:54
8,Frankie Goes To Hollywood
  Relax (Original New York 12" Mix) 7:24 ビデオ
9,New Order
  Blue Monday
  (Complete Original 12" Version) 7:28 ビデオ
10,Yazoo
  Situation (Special Dub/Vocal Edit) 9:05
11,Art Of Noise
  Moments In Love (Liebrand Mix) 8:40
 ドナ・サマーとジョルジョ・モロダーから始まるというのは、ヨーロッパ人であるベン・リーブランドならではのセンスですよね。やはり基本はミュンヘン・サウンドなんでしょう。まるでサラウンドのようにグルグルと巡るシーケンサーのグルーヴ感は今聴いても十分にカッコいい!その他、リップス・インクといい、ジーノ・ソッチョといい、セローンといい、70年代末のディスコ・ナンバーって、サウンド的には明らかにテクノでありながら、もの凄くファンキーで“黒い”んですよね。ちなみに、#3と#4は従来カットされていたイントロ部分を修復した完全バージョンで、これが世界初のお披露目となります。ゴンザレスの名曲#8も最高にアガりますね〜。パーカッションの猛烈な乱れ打ちが大迫力です。  こちらの2枚目は、よりアメリカのオールド・スクール的な選曲。日本でも当時CMソングとして使われた#1は大好きでした。シュガーヒル・ギャングの#9と、その元ネタであるシックの#2を同じディスクに収録するというのも、ありそうでいて意外とないんですよね。また、オリヴァー・チーサムの#5やマイケル・ゼイガー・バンドの#7はリミックスやリメイクを含めて、いろんなバージョンが巷に出回っておりますが、オリジナルの12インチ・バージョンが収録されているのは意外と珍しいかもしれません。また、チェンジの作品で#4をチョイスするというのもDJらしい発想ですよね。なんたってガラージ・クラシックの定番ですもん。インディープのアカペラ#11を入れちゃうのは半ば趣味なんでしょうけど(笑)  NY系の作品を中心に、よりファンキーな80’sグルーヴを集めた3枚目。Dトレインとシャロン・レッドはカナダのユニディスクが良質な再発盤をリリースしていますが、ここでは激レアなボーカル・ダブを世界初CD化しています。なぜにダブ!?と疑問に思うかもしれませんが、聴けば納得。よりクラブ・プレイに映えるファンキーで派手な仕上がり。しっかりとボーカルもフル・コーラス入っています。北米ハイエナジーの定番#3も大好きな1曲。どうやら、過去にCD化されていた音源は正しいオリジナル・マスターではなかったらしく、ここでようやく聴くことができます。また、CD1にも収録されていたドナ・サマーの#9は、伝説的なパトリック・コウリー・リミックスでの収録。ジャクソンズの#4もリミックスはレアです。  いきなり90年代に時代がひとっ飛びしてしまった4枚目。でもよく考えれば、シー・シー・ペニストンも2アンリミテッドも既に15年以上も経っているんですよね。ビックリ。年をとるわけだわ(笑)若いリスナーだとオリジナル盤を持っていない人もいるかもしれないので、これはこれでアリなのでしょう。しかし、やはりこのディスクの目玉は#8以降のニューウェーヴ系ヒッツ。中でも、ヤズーの名曲#10はオリジナル12インチバージョンとダブをミックスしたスペシャル・エディットでの収録。むちゃくちゃ聴き応えのある仕上がりです。また、アート・オブ・ノイズの#11は、リーブランド自身が87年にDMCのために制作したDJ用リミックスを収録。恐らく世界初のCD化です。

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Grand 12-inches 2 (2005)

(P)2005 Sony Music Entertainment (Holland)
CD 1
1,Telex
  Moskow Diskow (English 12" Version) 5:25ビデオ
2,Harry Thuman
  Underwater (12" Version) 6:01 ビデオ
3,Martin Circus
  Disco Circus (Full Length Version) 14:02
4,Harold Faltermeyer
  Axel F (12" Version) 7:12 ビデオ
5,C.O.D.
  In The Bottle (12" Version) 6:03 ビデオ
6,Dazz Band
  Let It All Blow 5:51
7,Dan Hartman
  Vertigo/Relight My Fire
  (Full Length Version) 11:59
8,Supermax
  Love Machine (12" Version) 8:38
9,American Gypsy
  I'm OK, You're OK (12" Version) 5:24 ビデオ
10,Telex
  Moskow Diskow (French 12" Version) 7:28ビデオ
CD 2
1,Grandmaster Flash
  The Message (12" Version) 7:13 ビデオ
2,Blondie
  Rapture (Full Length Version) 10:02 ビデオ
3,Chemise
  She Can't Love You (12" Version) 5:04 ビデオ
4,Stephanie Mills
  Medicine Song (12" Version) 6:20 ビデオ
5,Colonel Abrams
  Trapped (12" Version) 6:28 ビデオ
6,T-Connection
  At Midnight (12" Version) 9:42
7,Latoya Jackson
  If You Feel The Funk (12" Version) 5:11
8,Miami Sound Machine
  Dr Beat (12" Version) 6:31ビデオ
9,Peter Brown
  Love Is Just A Game (12" Version) 7:00 ビデオ
10,The Limit
  Say Yeah (Vocal+Dub Version) 10:34
CD 3
1,Sharon Redd
  Can You Handle It (Francoise K Mix) 8:58ビデオ
2,David Joseph
  You Can't Your Hide (Your Love From Me)
  (12" Version) 6:41 ビデオ
3,Sharon Brown
  Specialize in Love (12" Version) 7:13 ビデオ
4,Jean Carn
  Was That All It Was (12" Version) 6:31ビデオ
5,Mtume
  So You Wanna Be A Star (12" Version) 5:19
6,Hugh Masakela
  Don't Go Lose It Baby (12" Version) 7:35
7,Miami Sound Machine
  Conga (12" Version) 5:55
8,Manhattan Transfer
  Twilight Zone (12" Version) 6:06 ビデオ
9,Donna Summer
  Last Dance (Full Length Version) 8:10 ビデオ
10,Santa Esmeralda
  Don't Let Me Be Misunderstood
  (Full Length Version) 16:12
CD 4
1,The Jacksons
  Can You Feel It (Live Version) 6:08
2,M
  Popmuzik (12" Version) 4:54 ビデオ
3,Paul Hardcastle
  19 (12" Version) 5:14 ビデオ
4,MDMC
  How About It (12" Version) 7:24
5,The BBQ Band
  On The Beat (Original 12" Version) 5:55ビデオ
6,Sunbelt
  Spint It (12" Version) 7:38
7,Felix
  Don't You Want Me (12" Version) 5:54
8,Yazoo
  Don't Go (Vocal+Dub Version) 8:25 ビデオ
9,Sheila E.
  Glamous Life (Edit) 6:34
10,Macho
  I'm A Man (Full Length Version) 17:34
 いきなりテレックスの#1から始まるってところが憎いっすよね〜(笑)いや、改めて聴くと本当にかっちょいい。78年にこれだけ斬新な音を作ってたということに感服いたします。スーパーマックスの#8やアメリカン・ジプシー(オランダのグループですが)の#9など、かなりマニアックな楽曲が並ぶ一方、ハロルド・ファルターメイヤーの#4やダン・ハートマンの#7なんて超定番のダンクラも。その#7ですが、従来CD化されてきたバージョンは80年代半ばにエディットされたもので、ここに収録されているのが正真正銘のフル・バージョンなんだそうです。また、マーティン・サーカスの#3はシングル・エディットしかマスターが見つからなかったため、現存するアナログ盤音源にオリジナル・マスターをミックスして制作したそうな。愛ですね、愛。  オールドスクール定番中の定番であるグランドマスター・フラッシュの#1で幕を開ける2枚目。こんなにクリアな音質で聴くのは初めてだったので本当にビックリしました。素晴らしい!グッジョブ!続くブロンディの傑作#2は幾つかのロング・バージョンが存在しますが、一番長いフル・バージョンでの収録です。T−コネクションの傑作ディスコ#6やコロネル・アブラムスのガラージ・クラシック#5、マイアミ・サウンド・マシーンの#8など定番的なヒットを網羅する一方で、ラトーヤ・ジャクソンの#7やピーター・ブラウンの#9といった隠れた名曲を選ぶ辺りのセンスはさすが。ステファニー・ミルズにしても、彼女にとってはどちらかというとマイナーな#4を取り上げてくれたのは嬉しい限り。だって、大好きなんだもん(笑)  ニューヨーク系のガラージ・クラシックを中心に選曲された3枚目。シャロン・レッドの#1がフランソワ・ケヴォーキアン、デヴィッド・ジョセフの#2がラリー・レヴァンと大御所のリミックス作品が続きます。#1は7分ちょいにエディットされたバージョンがよく出回っていますが、しっかりとフル・バージョンで収録されているのでご安心を。エムチューメの#5やマンハッタン・トランスファーの#8も嬉しい選曲です。しかも、サンタ・エスメラルダの大ヒット#10に至っては、アルバムと同じフル・バージョンを丸々収録。クリスタル・クリアな超高音質でめいっぱい堪能させて頂きました。また、マイアミ・サウンド・マシンの名曲#7ですが、12インチ・バージョンのオリジナル・マスターからCDが起こされるのは初めてのことなのだそうです。  4枚目はポップ・チャート系とニュー・ウェーヴ系のヒット曲からセレクトされています。目玉は、これが12インチ・バージョン初CD化となるサンベルトの#6。アメリカ産テクノ・ポップの隠れた名曲です。テクノ・ポップといえば、日本でもCMなどに使われてお馴染みの#2は、これまでに数多くのリミックスが作られてきましたが、最初にリリースされたオリジナル12インチ・バージョンで収録されています。ベン・リーブランド自身がリミックスを手がけたMDMCの#4もキャッチーでファンキーなテクノ・ポップ・ナンバー。かなり凝った音作りがユニークです。また、ヤズーの名曲#8は当時のリミックス・バージョン。国によっては、2パートに分割されてリリースされましたが、ここでは未編集のフル・バージョンで収録されています。

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Grand 12-inches 3 (2006)

(P)2005 Sony Music Entertainment (Holland)
CD 1
1,Robert Palmer
  You Are In My System
  (Extended Album Version) 6:00
2,Andre Cymone
  The Dance Electric (Long Version) 5:35
3,Chaz Jankel
  Glad To Know You (12" Version) 6:37 ビデオ
4,Suzi Lane
  Harmony (12" Version) 6:59 ビデオ
5,The Chaplin Band
  Madmen's Discoteque (Part 1&Part 2) 6:30
6,Janis Ian
  Fly Too High (12" Version) 6:59
7,The Rah Band
  Slide (12" Version) 6:39
8,The Real Thing
  Can You Feel The Force (12" Version) 7:39
9,Anita Ward
  Ring My Bell (12" Version) 8:12
10,Boys Town Gang
  Cruisin' The Streets (12" Version) 13:14
CD 2
1,Positive Force
  We Got The Funk (12" Version) 4:31
2,Lakeside
  Fantastic Voyage (12" Version) 6:12 ビデオ
3,Cheryl Lynn
  Shake It Up Tonight (Album Version) 5:42
4,Colonel Abrams
  I'm Not Gonna Let You Go
 (12" Version) 6:47 ビデオ
5,Crown Heights Affair
  You Gave Me Love (12" Version) 5:52 ビデオ
6,Rose Royce
  R.R. Express 12:01
7,Jerry Knight
  Overnight Sensation (12" Version) 6:30 ビデオ
8,M.F.S.B.
  Love Is The Message (Album Version) 11:33
9,Edwin Starr
  Contact (12" Version) 7:15
10,Earth Wind & Fire
  Boogie Wonderland (12" Version) 8:16 ビデオ
CD 3
1,The Reddings
  The Awakening (Part 1& Part 2) 3:32 ビデオ
2,Earth Wind & Fire
  Fantasy (Shelter DJ Mix) 8:57 ビデオ
3,Trussel
  Love Injection (Album Version) 7:53 ビデオ
4,Gene Chandler
  Get Down (12" Version) 8:18 ビデオ
5,Billy Ocean
  Are You Ready (12" Version) 6:46 ビデオ
6,Dynasty
  I Don't Want To Be A Freak
  (12" Version) 7:23 ビデオ
7,Herbie Hancock
  Tell Everybody (disco Version) 7:50
8,Shalamar
  Right In The Socket (12" Version) 6:42 ビデオ
9,Third World
  Now That We've Found Love (12" Version) 8:16
10,Commodores
  Brick House (Live) 10:26
CD 4
1,Imagination
  Body Talk (12" Version) 6:00 ビデオ
2,Fern Kinney
  Groove Me (Long Version) 8:54 ビデオ
3,One Way feat. Al Hudson
  You Can Do It (12" Version) 7:03 ビデオ
4,David Bowie
  Let's Dance (12" Version) 7:39
5,Fox The Fox
  Precious Little Diamond
  (Ben Liebrand 12" Mix) 7:27 ビデオ
6,Fun Fun
  Happy Station (Original 12" Version) 7:16
7,Tavares
  Heaven Must Be Missing An Angel
  (Irrestible Angel Mix) 8:35
8,Liaisons Dangereuses
  Los Ninos Del Porque (12" Version) 5:01
9,Talk Talk
  Such A Shame (12" Mix) 7:01
10,Faithless
  Salva Mea (Full Epic Mix) 11:52
 ロバート・パーマーの#1やジャニス・イアンの#6をチョイスする辺りが、並みのディスコ・オムニバスと一線を画するところでしょう。しかも、#1なんて12インチ・リミックスではなく、あえてアルバム・バージョンのエクステンデッドを持ってくるのがこだわりですね。#6は12インチ・バージョンのCD化は初めてだと思います。ジョルジョ・モロダーだったんですよね、これ。ジョルジョ・モロダーといえば、スージー・レインの#4も大好きな作品。“愛のコリーダ”の作者としても有名なチャス・ジャンケルの名曲#3も嬉しい選曲です。また、チャップリン・バンドの#5は当時A面B面で分かれて収録されていたバージョンを合体させたもの。ボーイズ・タウン・ギャングのゲイ・ディスコ・クラシック#10も、13分に及ぶ圧巻のフル・バージョンで収録です。  アーバンなディスコ・ファンクを中心にセレクトされた2枚目。特に珍しい楽曲やレア・ミックスは見当たらないものの、定番から通好みまでバランスよく構成された充実のラインナップです。しかも超の付くハイクオリティ・サウンド。個人的には、ローズ・ロイスの#6とジェリー・ナイトの#7は嬉しい選曲。どちらもCDでは滅多に見かけない隠れた名曲です。特に#6は12分以上に及ぶ大作ですからね。コロネル・アブラムスの#4とエドウィン・スターの#9は定番ナンバーですが、やっぱ何度聴いてもカッコいいもんです。そして、定番中の定番、ディスコといったらコレ!とも言うべき傑作#10。楽器の位置関係まで手に取るように分かってしまうリマスター技術のクオリティにも驚かされます。  こちらもディスコ・ファンク中心に構成された3枚目。アース・ウィンド&ファイアーの名曲#2は2002年に制作されたリミックス・バージョンですが、基本的にオリジナル・マスターの音源だけを使った秀逸な仕上がりです。当時は12インチ・バージョンも制作されていませんしね。トラッセルのガラージ・クラシック#3やハービー・ハンコックの超グルーヴィーなディスコ・ファンク#7、メジャーになる前のビリー・オーシャンによる#5などは、他では滅多にお目にかかれない貴重なトラックです。ジーン・チャンドラーの#4も、後のリメイク・バージョンがやたらと出回っているので、オリジナルの12インチ・バージョンは意外と珍しいかも。また、サード・ワールドの代表作#9は、当時の12インチより30秒ほどイントロが長いバージョンです。  なぜかUKトランスのフェイスレスがオマケで入っているという不思議な4枚目。単純にベン・リーブランドの趣味なんでしょうけどね(笑)ま、それはともかくとして、ポップ&ロック系を中心に良質な楽曲の揃った4枚目。メロウ&ソフトなミディアム・バラード#1は大好きですね。ファン・ファンの#6はリーブランドの手がけたリミックスで有名ですが、あちこちのオムニバス盤で取り上げられているということもあり、ここではあえてオリジナルの12インチ・バージョンが採用されています。また、タヴァレスの大ヒット曲#7は80年代半ばにカセット・テープ用として制作されたリミックス・バージョンで、CD発売されるのは今回が初めてということ。ハイエナジー風のパッキンパッキン・サウンドが逆に新鮮です。

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Grand 12-inches 4 (2007)

(P)2007 Sony Music Entertainment (Holland)
Disc 1
1,Michael Jackson
  Billie Jean (Original 12" Version) 6:25 ビデオ
2,WAR
  Galaxy (Full Length Version) 8:12 ビデオ
3,A Taste Of Honey
  Boogie Oogie Oogie (12" Version) 5:31ビデオ
4,Heatwave
  The Groove Line (12" Version) 7:29 ビデオ
5,Chic
  Le Freak (Album Version) 5:35 ビデオ
6,Jimmy Bo Horne
  Spank (12" Version) 7:00 ビデオ
7,Peter Brown
  They Only Come Out At Night
  (12" Version) 6:25 ビデオ
8,Sister Sledge
  He's The Greatest Dancer
  (Album Version) 6:06 ビデオ
9,Billy Ocean
  Stay The Night (12" Version) 6:18 ビデオ
10,Farley 'Jackmaster' Funk
  Love Can't Turn Around
  (Ben Liebrand Edit) 17:15
DISC 2
1,Grace Jones
  La Vie En Rose (12" Version) 7:28 ビデオ
2,Change
  You Are My Melody (12" Version) 6:23 ビデオ
3,World Premiere
  Share The Night (12" Version) 7:26 ビデオ
4,BB&Q Band
  Genie (Album Version) 6:01
5,Aretha Franklin
  Who's Zoomin' Who (12" Version) 8:37
6,Deodato
  S.O.S. Fire In The Sky (12" Version) 6:49ビデオ
7,Peter Jacques Band
  Going Dancing Down The Street
  (12" Version) 5:52
8,Earth Wind & Fire
  System of Survival (12" Version) 7:41
9,The Jacksons
  Walk Right Now (12" Version) 7:41
10,The Three Degrees
  The Runner (12" Version) 7:46
CD 3
1,Pet Shop Boys
  West End Girls
  (Bobby Orlando 12" Version) 7:51 ビデオ
2,Bobby Orlando
  She Has A Way (12" Version) 5:52 ビデオ
3,The Mike Theodore Orchestra
  High On Mad Montain (12" Version) 8:15
4,Divine
  Native Love (12" Version) 5:07 ビデオ
5,Bobby Orlando
  I'm So Hot For You (12" Version) 5:10ビデオ
6,Azoto
  San Salvador (12" Version) 6:56 ビデオ
7,Easy Going
  Fear (Original 12" Version) 7:53 ビデオ
8,Midway
  Set It Out (12" Version) 6:36 ビデオ
9,Flirts
  Passion (12" Version) 9:04 ビデオ
10,Hot R.S.
  House of the Rising Sun
  (Full Length Version) 14:39
CD 4
1,George Kranz
  Trommeltanz (Din Da Da)
  (12" Master Version) 6:19 ビデオ
2,Roy Ayers Ubiquity
  Running Away (Long Version) 6:56 ビデオ
3,Mai Tai
  History (Rutger Kroese 12" Version) 7:20
4,Level 42
  Love Games (Album Version) 7:24
5,Mantronix featuring Wondress
  Got To Have Your Love
  (Club with Bonus Beats) 8:25
6,Pointer Sisters
  Automatic (12" Version) 6:08 ビデオ
7,Quincy Jones
  Ai No Corrida (12" Version) 6:17 ビデオ
8,G.Q.
  Disco Nights (Rock-Freak)
  (12" Version) 5:16
9,Laid Back
  White Horse (12" Version) 5:46 ビデオ
10,Jam & Spoon
  Follow Me (12" Version) 12:29
11,George Kranz
  Trommeltanz (Din Da Da)
  (Dub Version) 3:07
 マイケル・ジャクソンにテイスト・オブ・ハニー、シスター・スレッジ、シック、ヒートウェーヴと定番の大ヒットばかりを揃えたディスク1。ビックリしたのは、ファーリー・ジャックマスター・ファンクの#10。リーブランド自身によるエディット・バージョンで、クラブ・ミックスとダブ・ミックスをミックスして17分を超す大作に仕上げています。また、意外な拾い物だったのがビリー・オーシャンの#9。まだメジャー・ブレイクする以前のマイナー・ヒットですが、超キャッチーでダンサンブルなファンク・ナンバー。これはカッコいいです。その他、ジミー・ボー・ホーンの名曲#6やピーター・ブラウンの#7も大好きな作品。大満足のラインナップです。  アフター・アワーズの定番であるグレース・ジョーンズの#1で幕を開ける2枚目。全体的に地味ながらも良質な楽曲が選曲されています。一番の目玉はスリー・ディグリーズの#10でしょう。彼女たちがジョルジョ・モロダーと組んだ楽曲の中でも最良の作品。しかも、未発表とおぼしき超激レアな別テイクでの収録です。デオダートの超アップリフティングなハイエナジー・ナンバー#6も大好きな曲でしたね〜。アバといい、ディー・D・ジャクソンといい、S.O.S.という名のつく作品は当たりが多い(笑)BB&Qバンドの#4もメロウ・ファンクの名曲。アース・ウィンド&ファイヤーの#8はちょっと意外な選曲ですが、改めて聴きなおすとカッコいいですね。

 ボビー・オーランド絡みの楽曲を中心に選曲された3枚目。フラーツの大傑作#9はジョージ・ククゼッラの手がけたリミックス・バージョンでの収録です。また、ペット・ショップ・ボーイズの#1は日本のエイヴェックスやボビー・オーランドの事務所も含めて世界中を探したものの、オリジナル・マスターは発見されなかったそうです。過去にCD化されたものは全てアナログ盤からのコピーだったということで、ここでもアナログ盤からデジタル・リマスターしていますが、音質は驚くぐらい良好。いかにも70年代という感じのフル・オーケストラ・ディスコ#3や、南アフリカ出身のグループ、ホットR.S.による14分を超す超大作#10も通好みな選曲です。

 jズ・フュージョンやポップスを中心に選曲された4枚目。地元オランダ出身の女性グループ、マイ・タイの大ヒット#3は懐かしいですね。ロイ・エイヤーズの傑作ジャズ・ファンク#2やクィンシー・ジョーンズのメガ・ヒット#7が含まれているのは喜ばしい限り。レベル42の#4やGQの#8も趣味の良い選曲です。また、海外で絶大な人気を誇るジョージ・クランツのハイテンションなディスコ・ファンク#1ですが、オリジナル・マスターからのCD化は今回が初めてとのこと。なるほど、これまであちこちのオムニバスCDに収録されていたのはアナログ盤からのコピーだったのね。レイド・バックの超クレイジーなエレクトロ・ファンク#9もだ〜い好きです。

GRAND_12INCH_5.JPG

Grand 12-inches 5 (2008)

(P)2008 Sony Music Entertainment (Holland)
CD 1
1,Michael Jackson
  Don't Stop 'Til You Get Enough
  (12inch Version) 6:06 ビデオ
2,The Brothers Johnson
  Stomp! (12inch Version) 5:57 ビデオ
3,Cameo
  Word Up! (Extended Version) 5:56
4,Rick James
  Glow/Glow Reprise (Album Mix) 5:42 ビデオ
5,Mary Jane Girls
  In My House (12inch Version) 5:03 ビデオ
6,Sun
  Sun Is Here (12inch Version) 5:03 ビデオ
7,Ashford & Simpson
  Solid (Special Club Mix) 6:17
8,The Floaters
  Float On (Album Version) 11:47
9,Chaplin Band
  Il Veliero (12inch Version) 11:59
10,Amii Stewart
  Knock On Wood (12inch Version) 6:52
CD 2
1,Lionel Richie
  All Night Long (12inch Version) 6:20 ビデオ
2,Diana Ross
  I'm Coming Out (Original Chic Mix) 6:00ビデオ
3,Rah Band
  Clouds Across The Moon
  (12inch Version) 6:49 ビデオ
4,Stargard
  Theme from "Which Way Is Up"
  (12inch Version) 6:45 ビデオ
5,McFadden & Whitehead
  Ain't No Stoppin' Us Now (12inch Version) 7:02
6,Marvin Gaye
  Sexual Healing (Ben Liebrand Mix) 9:24
7,Soul USoul
  Back To Life (12inch Version) 7:39 ビデオ
8,Advance
  Take Me To The Top (12inch Version)6:17ビデオ
9,Patrick Juvet
  I Love America (12inch Version) 13:58
10,Peaches & Herb
  Shake Your Groove Thing (Album Version) 5:35
CD 3
1,Cerrone
  Love in C Minor (Album Mix) 16:20
2,Frantique
  Strut Your Funky Stuff (Liebrand Edit) 6:15
3,Andy Williams
  Love Story (12inch Version) 9:44
4,Womack & Womack
  Teardrops (Extended Remix) 7:41
5,Jeff Wayne
  Eve Of The War (Long Version) 7:00 ビデオ
6,Earth Wind & Fire
  Thinking Of You (12inch Version) 7:56
7,Gary's Gang
  Keep On Dancin' (12inch Version) 7:09 ビデオ
8,The Three Degrees
  The Runner (Long Version) 8:11 ビデオ
9,Jocko
  Rhythm Talk (12inch Version) 7:14 ビデオ
CD 4
1,Cock Robin
  The Promise You Made
  (Special Dance Mix) 6:33
2,Time Bandits
  Live It Up (12inch Version) 7:25
3,Breakfast Club
  Right On Target (12inch Version) 7:13
4,The Quick
  Rhythm Of The Jungle (12inch Version) 7:18
5,Boney M
  Rasputin (Extended Version) 7:32 ビデオ
6,Mai Tai
  What, Where, When, Who (12inch Version) 7:56
7,John Miles
  Slow Down (12inch Version) 4:18 ビデオ
8,Human League
  Don't You Want Me (12inch Version) 3:57
9,Human League
  Don't You Want Me
  (Extended Dance Remix) 7:29 ビデオ
10,Automat
  Automat 16:53
 定番ヒットばかりで構成されたラインナップ。しかし、ベン・リーブランドならではのこだわりが詰め込まれた1枚です。まず、アッシュフォード&シンプソンの大ヒット#7は、アルバム・バージョンと12インチ・バージョンの美味しいところを繋げたスペシャル・エディット。エイミー・スチュワートの#10も、2種類の12インチ・バージョンを合体させたもの。どちらも、このコンピレーションのためにリーブランド自身がエディットを手がけてます。また、チャップリン・バンドの#9は、レコード会社にマスターが存在しなかったため、2枚のアナログから音質の良いところを抜き出してエディットしているそうです。  スウィートでダンサンブルなメロウ・グルーヴを中心に選曲された2枚目。こちらの目玉はマーヴィン・ゲイの泣く子も黙る名曲#6。オリジナル・マスターを使ってベン・リーブランド自身がリミックスを手がけたスペシャル・バージョン。もちろん、ここでしか聴くことができません。余計な小細工などをせず、原曲の音だけを使って仕上げています。また、ダイアナ・ロスの#2は当時お蔵入りになったオリジナル・バージョンでの収録。パトリック・ジューヴェのフレンチ・ディスコ#9が14分近いフル・バージョンで収録されているのも嬉しいですね。スターガードの傑作ディスコ・ファンク#4も見落とされがちな1曲です。  70年代ディスコ全盛期の作品を中心に、レア・トラックばかりをチョイスした3枚目。フレンチ・ディスコの帝王セローンの名曲#1は16分を超すオリジナル・アルバム・バージョンでの収録です。アンディ・ウィリアムスの#3も非常に珍しい激レア・アイテム。ま、私はアナログ盤を持ってますけど(^v^)vジェフ・ウェインの壮大なSFディスコ#5、アース・ウィンド&ファイアーが87年にリリースしたマイナー・ヒット#6も、他ではなかなか手に入らない作品です。フランティークの#2はアルバム・バージョンと12インチ・バージョンを編集したスペシャル・バージョン。スリー・ディグリーズの#8はアナログ盤からのリマスターです。  ポップ、ニューウェーヴ系のダンス・ヒットを中心に構成された4枚目。ボニーMの#5が若干浮いているような気もしますが、このイントロのカッコよさは誰も否定できないはず。ブレックファースト・クラブの#3やマイ・タイのマイナー・ヒット#6も、個人的には嬉しい選曲です。さらに、ヒューマン・リーグの爆発的大ヒット“愛の残り火”は2種類の12インチ・バージョンでの収録。今回はエディットせず、素直に両方並べて聴き比べることが出来ます。ところで、コック・ロビンの#1は海外でとても人気が高いようですが、そんなにヒットしましたっけ!?というか、個人的には全くよさの分からない楽曲なんですよね。

 

The Best of 12" Gold シリーズ

 12インチ・バージョンをメインに選曲したディスコ系オムニバス盤CDがまだ珍しかった80年代末〜90年代初頭。中古のアナログ盤を集めるにしても、大学生の身でお金もなかった僕にとって大変重宝したのが、この“The Best of 12" Gold”シリーズだ。発売元はイギリスのオールド・ゴールド・レコード。各レコード会社から古い音源を借りて独自のベスト盤やオムニバス盤などを企画する、いわば懐メロ専門のレコード会社で、90年代後半までコンスタントにリリースを続けていたようだ。価格帯も確か1500〜1800円くらい。低価格でヒット曲の12インチ・バージョンやロング・バージョンが手に入るというのは嬉しかった。
 今聴くと音質は平均レベル。最近のリマスター技術と比べてしまうと、どうしても聴き劣りしてしまうかもしれない。それでも選曲のセンスは抜群で、バンドAKAの“Grace”やスティーヴ・アリントンの“Feel So Real”などは、今では滅多に手に入らない貴重な音源と言えるだろう。中古でもたまに見かけるので、チャンスがあれば是非とも手に入れておいて損のないシリーズだと思う。

 

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The Best Of 12" Gold
Volume 8

The Best Of 12" Gold
Volume 9

The Best Of 12" Gold
Volume 12

(P)1989 Old Gold Records (UK) (P)1989 Old Gold Records (UK) (P)1990 Old Gold Records (UK)
1,Band AKA
  Grace (12inch Version) 6:23 ビデオ
2,Second Image
  Can't Keep Holding On (Original Version) 4:30
3,Billy Griffin
  Hold Me Tighter In The Rain
  (Long Version) 5:30 ビデオ
4,Shakatak
  Nightbirds (Full Album Version) 6:19 ビデオ
5,Sharon Brown
  I Specialize In Love (12inch Version) 7:15
6,Vicky D
  This Beat Is Mine (12inch Version) 5:53 ビデオ
7,Howard Johnson
  So Fine (Full Album Version) 5:28 ビデオ
8,Jones Girls
  Nights Over Egypt
 (Full Album Version) 4:38 ビデオ

1,Isley Jasper Isley
  Caravan Of Love (Full Album Version) 5:43
2,Heatwave
  Always And Forever (Full Album Version) 6:14
3,Mtume
  Juicy Fruit (Remix) 7:01 ビデオ

4,Marvin Gaye
  Sexual Healing (Club Mix) 4:50 
5,Billy Paul
  Let's Make A Baby (Full Album Version) 7:11
6,Carl Anderson
  Buttercup (Remix) 4:19
7,
Nicole with Timmy Thomas
  New York Eyes (Remix) 5:58 ビデオ
8,S.O.S. Band
  Just Be Good To Me
 (12inch Version) 8:56 ビデオ

1,Evelyn Thomas
  High Energy (Original Version) 7:50 ビデオ
2,Eartha Kitt
  Where Is My Man (12inch Vocal Version) 6:24
3,Divine
  You Think You're Man
 (12inch Version) 8:05 ビデオ
4,Barbara Pennington
  On A Crowded Street (12inch Version) 9:52
5,Amii Stewart
  Light My Fire (1985 Remix Extended) 7:38
6,Miquel Brown
  So Many Men, So Little Time
  (Original Version) 8:10 ビデオ
7,Boys Town Gang
  Can't Take My Eyes Off You
  (Original Version) 9:40 ビデオ
8,Village People
  Y.M.C.A. (12inch Version) 6:47
 80年代ソウルやジャズ・フュージョン系を中心に、メロウ&スウィートなダンス・クラシックを揃えた1枚。素晴らしい選曲です。特にバンドAKAの爽やかでメロディアスなマイナー・ヒット#1は傑作だと思います。レベル42やシャカタクのファンなら夢中になること必至。オリジナルの12インチは殆ど出回ってないし、他でCD化されているのも見たことがありません。ヴィッキーDの#6やハワード・ジョンソンの#7も、滅多にCDではお目にかからない作品。その他、ビリー・グリフィンの#3やジョーンズ・ガールズの#8も大・大・大好きな名曲です。  こちらは渋めのソウル・バラードを中心に選曲されています。一番の目玉はエムチューメの大ヒット#3かもしれませんね。オリジナルの12インチ・バージョンより1分以上も長いリミックスで収録されています。このバージョンは他でも殆ど見かけたことがありません。個人的にはニコールとティミー・トーマスのデュエット#7を目当てに購入したんですけどね。とてもセクシーかつメロウなナンバーで、ニコールのねっとりとしたソウルフル・ボイスが最高。SOSバンドの#8も大好きな作品でした。懐かしいですね〜。  ハイエナジー系のゲイ・アンセムを中心に選曲された1枚。今となってはごくありきたりなラインナップですが、当時はまだ入手困難だったり、プレミアが付いたりで、なかなか手の届かない楽曲ばかりでした。そう考えると、時代が変わりましたね。ただ、エイミー・スチュワートの85年リミックス#5については、12インチ・バージョンでのCD化は結構珍しいと思います。エディットされたアルバム・バージョンは何度もリリースされているんですけどね。あと、バーバラ・ペニントンの#4は演奏時間が数秒短いような気がします。

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The Best Of 12" Gold
Volume 16

The Best Of 12" Gold
Volume 21

(P)1990 Old Gold Records (UK) (P)1991 Old Gold Records (UK)
1,Jocelyn Brown
  Somebody Else's Guy
 (Original Version) 6:28 ビデオ
2,Sister Sledge
  Thinking Of You 4:20 ビデオ
3,Change
  Change of Heart (Full Album Version) 7:02
4,Fonda Rae
  Touch Me (12inch Version) 9:13 ビデオ
5,Intruders
  Who Do You Love? (Original Version) 6:07
6,Paul Hardcastle
  You're The One-Daybreak-A.M.Medley
  (12inch Vocal Version) 6:28
7,Steve Arrington
  Feel So Real (Extended Version) 5:50
8,Princess
  Say I'm Your No.1 (Extended Version) 6:17
1,Cameo
  Word Up (Extended Version) 5:59
2,Cool Notes
  Spend The Night (12inch Version) 5:54 ビデオ
3,Kool & The Gang
  Fresh (Album Version) 4:22
4,Alyson Williams
  Sleeptalk (Extended Remix) 5:56
5,Joyce Sims
  All And All (Part 1&2) 10:21
6,Luther Vandross
  Never Too Much (Album Version) 3:42
7,The Pasadenas
  Tribute (Right On) (The Screaming Cat Mix) 5:12
8,Midnight Star
  Midas Touch (Extended Dance Mix) 6:36
 イギリス人好みの洒落たアーバン・ディスコを中心にセレクトされた1枚。スティーヴ・アリントンの爽快感溢れるエレクトロ・ファンク・ナンバー#7は、他ではなかなか聴くことができない名曲です。イントゥルーダースもフィラデルフィア・インターナショナル時代の作品はよく見かけますが、80年代にリリースしたこの曲#5はとても珍しいと思います。その他、ジョセリン・ブラウンの名曲#1、フォンダ・レエのガラージ・クラシック#4、プリンセスによる80年代UKソウルを代表する名曲#8など、とてもセンスの良い選曲だと思いますね。  エレクトロ・ファンク系の選曲でまとめられた1枚。クール&ザ・ギャングの#3とルーサー・ヴァンドロスの#6は、なぜかアルバム・バージョンで収められています。どちらも12インチ・ミックスが存在するはずなんですがね。一方、ジョイス・シムスによるニューヨーク・フリースタイルの名曲#5は、10分を超すスペシャル・ミックスでの収録。単純にオリジナル・バージョンをロング・エディットしただけなんですけど、他では見かけたことがありません。アリソン・ウィリアムスの#4やミッドナイト・スターの#8も懐かしいですね。当時大好きでした。

 

 

Old School Nation !シリーズ

 カナダのトロントを拠点にするワーナー・グループのダンス系オムニバス盤専門レーベル、ハイ=ビアス・レコードからリリースされたオムニバス盤シリーズ。主に80年代のエレクトロ・ファンクやフリースタイル、ハイエナジーから選曲されている。
 基本的にワーナー、アトランティック系列の音源が多いので、ラインナップ的には若干偏ってはいるものの、80年代ディスコを語る上では外せない楽曲も数多い。音質的にも“Grand 12-inches”ほどではないにせよ、まずまずのハイクオリティ。80年代のリアルタイムを知らない初心者や、コレクターというほどではないけれど…というディスコ・ファンにはオススメだと思う。ただ、ナンシー・マルティネスの“For Tonight”がクラブ・ミックスと表記されていながら、実際にはダブ・ミックスだったりと、一部で音源のミスがあったりするのが玉に瑕なんだけどね(笑)

 

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Old School Nation !

Old School Nation ! 2

(P)2004 Hi-Bias Records (Canada) (P)2005 Hi-Bias Records (Canada)
CD 1
1,Deee-Lite
  Groove Is In The Heart
  (Meeting Of The Minds Mix) 5:10
2,Tom Tom Club
  Genius Of Love (Long Version) 7:26 ビデオ
3,Africa Bambaataa & The Soul Sonic Force
  Planet Rock (Original Vocal Version) 6:24
4,Chaka Khan
  I Feel For You (Remix) 7:14
5,Levert
  Casanova (Vocal Extended Mix) 6:11ビデオ
6,Sweet Sensation
  Hooked On You (Long Play Version) 5:09
7,Starpoint
  Object Of My Desire (12" Version) 5:43 ビデオ
8,Digital Underground
  The Humpty Dance (Bonus Hump Mix) 4:39
9,Nancy Martinez
  For Tonight (Club Mix) 4:57
10,Debbie Gibson
  Only In My Dreams (Extended Club Mix) 6:31
11,Chic
  Good Times (12" Mix) 8:13
12,Information Society
  What's On Your Mind (Club Mix) 8:00 ビデオ
CD 2
1,Yaz
  Situation (12" mix) 5:44 ビデオ
2,Company B
  Fascinated (Club Mix) 7:29
3,Patrice Rushen
  Forget Me Nots (12" Version) 7:17 ビデオ
4,Sheila E.
  The Glamorous Life (Club Edit) 6:20
5,Club Nouveau
  Lean On Me (Remix) 6:34
6,J. J. Fad
  Supersonic (Vocal Remix) 6:44
7,Doug Lazy
  Let It Roll (Vocal Mix) 6:39 ビデオ
8,The Time
  Jungle Love (12" Mix) 5:28
9,Zapp
  More Bounce To The Ounce
  (Extended Version) 5:50
10,Nice & Wild
  Diamond Girl (Vocal Disco Version) 5:49 ビデオ
11,Nu Shooz
  I Can't Wait (Vocal American Mix) 4:51
12,Planet Patrol
  Play At Your Own Risk (Vocal Mix) 7:46 ビデオ
CD 1
1,Soft Cell
  Tainted Love (Original 12") 8:56 ビデオ
2,KWS
  Please Don't Go (Extended Mix) 6:08
3,Nu Shooz
  Point Of No Return
 (Vocal Long Version) 5:51ビデオ
4,Jody Watley
  Looking For A New Love (Club Edit) 5:50
5,Nancy Martinez
  Move Out (12" Mix) 6:04 ビデオ
6,Rockers Revenge feat. Donnie Calvin
  Walking On Sunshine 4:43
7,Sweet Sensation
  Love Child (Extended Version) 5:25
8,Livin' Joy
  Dreamer (Original Club Mix) 5:38
9,Kon Kan
  I Geb Your Pardon (Club Mix) 6:32 ビデオ
10,New Edition
  Candy Girl (Long Version) 7:18
11,Sister Sledge
  We Are Family (Long Version) 8:20
12,Stevie B
  I Wanna Be The One (Original) 4:33 ビデオ
CD 2
1,The Dazz Band
  Let It Whip (12" Mix) 6:07
2,Chaka Khan with rufus
  Ain't Nobody (Long Play Version) 4:40 ビデオ
3,Linear
  Sending All My Love (Club Mix) 4:47
4,The Jets
  Crush On You (Extended Version) 6:17
5,Stretch 'n' Vern
  I'm Alive (12" Original) 7:13
6,Mark Morrison
  Return Of The Mack (C&J Streetmix) 4:33
7,Ready For The World
  Oh Sheila (Extended Version) 6:48
8,Sex-O-Sonique
  I Thought It Was You (12" Mix) 6:43
9,Simon Harris
  Bass (How Low Can You Go)
  (Extended Version) 5:47 ビデオ
10,Johnny O
  Fantasy girl (Club Mix) 7:51ビデオ
11,Bananarama
  Venus (Extended Version) 8:24
12,Bronski Beat
  Smalltown Boy (12" Mix) 5:01
 よく考えるとディー・ライトもオールド・スクールなんだね…と隔世の感を禁じえないオープニング(笑)上でも触れたように、ナンシー・マルティネスの#9は残念ながらダブ・ミックスです。あと、レヴァートの#5はオリジナル・エクステンデッド。スウィート・センセーションの#6はセカンド・ミックスのアルバム・バージョン。デジタル・アンダーグラウンドの#8はラジオ・エディットを使用してます。シックの#11も正確にはフル・バージョンと呼ぶべきでしょう。その一方で、チャカ・カーンの#4は89年のリミックスを使うオムニバス盤が多いですが、ちゃんと84年のリミックスが収録されています。スターポイントの#7も取り上げられる事が少ないので嬉しい選曲です。  選曲の基準は不明ですが(笑)、主に80年代のNY系ファンクとフリースタイルで構成された2枚目。でも、幕開けはいきなりヤズーなんですけどね。こちらは、1枚目に比べると音源の間違いは少ないと思います。それでも、クラブ・ヌーヴォーの#5はリミックスではなく、クラブ・エディットです。あと、ダグ・レイジーの#7は時間表記が間違い。正確には5分49秒です。また、ザップの#9は残念ながらエディット・バージョン。それ以外は概ね間違ってないと思います。JJファッドの#6なんか最近はあまり見かけなくなったので懐かしいですね。ソルトン・ペッパと並ぶ女性ヒップ・ホップ・グループのパイオニア的存在でした。ニュー・シューズの#11も大好き!

 リヴィン・ジョイ#8やKWS#2をオールド・スクール扱いするのはいかがなもんかとは思いますが(笑)ソフト・セル#1にしたって、ちょっと浮いちゃいないか!?と突っ込みたくなる選曲。それでも、ナンシー・マルティネスの#5をちゃんと12インチ・バージョンで収録してしまう辺りの選曲は買います。やっぱりカナダ出身だから?コン・カンの#9も当時は大ヒットしたにも関わらず、ダンクラ系オムニバスでは滅多に見かけませんしね。シスター・スレッジの#11は95年の再発時にリリースされたフル・バージョンを収録。一方、ジョディ・ワトリーの#4やロッカーズ・リベンジの#6をエディット・バージョンで収録しているのはちょっと解せませんね。

 いや、だからさぁ(笑)明らかにオールド・スクールに分類するのはおかしい楽曲がチラホラと。#8なんて、どう考えてもハービー・ハンコックの原曲をチョイスすべきだと思いますよね。で、リニアーのフリースタイル・クラシック#3はクラブ・ミックスではなくてアルバム・バージョン。ブロンスキ・ビートの名曲#12も同じくアルバム・バージョンです。あと、バナナラマの#11は、エクステンデッドではなくダブ・バージョンでした。そんな欠点だらけの選曲ですが、ダズ・バンドの#1はお手柄ですね。12インチ・ミックスは滅多に収録されておりませんので。ジェッツの#4やレディ・フォー・ザ・ワールドの#7も個人的には嬉しい選曲。とりあえず大目に見てやりましょう(笑)

 

 

Gay Anthems シリーズ

 ディスコ及びダンス・ミュージックの歴史と発展は、ゲイ・コミュニティーの影響力なしには語れない。というよりも、70年代以降のダンス・ミュージック・シーンは、ゲイによって育まれてきたと言っても過言ではないはずだ。ディスコ・ヒットの多くはゲイ・シーンから生まれ、プロデューサーやDJなど裏方の人間もゲイが多かった。その辺りの密接な関係を語っていくと長くなるので割愛するが、要はダンス・ミュージックとゲイ・カルチャーは切っても切り離せないのである。
 そんな70年代〜80年代のゲイ・クラブ・シーンを賑わせたヒット曲を網羅したオムニバスCDが、この“Gay Anthem”シリーズだ。リリースしたのはマイアミに拠点を置くホット・プロダクション。ディスコやハイエナジー、フリースタイルなどのリイシューを専門にしてきたレコード会社である。で、企画を担当したのはマーク・メディコフという人物。彼自身もゲイで、しかも相当なダンス・ミュージック・マニア。その選曲には豊富な知識と深い愛情が強く感じられる。特にUKやヨーロッパ産のディスコ、ハイエナジーに対する情熱は人並みじゃない。
 その一方で、インディペンデントの弱小レーベルゆえに、様々なハンデや制限が欠点として挙げられるだろう。まず、メジャー・レーベルが版権を押さえている楽曲は手が出せない。例えば、EMIが持っているヘイゼル・ディーンのPWLものやアンジー・ゴールドなどは、当時のオリジナルではなくてリメイク・バージョンが使用されている。その他の選曲に関しても、基本的にインディペンデント系のマニアックな楽曲が多くなってしまう。
 また音質的にも玉石混合。しっかりとオリジナル・マスター・テープから起こした音源もあれば、どうもアナログ盤からコピーしたと思しき音源もチラホラ。ただ、12インチ・バージョンにこだわるとなると、そうならざるを得ないというのも事実なので、割り切らなくてはいけないのだろう。
 とはいえ、ボーイズ・タウン・ギャングやギブソン・ブラザーズ、イヴリン・トーマスにゲイリー・ロウ、グロリア・ゲイナーなど、定番アーティストによる定番ヒットの12インチ・バージョンも目白押し。CDではここでしか聴くことのできない隠れた名作も少なからず含まれている。特に80年代のハイエナジー、ユーロビート系のマニアには自信を持ってオススメできるシリーズだと思う。
 ちなみに、昔から海外のゲイ・ディスコで大ヒットしたナンバーは、なぜか日本でも大ヒットしてしまうことが多い。アンジー・ゴールド然り、ボーイズ・タウン・ギャング然り。ポップでキッチュなものが受けるという土壌はとても似通っている。基本的に日本人の感性というのは、ゲイの持っているそれに近いものがあるのかもしれないと思うのだが、いかがなもんだろうか?

 

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Gay Anthems Vol. 1
Ridin' The Rainbow

Gay Anthems Vol. 2
Outstanding

Gay Anthems Vol. 3
Out! Loud! Proud!

(P)1995 Hot Productions (USA) (P)1995 Hot Productions (USA) (P)1995 Hot Productions (USA)

1,Loverde
  Die Hard Lover (12" Version) 7:16 ビデオ
2,Man 2 Man
  Male Stripper (Original US Remix) 8:15
3,Evelyn Thomas
  High Energy (Original Version) 7:50
4,Marsha Raven
  Catch Me (I'm Falling In Love)
  (Remake Version) 6:0
5,Eartha Kitt
  Where Is My Man (12" Vocal Version) 6:07
6,Miquel Brown
  So Many Men, So Little Time
  (Original Version) 8:16
7,Hazell Dean
  Searchin' (I Got To Find A Man)
  (Original Version) 8:27
8,Norma Lewis
  Maybe This Time (Remix) 7:52 ビデオ
9,Earlene Bentley
  The Boys Come To Town (12" Version) 8:09
10,Carol Jiani
  Hit 'N' Run Lover (Remake Version) 4:10
11,Paul Parker
  Right On Target (12" Version) 6:18 ビデオ

1,Boys Town Gang
  Cruisin' The streets 6:24
2,India
  Stay With Me (Long Version) 5:23 ビデオ
3,Viola Wills
  Stormy Weather (12" Version) 7:39 ビデオ
4,Phyllis Nelson
  I Like You (Extended Version) 7:04 ビデオ
5,Divine
  Native Love (Dutch Vocal Mix) 5:13
6,Pearly Gates
  Action (Remake Version) 5:09
7,Angie Gold
  Eat You Up (Remake Version) 5:45
8,Fantasy
  He's Number One (12" Version) 5:36 ビデオ
9,The Flirts
  Passion (Remix) 9:02
10,Bobby O
  She Has A Way (12" Version) 5:53
11,Hazell Dean
  They Say It's Gonna Rain (Remake Version) 6:37
12,Pet Shop Boys
  West End Girls (Bobby O 12" Version) 7:52
1,Lisa
  Rocket To Your Heart (Remix) 9:33 ビデオ
2,Moonstone
  The Visitors (Original Version) 7:50
3,Viola Wills
  Gonna Get Along Without You Now
  (Remake Version) 5:01
4,Gary's Gang
  Knock Me Out (12" Vocal Version) 7:29ビデオ
5,Erotic Drum Band feat. Pat Marano
  Love Disco Style (New House Remix) 9:57
6,Gary Low
  I Want You (12" Vocal Version) 8:33 ビデオ
7,Carol Jiani
  Touch And Go Lover (Remix) 6:55
8,Bobby O feat. Claudja Barry
  Whisper To A Scream (Remix) 7:01
9,Voyage
  Souvenirs (Full Length Version) 6:18 ビデオ
10,The Gibson Brothers
  Cuba (Album Version) 7:16 ビデオ
 ゲイ・ディスコの王道とも言うべき定番ヒットを揃えたボリューム1。こうやって並べると、80年代ハイエナジーの大ヒット・ナンバーは、殆どゲイ・ディスコから誕生していたことがよく分かります。ただし、マーシャ・レイヴンの#4とキャロル・ジアーニの#10は、当時のオリジナルではなくリメイク・バージョンでの収録。目玉はやはりラヴァードの#1でしょうかね。この手のオムニバス盤で収録されることは滅多にありませんから。ノーマ・ルイスのアップリフティングでゴージャスな#8や、ポール・パーカーのイケイケなハッテン系ディスコ(?)の定番#11も、意外と貴重かもしれません。特に#11のゴリゴリブンブンしたベースラインのカッコよさは絶品。必聴です。  こちらも名曲が揃った秀逸な選曲。ただし、ボーイズ・タウン・ギャングの#1は残念ながらエディット・バージョンです。しかしこの曲、男2人のハッテン行為を売春婦が見ながらオナニーするという凄い内容だったんですね(笑)また、アンジー・ゴールドの#7とパーリー・ゲイツの#6、ヘイゼル・ディーンの#11は、オリジナルではなくリメイク・バージョン。それでも、#7はなかなか秀逸な仕上がりでカッコいいです。また、日本では新宿界隈の大型ディスコで大ヒットした哀愁ハイエナジーの傑作#8もオススメ。12インチ・バージョンでの収録はかなり貴重です。なお、#2のインディアは男性。あのインディアではないのでお間違えなく(笑)  定番ヒットとマイナー・ヒットをバランス良くブレンドした1枚。エロティック・ドラム・バンドのディスコ・ヒット#5は、87年にリリースされたリミックス・バージョンで収録されています。また、アバの名曲をカバーしたムーンストーンの#2もレアな音源ですね。日本でも大ヒットしたボビー・Oとクラウディア・バリーの傑作哀愁ハイエナジー#8は、珍しいボビーのソロ・バージョン。アレンジまで全く違います。ゲイリーズ・ギャングの#4もオリジナル12インチ・バージョンでのCD化は珍しいと思います。その他、ゲイリー・ロウの傑作哀愁イタロビート#6やギブソン・ブラザースによるラテン・ディスコの名作#10なども必携。ヴィオラ・ウィルスの#3のみリメイクです。

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Gay Anthems Vol. 5
Heading Out

Gay Anthems Vol. 7
Out There

Gay Anthems Vol. 8
Far Out

(P)1995 Hot Productions (USA) (P)1996 Hot Productions (USA) (P)1996 Hot Productions (USA)
1,Vikki Benson
  Easy Love (Dance Mix) 8:00
2,Earlene Bentley
  I'm Living My Own Life (UK Mix) 7:18
3,Laura Pallas
  Emergency (12" Vocal) 7:32
4,Eastbound Expressway
  You're A Beat
 Original 12inch Version) 9:08 ビデオ
5,Croisette
  Do You Know The Way To San Jose?
  (Club Mix) 8:57 ビデオ
6,Suburban boys
  Commumix (Communards Medley) 5:42
7,Dekko
  I'll Be Your Man 4:03
8,Barbara Mason
  Another Man (12" Vocal Version) 6:56
9,Frances Nero
  Footsteps Following Me (Original 12" Mix) 7:30
10,The Flirtations
  Earthquake (Remix) 8:17
11,Lydia Steinman
  Touch Me In The Morning (12" Version) 5:40
1,Gary Low
  You Are A Danger (12" Vocal) 8:40 ビデオ
2,Oh Romeo
  These Memories (12" Version) 6:05
3,Cafe Society
  Somebody To Love (12" Version) 7:12 ビデオ
4,Hotline
  Guilty (Remix) 5:35 ビデオ
5,Desiderata
  Heart Of Glass (12" Version) 7:07 ビデオ
6,Charade featuring Norma Lewis
  Break Me (Hi-NRG Remix) 8:26
7,Zone Brothers
  Do Ya Wanna Funk 7:39
8,Eartha Kitt
  I Love Men (Dance Remix-Vocal) 7:05
9,Viola Wills
  If You Could Read My Mind
  (Remake Version) 5:08
10,The Immortals
  The Ultimate Warlord
 (Original Version) 6:32 ビデオ
11,Carol Jiani
  Turning My Back And Walking Away
  (12" Version) 6:22
1,Angela Bowie
  Obsession (Original Version) 6:35
2,Stereo Fun, Inc
  Got You Where I Want You Babe
  (12" Version) 7:55 ビデオ
3,David Christie
  Stress (Extended Version) 6:20
4,Gary's Gang
  Makin' Music (Long Version) 7:34
5,Jigsaw
  Sky High '95 5:22
6,Hazell Dean
  You're My Rainbow 5:10
7,The Flirts
  Calling All Boys (Extended Mix) 7:56
8,Louise Thomas
  I Can Fly (Club Mix) 7:50
9,Gloria Gaynor
  I Am What I Am (Extended Version) 5:56 ビデオ
10,Jade
  I'm Gonna Get Your Love (Long Version) 6:09
11,Rocq E. Harrell
  My Heart Keeps Beating Faster 5:50
12,Man 2 Man
  At The Gym (Breakdown Remix) 5:14
 イアン・レヴィン関係の作品を中心に選曲されたラインナップ。惜しむらくは、#7にカバー・バージョンを使用せざるを得なかったこと。バーバラ・メイソンの名曲#8とセットで…という目論みであったことは明白なんですが、著作権の都合でオリジナルには手が出なかったのでしょう。全体的にマイナー・ヒット中心という印象も否めません。あとヴィッキ・ベンソンの傑作ハイエナジー#1はイアン・レヴィンのリミックスを使用しているのはいいんですけど、残念ながら本来よりも4分ほど短くエディットされてます。ただ、#6は当時プロモのみでリリースされた作品なので、貴重といえば貴重かもしれませんね。リディア・スタインマンの#11も秀逸なカバー・ヒットです。  ゲイリー・ロウの#1にオー・ロメオの#2、シャレードの#6と、哀愁ハイエナジーの傑作・名作を含む豪華な1枚。いずれも、ちゃんとオリジナルの12インチ・バージョンをフルで収録しているのが嬉しいですね。ただ、その一方でヴィオラ・ウィルスの#9はリメイク・バージョンだし、シルヴェスターの代表作#7に至ってはカバー・バージョンでの収録というのが残念。ちなみに、このゾーン・ブラザーズってゲイ・ディスコの帝王マン2マンのポール・ゾーンとマン・パリッシュのことなのだそうです。その他、ボビーOの手がけたホットラインや、イアン・レヴィンの手がけたデジデラータの#5(ブロンディのカバー)は、滅多にCD化されないレア・トラックだと思います。  ゲイ・クラシックの中でもかなりマニアックな楽曲、及び明らかに“クラシック”と呼ぶべきではないような楽曲で構成された微妙な1枚。デヴィッド・クリスティの名曲#3やグロリア・ゲイナーの#9、マン2マンの#12には文句ないんですけどね。ヘイゼル・ディーンの#6はアルバム・トラックだし、ロック・E・ハレルの#11に至っては未発表曲ですよ。ジグゾーの#5は確かに名曲だけどゲイ・クラシックではないし、しかもリメイク・バージョンだし。その一方で、デヴィッド・ボウイ元夫人アンジェラによる#1や、売れる前のナンシー・マルティネスがジェイド名義でリリースした#10は、他では殆どCD化されていない激レア・ナンバー。本当にコアなマニアのみオススメ。

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Gay Anthems Vol. 10
Turn It Out

Gay Anthems Vol. 11
Hangin' Out

Gay Anthems Vol. 12
Over And Out

(P)1996 Hot Productions (USA) (P)1996 Hot Productions (USA) (P)1996 Hot Productions (USA)
1,Seventh Avenue
  The Love I Lost (12" Mix) 7:55
2,Eartha Kitt with Bronski Beat
  Cha Cha Heels (12" Version) 6:40
3,Phyllis Nelson
  Don't Stop The Train (Original Version) 5:33
4,Lisa
  Jump Shout (Remix Version) 5:37 ビデオ
5,B. Blase
  Shame (You Were The Big Sensation)
  (12" Vocal) 6:08 ビデオ
6,Norma Lewis
  For All We Know (12" Version) 9:44 ビデオ
7,Waterfront Home
  Take A Chance On Me (12" Version) 5:40ビデオ
8,Earlene Bentley
  Caught In The Act (12" Version) 7:46 ビデオ
9,Miquel Brown
  Close To Perfection (12" Version) 8:09 ビデオ
10,Jimmy Ruffin & Jackson Moore
  I'm Gonna Love You Forever
  (British Club Mix) 8:32
11,Carol Jiani
  Get On Up And Do It Again 6:05
1,Miriam Lee
  The Men In My Life (12" Version) 7:18 ビデオ
2,People Like Us featuring Cindy Dickinson
  Deliverance (12" Version) 7:00 ビデオ
3,Company B
  Fascinated (Club Mix) 7:28
4,Bassix
  The Tears Of A Clown Original Version) 5:49
5,Promise Circle
  Be Mine Tonight (Club Mix) 7:53 ビデオ
6,Blue Moderne
  Through The Night (12" Version) 4:51
7,John Rocca
  I.O.U. (Ultimate Club Vocal Mix) 8:02
8,Left Lane
  Bam Bam Bam (I Came Here To Jam)
  (Club Mix) 5:45 ビデオ
9,The Flirts
  Helpless (You Took My Love)
  (Club Version) 7:43
10,Girly
  Working Girl (One Way Love Affair)
  (12" Version) 4:59 ビデオ
11,501's
  Let The Night Take The Blame
  (12" Version) 8:15 ビデオ
1,Yvonne Elliman
  Love Pains (Special DJ Version) 7:45
2,Blue Modern
  No Use To Borrow (Club Mix) 6:24 ビデオ
3,Tiger Moon
  Something Tells Me (Club Version) 7:28 ビデオ
4,Terri Wells
  I'll Be Around (12" Version) 6:05 ビデオ
5,Syreeta
  Love Fire 5:34
6,The Fifth Dimension
  Love Hangover 5:30
7,Jake Jacas
  Magic In The Air 6:32
8,Richy
  Set Me Free (Club Mix) 5:58
9,Dee Martin
  Lover Why! (Club Mix) 7:11
10,D.S.K.
  What Would I Do (Original Version) 4:01
11,Feel Real
  Abracadabra (Club Mix) 6:04
12,Sharon Dee Clarke
  Dance Your Way Out The Floor (Club Mix) 7:10
 元祖ゲイ向け(?)のイケメン・アイドル・グループ、セヴンス・アヴェニューの大ヒット・ナンバー#1で幕を開ける10枚目。彼らはジャケットで全裸とかセミ・ヌードやってましたもんね(笑)その他、リサのアップリフティングな傑作ハイエナジー#4やウォーターフロント・ホームの#7、ミケール・ブラウンのメロウ&スウィートな名曲#9など、ちょっとマニアックだけどファンなら誰もが知っているマスト・アイテムが勢ぞろいです。80年代イタロビートの隠れた名曲#5なんか、これが唯一のCD化。程よくファンキーなエレクトロ・サウンドは最高のカッコよさです。ただし、キャロル・ジアーニの#11はカバー・バージョンになります。  こちらもマニア垂涎のレア・トラックが並ぶ1枚。カンパニーBの#3はフリースタイルの定番として御馴染みですが、同じイッシュのプロデュースによるプロミス・サークルの#5とか、ブルー・モダーンの#6辺りになると、取り上げているオムニバス盤そのものが殆ど無いですもんね。どっちもマイアミ系フリー・スタイル・ファンにはたまらない名曲。特に#6のグルーヴィーなカッコよさは絶品です。#11は日本ではロレイン・マッケインで有名な作品ですが、こちらは当時イタリアでリリースされた競作盤。ポール・レカキスへのアンサー・ソングとして有名な#8や、ボビーO絡みの隠れた名曲#10など、なかなかの選曲です。  シリーズ最終盤は、多少の出がらし感は否めない内容。とはいえ、映画『フランティック』の挿入歌として話題になったタイガー・ムーンの傑作マイアミ・フリースタイル#3や、80年代ハイエナジーの王道と言えるイヴォンヌ・エリマンの#1、80年代アーバン・ディスコの名作#4は嬉しい選曲。その一方で、シリータの#5やフィフス・ディメンションの#6はイアン・レヴィン絡みの未発表曲だし、リッチーの#8は決してヒットした作品とは言い難いし。ディー・マーティンの#9やフィール・リールの#11は90年代半ばの楽曲だしね。それでも、スティーヴ・ミラー・バンドのカバー#11はなかなか秀逸なユーロ・ハウスです。

 

 

Classic Hi-Nrg シリーズ

 97年から98年にかけて、イギリスのパッション・レコードがリリースした4枚組の廉価版ボックス・セット・シリーズ。クラシック・ハイエナジーと銘打っているが、全てパッション・レコードの音源で構成された、実質的に全曲集とも呼べる内容だった。
 パッション・レコードは1983年にイギリスで設立されたハイエナジー専門のインディペンデント・レーベル。創立者はシャカタクのプロデューサーとして有名なナイジェル・ライトだ。メジャー系のヒット曲こそほとんど無かったものの、当時イギリスで発足したばかりのハイエナジー・チャートでは上位に食い込むヒット曲を次々と送り出し、インディーズながらアメリカやヨーロッパ各国、そして日本へと楽曲をディストリビュートするほどの勢いがあった。日本でもアンジー・ゴールドやピープル・ライク・アス、アステア、クアンタイズなどのシングルが六本木や新宿のディスコで人気を集めたものだった。その代表的なものが、荻野目洋子がカバーして大ヒットさせた、アンジー・ゴールドの“Eat You Up(素敵なハイエナジー・ボーイ)”だろう。
 ハイエナジー、ユーロビートがハウスに取って代わられた90年代には新曲もまばらとなり、90年代半ばには実質的に開店休業状態となった。その後、トランスやテクノ系のディストリビュートなども手がけていたが、90年代末には完全に店じまいしてしまったようだ。
 そんなパッション・レコード末期にリリースされた集大成的なボックス・シリーズ。ほとんどはオリジナル・マスター・テープから起こした音源を使用しているものの、明らかにアナログ盤を録音しただけの音源も一部存在する。他にも、なぜかラジオ・エディットでの収録だったり、ダブりでの収録だったり、針の音飛びまで録音されている音源もあったりと欠点を挙げればきりがないオムニバス盤だ。しかし、その一方でここでしかCD化されていないような楽曲も少なくない。未発表と思しきレア・トラックもかなり含まれている。
 いずれにせよ、ハイエナジー全盛期の魅力を存分に味わえる貴重なCD。その歴史は短かったものの、パッション・レコードがUKのダンス・ミュージック・シーンに与えた影響は決して少なくなかったと思う。パッションがなければ、その後のオールマイティやクローン・レコードなどの存在もなかったはずだ。

 

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CLASSIC HI-NRG

(P)1997 Passion Music (UK)
CD 1
1,Marsha Raven
  Catch Me (I'm Falling In Love)
  (12" Version) 9:32 ビデオ
2,Astaire
  Love Trap (12" Version) 8:58 ビデオ
3,Fantasia
  Evergreen (12" Version) 6:48 ビデオ
4,Cafe Society
  Somebody To Love (12" Version) 7:21
5,Angie Gold
  Eat You Up (12" Vocal) 6:43
6,Miriam Lee
  The Men In My Life (12" Version) 7:23
7,Astaire
  American Love 7:33
8,People Like Us
  Deliverance (12" Version) 7:02
9,Quantize
  Stop In The Name Of Love
  (12" Version) 7:04 ビデオ
10,Charade
  Got To Get To You (Original Version) 6:34
CD 2
1,Astaire
  The Power Of Love (12" Version) 6:32 ビデオ
2,Quantize
  The Sun Ain't Gonna Shine Anymore
  (12" Version) 8:19
3,Quantize
  You've Lost That Lovin' Feelin/Lovin' Suite
  (12" Version) 7:07
4,Astaire
  In The Name Of Love (12" Version) 6:32 ビデオ
5,Jessica Williams
  Sunset People (12" Version) 8:11
6,Sapphire featuring Kelly
  Burning 5:22
7,Nicci Gable
  Strange Desire (Hi-NRG Mix) 8:21 ビデオ
8,Charade featuring Norma Lewis
  Break Me (Hi-NRG Remix) 8:28 ビデオ
9,Tracy Ackerman
  Take My Body (And I Will Take Your Love)
  (Body Mix) 6:14 ビデオ
10,Norma Lewis
  Give Me Back In My Heart
  (Original Version) 6:05
CD 3
1,Astaire
  (Everything I Do) I Do It For You
  (12" Version) 6:06
2,Quantize featuring Damien Paule
  Instant Love 5:17
3,Ross Alexander
  Lover Come Back To Me 3:03
4,Nicci Gable
  I Don't Give A Damn (12inch Version) 5:42
5,Man 2 Man
  Male Stripper 5:03
6,Astaire
  Summernight City 4:38
7,People Like Us
  Ressurection (12" Version) 6:27 ビデオ
8,Quantize
  There'll Always Be A Place For You 5:41
9,Dolmann
  High Sex Drive (12" Version) 4:52
10,Astaire
  I'd Do Anything For Love (12" Version) 6:13
CD 4
1,Julia
  What's Up 6:22
2,Man 2 Man
  Energy Is Eurobeat 3:34
3,Louise Thomas
  Feels Like Love (12" Version) 5:52
4,Klodya
  I Was Tired Of Being Alone 3:50
5,Touch Tone
  Jackie 6:40
6,Ross Alexander
  Can't Say No 5:31
7,Astaire
  I Want To Know What Love Is
  (12" Version) 6:37
8,Heat-X-Change featuring Kevin Power
  Thunder & Lightning (12" Version) 9:21
9,Jessica Willaims
  Queen Of Fools (Original Version) 8:27
10,Kelly Marie
  I Don't Let The Flame Die Out
  (12" Version) 7:40
 マーシャ・レイヴンの#1やアンジー・ゴールドの#5、ピープル・ライク・アスの#8など、パッション・レコードの黄金期を築き上げたハイエナジー・ヒットが並んだ1枚目。ミリアム・リーのアップリフティングでパワフルな#6や、日本のディスコでも大受けしたクアンタイズによるシュープリームスのカバー#9なんかも懐かしいですね。カフェ・ソサエティの#4も大ヒットしました。ダンス・ミュージックとしても、ポップスとしても秀逸な、パッション・レコードの魅力を存分に味わいましょう。  日本のディスコでもバカ受けしたシャレードによる哀愁ハイエナジーの傑作#8を筆頭に、人気の高い楽曲からレア・トラックまでバランス良く揃えた2枚目。ケリー・マリーが壮大なスケールで歌い上げる哀愁ハイエナジー#6も日本人受けするタイプの楽曲ですね。アステアのリード・ボーカリストでもあったトレイシー・アッカーマンのパッキンパッキン・ハイエナジー#9(アナログ原版に起因する音飛びアリ)や、ノーマ・ルイスの#10は、アナログでもCDでもあまり見かけないレア・トラックです。  こちらはパッション・レコード後期に当たる90年代初頭の作品を中心に構成された1枚。ロス・アレクサンダーの#3やクアンタイズの#8は恐らく未発表作だと思われます。また、同じくクアンタイズの#3はB面ソング。とはいえ、とてもポップで爽やかなナンバーです。アステアによるアバのカバー#6は、当時パッションがリリースしたオムニバス盤でしか見かけたことがありません。イチオシはピープル・ライク・アスの美しいゴシック風ハイエナジー#7。ボーカルを取っているのはアンジー・ゴールドです。  こちらもマイナーなレアトラックを中心に構成されたラインナップ。クローディアの#4やマン2マンの#2なんかは、確かパッションからは出ていないはずなんですけどね…(^^;この辺りの絡みはよく分かりません。ジュリアの#1やロス・アレクサンダーの#6も、恐らく未発表曲ではないかと。一方、ジェシカ・ウィリアムスの#9ですが、パッション制作のハイエナジー・リミックスではなく、なぜか78年のオリジナル・バージョンを使用。タッチ・トーンの#5はブルー・ゾーンのカバーですが、ボーカルは瓜二つです。

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CLASSIC HI-NRG VOLUME TWO

(P)1998 Passion Music (UK)
CD 1
1,Carmen
  Then He Kissed Me (12" Version) 4:52 ビデオ
2,Carol Jiani
  Hit 'N' Run Lover ('88 Club Mix) 7:39
3,Kelly Marie
  Bor To Be Alive 3:44
4,Paul Parker
  Desire 4:53
5,Dee Dee Martin
  Save Yourself For Me 3:23
6,Choice Treats
  Love On The Rebound 6:12
7,Louise Thomas
  Feels Like Love 5:54
8,Norma Manning
  All Over Again (12" Version) 8:11
9,Damien Davey
  I'm A Man 3:53
10,Astaire
  Rival Love (12" Version) 5:33 ビデオ
CD 2
1,People Like Us
  Fighting For Our Lives (12" Version) 6:21ビデオ
2,Jessica Williams
  Casanova (12" Version) 6:06
3,George Myami
  We're Havin' A Party 3:54
4,Louise Thomas
  One Way Ticket 4:41
5,Zone Brothers
  Do You Wanna Funk 7:43
6,Kelly Marie
  Hands Up (12" Version) 6:36
7,Angie Gold
  Applause (12" Version) 9:40
8,Astaire
  Fire In My Heart 3:32
9,Kaz
  You Take My Breath Away (12" Version) 4:44
10,Rawe Deal
  Heartbeat (12" Version) 5:00
CD 3
1,Mimi
  Get Ready (12" Version) 8:21
2,Charade
  I'm The One (12" Version) 7:36
3,Marsha Raven
  False Alarm (12" Version) 6:13 ビデオ
4,Croisette
  Landslide (12" Version) 9:07 ビデオ
5,Astaire
  What Have I Got To Lose
 (12" Version) 9:16 ビデオ
6,Eastbound Expressway
  Rainstorm (UK 12" Version) 8:37
7,Angie Gold
  Third Finger Left Hand (12" Version) 7:09
8,Croisette
  Nothing But Blackmail (12" Version) 8:36
9,People Like Us
  Heart In The Night 5:35
10,Romance
  Tie Me Down (Original 12" Version) 8:38
CD 4
1,Kelly Marie
  Are You Ready For Love 3:59
2,Eastbound Expressway
  Knock Me Senseless (UK 12" Version) 8:31
3,Angie Gold
  Creature Of The Night 4:26
4,Venus
  Twilight Zone (12" Version) 5:43
5,People Like Us
  Hiroshima 5:20 ビデオ
6,Martyn Lacey featuring Angie Gold
  Cruising In The Park 5:19
7,Tracy Ackerman
  Slave (12" Version) 5:33
8,Kaz
  More Than I Can Say
  (Extended Dance Mix) 6:39
9,Lisa
  Doin' It (Original Version) 6:55 ビデオ
10,Pseudonym
  Unexpected Lover 7:40
 キャロル・ジアーニのレアなセルフ・リメイク・バージョン#2が収録されているというだけでも価値のある1枚。クアンタイズの面々(後にオールマイティで活躍)がプロデュースを手がけ、見事にUKハイエナジーとして蘇らせています。その一方で、ケリー・マリーの#3やディー・ディー・マーティンの#5などはなぜかラジオ・エディットでの収録。ルイーズ・トーマスの#7に至っては、ボリューム・ワンとのダブり選曲です。カルメンの#1もアナログ盤のスクラッチ・ノイズが酷すぎ。  バナナラマの“Venus”を明らかに意識したジェシカ・ウィリアムスの痛快ハイエナジー#2と、アンジー・ゴールドの名曲#7を12インチ・バージョンでフル収録しているのが嬉しい2枚目。シャカタクやクール・ノーツを思わせる洒落なダンス・ナンバー#9や、レア・グルーヴ風のファンキーなアシッド・ジャズ・ナンバー#10もなかなかの拾い物です。ピープル・ライク・アスの哀愁ハイエナジー#1も名曲ですね。ルイーズ・トーマスの#4はB面ソング。アステアの#8がラジオ・エディットなのが残念です。  クロイセットの#4、イーストバウンド・エクスプレスウェイの#6、アンジー・ゴールドの#7と、イアン・レヴィン絡みの楽曲がとても充実している1枚。しかも、殆ど全てが12インチ・バージョンをフルに収録してします。マーシャ・レイヴンの#3やアステアの#5も、メロディアスでとてもいい曲ですよね。一方、ミミの#1ですが、同じネタをPWLがキャロル・ヒッチコックでやっています。こちらのミミはボーカルにちょっと難アリで、PWL版には完敗という感じ。ピープル・ライク・アスの#9は未発表作かも。  イーストバウンド・エクスプレスウェイによるバッキンバッキン・ハイエナジーの傑作#2が入っているというだけでも、個人的にはとても嬉しい1枚。これは大好きです。また、“One Shot Lover”のヒットで有名なヴィーナスによる#4は、マンハッタン・トランスファーのバージョンにも匹敵する出来栄え。さすがナイジェル・ライトです。マン・パリッシュとポール・パーカーがプロデュースしたリサの#9も、いかにもゲイ・ディスコ!って感じのベースラインがカッコいいですね。ライムのカバー#10は微妙ですが。

CLASSIC_HI_NRG_3.JPG

CLASSIC HI-NRG VOLUME THREE

(P)1998 Passion Music (UK)
CD 1
1,Evelyn Thomas
  High Energy ('90 Remix) 6:38
2,Eastbound Expressway
  You're Beat (Original 12" Version) 9:10
3,Kelly Marie
  Halfway To Paradise (12" Version) 6:56
4,Cafe Society
  Relight My Fire (12" Version) 8:06 ビデオ
5,Astaire
  Born To Dance 4:43
6,People Like Us
  Midnight Lover (12" Version) 7:36 ビデオ
7,Charade
  I'm The One (12" Version) 7:37
8,Lisa
  Doin' It (Original Verdion) 6:54
9,Paul Zone
  I'll Try Anything Once (12" Version) 7:45
10,Quantize
  Because The Night (Extended Version) 6:24
CD 2
1,Flirtations
  Read All About It (12" Version) 9:02
2,Angie Gold
  Time Bomb (12" Version) 5:12 ビデオ
3,Mary Cridelle
  Don't Hold Back On Love 6:31
4,Charade
  Break Me (Pop Mix) 6:50
5,Tracy Ackerman
  I Just Don't Know What To Do With Myself
  (12" Version) 5:55
6,Astaire
  Turn Me On Again (12" Version) 8:03
7,Kelly Marie
  This Time It's Real (12" Version) 6:01
8,Norma Manning
  All Over Again (12" Version) 8:11
9,Choice Treats
  Shed No Tears 4:06
10,Quantize
  Stay With Me 5:18
CD 3
1,Astaire
  Fire Me Up (12" Version) 5:24 ビデオ
2,Kelly Marie
  This Time It's Real (12" Version) 6:01
3,Charade
  Victim Of Love (12" Version)6:07
4,Quantize
  Heaven Must Have Sent You 6:02
5,Dee Dee
  Cheated By A Painted Lover 4:20
6,Tracy Ackerman
  You Blow Hot & Cold 5:29
7,Carmen
  Show You My Heart 3:48
8,Astaire
  Love Eviction 6:04
9,Damian Davey
  Sounds So Fine 3:49
10,George Myami
  The First Time 4:26
CD 4
1,Revenge featuring Billy
  Sweet Dreams (12" Version) 7:02
2,Astaire
  Shout It Out 4:35
3,Angie Gold
  Landslide (12" Version) 9:07
4,Nicole
  Last Dance 5:30
5,Louise Thomas
  One Way Ticket 4:42
6,Quantize
  Yesterday Once More (12" Version) 7:03 ビデオ
7,Revenge featuring Billy
  This Is The Way 5:32
8,Astaire
  Wrap Your Arms Around Me 6:27
9,Quantize
  Shooting Star 5:04
10,D.C. Orchestra
  Aria Serenade 7:15
 今回は2曲がダブりです、ハイ(笑)#7と#8はボリューム2にも収録されていました。しかも同じバージョン。といいつつ、イーストバウンド・エクスプレスウェイのバッキン・バッキン・ハイエナジーの佳作#2やポール・ゾーンの爽やかでキャッチーなダンス・ポップ#9など、優れた楽曲も含まれているんですけどね。イヴリン・トーマスの#1は90年のリミックスですが、こちらもオリジナルの良さを生かした良質な出来栄え。ケリー・マリーの#3はキング&ゴフィンの名曲カバーですが、とても爽やかでスケール感のあるハイエナジー・ナンバーです。パティ・スミスのカバー#10も当時はかなりディスコ受けしていましたね。  こちらは#8のみがダブり。てか、ダブリなんてあっちゃならないんですけどね(笑)シャレードのメガ・ヒット#4は別バージョンでの収録。有名なバージョンよりもタイトでアップリフティングな仕上がりです。意外な拾い物だったのがメアリー・クリデールの#3。これは過去にシングル・リリースされた形跡のない曲なんですが、ポップスとしてのツボを見事に心得た、キャッチーで素晴らしいハイエナジー・ナンバーに仕上がってます。また、ケリー・マリーの#7はB面ソングですが、とてもメロディアスで爽やかな作品。当時大好きでした。ちなみにジャケット裏には全然違う楽曲がクレジットされていました。ったく(笑)

 #2がダブリです。というか、同じボックス・セット内でのダブリというのはいかがなもんなんでしょうかね?その他、このディスクはB面ソングやら未発表トラックが中心で、セレクション的にはとても貧弱な内容です。ちなみに、アステアの#8はとても珍しいトラックだと思います。後にクオーツロックがロニー・ゴードンのボーカルでクラブ・ヒットさせたハイエナジー・ナンバー。そのクオーツロックのロッド・ウォーレン自身がプロデュースを担当しています。ボーカリストのクレジットがないので分かりませんが、ロニー・ゴードンではないですね。

 こちらもB面ソングや未発表トラックを中心に選曲された1枚。#1はユーリズミックスのカバーで、バックトラック自体は上手くハイエナジーとしてアレンジされていると思いますが、あのバカ丸出しのベビー・ボイスは頂けない。アニー・レノックスに怒られるよ。ドナ・サマーのカバー#4もかなり酷い。アレンジそのものは悪くないんですけどね、アイドル崩れみたいな歌手に歌わせるなよって。一方、クアンタイズによるカーペンターズのカバー#6は日本のディスコでも大ヒットしましたよね。PWL風のポップでキャッチーなアレンジは大正解で、煌びやかで美しいハイエナジー・ナンバーに仕上がっています。

 

 

Classic Alternatives シリーズ

 ダンス・ミュージックが様々なジャンルに影響を与えていった80年代。特にテクノの流れを受けたミューウェーヴ・ロック系のアーティストは、ディスコやハイエナジー的な要素を上手く取り入れたポップな作品を数多くリリースしていた。そんなニューウェーヴ系のダンス・ヒットを12インチ・バージョン中心でセレクトしたのが、この“Classic Alternative”シリーズ。
 発売元はカナダのトロントに拠点を置くSPGミュージックというレコード会社。主にユーロ・ハウスやフリースタイルのディストリビュートやリイッシューを手がけているレーベルだ。ラインナップはとても豪華。ヒューマン・リーグやストーン・ローゼス、ヴィサージ、マッドネス、ベルリン、サイケデリック・ファーズ、オインゴ・ボインゴ、ウルトラヴォックス、ピート・シェリーなど、UKやUSのビッグ・ネームがずらりと並ぶ。サイケデリック・ファーズの“Heartbeat( New York Remix)”のように、他では殆どCD化されていないような音源も少なくない。80年代ダンス・ミュージック・シーンの幅広さ、奥深さを実感させてくれるシリーズ。音質的にも十分に合格点。コアなコレクターにもオススメだと思う。

 

CLASSIC_ALTERNATIVES_1.JPG CLASSIC_ALTERNATIVES_2.JPG CLASSIC_ALTERNATIVES_3.JPG HARDEST_HITS_4.JPG

Classic Alternatives Volume 1

Classic Alternatives Volume 2

Classic Alternatives Volume 3

Hardest Hits Volume 4

(P)1994 SPG Music (Canada) (P)1994 SPG Music (Canada) (P)1995 SPG Music (Canada) (P)1993 SPG Music (Canada)
1,When In Rome
  The Promise (O.N. Mix) 6:25 ビデオ
2,Haircut One Hundred
  Love Plus One 5:36
3,Giorgior Moroder with Phillip Oakey
  Together In Electric Dreams 6:25 ビデオ
4,Yello
  Oh Yeah (Dance Mix) 6:22
5,Q-Feel
  Dancing In Heaven (Orbital Be-Bop)
  (Extended Remix) 6:07 ビデオ
6,Psychedelic Furs
  Heartbeat (New York Remix) 8:15 ビデオ
7,A Flock Of Seagulls
  I Ran 4:55
8,Gene Loves Jezebel
  Desire (Come And Get It) 6:15 ビデオ
9,Human League
  The Sound Of The Crowd 6:25
10,Payolas
  Eyes Of A Stranger 4:54
11,Pete Wylie
  Sinful (Wickest Mix In Town) 7:58
12,Bronski Beat
  Smalltown Boy 9:05
1,Talk Talk
  It's Me Life (12" Remix) 6:14
2,Black
  Wonderful Life
3,Belouis Some
  Imagination (Extended Mix) 5:27 ビデオ
4,Romeo Void
  Never Say Never 5:54
5,Fad Gadget
  Collapsino New People (Berlin Mix) 7:06
6,Ultravox
  Reap The Wild Wind (Extended Mix) 4:45ビデオ
7,Big Country
  In The Big Country (Pure Mix) 6:18
8,Altered Images
  Happy Birthday 3:00
9,Berlin
  Sex (I'm A...) (Extended Version)
10,Madness
  Our House (Special Remix)
11,Hunters + Collectors
  Talking To A Stranger 7:30
12,Oingo Boingo
  Dead Man's Party
  (Party Till You're Dead Mix) 6:37
1,Killing Joke
  Love Like Blood (12" Version) 6:42
2,The Stone Roses
  Fools Gold 4:19
3,It's Immaterial
  Driving Away From Home
  (Wicked Weather For Walking) 7:10
4,Romeo Void
  A Girl In Trouble (Dance Mix) 6:12 ビデオ
5,Secession
  The Magician (Pecky Plus Mix) 6:57 ビデオ
6,Ultravox
  Dancing With Tears In My Eyes (Extended) 7:44
7,The Curch
  Under The Milky Way 4:57
8,The Danse Society
  Say It Again (Extended Danse Mix) 7:10
9,Eurogliders
  Heaven (Must Be There) 3:43
10,Strange Advance
  We Run (Extended Single Mix) 6:03
11,Visage
  Fade To Grey (12" Version) 6:22 ビデオ
12,Pete Shelley
  Homosapien (Elongated Dancepartydubmix) 9:00
1,The Assembly
  Never, Never (Extended Version) 5:51ビデオ
2,Sal Solo
  San Damiano (Heart And Soul) 6:35 ビデオ
3,Flying Lizards
  Money 5:50 ビデオ
4,Vicious Pink
  Take Me Now (Extended Version) 6:20 ビデオ
5,The Nails
  88 Lines About 44 Women 5:30
6,Robert Hazard
  Escalator Of Life 4:41
7,Lotus Eaters
  You Don't Need Someone New
  (Charleston Mix) 6:05
8,The Call featuring Peter Gabriel & Jim Kerr
  Everywhere I Go 4:18
9,Furniture
  Brilliant Mind 7:00
10,Japan
  Life In Tokyo (Disco Mix) 7:05
11,Duran Duran
  Planet Earth (Night Version) 6:20
12,Hitlist
  Into The Fire (Full Version) 5:44
13,Heaven 17
  Let Me Go 6:23
 フロック・オブ・シーガルズの#7とペイオラスの#10以外は全て12インチ・バージョンでの収録。ホエン・イン・ローマの#1は一番人気の高いO.N.Mixがセレクトされていますね。なんと言っても叙情感のある美しいアレンジが最高。サイケデリック・ファーズの#6もファンキーかつグルーヴィーでカッコよいです。イエローの#4のサンプリングやヴォコーダーの使い方は今聴いても十分に新鮮。ヘアカット100の#2やピート・ワイリーの#11は、恐らく他ではこのバージョンでのCD化はされていないんじゃないかと思います。  こちらもレア・トラック満載の1枚。ファド・ガジェットの#5は、ロンドン・ミックスならよく見かけますが、ベルリン・ミックスはとても珍しいですね。また、オインゴ・ボインゴの#12は、恐らくリミックスでのCD化はこれが唯一だと思います。また、ウルトラヴォックスといえば普通は“Vienna”を選曲するところですが、#6を持ってきたセンスは素晴らしいと思います。その他、トーク・トークの#1やベルリンの#9は他でも見かけますが、当時大好きだった作品なのでヨシとしましょう。ただ、アルタード・イメージの#8はダンス・ミックスにして欲しかった。

 ピート・シェリーの有名なダブ・ミックス#12やヴィサージの#11、キリング・ジョークの#1にロメオ・ヴォイドの#4など、この手のオムニバスには定番の大ヒット・ナンバーが収録された1枚。その一方で、イッツ・イマテリアルの#3なんかは、このミックスがチョイスされるのは珍しいかも。オリジナルの良さを最大限に生かした、壮大で美しいバージョンです。セセッションの#5なんて他では見たことありませんしね。とてもキャッチーなテクノ・ポップスです。ダンス・ソサエティーの#8やストレンジ・アドヴァンスの#10もレアですね。

 元クラシックス・ヌーヴォーのボーカリスト、サル・ソーロのソロ・デビュー曲#2のためだけでも絶対に買う価値のある1枚。これはもう大傑作です。しかも、ロング・バージョンでの収録。感動しましたね、本当。ヴィンス・クラークの在籍したアッセンブリーの名曲#1も嬉しい選曲。この2曲で完全に昇天します(笑)“ハイスクールはダンステリア”の作者ロバート・ハザードの#6やロータス・イーターズの#7も激レア・トラック。初期テクノ・ポップの傑作であるフライング・リザーズの#3やジャパンの#10なんかも外せないですよね。オススメです。

 

 

その他オススメ・コレクション

HI_NRG_DANCE_CLASSICS_1.JPG HI_NRG_DANCE_CLASSICS_2.JPG TSR_RETRO_DANCE.JPG GOLDEN_DANCEFLOOR_CLASSICS.JPG

HI-NRG DANCE CLASSICS
Volume 1

HI-NRG DANCE CLASSICS
Volume 2

TSR Retro Dance Classics

Golden Dance Floor Classics

(P)1996 DCC/Sony Music (USA) (P)1996 DCC/Sony Music (USA) (P)1993 TSR Records (USA) (P)1999 ZYX Music (Germany)
1,Evelyn Thomas
  High Energy (Original Version) 7:50
2,Dead Or Alive
  You Spin Me 'Round (Like A Record)
  (Murder Mix) 8:00 ビデオ
3,Bananarama
  Venus (12" Extended Version) 7:20
4,Stacey Q
  Two Of Hearts (European Mix) 6:00
5,Blue Zone U.K. featuring Lisa Stansfield
  Jackie (Long Version) 7:02 ビデオ
6,Shawn Benson
  Seclusion (Vocal) 7:32
7,Until December
  Mercenary (No Gift Refused)
  (B.D. Calhoun Mix) 6:40 ビデオ
8,Jackie Moore
  This Time Baby 7:13 ビデオ
9,Deodato featuring Camille
  S.O.S. (Fire In The Sky)
  (Special 12" Disarmamix) 6:45
10,Jo-Lo
  Last Call 4:11
1,The Weather Girls
  It's Raining Men 5:25 ビデオ
2,Miquel Brown
  So Many Men, So Little Time
  (Original Version) 8:10
3,Stacey Q
  We Connect (European Mix) 7:30 ビデオ
4,Hazell Dean
  Searchin' (I Gotta Find A Man)
  (Original Version) 8:27
5,Dead Or Alive
  Something In My House
  (US Wipeout Mix, Part 2) 7:18
6,Until December
  We Are The Boys (Extended Version) 6:30
7,Pamala Stanley
  Coming Out Of Hiding (12" Version) 6:09 ビデオ
8,Claudja Barry
  Down & Counting (Extended Mix) 9:07 ビデオ
9,Trans-X
  Living On Video 5:55 ビデオ
10,Eartha Kitt
  Where Is My Man? (Hot Tracks Megamix) 10:05
1,Two Man Sound
  Capital Tropical
 (Extended Dance Remix) 7:24 ビデオ
2,Miquel Brown
  So Many Men, So Little Time 7:28
3,Searchin' (I Gotta Find A Man)
  (Original Version) 8:27
4,Pamala Stanley
  Coming Out Of Hiding 6:10
5,Fun Fun
  Color My Love (Original Mix) 7:37 ビデオ
6,Evelyn Thomas
  High Energy (Original Version) 7:50
7,Shawn Benson
  Seclusion (Vocal) 7:32 ビデオ
8,Magazine 60
  Don Quichotte (U.S. Remix) 6:29 ビデオ
9,Stop
  Wake Up (Radio Version) 3:23
10,West Bam
  The Roof Is On Fire (7" Mix) 4:01
11,DJ Dick
  Weekend (Club Mix) 5:13
1,Koto
  Visitors (12" Version) 6:12 ビデオ
2,Ken Laszlo
  Tonight (12" Version) 5:45 ビデオ
3,Hypnosis
  Pulstar (Disco Mix) 8:15 ビデオ
4,Valerie Dore
  The Night (Vocal Version) 5:46
5,Los Bravos
  Black Is Black ('86 Dance Mix) 6:42
6,Mike Mareen
  Dancing In The Dark (12" Version) 5:34
7,Sunshine Family
  Dance Reunion Of The 70's Medley (Part 1) 6:45
8,Sunshine Family
  Dance Reunion Of The 70's Medley (Part 2) 5:03
9,The Age Of Love
  The Age Of Love
  (Watch Out For Stella Club Mix) 6:48
10,C/A/S/H featuring Honesty 69
  French Kiss (Original Hot Version) 10:22

 ハイエナジーの定番ナンバーからレア・トラックまでバランス良く揃えたオムニバス盤。ジョロの#10だけ恐らく収録時間の都合でエディット・バージョンですが、それ以外は全て12インチ及びフル・バージョンで収められています。音質もまずまず。デッド・オア・アライブはエクステンデッドに当たるマーダー・ミックスでの収録。イチオシはカナダのニューウェーヴ系バンド、アンティル・ディセンバーによるバッキバッキンのハイエナジー#7。Razormaidが制作したDJオンリーのリミックスです。ショーン・ベンソンの#6も滅多に取り上げられないレア・トラック。また、当時はブルー・ゾーンの名曲#5の収録が嬉しかったもんです。

 こちらもハイエナジーの定番ナンバーがズラッと並んだ1枚。しかも、半分以上がゲイ・クラシックですね。デッド・オア・アライブの#5は嬉しい選曲。殆どのオムニバス盤は“You Spin Me Round”か“Brand New Lover”ばっかり取り上げますから。自分はこれが一番好きです。クラウディア・バリーの#8も大・大・大好きでした。ベースラインやパーカッションの使い方が凄くボビー・Oっぽいんですよね。いかにもゲイ・ディスコ!って感じの腰に来るところがたまりません。パマラ・スタンリーの#7も同じく。トランスXの#9は一番有名なバージョン。知る人ぞ知るゲゲゲの鬼太郎バージョンだったらビックリでしたけど(笑)  80年代にUKやヨーロッパのハイエナジー・ナンバーをアメリカでディストリビュートしたTSRレコードが、創設13年目にしてリリースしたレーベル・ベスト。いわゆる定番中の定番と呼ばれる楽曲を中心に構成されていますが、日本でも大ヒットしたマガジン60の#8や、イタロビートのアイドル・デュオ、ファン・ファンの#5なんかはTSRならではの選曲ですね。トゥ・マン・サウンドによるラテン・ディスコ#1も捨てがたい名曲。ただ、#9〜#11の選曲にはいろいろと疑問が残ります。ちなみに、このオムニバス盤は音質がむちゃくちゃ素晴らしいのも魅力。まさにマスター・クオリティといった感じです。  ドイツの老舗レコード会社ZYXが、自社でディストリビュートした80年代のイタロビートを中心に選曲したオムニバス。テクノとユーロビートの中間に位置するサウンドで構成されています。壮大なスケール感と美しいメロディが印象的なコトの#1は本当に名曲ですよね。ヒプノシスの#3も素晴らしい。ジョルジョ・モロダーのインスト物が好きな人には絶対にオススメです。一方、当時日本でもディスコ・ヒットしたケン・ラズロの#2やマイク・マリーンの#6も大好き。この頃はイタリアのハイエナジーも良かったんですけどね。スペインのロック・バンド、ロス・ブラヴォスのリメイク版#5も立派にテクノ・ポップしてます。

DISC_CLASSICS_THE_BOX.JPG

NERVOUS_DOES_DISCO.JPG

Disco Classics The Box

Nervous Does Disco Volume 1

(P)1997 Dance Factory/Rams Horn (Holland) (P)1995 Nervous Records (USA)
CD 1
1,Foxy
  Get Off (12" Version) 5:43 ビデオ
2,KC & The Sunshine Band
  That's The Way I Like It 5:05
3,Gloria Gaynor
  I Will Survive 3:18
4,Patrick Hernandez
  Born To Be Alive (12" Version) 7:20
5,Odyssey
  Going Back To My Roots (1987 Club Mix) 7:15
6,Kelly Marie
  Feels Like I'm In Love 4:15
7,Rocker's Revenge
  Walkin' On Sunshine 6:27
8,Tina Charles
  I Love To Love 3:06
9,La Bionda
  One For You, One For Me (12" Version) 6:20
10,Fun Fun
  Happy Station (Club Mix) 7:17
11,Timex Social Club
  Rumours 5:48
12,Viola Wills
  Gonna Get Along Without You Now
  (Brand New Dance Mix) 5:52 ビデオ
CD 2
1,MC Miker & Deejay Sven
  Holiday Rap (12" Version) 6:22 ビデオ
2,Anita Ward
  Ring My Bell 6:37
3,The Michael Zager Band
  Let's All Chant 6:04
4,Ryan Paris
  Dolce Vita 4:53
5,Sweetness
  Last Night A DJ Saved My Life (Vocal) 5:50
6,Jimmy Bo Horne
  Dance Across The Floor 5:16
7,Axel F's Theme 5:00
8,Yvonne Elliman
  Love Pains 5:32
9,K.I.D.
  Don't Stop 6:36
10,The Night People
  Again (12" Version) 4:58
11,Clubhouse
  Do It Again 6:25
12,Sugarhill Gang
  Rapper's Delight 4:32
CD 3
1,June Lodge & Prince Mohammed
  Someone Loves You Honey (12" Version) 7:15
2,Spargo
  You And Me 4:10 ビデオ
3,KC & The Sunshine Band
  I'm Your Boogie Man 3:50
4,Sabrina
  Boys (Extended Version) 5:39
5,Viola Wills
  If You Could Read My Mind 4:21
6,Pigbag
  Papa's Got A Brand New Pigbag
  (12" Version) 6:03 ビデオ
7,Santa Esmeralda
  Don't Let Me Be Misunderstood
  (Understood Mix-Extended Version) 6:32
8,Grandmaster Flash & The Furious Five
  The Message (Full Length Version) 7:07
9,Gary Low
  La Colegiala 5:57
10,Weeks & Co
  Rock Your World 7:06
11,Joe Bataan
  Rap-O Clap-O 4:08
12,Stars On 45
  The Beatles Medley 5:48
1,The Evasions
  Wikka Wrap 8:53 ビデオ
2,Gary's Gang
  Keep On Dancin' 7:43
3,Glen Adams Affair
  Just A Groove 6:18 ビデオ
4,John Davis & The Monster Orchestra
  I Can't Stop 5:09 ビデオ
5,K.I.D.
  Don't Stop 7:14 ビデオ
6,Rhyze
  Just How Sweet Is Your Love 6:51 ビデオ
7,Mike & Brenda Sutton
  Don't Let Go Of Me 6:45
8,Komiko
  Feel Alright 6:10 ビデオ
9,B.B.C.S. & A.
  Rock Shock 7:00
10,John Davis & The Monster Orchestra
  Night And Day 5:14 ビデオ
 80年代に数多くのダンス・ヒットをディストリビュートしたオランダの名門レーベル、ラムズ・ホーン傘下のダンス・ファクトリーが発売したボックス・セット。70〜80年代のダンス・クラシックの定番が揃ってます。ただ、全て12インチ・バージョンと銘打っている割には、シングル・エディットやアルバム・バージョンがかなり目立つのが残念。ケリー・マリーの#6なんて12インチ・バージョンを勝手にエディットしてしまっているし。ただ、ヴィオラ・ウィルスの名曲#12が84年のリミックス・バージョンでの収録なのは意外と珍しいと思います。大抵は79年のオリジナルか、90年代のリメイクを使用していますから。  こちらも殆どの楽曲が12インチ・バージョンを勝手にエディットした状態で収録されてしまっています。が、自社レーベルで版権を持っているアーティストのみ、12インチ・バージョンをフルで収録しているんですね。なにを考えてるんだろ、こいつら(笑)まずは、インディープをカバーしたスウィートネスの#5。そして、ラウンジ・スタイルのメロウなアーバン・ディスコを歌うザ・ナイト・ピープルの#10。スウィートネスはオランダのアーティストで、ザ・ナイト・ピープルはアメリカのグループ。どちらも、地元のオランダではかなりヒットしたようです。あと、#1のホリデイ・ラップも懐かしいですね。  つーこって、こちらも大半の楽曲がシングル・エディット及び、12インチ・バージョンを勝手にエディットした状態で収録されている3枚目。でも、なぜかサブリナの#4とか、ピッグバッグの名曲#6は12インチをフルで入れています。ジューン・ロッジのスウィート&メロウなラバース・ロックの名曲#1も嬉しい選曲ですね。というか、選曲自体のセンスはなかなか良いんですが、いかんせん仕上げがマズイ。サンタ・エスメラルダの#7なんか、93年のハウス・バージョンですもん。スパーゴの#2だって、せっかく地元オランダの出身なのにね。12インチ・バージョンで欲しかったな〜。  70年代から80年代にかけて数多くのディスコ・ヒットを放ったニューヨークのレーベル、サム・レコードの音源から選曲されたオムニバス盤。12インチ、アルバムに関係なくエクステンデッド・バージョンをフルで収録してます。ライズの#6とかコミコの#8なんかは、当時発売されたバージョンよりも長尺だったりします。他のオムニバスでは取り上げられないようなレア・トラックも少なくありません。個人的に一番好きなのは、やはりK.I.D.の#5ですね。このファンキーなベースラインと切れ味の良いホーン・セクションとコーラスは本当にクセになります。ジョン・デイヴィスの#4と#10もオーケストラ・ディスコの佳作。オススメ。

VINYLMANIA.JPG DISCO_FANTASY.JPG FUNKOLOGY.JPG 12_12.JPG

Vinylmania Vol.1

Disco Fantasy

Funkology Volume Three
Dance Divas

12×12
Original Disco 12" Mixes

(P)1994 CDJ Records (USA) (P)1999 Ace Records (USA) (P)1996 Motown Records (USA) (P)Arti Faxt/Prophecy (USA)
1,Man Friday
  Love Honey, Love Heartache (Vocal) 5:16ビデオ
2,Man Friday
  Jump (Garage Version) 7:07
3,Fascination
  Why You Wanna Go (Club Mix) 6:12 ビデオ
4,Fascination
  Don't You Think It's Time (Dance Mix) 6:40
5,Fascination
  Go Away (Club Mix) 6:19
6,Eleanore Mills
  Mr. Right (The Right Mix) 6:17 ビデオ
7,Eleanore Mills
  You Can Have My Dreams (Club Mix) 6:06
8,Tina B
  Honey To A Bee (Extended Vocal Version) 7:39
1,Sylvester
  Over And Over
 (Full Length Disco Mix) 9:31ビデオ
2,Martha Reeves
  Gotta Keep Movin' 7:51
3,Sweet Thunder
  Everybody's Singin' Love Songs
  (12" Mix) 6:23
4,The Blue Notes
  Disco Explosion (12" Mix) 4:58
5,Damon Harris
  It's Music (12" Mix) 7:37
6,Two Tons Of Fun
  I Got The Feeling
  (Patrick Cowley Regamix) 7:09 ビデオ
7,Slick
  Space Bass (12" Mix) 7:07 ビデオ
8,Spider's Webb
  I Don't Know What's On Your Mind
  (You Don't Know What's On Mine) 5:32 ビデオ
9,Side Effect
  Always There 5:04 ビデオ
10,Sylvester
  I Need You 3:40
11,Two Tons Of Fun
  Just Us 4:39
12,Sylvester
  I Need Somebody To Love Tonight 3:20
1,Yvonne Fair
  Funky Music Sho' Nuff Turns Me On 3:04ビデオ
2,Martha Reeves & The Vandellas
  Bless You (Alternative Version) 3:18
3,TaTa Vega
  I Just Keep Thinking About You Baby
  (12" Version) ビデオ
4,Bonnie Pointer
  Free Me From My Freedom/Tie Me To A Tree
  (Special Disco 12" Version) 5:57 ビデオ
5,Mary Jane Girls
  Candy Man (12" Version) 7:49
6,Bunny DeBarge
  Save The Best For Me (Best Of Your Lovin')
  (12" Version) 6:01
7,High Inergy
  He's A Pretender 5:21 ビデオ
8,Syreeta
  Can't Shake Your Love (12" Version) 5:35ビデオ
9,Milira
  Mercy Mercy Me (The Ecology)
  (12" Version) 6:48
10,Vanity
  Under The Influence (Mid-Day Vocal Mix) 6:30
11,The Supremes
  I'm Gonna Let My Heart Do The Walking 4:08
12,Thelma Houston
  Don't Leave Me This Way 5:42 ビデオ
13,Diana Ross
  The Boss (12" EP Version) 6:28
1,Silver Convention
  Fly Robin Fly 5:28
2,Silver Convention
  Get Up And Boogie 5:51
3,Touch Of Class
  I'm In Heaven (12" Version) 6:23
4,Michael Zager Band
  Let's All Chant (12" Version) 7:04
5,Dana & Gene
  Dario, Can You Get Me Into Studio 54
  (12" Version) 5:25
6,Gloria Gaynor
  I Will Survive (Remake Version) 5:42
7,Cissy Houston
  Think It Over (12" Version) 7:59 ビデオ
8,Tod Foster
  Dancin' 4:41
9,Wardell Piper
  Captain Boogie 5:24
10,Wardell Piper
  Supersweet 5:39 ビデオ
11,Silver Convention
  Save Me 4:17
12,K.C. & The Sunshine Band
  That's The Way I Like It/Get Down Tonight
  (Medley) 5:55
 80年代に数多くのガラージ系ヒットを世に送り出したニューヨークのダンス・レーベル、ヴィニールマニアの音源から選曲されたオムニバス盤。恐らく目玉はラリー・レヴァンが在籍したマン・フライデイの#1と#2でしょう。個人的にはフリースタイル系の女性ボーカリスト、ファッシネーションによる#3〜#5が嬉しい選曲。特にトッド・テリーが手がけた#3と#4は、フリースタイルとガラージの接点を証明する素晴らしい名曲です。また、70年代から活躍する黒人女性ボーカリスト、エレノア・ミルズのヒット曲#5も素晴らしいガラージ・ディスコ・ナンバー。後にシャロン・ディー・クラークがカバーしてました。そして、ティナBの名曲#8はラテン・ラスカルズによるリミックス・バージョンです。他ではCD化されてない楽曲ばかりですが、全体的に録音レベルが低いのは残念。  ジャズやR&Bで有名なファンタジー・レコードが70年代〜80年代初頭にかけてリリースしたディスコ・ナンバーから選曲されたオムニバス盤。比較的渋めながらも、とてもセンスの良いラインナップが揃っています。数あるシルヴェスターのディスコ・ヒットの中から、あえて知名度の低い#1を選んでいる辺りに、コンパイルする側のこだわりが感じられますね。スウィート・サンダーの傑作レア・グルーヴ#3やデイモン・ハリスのガラージ・クラシック#5、モータウンのトップ・スターだったマーサ・リーヴスによる正統派ディスコ#2など、他では殆どCD化されていないレア・トラックが満載。もちろん、日本でもお馴染みのサイド・エフェクトによる傑作ジャズ・ファンク#9やトゥー・トンズ・オブ・ファン(後のウェザー・ガールズ)による#6などの定番ヒットもばっちり押えています。  こちらは天下のモータウン・レコードからリリースされたオムニバス盤。70年代〜80年代にリリースされたディスコ・ヒット、ダンス・ヒットの中から、女性ボーカリストによる名曲ばかりをセレクトしてあります。ゴスペル歌手としても有名なタタ・ヴェガの隠れた名曲#3やボニー・ポインターのマイナー・ヒット#4、元スティーヴィー・ワンダー夫人としても知られるシリータによるディスコ・ヒット#8なんかは、他ではなかなかお目にかかることのないレア・トラックですね。元プリンス・ファミリーのヴァニティが放ったエロ・ファンクの名曲#10も当時大好きでした。これも多分他ではCD化されたことはないでしょう。ハイ・イナジーの#7も、後にジェニファー・ホリデイやラトーヤ・ジャクソンもカバーした名曲ですが、滅多に取り上げられることはないんですよね。  キャロル・ダグラスやシルヴァー・コンヴェンションなどのディストリビュートで知られるレコード会社、ミッドソング・インターナショナルの音源からセレクトされたオムニバス盤。12インチ・バージョンを売りにしてはいるものの、大半がフル収録ではありません。とはいえ、ボビーOが79年にプロデュースしたB級ディスコ#8や、デイナ&ジーンのお気楽ディスコ#5(これはフル収録)、ワーデル・パイパーの#9と#10など、他では絶対に聴くことのできないお宝トラックも収録されているのは魅力。これだけでもかなり貴重な1枚。マイケル・ゼイガー・バンドの#4やシシー・ヒューストンの#7はちゃんとフル・バージョン収録されてますしね。ちなみに、グロリア・ゲイナーの#6はオリジナルを忠実に再現した秀逸なリメイク・バージョン。ただ、ラストのメドレー#12は酷い代物です。

 

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