ダリオ・アルジェント Dario Argento
イタリアン・ホラーの帝王

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 イタリアン・ホラーの全盛期を築き上げた偉大なるマエストロであり、今ではイタリア映画界の第一線で活躍する唯一のホラー映画監督である。筆者にとっても、イタリアン・ホラーの世界に目覚めるきっかけを作った張本人であり、永遠の憧れの存在でもある。そもそも、筆者の世代は少年時代に「サスペリア」('77)でトラウマを植え付けられ、多感な高校時代に「フェノミナ」('85)を見てアルジェント中毒に陥ってしまったような人が多い。一度その作品世界を知ってしまったら二度と抜け出ることの出来なくなってしまう、禁断の映画作家とも言えるかもしれない。
 アルジェントと言えば、その昔から一部の作品を除いて批評家には度々批判の対象となりながらも、ファンには熱烈に愛され続けてきたカルト的存在である。雰囲気先行型だの、ご都合主義だのと中傷される事も少なくない。まあ、それは多かれ少なかれ彼のようなビジュアリストにとっては宿命とも言えるだろう。
 少年時代に祖母や家族が枕元で語ってくれた残酷な御伽噺の世界に魅了され、エドガー・アラン・ポーやラヴクラフト、コナン・ドイルの小説に夢中になって育ったアルジェントにとって、闇にうごめく恐怖の世界こそが安息の場所となっていった。「映画監督になっていなかったら殺人犯になっていたかもしれない」と語る彼の作品群は、ある意味では彼自身の妄想の世界を具現化したものと言えるだろう。
 また、「映画の歴史や仕組みについて知らないような人と仕事をすると強い憤りを覚える」と語るように、アルジェントは自他共に認める熱烈な映画ファンである。こうした闇の世界と映画への強い偏愛で形作られていった彼の作品群には、理屈よりもまずイメージが先行していく傾向が強い。ストーリーや脚本は、彼の頭の中に巣食う妄想世界をビジュアライズするための手段に過ぎないとも言えるだろう。女優のステファニア・カッシーニが、「映画監督とはビジュアリストでなくてはならない。だって夢を語るのが仕事だから。ただし、ダリオが語る夢というのは悪夢なのよ」と語っていたが、確かにダリオ・アルジェントは紛れもない暗闇のビジュアリストである。世界的に見ても、ホラー映画というジャンルで彼ほど個性的で比類のないビジュアル世界を完成させた映像作家は稀だろう。ただその一方で、その独特の映像原語と世界観についていけるかどうかで、かなり好き嫌いの分かれる映画作家でもある。

 1940年9月7日、ローマに生まれたアルジェントは、幼い頃から映画の世界を身近に感じながら育った。父親のサルバトーレ・アルジェントは映画プロデューサーで、母親のエルダ・ルクサルドはブラジル出身の元ファッション・モデルで女流写真家だった。彼の家にはスターや映画関係者が数多く出入りしていたという。中でも、母親が映画女優のポートレートを専門にしていた事から、ソフィア・ローレンやジーナ・ロロブリジーダといった華やかな女優たちが自宅を訪れる事も多かった。美しい女性キャラクターを数多く登場させる事が多く、男優よりも女優と仕事をする方が好きだと語るアルジェントだが、女性を美しく撮るテクニックはこの母親の仕事から学んだという。
 こうして、物心ついた頃から映画の世界に親しんで育ったアルジェントは、高校を卒業してすぐに新聞の映画コラムを書くようになり、映画評論家の道を歩む事となる。まるで戦場のような撮影現場の過酷さをよく知っていた彼は、あえて映画監督という職業を目指そうとは思わなかったという。彼と仕事をした事のある人がよく語るように、アルジェントは繊細で口数の少ない、およそ映画監督というイメージからは程遠い人物である。時には100人以上ものスタッフやキャストを統率しなくてはならない映画監督には、軍隊の指揮官的な資質が問われる事も多い。心優しい学者タイプのアルジェントは、自分が本質的に映画監督という仕事には向いていないと強く感じていたようだ。
 しかし、日増しに強くなる創造意欲と映画への強い愛情は抑え難く、親交の深かったベルナルド・ベルトルッチと共に巨匠セルジョ・レオーネ監督の西部劇叙事詩「ウエスタン」('68)の原案を書いて本格的に映画界に入る事となる。これをきっかけに「傷だらけの用心棒」('68)や「野獣暁に死す」('68)といったマカロニ・ウェスタンや「地獄の戦場コマンドス」('68)のような戦争アクションの脚本を次々と書くようになった。そして、アメリカから招かれたドン・マレー監督による西部劇「五人の軍隊」('69)の脚本を書いた際、スケジュールの都合から撮影途中で本国に戻らなくてはならなくなったマレー監督の後を引き継いで、アルジェントは初めて演出を任されることとなった。この経験から映画監督としての手応えを感じるようになったアルジェントは、父親サルバトーレと共に自ら製作を兼ねた処女作を発表する。それが「歓びの毒牙(きば)」('69)だった。

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シュールでスタイリッシュな画廊の風景
「歓びの毒牙」より

トニー・ムサンテ(左)とエンリコ・マリア・サレルノ(右)
「歓びの毒牙」より

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主人公の恋人役を演じるスージー・ケンドール
「歓びの毒牙」より

黒づくめの殺人鬼はイタリア産ミステリーの象徴
「歓びの毒牙」より

 「歓びの毒牙(きば)」の原題は“The Bird with the Crystal Plumage”。直訳すると“水晶の羽をもった鳥”といったところか。それにしても、この邦題のセンスは抜群である。当時の配給会社には、こうした独創的な日本語タイトルを考えつくような誇り高きプロがいたもんだった。
 若くて美しい女性ばかりを狙った連続殺人事件が市民を恐怖のどん底に陥れているローマ。アメリカ人の作家サム・ダルマス(トニー・ムサンテ)は、夜道を歩いている最中に通りかかった画廊で殺人現場を目撃してしまう。黒づくめの男は素早く逃げ去り、腹を刺されてもがき苦しむ女性を助けようとしたサムだったが、ガラス張りの二重扉に閉じ込められてしまう。被害者の女性はこの画廊のオーナー、ラニエリ氏(ウンベルト・ラホー)の妻モニカ(エヴァ・レンツィ)。彼女は幸いにも一命を取り止めた。重要参考人として警察で取調べを受けたサムは、数日後にアメリカに帰国するつもりだったが、捜査に協力するために恋人ジュリア(スージー・ケンドール)のアパートに居候する事にする。知的で生真面目なモロシーニ警部(エンリコ・マリア・サレルノ)と共に科学的な捜査を進めていくサムだったが、その間にも巷では次々と若い美女が殺人鬼の毒牙にかかっていく・・・。
 アルジェント監督にとって記念すべき監督デビューとなった本作は、当時まだ29歳という若さと才気のほとばしる傑作スリラーに仕上がっている。黒づくめの殺人鬼、モダンで美しい美術品を散りばめたセット、若くて美しい女性ばかりの被害者・・・と、既にアルジェント独特のスタイルが確立されているのもファンには興味深いところだが、何よりも人間の視覚と先入観を利用した絶妙なトリックには舌を巻く。脚本のご都合主義が批判の対象となる事の多いアルジェントだが、本作に関して言えば全く隙のない完璧なストーリーだ。また、カメラが殺人者の目となって被害者を狙うという描写も当時としては画期的で、以降アルジェント作品のトレード・マークとなっていく。

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画廊のオーナー夫人、モニカを演じるエヴァ・レンツィ
「歓びの毒牙」

アメリカ人作家サムを演じるトニー・ムサンテ
「歓びの毒牙」

 しかし、この画期的な描写がアルジェントを悩ませる事となる。一人称のカメラで被害者を追っていくという事は、すなわち殺人事件が起きる前に誰が殺されてしまうのかを観客に知らせてしまう事になる。今では全く違和感なく受け入れられる描写だが、当時としては反則技とも取られかねない手法だった。配給会社の社長であるゴッフレード・ロンバルドは、このアルジェントの演出に激怒し、必死になって抵抗する彼をクビにしようとした。しかし、ラッシュ(仮編集での試写)を見たロンバルドの女性秘書が“こんなに恐ろしい映画は見た事がない”と大絶賛。それを耳にしたロンバルドと配給会社の重役たちは、まるで何事もなかったかのように撮影の続行を決定した。しかも、公開後に大ヒットするやいなや、ロンバルドは“君を監督に選んだ私の目は間違っていなかった”と手のひらを返して喜んだという。
 また、本作では主演のアメリカ人俳優トニー・ムサンテとアルジェントの関係も上手くいかなかった。共演のエヴァ・レンツィもトニーについて、“知的で物静かな俳優だったけれど、他人に対してあまり心を開かない人だった”と語っているが、撮影現場に独自の理論を持ち込んで監督に対しても指図するような事がたびたびあったという。特に、これが監督デビュー作であるアルジェントに対して先輩風を吹かせる傾向が強く、これがアルジェントのプライドをいたく傷つけたようだ。
 その他、本作で注目したいのは撮影のヴィットリオ・ストラーロと音楽のエンニオ・モリコーネの存在だろう。「地獄の黙示録」('79)や「ラスト・エンペラー」('87)で3度もアカデミー撮影賞を受賞した“光の魔術師”ヴィットリオ・ストラーロも、当時はまだ駆け出しの撮影監督。初期のベルトルッチ作品を手掛けてきた彼にとって、本作が初のカラー作品だった。アルジェントとも同世代で、ベルトルッチという共通の友達にも恵まれていた事もあり、二人はたちまち意気投合し、様々な映像的実験を試みた。中でも、画廊のオーナーがアパートの6階から転落するシーンでは、地上に落下していく彼の視界をカメラにとらえるため、実際にカメラをアパートの窓から落として撮影。太いケーブルにカメラをつないだが、重さと衝撃に耐えられずにカメラは地面に叩きつけられて壊れてしまった。幸いにもフィルムは無事だったのだが・・・。
 音楽を手掛けたモリコーネは、もともと父サルヴァトーレの友人で、アルジェント家のすぐ近所に住んでいるお隣さんだった。まだ学生時代に自宅に遊びに来ていたモリコーネと会ったアルジェントは、いつか自分が映画を撮るようになったら音楽を担当してくれないかと冗談交じりに話していた事があり、その約束が本作で実現されたのだった。しかし、最初の打ち合わせでアルジェントはモリコーネの逆鱗に触れてしまう。自分の求めている音楽のイメージを伝えるために大量のレコードを持ち込んだアルジェントだったが、これがモリコーネの音楽家としてのプライドを傷つけてしまったのだ。“他人のコピーをしろとでも言うのか!?”とモリコーネは激怒。しかし、話し合いを進めていくうちにモリコーネはアルジェントの持ち込んだロックや実験ジャズに興味を示し、結果的にそれまでのモリコーネ作品にはなかったモダンでシュールな実験性の高いサウンドが生み出されたのだった。

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亡くなる直前のインタビューに応えるエヴァ・レンツィ

「パーマーの危機脱出」('66)の頃のエヴァ・レンツィ

 さて、紆余曲折を経て完成した「歓びの毒牙(きば)」だったが、蓋を開けてみれば配給会社も予想しなかったような世界的大ヒットを記録した。本国イタリアはもとより、アメリカでも劇場公開第1週の全米興行成績で1位に躍り出た他、フランス、日本などでも驚異的なヒットとなった。イタリア産のホラー映画としては前代未聞の事件だったと言えるだろう。
 このヒットをきっかけに、イタリアではジャロと呼ばれる猟奇サスペンス・ホラーが一大ブームとなる。ジャロとはイタリア語で“黄色”を意味する言葉なのだが、1930年代からイタリアではペーパーバックのスリラー小説の表紙に黄色が使われており、セックスや残酷描写を売り物にする犯罪スリラーの代名詞として親しまれていた。アルジェント以前にも、イタリアン・ホラーの父と呼ばれるマリオ・バーヴァ監督が「モデル連続殺人」('64)などでイタリア映画におけるジャロの基礎を築いてきたが、それをカルト的な人気ジャンルにまで高めたのはアルジェントの功績である。
 なお、2005年にアメリカで発売された「歓びの毒牙(きば)」の2枚組DVDには、亡くなる直前のエヴァ・レンツィのインタビューが収録されているのだが、これがすこぶる面白い。“この作品に出たおかげで、私の女優としてのキャリアが終わってしまった”と、のっけからバッサバッサと切り捨てまくるエヴァのコメントの豪速直球ぶりは痛快そのもの。その単刀直入で豊かな言語表現からは、彼女が驚くくらいに知的な女性である事がよく分る。ドイツ出身ながら、流暢に早口でまくしたてる英語力も素晴らしい。ロシア文学からドイツの忌まわしい歴史まで、その話題も非常に豊富だ。ただ、ずば抜けた才女だけに、「パーマーの危機脱出」('66)や「ダイヤモンド強奪作戦」('68)といったハリウッド映画で将来を期待されながら、色添え的な美人女優で終わってしまった自らのキャリアに対する悔いや不満はかなり鬱積していたようだ。若い頃のエヴァは、あどけなさの残るキュートな女優さんだったが、その一方で「007は二度死ぬ」('67)のボンド・ガール役を“そんな下らない役、誰がやるもんか”と言って蹴り、プロデューサーのハリー・サルツマンをして“クソ生意気なビッチ”と言わしめた気骨の持ち主だった。話題は全く関係のない俳優クラウス・キンスキーにまで及び、“ドイツ人は彼を偉大な芸術家だと言うけど、私に言わせればただの人でなしよ”とバッサリ。“あれほど不愉快な人間はいなかったわ。うぶなドイツ人は、彼の芸術家気取りの上っ面にまんまと騙されたのよ”と、キンスキーの物真似を交えながら毒舌を吐きまくっている。ファンならずとも必見のインタビューだ。

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盲目の元ジャーナリストを演じる名優カール・マルデン
「わたしは目撃者」

列車に人が巻き込まれるショッキングなシーン
「わたしは目撃者」

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ジェームズ・フランシスカスとカトリーヌ・スパーク
「わたしは目撃者」

 さて、「歓びの毒牙(きば)」で鮮烈な監督デビューを果たしたアルジェントは、当時新進の脚本家だったダルダノ・サケッティとルイジ・コッロの二人が彼のもとに持ち込んだアイディアを基に、2作目「わたしは目撃者」('71)を発表した。
 今回の主人公は盲目の元ジャーナリスト、フランコ・アルノ(カール・マルデン)。幼い姪っ子と二人暮らしで、クロスワード・パズルを作りながら生計を立てているフランコは、ある晩散歩中に染色体研究所の前で駐車していた車の中から謎めいた会話を耳にする。その同じ夜、研究所ではガードマンが何者かに殺害される事件が発生。特に重要なものが盗まれた形跡もなく、事件は謎を深めていく。例の会話が気にかかったフランコは、事件を取材する記者カルロ・ジョルダーニ(ジェームズ・フランシスカス)と共に独自の捜査を始める。すると、研究所からある書類が盗まれていた事が発覚。その書類を巡って、次々と殺人事件が起きていく。一方、カルロは事件の鍵を握ると思われる所長の娘アンナ(カトリーヌ・スパーク)と急接近するのだが・・・。
 アルジェント自身、自らのフィルモフラフィの中で最も不満の残る作品と語っているように、染色体の研究を巡る事件の真相に説得力が乏しく、全体的にサスペンスとしての完成度は高くない。しかし、ホームに到着する列車に突き落とされた被害者の様子をスローモーションで克明に追う実験的な演出など、随所にアルジェントらしい偏執的なこだわりが散りばめられており、常に新しい映像表現を模索する彼のビジュアリストとしての成長を語る上で重要な作品の一つと言えるだろう。

 「わたしは目撃者」が興行的な成功を収めた事から、アルジェントは矢継ぎ早に「4匹の蝿」('71)を発表する。
 人気ロック・バンドのドラマー、ロベルト(マイケル・ブランドン)は、謎のストーカーの存在に悩まされていた。ある日、その男ともみ合いになったロベルトは、誤って彼を殺してしまう。恐ろしくなって逃げ出したロベルトだったが、その一部始終をカメラに収めていた人物がいる事に気付かなかった。その翌日、彼のもとに事件の様子を写した写真が届けられ、無言の脅迫が始まる。愛する妻ニナ(ミムジー・ファーマー)にも真相を告げられずに悩むロベルトだったが、そんな彼の周囲で次々と友人が殺されていく。謎の脅迫者は、彼を連続殺人鬼に仕立て上げようとしているようだった・・・。
 サイケデリックなロックのリズムに乗って、タイトルバックで血管を浮き立たせた心臓がドックンドックンと脈打つという衝撃的なオープニングが異様な雰囲気を醸しだす。殺された被害者の網膜に残された画像をレーザーで検出するという科学捜査が事実に基づいているのかどうかは定かでないが、映画の題材としては十分にセンセーショナルだった。その画像に映し出されていたのが“4匹の蝿”の姿であり、それが犯人探しの重要なヒントとなる。
 また、クライマックスでは車の割れたフロント・ガラスで運転席の犯人の首がすっ飛ぶというショッキングなシーンをスローモーションで撮影。後の「オーメン」('76)を先取りしたハイ・レベルな特殊撮影をものにしている。先取りといえば、後に「イヴォンヌの香り」('94)でゲイの老医師を演じるフランスの名優ジャン=ピエール・マリエールが、本作では何とゲイの警部役を怪演している。
 全体的には「わたしは目撃者」と同じように推理サスペンスとしての完成度に疑問が残るものの、視覚的な独創性と面白さという点では確実に進歩を遂げつつある作品だったと言えるだろう。著作権の問題などもあり、今までのところヨーロッパで一度ビデオ化されたのみで、日本やアメリカでは正式にソフト化された事がない幻の作品だが、アルジェント・ファンなら一度は見ておきたい佳作である。筆者も、過去に画質の悪い海賊盤VHSで見たっきりなので、是非ともオフィシャル・リリースを望むところだ。

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アントニオーニの「欲望」を彷彿とさせるデビッド・ヘミングス
「サスペリア PART2」

衝撃的な霊媒師の殺害シーン
「サスペリア PART 2」

 さて、一連のジャロ作品でイタリアン・ホラーを代表する気鋭の若手監督として高く評価され、73年には「ヒッチコック劇場」にインスパイアされたテレビ・シリーズ「サイコ・ファイル」を製作するなど気をはいたアルジェントだったが、ここであえてホラーから遠ざかる事を決意する。「歓びの毒牙(きば)」の大成功以来、イタリア映画界では似たような猟奇サスペンスが大量生産され、人気ジャンルとなったジャロは飽和状態となっていた。特に、アルジェント作品を真似てタイトルに動物の名前を入れた類似品が続々と登場(「わたしは目撃者」の原題は“九尾の猫”)。そうした状況に嫌気の差したアルジェントは、自らジャロというジャンルから距離を置くことにしたのだった。そうした経緯から作られたのが「ビッグ・ファイブ・デイ」('74)。祖国統一革命に揺れる19世紀末のミラノを舞台にしたマカロニ・ウェスタン風のコメディで、イタリアの国民的スターであるアドリアーノ・チェレンターノを主演に迎えたものの、興行成績としては惨敗を喫した。やはり観客がアルジェントに求めるものはコメディではなく恐怖の世界だったのだ。

 そこで、アルジェントが満を持して世に放ったのが、彼にとって転機ともなった傑作「サスペリア PART 2」('75)である。日本ではお蔵入りになっていたところを、「サスペリア」('77)の爆発的な大ヒットを受けて配給会社が勝手に続編として公開した作品で、もちろん全く関連性はない。まさにアルジェントにとっては会心の作とも言うべき一本で、ビジュアル的にも脚本的にも比類なき完成度を誇る傑作と言えるだろう。
 舞台はローマ。高名な霊能者であるヘルガ・ウルマン女史(マーシャ・メリル)は、学会の席で聴衆の中に殺人鬼がいる事を察知してしまう。その晩、ウルマン女史は自宅で黒づくめの謎の人物に斧で滅多刺しにされて殺される。アパートの窓から助けを求めるウルマン女史の姿を目撃したイギリス人のピアニスト、マーカス・デイリー(デビッド・ヘミングス)は、不気味な絵画で埋め尽くされた廊下を抜けてウルマン女史の部屋に駆けつけるが、既に彼女は息絶えていた。現場で出会ったじゃじゃ馬の女性記者ジャンナ・ブレッツィ(ダリア・ニコロディ)の半ば強引な誘いで取材に協力することになったマーカスは、次第に事件の真相に近づいていく事となる。
 伏線として、マーカスの親友である飲んだくれのゲイの詩人カルロ(ガブリエル・ラヴィア)と、その母親マーサ(クララ・カラマイ)の複雑で謎めいた関係が丁寧に織り込まれ、「歓びの毒牙(きば)」をさらに凌駕する視覚と先入観を利用した絶妙なトリックも含めて、非の打ち所のない脚本が冴え渡る。アルジェントと共に脚本を手掛けたのは「サテリコン」('69)や「カサノバ」('76)、「女の都」('80)といった巨匠フェリーニ作品で有名な大御所脚本家ベルナルディーノ・ザッポーニ。緻密に計算されたストーリー展開や文学的なセリフはザッポーニの功績かもしれない。

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アルジェント映画のミューズ、ダリア・ニコロディ
「サスペリア PART 2」

カルロの母親を演じる往年の大女優クララ・カラマイ(中央)
「サスペリア PART 2」

 また、視覚の落とし穴をついたトリックに関しては、アルジェントは巨匠アントニオーニの「欲望」('66)を強く意識したという。そのオマージュ的な意味も込めて、「欲望」で主人公のカメラマンを演じたデビッド・ヘミングスをマーカス役に起用している。最近の「グラディエーター」('00)や「リーグ・オブ・レジェンド」('03)ではすっかり小太りの禿げ親父と化してしまったヘミングスだが、この頃は知的で繊細な2枚目役者だった。
 また、本作はアルジェント作品のミューズとも言える女優ダリア・ニコロディとの最初のコラボレーションとしても重要な意味を持つ。アルジェントと同じように残酷な御伽噺に影響されて育った風変わりで個性的な女優ニコロディは、まさにアルジェントにとって運命のパートナーであり同志であったと言えるだろう。当時新進の若手女優として注目を集めていたニコロディをアルジェントに紹介したのは脚本のザッポーニ。二人は正式に結婚こそしなかったものの、愛娘アーシアをもうけ、創作面でもお互いに大きな影響を与え合った。そこには、夫と妻、監督と女優という関係を超越したクリエイティブな共犯関係があったと言えるだろう。
 さらに、「サスペリア PART 2」はアルジェント映画における音楽の主柱であるロック・バンド、ゴブリンとの運命的な出会いをももたらした。当初、イタリアの著名なジャズ・ピアニスト、ジョルジョ・ガスリーニに音楽を依頼したアルジェントだったが、ガスリーニのラウンジ・ジャズ的な世界と作品の相性が良くない事に早くから気づいていしまった。そこで、大物音楽出版者のビクシオに相談したところ紹介されたのが、当時チェリー・ファイブの名前で活躍していたプログレ系のロック・バンド、ゴブリンだった。彼らの斬新でインパクトの強い音楽性に惚れ込んだアルジェントは、サウンドトラックの半分以上を彼らに任せることにする。以降、ゴブリン及びその中心人物であるクラウディオ・シモネッティのサウンドはアルジェント作品に欠かせないものとなっていく。

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謎解きの大きな鍵となる不気味な廊下
「サスペリア PART 2」

ケタケタと笑いながら突進してくる悪夢のような人形
「サスペリア PART 2」

 こうして優れた人材にも恵まれたアルジェントは、それまでのキャリアの集大成とも言える悪夢のような素晴らしい映像を作り上げていった。不気味な絵画で埋め尽くされた廊下に秘められた恐るべきトリック、廃墟となった屋敷の壁の下に描かれていた奇妙な子供の絵、そしてその屋敷の壁の奥に封印されていたもう一つの部屋。さらに、扉を突き破って突進してくる不気味な機械人形など、実に悪魔的でシュールなイメージが次々と描き出されていく。
 また、それまで殺人シーンの残酷描写は比較的控えめだったアルジェントだが、本作ではその境界線を一気に飛び越えている。熱湯を浴びせられてズルズルと剥けていく顔面の皮膚、家具の角に叩きつけられてバキバキと折れていく前歯、車に轢かれてグシャリと潰れる頭部。目を背けたくなるようなショッキングな映像の数々だが、その源流はグリム童話など幼い頃に枕元で聞かされた御伽噺にあった。日本でも10年くらい前から知られるようになったが、ヨーロッパの有名な御伽噺の原典は実は恐ろしく残酷な描写に溢れている。日本にはそのアウトラインのみが翻訳され紹介されてきたが、そのままの物語を聞いて育ったアルジェントにとって抗し難い魅力を持つトラウマ的な原体験となっていたのである。

 さて、「サスペリア PART 2」で猟奇サスペンスの頂点を極めたアルジェントは、さらにホラーの分野で新たな方向性を模索するようになった。その大きなヒントを与えてくれたのがダリア・ニコロディである。ニコロディは幼い頃に祖母から聞かされた、ある恐ろしい実話をアルジェントに話して聞かせた。彼女の祖母イヴォンヌ・ローブはフランスの有名なピアニストだった。少女時代にドイツにある全寮制の音楽学校に入学した祖母は、その学校で秘かに行われている黒ミサを目撃してしまう。教師たちは黒魔術を使う悪魔崇拝者だったのだ。その事実を知った祖母は、命からがら学校を逃げ出したという。
 その話に興味を持ったアルジェントは、ニコロディを伴って今も実在するその音楽学校を訪ねてみることにした。校門の前で学生らしき少女に頼んで中に入れてもらった二人は、年老いた女教師がこちらに近づいてくる事に気付いた。そして、その老女はニコロディに向かって、“ニコロディさん、お祖母さんはお元気ですか?”と声をかけてきたのだ。名前はおろか学校を訪れる事すら事前に連絡していなかったアルジェントとニコロディの二人は、恐ろしくなってそそくさと帰路についたという。
 この不思議な体験と、ニコロディの祖母の話をヒントに生まれたのがイタリアン・ホラーの金字塔とも言える傑作「サスペリア」('77)である。

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アール・デコ調のモダンで洗練されたセット
「サスペリア」

テレビのコマーシャルでも話題になったスタイリッシュな残酷シーン
「サスペリア」

 バレリーナの卵であるアメリカ人の娘スージー・バニオン(ジェシカ・ハーパー)は、ヨーロッパでも屈指のバレエ学校に入学するためドイツに到着する。雨の降りしきる中、空港から学校の寮に向かったスージーだったが、学校の扉からは学生らしき少女が何かを叫びながら飛び出してきただけで、中には入れてもらえなかった。仕方なくタクシーで街中のホテルへ向かうスージー。車の窓の外には、雨の中を傘もささずに夜の林を駆け抜けていく先ほどの少女の姿。友人の部屋に着いた少女は、窓の外の暗闇に潜む何者かに襲われて殺される。少女の友人も、天上から吊り下げられた少女の巻き添えとなり、割れた巨大なガラス片が顔や体に突き刺さって死んでしまう。
 翌朝、学校を訪れたスージーを、バレエ教師のターナー(アリダ・ヴァリ)と副学長のブラン夫人(ジョーン・ベネット)が迎える。学校の寮に入ることになったスージーは、同室の少女サラ(ステファニア・カッシーニ)と親しくなった。その日以来、スージーの周囲では不可思議な出来事が続く。サラは、この学校が伝説的な魔女によって建てられたこと、そして生徒の前に決して姿を見せない学長の存在、さらには授業が終わるとどこかへ消えていく教師たちの不思議な行動などをスージーに話して聞かせる。そしてある晩、教師たちの行き先を探ろうとしたサラが忽然と姿を消してしまう・・・。

 「サスペリア」とは、トマス・ド・クインシーの著書に登場するドイツの魔女“嘆きの母(メーター・サスピリオウム)”にヒントを得たもの。ドイツ、イタリア、アメリカに住む3人の魔女を描く3部作の第1部として作られた。魔女や黒魔術の恐怖を随所に散りばめた脚本は、アルジェントと共にダリア・ニコロディが執筆。祖母自身が白魔術を操る魔女だったニコロディは、幼い頃から魔女や魔術に関する知識を祖母から教わって育っており、脚本の大半は彼女の手によるものだったようだ。
 アルジェント自身は、この作品を製作するに当って「不思議の国のアリス」や「白雪姫」といった童話にインスパイアされたと語っており、どうやらアルジェントとニコロディ二人の幼少期のトラウマが生み出したダーク・ファンタジーと見るべきなのかもしれない。

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ジェシカ・ハーパー、アリダ・ヴァリ、ジョーン・ベネット
「サスペリア」

まるで竹宮恵子や萩尾望都の少女漫画に出てくるような世界
「サスペリア」

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画面の隅々まで計算し尽くされた色彩感覚が素晴らしい
「サスペリア」

異様な雰囲気を漂わせる学校内の風景
「サスペリア」


 そうした悪魔的な脚本も非常に興味深いが、それ以上に「サスペリア」が抜きん出ているのは、その卓越した映像美である。アルジェントのビジュアリストとしての才能とセンスが最大限に生かされた作品と言えるだろう。
 まず目に付くのは、原色を生かした色彩美の素晴らしさ。アルジェントはディズニーのアニメ「白雪姫」の色彩を再現するために、撮影監督のルチアーノ・トヴォリと共に「白雪姫」を何度も見直したという。さらに、ローマに唯一残されていたテクニカラー・マシンでフィルムをプリントし、強烈に鮮やかな色彩を再現することに成功した。
 また、ルチアーノ・トヴォリはアルジェントのイメージする縦横無尽な映像世界を再現するために、クレーン・ショットやドリー・ショットなど当時のイタリアでは困難だった特殊撮影を駆使しまくった。そうして出来上がった映像は、何気ないカメラの動き一つをとっても、まるで何か意味があるような、まるでカメラそのものが生きているかのような不思議な世界を作り上げている。
 さらに本作で強烈なインパクトを残すのがゴブリンによる音楽。ギリシャの民族楽器ブズーキとアフリカの打楽器を組み合わせて演奏されており、文字通り“悪魔的”としか言いようのない仕上がり。その旋律は耳を傾けているだけで頭がおかしくなってしまいそうな、異様な迫力に満ちている。これ程までに、聴く者の神経を逆なでさせるような音楽は他に例がないだろう。恐るべしゴブリン。
 なお、副学長のブラン夫人を演じるのは往年のハリウッド女優ジョーン・ベネット。フリッツ・ラング監督の傑作フィルム・ノワール「飾窓の女」('44)やジャン・ルノワールの「浜辺の女」('46)などで知られる伝説的な大女優だ。若手俳優ばかりだった現場の空気も、彼女が現れると一変したという。リハーサルでも常にメイク・衣装は完璧で、自分の出番以外は控え室から出る事がなく、共演者とも殆ど言葉を交わさなかったらしい。逆に、イタリアの誇る世界の大女優アリダ・ヴァリは大らかで気取らない気さくな女性で、共演の若手女優たちとも大声で冗談を交わしていた。ウォーホル組出身のステファニア・カッシーニなどは、撮影後もアリダ・ヴァリと連絡を取り合うくらい仲良くなったという。

 こうして、オカルト・ホラーの分野で新境地を開いたアルジェント。「サスペリア」は世界中で一大センセーションを巻き起こし、次の新作への期待はいやがおうにも高まった。その周囲からのプレッシャーが、アルジェントを次第に追い詰めていくことになる。

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錬金術師が建てたという謎めいたアパートメント
「インフェルノ」

当時イタリアで大人気だった女優エレオノラ・ジョルジ
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荘厳な雰囲気を醸しだす図書館
「インフェルノ」

ロシアの伝説的オペラ歌手シャリアピンの息子シャリアピン・ジュニア
「インフェルノ」

 「サスペリア」をきっかけに魔術や邪教といったヨーロッパの闇の歴史に魅了されるようになったアルジェントは、次の作品で中世ヨーロッパと近代社会を結ぶ神秘の存在、錬金術師に焦点を当てることを決意する。そこに、3人の魔女の伝説を絡める事によって、現代のヨーロッパの影にうごめく魑魅魍魎の恐怖を描いたダーク・ファンタジーが「インフェルノ」('80)である。
 ニューヨークの古い荘厳なアパートに住む女流詩人ローズ(アイリーン・ミラクル)は、近所の古本屋で謎めいた古書“3人の母”を手にする。その本によると、イタリアのローマ、アメリカのニューヨーク、ドイツのフライブルグの古い建物には、それぞれ“暗闇の母”、“涙の母”、そして“嘆きの母”と呼ばれる魔女が住むという。ローズは、その著者が自分の住むアパートを建てた人物である事を知り、アパートの地下を調べると地中に水没した謎の部屋を発見する。言いようのない恐怖を覚えたローズは、ローマに住む弟マーク(リー・マクロスキー)に帰ってくるよう手紙を出した。ローマでは、マークが受け取ったローズの手紙に興味を抱いた恋人のサラ(エレオノラ・ジョルジ)が、図書館から“3人の母”を持ち出そうとして修道士の姿をした謎の人物に襲われる。間一髪で逃げ出したサラだったが、同じアパートに住む男性カルロ(ガブリエル・ラヴィア)と共に惨殺されてしまう。さらに、ニューヨークでも魔女の存在を察知したローズが何者かに殺されていた。
 姉の手紙を読んでニューヨークに戻ったマークだったが、既に姉は姿をくらましてしまっていた。姉の行方を捜すマークは、アパートの管理人キャロル(アリダ・ヴァリ)、住人である車椅子の老人(フェオドール・シャリアピン・ジュニア)と看護婦(ヴェロニカ・ザラール)、古本屋の主人(サシャ・ピトエフ)といった謎めいた人々を探っていく。そんな彼に協力するのが、隣に住む資産家の妻エルザ(ダリア・ニコロディ)。しかし、そのエルザも殺され、古書を巡って次々と惨劇が繰り返されていく・・・。

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今回は脇役に廻ったダリア・ニコロディ
「インフェルノ」

「サスペリア」に続いてアルジェント作品出演の大女優アリダ・ヴァリ
「インフェルノ」

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当時アメリカで大人気だったテレビ俳優リー・マクロスキー
「インフェルノ」

アントニオーニ作品でも知られる名女優ヴェロニカ・ラザール
「インフェルノ」

 ゴシックとアール・デコが入り混じった壮麗で不気味な建築物、シュール・レアリズム的な画面構成、幻想的で不条理なストーリーと、「サスペリア」で作り上げたオカルト・ホラーの世界を見事に踏襲した美しくも恐ろしい残酷絵巻。ハリウッドの大会社20世紀フォックスの資本が投入され、全てにおいて前作以上に贅が尽くされている。しかし一方で、アルジェントはスポンサーである20世紀フォックスの横槍にたびたび悩まされた。
 アメリカのマーケットでセールス・ポイントとなるようなスターの起用を望んだフォックスは、主演に当時アメリカのテレビ・ドラマで売り出し中だった俳優リー・マクロスキーを押し付けてきた。しかし、すっかりハリウッド・スター気取りでイタリア人俳優を見下していたマクロスキーは、現場で我がまま放題に振る舞ってスタッフや共演者に総スカンを食らった。しかも、ろくに演技も出来ない大根役者ときたもんだから、アルジェントはすっかり頭を抱えてしまった。
 また、実は本作の脚本には「サスペリア」に続いて魔術やオカルトに詳しいダリア・ニコロディが大きく貢献しているのだが、何故かアルジェントは脚本のクレジットから彼女の名前を外してしまった。ニコロディはアルジェントに不信感を抱いてしまい、二人の関係は一時的に険悪なものになってしまう。本作でニコロディが脇役をあてがわれたのも、そのぎくしゃくした関係に起因しているようだ。
 さらに、アルジェントはクライマックスの鏡の中から死神が飛び出すシーンの演出にも行き詰まっていた。そんな時に知り合ったのが、イタリアン・ホラーの父である大先輩マリオ・バーヴァ監督。イタリアにおける特殊効果のエキスパートでもあるバーヴァのアイディアを気に入ったアルジェントは、彼にクライマックスの特殊効果を任せることにした。それだけではなく、後半の主人公マークが発見する床下の秘密の迷路のセットもバーヴァがデザインし、撮影中に疲労が原因でダウンしてしまったアルジェントの代わりに一部演出まで手掛けている。
 こうして苦労の末に完成した「インフェルノ」は、前作「サスペリア」ほどの大ヒットには至らなかったものの、ファンの期待を裏切らない秀作に仕上がった。また、本作ではゴブリンに代わってキース・エマーソンが音楽を手掛けた事も話題になった。実は「サスペリア PART 2」でゴブリンと出会う前、アルジェントはエマーソン・レイク&パーマーに音楽の依頼を打診した事があった。しかし、当時人気絶頂だった彼らのスケジュールの都合がつかずに断られたという経緯があり、アルジェントにとっても念願の起用であった。
 また、前半と後半で主人公が引き継がれるという脚本の構成も面白い。ちなみに、ローズ役を演じたアイリーン・ミラクルは「ミッドナイト・エクスプレス」('78)のヒロイン役で注目された女優で、イタリアに長いこと在住して映画製作の裏方も経験していたユニークなキャリアの持ち主。学生時代にシンクロナイズド・スイミングの選手だった事から、水中での演技を要求されるローズ役に抜擢されたのだった。
 なお、「サスペリア」と「インフェルノ」の間にアルジェントは、アメリカのジョージ・A・ロメロ監督の問題作「ゾンビ」('78)の製作を手がけている。

 さて、こうして“嘆きの母”、“暗闇の母”を題材に選んだアルジェント。当然、残りの“涙の母”の登場する魔女3部作の完結編が期待されたが、次の作品でアルジェントはあえて自らのルーツであるジャロ、猟奇サスペンスの世界に回帰することを選んだ。それが「シャドー」('82)である。

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ダリア・ニコロディとジェームズ・フランシスカス
「シャドー」

警部役を演じるジュリアーノ・ジェンマ
「シャドー」

 アメリカの人気推理作家ピーター・ニール(ジェームズ・フランシスカス)は、新作「暗闇の祈り」の出版キャンペーンのためにローマを訪れる。折りしも、ローマでは彼の作品をモチーフにした美女連続殺人事件が発生しており、警察のジェルマーニ警部(ジュリアーノ・ジェンマ)はニールに捜査への協力を求める。しかし、そうこうしている間にも、ニールの周囲で次々と殺人事件が起きていく。ニールと親しいレズビアンの女性ジャーナリスト、ティルデ(ミレッラ・ダンジェロ)とその恋人、そしてマンションの管理人の娘マリア(ララ・ウェンデル)が相次いで殺される。恋人のアン(ダリア・ニコロディ)と助手の青年ジャンニ(クリスチャン・ボロメオ)の協力を得て独自に捜査を進めたニールは、彼の作品に異常な興味を示す書評家クリスチャーノ・ベルティ(ジョン・スタイナー)が犯人と睨む。しかし、ニールの不在中にベルティが何者かに斧で頭をかち割られて殺され、それを目撃したジャンニ青年まで殺される。さらに、ニューヨークからやってきたニールの婚約者ジェーン(ヴェロニカ・ラリオ)、出版エージェントであるブルマー(ジョン・サクソン)までもが殺され、事件は予想を覆すような展開を見せていく。
 一つの連続殺人を二人の殺人者が引き継いでいくというアイディアが斬新で、脚本の出来映えは「サスペリア PART 2」や「歓びの毒牙」にも匹敵する。しかし、本作が異彩を放っているのは、芸術的とも言える壮麗かつ残虐な殺人シーンの数々だろう。斧が頭をかち割ってしまうシーンをグラフィックに見せてしまうような映画は、当時としては前代未聞だった。また、ジェーンが殺されるシーンでは、彼女の腕が斧で叩き切られ、噴出する血が真っ白な壁に弧を描いていく。いずれの殺しも非常に独創的かつバイオレントで、まるで前衛ダンスを見るかのように演劇的でスタイリッシュな演出が施されている。
 また、マリアが犬に襲われるシーンのステディカムや、ティルデと恋人が殺されるシーンでのクレーン・ショットを使って2階建ての家をカメラが自在に動き回る演出など、テクニカルな面でも非常にレベルの高い映像を楽しませてくれる。

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イタリア芸能界の名物スター、エヴァ・ロビンズ
「シャドー」

ベルルスコーニ首相夫人となったヴェロニカ・ラリオ
「シャドー」


 さらに、実に多彩な登場人物を演じるキャストの豪華さにも注目したい。ニール役を演じるハリウッドの名優アンソニー・フランシオサ、そのエージェント役には同じくハリウッドの名優ジョン・サクソン。ティルデ役のミレッラ・ダンジェロは本作以降ハリウッドでも活躍するようになり、ジェーン役のヴェロニカ・ラリオはイタリアのメディア王でもあるシルヴィオ・ベルルスコーニ首相夫人となった。ジャンニ役のクリスチャン・ボロメオは当時イタリア産ホラー映画に多く出演していた人気スターだったし、ベルティ役のジョン・スタイナーも70年代から数多くのイタリア産娯楽映画に出演している名物俳優。マリア役のララ・ウェンデルは「思春の森」('77)や「美しき少年/エルネスト」('79)などで熱狂的なファンを持つ個性的な美少女スターだった。ジェルマーニ警部役のジュリアーノ・ジェンマに至っては説明の必要もなかろう。日本でも絶大な人気を誇ったイタリアの大スターだ。
 なお、随所に挿入される幻想的な回想シーンで登場する赤い靴を履いた美女を演じるエヴァ・ロビンズは、実は性転換した男性。イタリアでは今でも映画スターとして活躍しており、世界的に見ても性転換者が本格的に“女優”として地位を確立する事の出来た非常に稀なケースと言える(ディヴァインは女装の男性だし、アジタ・ウィルソンは性転換したポルノ・スターであって女優ではない)。
 ちなみに、日本公開版ではエンディングのテーマ曲にキム・ワイルドの“Take Me Tonight”が使用され、当時テレビCMなどで大いに話題になった。しかし、1999年に発売された本作のアメリカ盤DVDでアルジェントや音楽を手掛けたクラウディオ・シモネッリが収録したオーディオ・コメンタリーによると、その収録時点まで彼らはキム・ワイルドのテーマ曲の存在を知らなかったらしい。シモネッティが思わず“何だこの曲!?書いた覚えがないぞ。”と一言。歌っているのが誰かも分らず、“きっとどこかのディストリビューターが勝手に恋人か誰かに歌わせたんだろう”とのたまう始末。イギリスの誇るポップ・クイーン、キム・ワイルドも形なしである。

 そして、いよいよ登場するのが我が青春の思い出(?)「フェノミナ」('84)。当初は“魔女3部作”の完結編として企画されたものの、「サスペリア」の少女マンガ的世界のみを引き継いだファンタジックな美少女残酷物語である。

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完全無欠の美少女ジェニファー・コネリー
「フェノミナ」

愛娘フィオーレも容赦なくいたぶりまくる
「フェノミナ」

 舞台はスイスの美しい山間の村。バスに乗り遅れた美少女ヴェラ(フィオーレ・アルジェント)は、電話を借りようと近くにある家を訪れる。しかし、そこで何者かに襲われたヴェラは逃げ回った末、滝の上で首を切り落とされて殺されてしまう。その頃、地元の由緒正しい寄宿学校では、有名なハリウッド・スターの娘であるジェニファー・コルヴィーノ(ジェニファー・コネリー)が転入生として到着する。彼女は物静かで繊細な少女で、昆虫と交信できるという特殊な能力を持っていた。しかし、彼女の到着した晩から奇妙な美少女連続殺人事件が多発する。さらに、夢遊病が発症してしまったジェニファーを、厳格で冷たい学校長(ダリラ・ディ・ラザーロ)は忌み嫌うようになる。また、学校の生徒たちも彼女を不気味がって虐めるようになる。口々に罵詈雑言を浴びせる生徒たちに囲まれたジェニファーだったが、そんな彼女を守ろうとするかのように大量の蝿や蛾の軍団が学校を取り囲み、教師も生徒も恐怖で立ちすくんでしまう。そんなジェニファーの唯一の理解者は地元の昆虫学者マクレガー博士(ドナルド・プレザンス)とペットのチンパンジー、トンガだった。しかし、連続殺人鬼の正体を掴みかけたマクレガー博士まで惨殺されてしまう。アメリカに帰ることを決めたジェニファーは、一時的に女教師ブルックナー(ダリア・ニコロディ)の自宅に身を寄せる事になるのだが、彼女はブルックナーに監禁されてしまう。捜査のためにブルックナー宅を訪れた捜査官ガイガー(パトリック・ボーショー)も、何者かに襲われる。果たしてブルックナーが連続殺人の真犯人なのか・・・?

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学校長役を演じるダリラ・ディ・ラザーロ
「フェノミナ」

予告編でも話題になった口から飛び出す槍
「フェノミナ」

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マクレガー博士役の名優ドナルド・プレザンス
「フェノミナ」

一世一代の怪演を見せるダリア・ニコロディ
「フェノミナ」

 本作の目玉は何と言ってもヒロイン役のジェニファー・コネリーだろう。当時14歳だったジェニファーの美しいこと!繊細で内向的なキャラクター、誰もが憧れる映画スターの愛娘というお嬢様な設定、昆虫と交信できる能力を持ったある種フリークスな特異さは、日本の少女マンガや後のジャパニメーションの世界とも通じるものがあり、全世界のオタク連中の妄想を刺激するには十分すぎる魅力を放っていた。
 そんな美少女ジェニファーが腐乱死体を溜め込んだプールでウジムシまみれになる阿鼻叫喚の地獄絵図。しかも、舞台は美少女がワンサカと登場する全寮制の女学校。冒頭では愛娘フィオーレをいたぶった挙句に首を切り落とすという倒錯ぶり。アルジェントの変態妄想の集大成とも言うべき異様なダーク・ファンタジーに仕上がっている。
 また、本作ではアルジェント映画のミューズであるダリア・ニコロディが初の汚れ役を演じているという点も注目したい。「インフェルノ」での一件もあって、当時アルジェントとニコロディの関係は決して良好とは言えなかった。アルジェントは、まるでニコロディへの憎悪をぶちまけるかのように、彼女の醜悪さを前面に押し出しまくっている。しかも、クライマックスではチンパンジーに彼女の顔をズタズタにさせて殺させる始末。このシーンの撮影でニコロディはチンパンジーと本当に格闘する事を余儀なくされ、凶器であるメスはもちろん本物ではなかったものの、アルミニウムで作られていたため実際に顔面を負傷してしまった。恐るべしダリオ・アルジェント。
 なお、当時日本ではクランキー・サウンド・システムという方式で上映された。これは映画館内にFM電波を利用したサラウンド音声を流し、観客は自らラジオのステレオ受信機を持ち込んでヘッドホンで聴くというもの。高校生だった筆者も、重たいラジカセを映画館に持ち込んで、暗闇で何とか電波を拾って立体音響を楽しんだもんだった。懐かしさもひとしおである。ちなみに、アメリカではズタズタに編集された短縮版が“Creepers”のタイトルで公開され、批評家からも観客からも総スカンを食らってしまった。以降、アルジェントは配給会社や批評家の無理解に悩まされるようになる。

 「フェノミナ」の不当な扱いに辟易したアルジェントは、当面監督業を遠ざかりプロデューサー業に専念することにする。その手始めがランベルト・バーヴァ監督の「デモンズ」('85)だった。さらに同じくバーヴァの「デモンズ2」('86)も手掛け、テレビでは自らホスト役も務めたサスペンス・シリーズ“Turno di notte”をプロデュースした。そして、満を持して発表した猟奇サスペンス「オペラ座/血の喝采」('87)だったが、ここでもまた様々な困難が彼を待ち受けていたのだった。

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ダリア・ニコロディ(中央)とクリスチナ・マルシラッチ(右)
「オペラ座/血の喝采」

斬新で荘厳なオペラ・シーン
「オペラ座/血の喝采」

 有名なホラー映画監督マルコ(イアン・チャールソン)は、オペラ「マクベス」の舞台の演出を手掛ける事になったが、マクベス夫人役の大物女性オペラ歌手の我がままに頭を悩ませていた。そんな折、彼女が交通事故で大怪我を負ってしまう。そこで白羽の矢が立てられたのが、若手の女性オペラ歌手ベティ(クリスティナ・マルシラッチ)。“不運を呼ぶ”と言われる「マクベス」の舞台に不安を抱くベティだったが、マネージャーのミラ(ダリア・ニコロディ)の強い励ましもあって、この大きなチャンスに賭けてみる事にする。しかし、迎えた初日で照明が落下し、案内係が何者かに殺された。さらに、舞台終了後に監督助手の青年ステファノ(ウィリアム・マクナマラ)とベッドを共にしたベティだったが、何者かに手足を柱に縛り付けられてしまう。目を閉じることが出来ないように瞼に無数の針を貼り付けられたベティの前で、ステファノは無残にも殺される。サンティーニ警部(ウルバノ・バルベリーニ)が捜査に当るが、そうしている間に衣装デザイナーのジュリア(コラリーナ・カタルディ・タッソーニ)も同じように彼女の目の前で殺され、マネージャーのミラも銃殺されてしまう。果たして犯人の目的は何なのか・・・?マルコは犯人が必ず彼女の舞台を見に来ると睨み、ある試みを実行することにする・・・。
 アルジェントがイタリアの伝統芸術であるオペラの世界に挑んだ野心作だったが、全ての面において「マクベス」の呪いが大きな影を投げ落としていた。まず、撮影中にスタッフの一人が事故で死んでしまった。さらに、マルコ役を演じるイギリスの名優イアン・チャールソンが撮影中にエイズである事が発覚。しかも、彼は交通事故で足を痛めてしまい、一時撮影が中断してしまった。また、ベティ役のスペイン女優クリスチナ・マルシラッチの気まぐれと我がままも大きな悩みの種となった。彼自身、それまで出演女優とのトラブルは一切なく、女優とのコミュニケーションには自信があったため非常に戸惑ったという。そして、最もアルジェントにとって辛かったのは、最愛の父サルヴァトーレの死だった。“「マクベス」は不幸を呼ぶ”というジンクスは本物だったのだ。

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瞼に当るように針を貼り付けられたベティ(クリスチナ・マルシラッチ)
「オペラ座/血の喝采」

「デモンズ2」でもお馴染みのコラリーナ・カタルディ・タッソーニ
「オペラ座/血の喝采」

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ダリア・ニコロディ決死の弾丸貫通シーン
「オペラ座/血の喝采」

 さらに本作は、世界公開に際して配給会社の判断で「フェノミナ」以上に無残なカットを余儀なくされてしまう。ディレクターズ・カットとも言うべきイタリア公開版と見比べると、そのカットのされ方がほとんど犯罪である事がよく分る。夜な夜なベティの見る悪夢と犯人との相互関係や、事件と絶妙にリンクしていく彼女の深層心理などを暗示する伏線がことごとく削除されているのだ。さらに、世界公開版では冒頭で姿を消してしまう大物オペラ歌手や、やはり世界公開版では突然現れてベティを危機から救う隣家の少女とその母親の複雑な親子関係など、物語を繋いでいく重要な登場人物やその背景がイタリア公開版ではきっちりと描かれている。そして、イタリア公開版のクライマックスに登場した幻想的余韻を残す重要なシーンまでもが世界公開版ではそっくりカットされてしまった。その結果、本来ならば詩情豊かなダーク・ファンタジーと呼ぶべき作品が、残酷シーンばかりが目立つ辻褄の合わない2流スリラーへと成り下がってしまったのだ。
 なお、テレビのロードショー番組で放送された際には、放送時間内に収めるためさらにカットを余儀なくされたため、見るも無残な姿になってしまっていた。そもそも、ゴールデン・タイムのロードショー番組というのは上映時間を短縮カットするわ、4:3のテレビ・サイズに合わせるために本来は横長である画面の左右を削ってしまうわで、ほとんど映画の屠殺場状態。本作のように、ただでさえ改悪編集されている上に、横長の画面をフルに使って緻密に構図が計算されているような作品は、確実にその価値を下げてしまう。
 批評家の中には本作の世界公開版のみを見て、さも鬼の首を取ったかのように“ダリオ・アルジェントは殺人描写ばかりのえげつない監督”だの“ご都合主義ばかり目立つ偽者”だのと批判する輩がいるが、プロならばちゃんと本来あるべき姿を見てから評価を下すべきだろう。
 ちなみに、本作で最も印象的な殺され方をするミラ役のダリア・ニコロディは、もともと出演に乗り気ではなかった。というのも、前作「フェノミナ」公開後にアルジェントとの関係は終わってしまっていたのだ。しかし、どうしてもというアルジェントの強い要望もあって、渋々出演を引き受けた。が、後で彼女はそれを後悔する事となる。問題となったのは彼女の殺害シーンだった。ドアの覗き穴から弾丸を打ち込まれて殺されるというシーンなのだが、これが危険極まる撮影となってしまったのだ。
 弾丸が覗き穴を通って彼女の目から後頭部を貫通し、さらに後方の花瓶を直撃するというシーンを一気に見せようとしたアルジェント。そのため、ニコロディは右目の瞼の上に血のりの入ったコンドームを装着し、さらに後頭部には爆薬を仕込んだ小さな袋を貼り付けた。まずは吹き矢で瞼の上のコンドームを破裂させ、次に後頭部に仕込んだ爆薬を爆発させることにより、弾丸の頭部貫通を再現したのだ。一歩間違えれば、片目を失明するか後頭部を損傷して命まで失う可能性すらある危険な撮影だった。チンパンジーに本気で顔を切りつけられた「フェノミナ」の悪夢再来である。前日の晩は不安と恐怖で眠れなかったというニコロディだが、その後2度とアルジェント作品には出演していない。
 なお、このシーンで覗き穴を通り抜ける弾丸をスローモーションのクロース・アップで撮影するというアイディアも斬新だった。巨大な覗き穴の模型に巨大な弾丸の模型を打ち込んで高速カメラで撮影するというシンプルなトリックなのだが、細かいディテールへの異常な執着を見せるアルジェントならではの独創的な演出と言えるだろう。また、アカデミー賞受賞経験もある大御所撮影監督ロニー・テイラーによる、縦横無尽なカメラワークもアルジェントとの相性バツグンだった。

 結局、こうした不幸な出来事と配給会社の不当な扱いによって、「オペラ座/血の喝采」は興行的にも批評的にも惨敗を喫してしまった。そんな折に、盟友ジョージ・A・ロメロ監督に誘われてアメリカで撮影したのが「マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴」('90)だった。

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ポーの「恐怖の振り子」にインスパイアされたシーン
「マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴」

ダミー人形を使った死体にも徹底したリアリズムが貫かれる
「マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴」

 この作品は、アルジェントの敬愛するエドガー・アラン・ポーの短編を集めたオムニバス映画で、当初はロメロとアルジェントを含めた4人の監督で競作するはずだった。しかし、予定していた監督たちのスケジュールの都合がつかず、ロメロとアルジェントの2人で1話づつ担当する事になった。ロメロは「ヴァルドマー事件の真相」を、アルジェントが「黒猫」を映像化。ちなみに、もともとはロメロが「赤死病の仮面」を、アルジェントが「恐怖の振り子」を手掛けるはずだったという。原作そのものが地味だった「ヴァルドマー事件の真相」は、ロメロ自身も認めている通り見栄えのしない凡庸な作品になってしまったが、アルジェントの「黒猫」は現代社会の病んだ人間関係と、人間の心の奥底に潜む暴力性や残虐性を彼らしいシュールで鋭い観察眼で描く優れた社会派ホラーに仕上がっている。
 毎日のように残虐な殺人事件が発生する大都市ニューヨーク。写真家ロッド・アッシャー(ハーヴェイ・カイテル)は、殺人現場の写真などを撮影する事により現代社会の暴力性や異常性を描き続ける芸術家だ。ニューヨーク市警のベテラン刑事ルグラン(ジョン・エイモス)とも親しい。巨大な振り子で胴体を真っ二つにされた女性、恋人に生きながら歯を全部抜かれて殺された女性など目を覆うような異常な事件を目の当たりにし続ける彼は、次第に精神的なバランスを失っていく。同棲する恋人アナベル(マデリーン・ポッター)に対しても、何気ない事でキレるようになり、彼女が拾ってきた黒猫をなぶり殺しにしてしまう。何も知らないアナベルだったが、ある日書店で見つけたアッシャーの新作写真集を手にした彼女は、そこに暴行を受けて殺される黒猫の姿が写されているのを見て衝撃を受ける。激怒するアナベルと口論になったアッシャーは、彼女を殺害して猫の死体もろとも自宅の壁に埋めてしまうのだったが・・・。

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ハーヴェイ・カイテルとジョン・エイモス
「マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴」

 まさにミイラ取りがミイラになってしまう皮肉。現代社会に渦巻く暴力や残虐性に触発され、蝕まれていく精神。あまりにも滑稽で皮肉なラストに至るまで、実に無駄のない優れた作品だった。また、主演の名優ハーヴェイ・カイテル以下、「ニューヨークの奴隷」('89)で有名なマデリーン・ポッター、「欲望という名の電車」('51)の名女優キム・ハンター(アルジェントは彼女の大ファンだったという)に「サイコ」('60)や「ティファニーで朝食を」('61)の名優マーティン・バルサム、「アンナ」('87)でオスカーにノミネートされた姉御女優サリー・カークランドといった、ニューヨーク派の渋い俳優を揃えたキャスティングも今までのアルジェント作品にはないリアルな魅力を生み出し、ニューヨークという街の生活感を生々しく表現している。ちなみに、ルグラン刑事役を演じるジョン・エイモスは、あの「ルーツ」('77)で成人したクンタ・キンテ役を演じた俳優。いずれにせよ、アルジェントにとっては会心の作とも言うべき一本だろう。
 アルジェント自身、初めてのアメリカでの撮影に大いに刺激されたらしく、次回作「トラウマ/鮮血の叫び」('92)もアメリカを舞台に選んでいる。

 さて、その「トラウマ/鮮血の叫び」だが、アメリカが舞台になっただけではなく、アメリカの制作会社が100%出資した純粋なアメリカ映画として製作された。しかし、それが大きなトラブルの原因となってしまったのである。
 若くてナイーブな青年デヴィッド・パーソンズ(クリストファー・ライデル)は、街中でフラフラになりながら歩いている若い娘を見かけて助けようとする。その女性オーラ(アーシア・アルジェント)は拒食症の家出人で、ふとした隙に家族の差し向けたボディーガードに連れ去られてしまう。彼女の母親アドリアーナ(パイパー・ローリー)はルーマニア系アメリカ人で、支配的な態度の強い霊媒師だった。しかし、雨の降りしきる晩に行われた交霊会の最中でトラブルが起き、何者かによって母親と父親は首を切断されて殺されてしまう。オーラは、彼女の行方を捜して来たデヴィッドと共に、両親を殺した犯人を捜そうとするのだが、その間にも同じ手口を使った斬首殺人が次々と起きる。そして、その被害者たちの共通項を探っていくうちに、彼らは過去の恐ろしくも忌まわしい事件に突き当たるのだった・・・。
 この作品は、もともと拒食症に悩まされていたダリア・ニコロディの長女アンナ(アルジェントと出会う前に生まれた娘)にヒントを得て作られた。アメリカに留学していた自身の長女フィオーレのもとを訪れていたアルジェントは、アメリカにおける拒食症患者の多さに驚いたという。当初はアメリカ人の女優をキャスティングするつもりでいたが、次女のアーシアが当時イタリアで有望な若手女優として高く評価されつつあった事もあり、彼女をヒロイン役に起用することにした。
 しかし、もともとアルジェントや盟友フランコ・フェリーニらが書いた脚本の陰湿さやニヒリズムをアメリカのマーケット向きではないと判断した製作会社幹部によって、脚本の大幅な変更を余儀なくされてしまう。その結果、オカルト風の安手なスラッシャー映画になってしまったのだ。また、サウンドトラックのもともとゴブリンに任せるつもりでいたアルジェントだったが、彼らのヨーロッパ的な感性がアメリカ人向きではないと考えた製作会社によって却下され、ハリウッドで活躍するイタリア人の大御所作曲家ピノ・ドナッジョを押し付けられた。ただ、ドナッジョはアルジェントの意図を汲んだ優れたスコアを書き、アルジェントも結果的にはドナッジョの仕事ぶりを認めている。
 いずれにせよ、アルジェントにとって不本意な作品に仕上がってしまった「トラウマ/鮮血の叫び」。彼は“アメリカには芸術という言葉は相応しくない”と言い、母国イタリアに戻ることにしたのだった。

 本国に戻ったアルジェントが、まさにその“芸術”について描いた猟奇サスペンスが「スタンダール・シンドローム」('96)である。スタンダール・シンドロームとは作家スタンダールが体験した、絵画を鑑賞しているうちにその中に引き込まれていってしまうという錯覚現象のことをいう。
 連続レイプ殺人犯を追う女性刑事アンナ(アーシア・アルジェント)は、情報提供者と待ち合わせをしたフィレンツェの美術館で絵画を見ているうちにその中に引き込まれてしまい、気を失って倒れてしまう。そんな彼女を抱き起こしてくれた青年アルフレード(トーマス・クレッチマン)。実はこのアルフレードこそが、彼女が追っているレイプ殺人犯だった。この一件を機に、アルフレードはとり憑かれたようにアンナを付けねらうようになる・・・。
 優れた芸術が人間の精神に与える影響の大きさ、感受性の豊かなゆえに芸術と狂気の境界線を超えてしまう人間の心理の不可思議さを鋭くえぐった異色作。イタリア映画初のフルCGを使用した幻覚シーンは今見ると原始的だが、追い詰められることによって自らも次第に精神の平衡感覚を失っていくヒロインの人間崩壊ぶりをサディスティックなまでに描いていく演出はアルジェントの独壇場。推理ドラマなど入る余地のない、鬼気迫るサイコ・ホラーと言えるだろう。
 前作に引き続き、とことんまでいたぶられるヒロインを演じるのは愛娘アーシア。当初熱狂的なアルジェント・マニアであるブリジット・フォンダが主演する予定で、撮影前には行動も共にしていたのだが、様々な事情で出演が不可能になってしまった。その後、キム・ベイシンガーやロリー・リンガーなどもオーディションを行ったが、いずれもアルジェントのお気に召さず、やっぱり愛するアーシアしかいないよ、という事になったのだ。その他、トーマス・クレッチマンやマルコ・レオナルディなど、その後国際的にも活躍するようになる旬の若手スターを起用したキャスティングも新鮮だった。

 さて、その後大ベテランのルチオ・フルチを監督に迎えるも、フルチの突然の死で特殊メイク・マンであるセルジョ・スティヴァレッティの監督デビュー作となった古典ホラーのリメイク「肉の鑞人形」('97)を製作したアルジェント。自らも、サイレント時代から何度も映画化されてきたガストン・ルルー原作(「肉の鑞人形」もルルー原作)の「オペラ座の怪人」('98)を発表する。しかし、これは本来アルジェントが撮りたかった企画ではなかったのだ。
 筆者がアルジェントの元助監督だったルイジ・コッツィ監督にローマでインタビューした際の話だと、もともと新作として再びジャロを撮るつもりでいたアルジェントだったが、なかなか出資者が見つからず、ようやく資金提供に同意をしてくれた制作会社から交換条件として出されたのが「オペラ座の怪人」のリメイクだったのだ。当時、既にイタリア映画界はシルヴィオ・ベルルスコーニ率いる一大メディア帝国が様々な映画配給網やビデオ・レンタルチェーンを牛耳っており、テレビの放送規格コードに抵触するような残酷描写や暴力描写、セックス描写を含む作品の配給は非常に困難な状況に陥っていた。家族でも見れるような当たり障りのないファミリー映画、コメディ映画、恋愛映画、芸術映画ばかりが量産されるようになり、60年代から80年代にかけて全盛を誇ったイタリアのホラーやアクション、ソフト・ポルノといった娯楽映画産業はほぼ死滅してしまった。アルジェントのように海外マーケットで勝負できるような映画監督でも、自由に好きな作品を撮る事は難しくなってしまったのだ。
 それでもアルジェントは、ジュリアン・サンズ演じる怪人を一見してロマンティックで退廃的な美青年として描きながら、実はオペラ座の地下でネズミによって育てられた屈折した人間というフリークスな味付けを施し、ヒロインのオペラ歌手クリスティーヌ(アーシア・アルジェント)に対する歪んだ偏執的な愛と狂気の暴走を悪夢のごとく描くなど、彼らしいダークでシュールな作品に仕上げている。

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アルジェント節復活の美女いたぶり地獄
「スリープレス」

アルジェント作品初登場の名優マックス・フォン・シドー
「スリープレス」

 そうして、ようやく念願のジャロの世界に舞い戻ったのが「スリープレス」('01)である。しかし、そこには時代の変化と共に移ろいで行く観客の嗜好やマーケットのニーズと、己の作家性とのギャップに苦悩するダリオ・アルジェントの姿があった。
 1983年のトリノ。巷では若い女性ばかりを狙った連続殺人事件が市民を恐怖に陥れていた。そして新たな殺人事件が発生。楽器を口に突っ込まれるという異常な方法で殺された若い母親。事件を目撃してしまった少年ジャコモにモレッティ警部(マックス・フォン・シドー)は、“必ず犯人を捕まえる”と約束する。そして、犯人と目されていた小人が変死体で発見され、事件は後味のすっきりしまいままに幕を閉じてしまう。そして、その17年後。再び同じような連続殺人が発生する。既に現役を引退したものの、捜査への助言を求められたモレッティは成長したジャコモ(ステファノ・ディオニージ)と再会。約束を果たすために、モレッティはジャコモを伴って独自の捜査を開始する。

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ジャコモの母親の凄惨な殺害シーン
「スリープレス」

イタリア映画ファンにはお馴染みの名女優ロッセラ・ファルク
「スリープレス」

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ステファノ・ディオニージとキアラ・カゼッリ
「スリープレス」

 イタリア映画らしい荘厳で美しい美術セット、美女ばかりを狙った残虐な連続殺人、事件の鍵を握る素朴で不気味な詩など、初期のアルジェント作品を彷彿とさせる要素が詰め込まれ、ファンにとってはアルジェントの本格的な復活を実感させるに十分な仕上がりだった。しかし、その一方で残酷シーンに敏感なマーケットを意識して直接的な殺人描写を極力抑えていたり(ジャコモの母親殺害シーンだけは別格)、「羊たちの沈黙」や「コピーキャット」といったハリウッド映画のようなストーリーやキャラクター設定に重点を置いた演出が目立ってしまい、アルジェント的な映像美学が薄まってしまったように思える。
 また、アルジェント自身が敬愛するイングマール・ベルイマン作品の顔とも言える名優マックス・フォン・シドー、「カストラート」('94)で日本でも注目された美形俳優ステファノ・ディオニージ、イタリアを代表する若手女優キアラ・カゼッリといった魅力的なキャストも精彩を欠いている。熱心なアルジェント・ファンにとっては、ジャコモの親友ロレンツォの父親役で「サスペリア PART 2」や「インフェルノ」のガブリエル・ラヴィアが顔を出しているのが嬉しかったが。また、本作の為に再結成したゴブリンが音楽を手掛けているのも、ファンには嬉しい驚きだった。

 しかし、続く新作「デス・サイト」('04)は、さらに多くのファンを失望させる事となった。
 舞台はローマ。女刑事アンナ・マリー(ステファニア・ロッカ)は、ある日謎のEメールを受け取る。それは連続殺人鬼からの挑戦状だった。犯人は誘拐した被害者の様子をウェブカムで映し出しながら、オンライン上でポーカー・ゲームを挑んできた。警察が負ければ被害者の命はない。若手刑事のカルロ(クラウディオ・サンタマリア)がゲームに挑むが、あえなく負けてしまい被害者の女性は惨殺されてしまう。被害者がイギリス人のツーリストだった事から、インターポールのイギリス人捜査官ブレナン(リーアム・カニンガム)が事件の捜査に加わる。そして、さらに再び挑発してくる犯人。今度の被害者は警察署長の娘ルチアだった。警察は天才的なゲーム少年レモ(シルヴィオ・ムッチーノ)を犯人に対戦させ、今度は見事勝利を収める。ルチアは無事に生還するが、レモ少年は犯人によって無残にも殺されてしまう。彼を巻き込んだブレナンとアンナ・マリーは罪悪感に駆られ、独自の捜査を展開するのだが・・・。
 「スリープレス」がアメリカでは劇場公開もされずに終わってしまった事から、アルジェントはさらにハリウッド的なアプローチを展開。それまでの巧みに計算された照明効果を排除し、自然光を利用したナチュラルでリアルな映像を作り上げた。また、残酷シーンも極端に抑えられ、謎解きのストーリーや犯人と警察の駆け引き、アクションを交えたブレナンとアンナ・マリーの捜査過程に重点を置きすぎたため、まるでアメリカのB級サスペンスのような出来映えだった。アルジェントらしさなど欠片も見られない。その結果、アメリカでは地域限定で劇場公開されたものの、日本やフランス、南米などではビデオ・スルーとなってしまった。
 ただ、撮影現場は非常にスムースだったらしく、ブレナン役のリーアム・カニンガムはアルジェント博士とも呼べるほどの熱狂的なファンで、2人の関係は非常に良好だった。また、アンナ・マリー役のステファニア・ロッカも熱心な映画マニアで、現場ではアルジェントと映画談義に花を咲かせるほどだったという。

 こうしてアルジェントのキャリアを振り返ると、90年代以降は殆ど自身の意に副わないような創作活動を強いられてきている事がよく分る。彼の余りにも個性的で特殊な作家性が、製作会社・配給会社の考えるコマーシャリズムから逸脱していたために、創作における自由な権限が与えられなかった。また、時代が彼にとって不利だった事もあろう。
 その一方で、ファンなら是非とも実現して欲しいと思うような企画が生まれては流れていった。例えば、「サスペリア」の大ファンだった作家スティーブン・キングは、「死霊伝説」の映像化に当って、当初アルジェントを監督に指名していたという。しかし、プロデューサーの意向でトビー・フーパーが監督することなり、その後「ザ・スタンド」の映画化の話も浮上したが、結局実現せずにミック・ギャリス監督によってテレビ化された。「死霊伝説」など、アルジェントが監督していたら、さぞかしシュールで悪夢のような作品に仕上がっていたことだろう。
 また、ラヴクラフト作品の映画化という企画もあったという。イタリアの誇る大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスの企画で、アルジェントはロンドンに招かれて「エクスカリバー」の脚本で有名なロスポ・パレンバーグと共に原案を執筆したが、こちらも頓挫してしまった。
 しかし、アルジェント・ファン待望の夢の企画が、いよいよ来年実現する事となった。魔女3部作の完結編“Mother of Tears(涙の母)”である。ローマを舞台に、現代に復活を遂げた史上最強の魔女。それを祝福するために世界中の魔女がローマに集結する。アメリカ人の美大生サラ(アーシア・アルジェント)は、邪悪な力から世界を守るために闘いを挑む、というストーリーになるらしい。まだキャスティングが進行している段階だが、ファンとしては大いに期待するところ。願わくば、出来の悪い「ロード・オブ・ザ・リング」になってしまったロシア映画「ナイト・ウォッチ」の二の舞は避けてほしいもの。

 

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歓びの毒牙(きば)
The Bird with the Crystal Plumage (1969)

わたしは目撃者
The Cat O'Nine Tails (1971)

サスペリア
Suspiria (1977)

インフェルノ
Inferno (1980)

(P)2005 Blue Underground (USA) (P)2001 Anchor Bay (USA) (P)2001 Anchor Bay (USA) (P)2000 Anchor Bay (USA)
画質★★★★★ 音質★★★★★ 画質★★★★★ 音質★★★★☆ 画質★★★★★ 音質★★★★★ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤2枚組)
カラー/ワイド・スクリーン/5.1chサラウンドーDTS-ES・5.1chサラウンドEX・ドルビーサラウンド2.0・モノラル/音声:英語・イタリア語/字幕:英語/地域コード:ALL/96分/製作:イタリア

映像特典
ダリオ・アルジェント監督インタビュー
撮影監督V・ストラーロ インタビュー
エンニオ・モリコーネ インタビュー
女優エヴァ・レンツィ インタビュー
専門家による音声解説
インターナショナル版予告編
イタリア版予告編
テレビ・スポット集
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイド・スクリーン/ドルビーサラウンド2.0/音声:英語・イタリア語・フランス語/字幕:英語/地域コード:ALL/112分/製作:イタリア

映像特典
ダリオ・アルジェント監督、脚本家ダルダノ・サケッティ、エンニオ・モリコーネ インタビュー
劇場予告編集
テレビ・スポット集
ラジオ・スポット集
ジェームズ・フランシスカス、カール・マルデンのラジオ・インタビュー集
ポスター&スチル・ギャラリー
バイオグラフィー集
DVD仕様(北米盤3枚組)
カラー/ワイド・スクリーン/ドルビーサラウンドEX・6.1chDTS-ES・サラウンド2.0/音声:英語・イタリア語・フランス語/字幕:英語/地域コード:ALL/98分/製作:イタリア

映像特典
25周年記念ドキュメンタリー
予告編集
テレビ・スポット集
ラジオ・スポット集
Daemoniaミュージック・ビデオ
ポスター&スチル・ギャラリー
バイオグラフィー集

サウンドトラックCD附属

DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド/音声:英語/字幕なし/地域コード:ALL/製作:イタリア・アメリカ

映像特典
ダリオ・アルジェント監督インタビュー
劇場予告編
スチル・ギャラリー
バイオグラフィー集

監督:ダリオ・アルジェント
製作:ダリオ・アルジェント
    サルヴァトーレ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:トニー・ムサンテ
    スージー・ケンドール
    エヴァ・レンツィ
    エンリコ・マリア・サレルノ
    マリオ・アドルフ
    ウンベルト・ラホー
監督:ダリオ・アルジェント
製作:サルヴァトーレ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
    ダルダノ・サケッティ
    ルイジ・コッロ
撮影:エンリコ・メンツェール
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:カール・マルデン
    ジェームズ・フランシスカス
    カトリーヌ・スパーク
    ティナ・カラーロ
    ピエール・パオロ・カッポーニ
    ホルスト・フランク
    ラダ・ラシモフ
監督:ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント
脚本:ダリア・ニコロディ
    ダリオ・アルジェント
撮影:ルチアーノ・トヴォリ
音楽:ゴブリン
出演:ジェシカ・ハーパー
    ステファニア・カッシーニ
    アリダ・ヴァリ
    ジョーン・ベネット
    ウド・キアー
    フラヴィオ・ブッチ
    ミゲール・ボゼ
    バルバラ・マノルフィ
監督:ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
    ダリア・ニコロディ(クレジット無し)
撮影:ロマーノ・アルバーニ
音楽:キース・エマーソン
出演:アイリーン・ミラクル
    リー・マクロスキー
    エレオノラ・ジョルジ
    ダリア・ニコロディ
    アリダ・ヴァリ
    フェオドール・シャリアピン・Jr
    ヴェロニカ・ラザール
    サシャ・ピトエフ
 アメリカ盤では、かつてVCIからも比較的画質の良いDVDが発売されていたが、本DVDは文字通り決定版と呼べる出来映え。テクニカラーの色彩を丁寧に再現した画質の美しさは言うに及ばず、音声トラックには英語版とイタリア語版の両方を収録。さらにDTS-ESをはじめとする4種類の音質が選べる。映像特典も豊富で、過去のVCI版や日本盤DVDも足元に及ばない豪華仕様。  さすがアンカー・ベイと言わんばかりの、愛情溢れるマニア必携版。2年前に発売された日本盤と比べても、画質はほぼ変わらないものの音声は秀逸。さらに、ボリューム溢れる映像特典はどれも興味深いものばかりだ。中でも、主演のジェームズ・フランシスカスがイタリア映画界の撮影現場を語る当時のラジオ・インタビューは面白い。彼のハリウッド至上主義の愚かさは笑える。  こちらは同じアンカー・ベイのマスターと映像特典を使用した日本盤DVDが出ている。特筆すべきは、やはりルーカス・スタジオのTHXシステムを使用したDTS-ESによる6.1chのサラウンド音声。ゴブリンの狂気のような音楽がグルグルと巡ります。テクニカラーの極彩色を多用した映像も、細かいディテールまで美しく再現されており、まさに一家に一セットの永久保存版。  日本では過去に20世紀フォックスからレンタル用ビデオが発売されたのみで、未だにDVD化されていない作品。画質は、さすがアンカー・ベイ。ちょっと全体的にフォーカスが甘いような気もしないではないものの、カラフルな色彩が生かされた丁寧なリマスターが施されている。音声が5.1chサラウンドのみというのが少々寂しいものの、贅沢は言うまい。

TENEBRE.JPG PHENOMENA.JPG WORLD_OF_HORROR.JPG OPERA.JPG

シャドー
Tenebre (1982)

フェノミナ
Phenomena

アルジェント・ザ・ナイトメア/
鮮血のイリュージョン
World of Horror (1986)

オペラ座/血の喝采
Opera (1988)

(P)1999 Anchor Bay (USA) (P)1999 Anchor Bay (USA) (P)1998 Synapse Films (USA) (P)2001 Anchor Bay (USA)
画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★☆☆ 音質★★★☆☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★★
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド・モノラル/音声:英語・イタリア語/字幕:なし/地域コード:ALL/製作:イタリア

映像特典
アルジェント監督、クラウディオ・シモネッティ(ゴブリン)らによる音声解説
劇場予告編
ドキュメンタリー集
エンディング別バージョン
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド/音声:英語・フランス語/字幕:なし/地域コード:ALL/製作:イタリア

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
劇場予告編
アルジェント監督、クラウディオ・シモネッティ、セルジョ・スティヴァレッティ(特撮マン)らによる音声解説
C・シモネッティ音楽ビデオ
ビル・ワイマン音楽ビデオ
ダリオ・アルジェント監督インタビュー
DVD仕様(北米盤)
カラー/スタンダード・サイズ/モノラル/音声:英語・イタリア語/字幕:英語/地域コード:ALL/製作:イタリア

映像特典
DVD仕様(北米盤2枚組・限定盤)
カラー/ワイドスクリーン/6.1chサラウンドDTS-ES・ドルビー・サラウンドEX/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/製作:イタリア

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
予告編集
Daemonia音楽ビデオ
ダリオ・アルジェント バイオグラフィー

オリジナルサントラCD附属
監督:ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
    ジョージ・ケンプ
撮影:ルチアーノ・トヴォリ
音楽:クラウディオ・シモネッティ
    ファビオ・ピナテッリ
    マッシモ・モランテ
出演:アンソニー・フランシオサ
    ジュリアーノ・ジェンマ
    ダリア・ニコロディ
    ジョン・サクソン
    ララ・ウェンデル
    ジョン・スタイナー
    ミレラ・ダンジェロ
    ヴェロニカ・ラリオ
    アーニャ・ピエローニ
監督:ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
    フランコ・フェリーニ
撮影:ロマノ・アルバーニ
音楽:クラウディオ・シモネッティ
    ゴブリン
    ビル・ワイマン
    サイモン・ボスウェル 他
出演:ジェニファー・コネリー
    ダリア・ニコロディ
    ドナルド・プレザンス
    ダリラ・ディ・ラザーロ
    パトリック・ボーショー
    フィオーレ・アルジェント
    ミケーレ・ソアビ
監督:ミケーレ・ソアビ
脚本:ミケーレ・ソアビ
撮影:ジャンロレンツォ・バッタリア
    ステファノ・リチョッティ
音楽:ゴブリン
    エンニオ・モリコーネ
    キース・エマーソン 他
出演:ダリオ・アルジェント
    ジェニファー・コネリー
    ミムジー・ファーマー
    カール・マルデン
    ドナルド・プレザンス
    トム・サヴィーニ
    ミケーレ・ソアビ
監督:ダリオ・アルジェント
製作:フェルディナンド・カプート
    ダリオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
    フランコ・フェリーニ
撮影:ロニー・テイラー
音楽:クラウディオ・シモネッティ
出演:カリスチナ・マルシラッチ
    イアン・チャールソン
    ウルバノ・バルベリーニ
    ダリア・ニコロディ
    ウィリアム・マクナマラ
    コラリーナ・カタルディ・タッソーニ
    バルバラ・クピスティ
    アントネッラ・ヴィターレ
 日本公開版とオリジナル版の両方のエンディングを収録したアメリカ盤。日本盤しか持ってないマニアは、是非とも手に入れて見比べて欲しい1枚。アルジェントとシモネッティによる音声解説も楽しく、当時のドキュメンタリーも短いながら撮影現場の裏側を捉えて充実している。本編のマスターそのものは、日本盤も恐らく同一のものを使用しているらしく、音声トラックの仕様も同じ。  この作品に限っては、日本盤とアメリカ盤の両方を購入すべし。日本盤は映像特典が殆どないものの、115分のインテグラル・ハード完全版。アメリカ盤は、ご覧の通り映像特典充実の豪華版仕様。中でも、クラウディオ・シモネッティとビル・ワイマン(元ローリング・ストーンズ)による挿入曲のプロモ・クリップはファン必見。  ジョー・ダマートやルチオ・フルチの使い走りからスタートし、当時アルジェントの助手や端役をやっていたミケーレ・ソアビによるドキュメンタリー作品。アルジェントのキザなモノローグなど、ちょっと懲りすぎた演出が失笑ものだが、アルジェント作品だけでなく「デモンズ」などの舞台裏も垣間見れるのが面白い。DVDの画質は可もなく不可もなく。もう少し丁寧な作りは出来なかったものか  ファン垂涎のイタリア公開版を収録したアメリカ盤DVD。本作を正当に評価するためには必見の1枚。これを見れば、本当はどれだけ素晴らしい作品だったかが分るはず。日本では改悪編集版がビデオで発売されたのみなので、まだ手に入るうちに購入すべし!ちなみに、3万枚限定の本2枚組は、1枚がサントラCDになってます。

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マスターズ・オブ・ホラー/
悪夢の狂宴
Two Evil Eyes (1990)

トラウマ/鮮血の叫び
Trauma (1992)

スリープレス
Non ho sonno (2001)

デス・サイト
The Card Player (2004)

(P) 1989 Blue Underground (USA) (P) 2005 Anchor Bay (USA) (P) 2002 Columbia Enter.(JP) (P)2005 Anchor Bay (USA)
画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆ 画質★★★★☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤2枚組・限定盤)
カラー/ワイドスクリーン/6.1chサラウンドDTS-ES・5.1chサラウンドES・2.0サラウンド/音声:英語/字幕:なし/地域コード:ALL/製作:アメリカ・イタリア

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
特殊メイク・ドキュメンタリー
トム・サヴィーニ自宅拝見
エイドリアン・バーボー インタビュー
劇場予告編
ポスター&スチル・ギャラリー
バイオグラフィー集
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド・2.0chサラウンド/音声:英語/字幕:なし/地域コード:1/製作:アメリカ

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
評論家アラン・ジョーンズの音声解説
トム・サヴィーニ インタビュー
未公開シーン集
劇場予告編
ポスター&スチル・ギャラリー
ダリオ・アルジェント バイオグラフィー
DVD仕様(日本盤)
カラー/ワイド・スクリーン/ステレオ/音声:英語・日本語/字幕:日本語/地域コード:2/製作:イタリア

映像特典
メイキング・ドキュメンタリー
劇場予告編
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド・2.0chサラウンド/音声:英語/字幕:なし/地域コード:2/製作:イタリア

映像特典
アルジェント監督 インタビュー
クラウディオ・シモネッティ インタビュー
評論家アラン・ジョーンズの音声解説
劇場予告編
プレス・キット採録
撮影風景映像
ダリオ・アルジェント バイオグラフィー
監督:ジョージ・A・ロメロ
    ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント
    ダリオ・アルジェント
脚本:ジョージ・A・ロメロ
    ダリオ・アルジェント
    フランコ・フェリーニ
撮影:ピーター・ベニアーズ
    ジュゼッペ・マッカリ
音楽:ピノ・ドナッジョ
出演:ハーヴェイ・カイテル
    エイドリアン・バーボー
    マデリーン・ポッター
    サリー・カークランド
    マーティン・バルサム
    E・G・マーシャル
    ジョン・エイモス
    キム・ハンター
    レイミー・ザダ
監督:ダリオ・アルジェント
製作:ダリオ・アルジェント
製作総指揮:デヴィッド・パッシュ
        アンドレア・ティニレロ
脚本:ダリオ・アルジェント
    T・E・D・クライン
撮影:ラファエレ・メルテス
音楽:ピノ・ドナッジョ
出演:クリストファー・ライデル
    アーシア・アルジェント
    パイパー・ローリー
    ローラ・ジョンソン
    ジェームズ・ルッソ
    ブラッド・ダリフ
    フレデリク・フォレスト
    ドミニク・セランド
   
監督:ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
    フランコ・フェリーニ
撮影:ロニー・テイラー
音楽:ゴブリン
出演:マックス・フォン・シドー
    ステファノ・ディオニージ
    キアラ・カゼッリ
    ロッセラ・ファルク
    ガブリエル・ラヴィア
    ロベルト・ジベッティ
    パオロ・マリア・スカロンドロ
    ロベルト・アコルネロ
監督:ダリオ・アルジェント
製作:クラウディオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
    フランコ・フェリーニ
撮影:ブノワ・デビー
音楽:クラウディオ・シモネッティ
出演:ステファニア・ロッカ
    リーアム・カニンガム
    シルヴィオ・ムッチーノ
    クラウディオ・サンタマリア
    アダルベルト・マリア・メルリ
    フィオーレ・アルジェント
    エリザベッタ・ロケッティ
アルジェント、ロメロ及び撮影当時の初々しいアーシアのインタビューまで収録したドキュメンタリーなど、豪華映像特典てんこ盛りの限定盤2枚組DVD。中でも、あまり表には出てこないアルジェントの弟クラウディオのインタビューはとても貴重。また、特殊メイクの大御所トム・サヴィーニ自ら自宅にある作品コレクションを紹介する映像も必見。残念ながらこの2枚組、現在は廃盤。中古を捜してゲットすべし。  さすがアンカー・ベイです。予告編以外に何も付いてなかった日本盤DVDに比べて、今回も映像特典が満載。中でもファン必見なのは貴重な未公開映像集。ただ、雑誌や書籍などのインタビューでは本作に対する不満を隠さなかったアルジェントだが、やはりビジネスを意識してか、特典のドキュメンタリーではちょっと自画自賛気味。まあ、あまりクソミソに言ってはDVDを買ってくれたお客さんに失礼だもんね(苦笑)。  この作品は、イタリア盤とイギリス盤が5.1chサラウンド、香港盤が6.1chサラウンドDTS-ES、アメリカ盤と日本盤がステレオのみで収録されている。映像特典に関しては、各国のバージョンとも一緒(イギリス盤のみ2枚組で、アルジェントに関するドキュメンタリー作品を収録)。新作にしては画質は平凡で、10年くらい放置しておいたマスターを使ったような印象。映像特典はさらに画質が悪い。  作品そのものは不満の残る出来映えだが、DVDとしては映像・音質・特典いずれも充実した仕上がり。しかし、「フェノミナ」のオープニングでアーシアにも負けない美少女ぶりを見せてくれていたフィオーレが、本作ではええっ!?と我が目を疑ってしまうくらいにシワシワの別人(お父さんにソックリ)になってしまっているのには驚いた。アーシアはダリア・ニコロディの遺伝子が強力だったのか・・・?

DEEP_RED.JPG

サスペリア PART 2
Deep Red (1975)

(P)2000 Anchor Bay (USA)
画質★★★★★ 音質★★★★☆
DVD仕様(北米盤)
カラー/ワイドスクリーン/5.1chサラウンド/音声:英語・イタリア語/字幕:英語/地域コード:ALL/製作:イタリア

映像特典
25周年記念ドキュメンタリー
イタリア版劇場予告編
アメリカ版劇場予告編
バイオグラフィー集

監督:ダリオ・アルジェント
製作:サルヴァトーレ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント
    ベルナルディーノ・ザッポーニ
撮影:ルイジ・クヴェイレール
音楽:ジョルジョ・ガスリーニ
    ゴブリン
出演:デヴィッド・ヘミングス
    ダリア・ニコロディ
    ガブリエル・ラヴィア
    クララ・カラマイ
    マーシャ・メリル
    エロス・パーニ
    ジュリアーナ・カランドラ
    グラウコ・マウリ
    ニコレッタ・エルミ

 ごめんなさい、こいつを忘れてました(笑)。日本盤DVDが劇場公開版と完全版の両方を収録しているのに対し、本アメリカ盤は完全版のみ。ただし、アルジェントや故ベルナルディーノ・ザッポーニ、ゴブリン全員が登場する25周年記念ドキュメンタリーはアメリカ盤のみの特典。貴重な裏話満載で、シモネッティが即興でテーマ曲を演奏する場面まであります。

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