THE COVER GIRLS
〜フリースタイル版シュープリームス〜
“フリースタイル版シュープリームス”というのが、カバー・ガールズ結成時のコンセプトだったという。日本では森川由加里がカバーして大ヒットした“Show
Me”で余りにも有名なガール・グループ。折りしも日本では空前のユーロ・ビート・ブームに沸いていたこと、日本での発売元のビクター・レコードがユーロビートに力を入れていたこと、そしてラテン・ヒップ・ホップやフリースタイルというカテゴリーが日本では定着しなかったことから、どうしても日本ではユーロビート系のグループとしてカテゴライズされがち。
確かに、歌謡曲にも通ずるキャッチーで分りやすいメロディ・ラインとダンサンブルなサウンドはユーロビートにも通じるものがあるが、ヒップ・ホップをベースとする硬質な打ち込みのリズムは明らかにユーロビートとは異質なもの。その一方で、同時代の他のフリースタイル系のサウンドと比べると極めてポップ度が高く、アンダーグランドなストリート性は希薄だったりする。その辺りが、クリエイターであるSal
AbbatielloとAndy Panda
Tripoliが目指した路線であり、明らかにメジャー・シーンを狙った戦略の結果だったと言えるだろう。
カバー・ガールズは1986年、ニューヨークのブロンクスで結成された。ブロンクスでフリースタイル系のクラブDevil's
Nestを経営していたSal AbbatielloとAndy Panda
Tripoliの二人は、マイアミのガール・グループExposeのために書いたもののボツとなってしまった曲“Show
Me”を、自分たちの手で世に送り出そうと考えていた。それも、自分たちの手で結成させたガール・グループのデビュー曲として。
二人はDevil's
Nestで大々的な公開オーディションを行う。そこで選ばれたのがLouise “Angel” Sabater、Caroline Jackson、Sunshine
Wrightの3人。中でもAngelは、オーディションの行われる数日前にDevil's Nestで流れていた“Show
Me”のデモ・バージョンを聴いて“運命の曲だ”と直感、300人以上の応募者の中から見事にリード・ボーカリストの座を射止めた。
デビュー曲“Show
Me”は翌87年にビルボードのダンス・チャートで2位を記録。ポップ・チャートでも44位にランクされ、50万枚以上を売り上げる大ヒットとなる。同名のデビュー・アルバムは100万枚を上回る売り上げを記録し、インディペンデント系ダンス・アーティストのアルバムとしては異例の大ヒットとなる。このアルバムからはさらに“Spring
Love”(全米98位)、“Because Of You”(全米27位)、“Promise Me”(全米40位)、“Inside
Outside”(全米55位)と4曲ものポップ・ヒットが生まれた。彼女たちの所属するFever
Recordsがブロンクスを基盤とするインディペンデント系レーベルで、メジャー系レコード会社のディストリビュートを一切通さなかった事を考えると、まさに驚異的なヒットだったと言える。
さらに、彼ら(彼女ら)が予想もしなかったのが、ここ日本での爆発的な大ヒットだろう。森川由加里のカバー・バージョンが年間売り上げ1位というメガ・ヒットになった事も手伝って、日本でも売れまくったのだ。さらに東京音楽祭世界大会にも出場。文字通り、カバー・ガールズは世界へ飛び出していったのである。
こうしたポップ・チャート、そして日本での成功を受け、Sal
Abbatielloはメジャー・レーベルとの契約の必要性に気付く。メジャー・レーベルの大規模なディストリビュートを通していれば、“Show
Me”はポップ・チャートでもトップ10入りしていただろう。そこで、Abbatielloは大手レコード会社Capitol
Recordsとの契約を取り付ける。そうして発売されたのがセカンド・アルバム“We Can't Go Wrong”だ。ファースト・シングルの“My
Heart Skips A Beat”こそポップ・チャートで38位止まりだったが、彼女たちにとっては初のバラードであるセカンド・シングル“We Can't Go
Wrong”は全米8位を記録。Abbatielloの目論みは見事に当たったと言えるだろう。
ちなみに、このアルバムでは脱退したSunshine
Wrightの代わりにMargo Urbanが加入している。
その後、New Kids On The
Blockの全米ツアーのオープニング・アクトを務めるなど活躍を続けたカバー・ガールズだったが、90年にリード・ボーカリストでグループの要だったAngelが突然脱退。91年にはEpic
Recordsに移籍し、Evelyn Escaleraをリード・ボーカリストに迎えたシングル“Funk
Boutique”がダンス・チャートで5位を記録し、ようやく活動を本格的に再開させる。
そして、翌年にはMargo Urbanの代わりにMichelle
Valentineを新メンバーに迎えてのサード・アルバム“Here It Is”をリリース。このアルバムからはRose Royceのカバーである“Wishing
On A
Star”が全米9位、ダンス・チャート1位を記録するヒットとなり、さらには全英チャートでも38位をマークし、彼女たちにとって初めてのUKヒットとなる。この成功を受けて、初の世界ツアーを行い、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、ブラジルを廻った。
この頃までが彼女たちの全盛期と言えるだろう。アメリカでもフリースタイルは時代遅れとなりつつあり、“Here
It
Is”ではフリースタイル色は極力抑えられ、R&Bやポップス色の強い楽曲を中心に揃えられていた。多くのフリースタイル系アーティストが新しいサウンドとの融合を模索する中、彼女たちは早々にジャンルと決別していった。
それを決定付けたのが5枚目のアルバム“Satisfy”だった。ここでは従来のフリースタイル・サウンドは影も形もなくなっており、完全にR&Bサウンドで構成されていた。ファースト・シングルはTeena
Marieの往年の大ヒット・ディスコ・ファンク“I Need Your
Lovin'”のカバー。決して出来の悪いカバーではなかったが、デビュー当初からのファンにとってはカバー・ガールズというグループは既に有名無実と化していた。メンバーも、結成当初からの唯一のメンバーだったCarolineが抜けてしまい、Evelyn
Escalera、Lorraine Munoz、Sabrina
Nievesという顔ぶれ。こうなってしまえば完全に別物である。案の定、シングルもアルバムも不発で、カバー・ガールズはこれを最後にシーンから消え去ってしまった。
ところが1998年、カバー・ガールズ・ファンにとって嬉しい知らせが届く。初代リード・ボーカリストLouise “Angel”
SabaterことAngel Clivillesがシングル“Toro Mata”でカムバックを果たしたのだ。これは、かつてCelia
Cruzも歌った事のあるラテン・スタンダードのカバーなのだが、フリースタイル・ファンも納得の超クールでファンキーなラテン・ハウスの大傑作。彼女は、95年にリリースされたFever
Recordsのコンピレーション“Freestyle Lives”に“Don't Tell Me 'Til
Tomorrow”という曲を発表しており、予てからソロ・デビューが期待されていたものの、なかなか実現しなかった。そうした経緯もあって、まさに待ちに待ったソロ・デビューだったと言える。
続く“One
More
Chance”はさらにファン狂喜乱舞の超キャッチーな哀愁系ユーロ・ハウスで、ダンス・チャートでも堂々の7位を記録。2000年には待望のファースト・ソロ・アルバム“Angel”とシングル“Show
Me”を発表。そう、カバー・ガールズの記念すべきデビュー・ヒットのセルフ・カバーである。しかも、プロデューサーはオリジナル・バージョンの作曲、プロデュース、ミックスに参加していたTony
Moran。カバー・ガールズ・ファンのみならず、フリー・スタイル・ファンにとっても感慨深い顔合わせのシングルで、見事ダンス・チャートの1位を記録した。仕上がりとしてはディープ・ハウス色が強く、原曲のイメージとはかけ離れていたものの、フリースタイル不毛の時代において、その黄金時代を築き上げた面々が第一線で活躍を続けているという事実を実感できた事の方が嬉しかったものだ。
現在はニューヨーク、カリフォルニアを中心にライブ活動を続けているという。そろそろ新曲を出してもらいたいもんだが・・・。
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Show Me (1987) |
Spring Love (1987) |
Inside Outside (1988) |
We Can't Go Wrong (1989) |
(P)1987 Fever Records (USA) | (P)1987 Fever Records (USA) | (P)1988 VictorMusical Industries (JP) | (P)1989 Capitol Records (USA) |
1,Show Me ビデオ 2,Because Of You ビデオ 3,That Boy Of Mine 4,One Night Affair 5,Spring Love ビデオ 6,Inside Outside ビデオ 7,Promise Me 8,Love Emergency produced by Andy Panda Tripoli,The Latin Rascals(Tony Moran & Albert Cabrera),Little Louie Vega,Robert Clivilles,Lewis A. Martinee,Pete Warner & Rainy Davis,Paul Garvitz |
A |
A |
1,Once Upon A Time 2,My Heart Skips A Beat ビデオ 3,All That Glitters Isn't Gold 4,Nothing Could Be Better 5,That Boy Of Mine 6,No One In This World 7,Cute 8,Love Mission 9,We Can't Go Wrong 10,Up On The Roof produced by Little Louie Vega & Albert Cabrera,Robert Clivilles & David Cole,Andy Panda Tripoli & The Latin Rascals |
ポップ系フリースタイルの最良形とも言えるアルバムであり、カバー・ガールズの代表作と言える傑作。日本でも大ヒットした#1も良いけど、個人的にはさらに哀愁感を増量したメロディアスでゴージャスな#2が大好き。しかも、プロデュースはMaster At WorkのLittle Louie VegaとC&C Music FactoryのRobert Clivilles。90年代以降のクラブ・シーンに多大な影響を与えた2大巨頭のコラボレーション。Master At Workの作品しか聴いたことないくせにLittle louie Vegaを語ろうとする自称クラブ通ども、無視すんなよ(笑)。ライバルExposeのプロデューサー、Lewis A Martineeによる#4も、いかにもって感じのマイアミ・サウンドに仕上がるかと思いきや、しっかりとニューヨーク系サウンドにまとまっているのが好感。全編キャッチーなことこの上ない、素晴らしい1枚です。 | いわゆる典型的なフリースタイル・サウンドというよりは、当時のR&Bサウンドに近い仕上がりの楽曲。フワフワとした軽やかなリズムと、流れるように優しいメロディがまさに“春”を思わせるフェミニンな佳作。作曲・プロデュースはMariah Careyもカバーした80年代の知る人ぞ知る傑作R&B“Sweetheart”の女性アーティストRainy DavisとパートナーのPete Warnerの二人。ミックスには、ErasureやTechnotronicのリミックス等で90年代に引っ張りだこだったBruce Forest。12インチ・バージョンは基本的にアルバムのエクステンデッド的な仕上がりだが、B面のSpring Mixはアカペラから始まって、春の訪れの如く一気に華やかに盛り上がるという粋な構成。“Show Me”とはまた違った魅力で、個人的にも結構好きな作品。 | タイトル曲の“Inside Outside”はExtendedと銘打っておきながら、実際はアルバム・バージョン。なんじゃそりゃ、という感じなのだが、まあ、この12インチのメインはB面なので大目に見ましょう。日本のリミックス・チームJG'Sによる日本オンリーのリミックス。基本的にはオリジナル・バージョンをベースにしていて、どこがMiami Mixなのかははなはだ疑問なのだが、まあ、ラテン=マイアミという安直な発想なのでしょう。エフェクトをガンガンにかけまくったブレイクビーツや、ラテン風のサンプリングを随所に施した派手なミックスに仕上がっていて、フロア映えのするバージョン。ただ、エンディングがフェイド・アウトというのはちょっと不親切かも。 | “Show Me”路線の#1で幕を開けるセカンド・アルバム。前作のイメージを引き継ぎつつも、より正統派ガール・グループ的イメージを全面に押し出した作品に仕上がっている。特に、モータウン・サウンド風の#3やスペクター・サウンドを彷彿とさせる#5、そしてシュープリームスのヒット曲のカバー#10辺りのノスタルジックな選曲は、より幅広いリスナー層を狙った戦略の一環と言える。フリースタイル・ファン的には、やはりファースト・シングル#2が一番の目玉だろう。エレガントで煌びやかな哀愁系フリースタイル・ポップに仕上がっていている。また、C&C Music Factory結成以前のRobert ClivillesとDavid Coleのコラボレーション作品としても興味深い。全米8位を記録した#9は、個人的には好みではない。なお、サード・シングルとして#8のシングル・カットが予定されていて、X-Mixによるリミックスも制作されていたが何故かボツった。 |
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Funk Boutique (1991) |
Wishing On A Star (1992) |
Here It Is (1992) |
If You Want My Love (Here It Is) (1992) |
(P)1990,1991 Epic (USA) | (P)1992 Epic (UK) | (P)1992 Epic (USA) | (P)1992 Epic (USA) |
1,Funk Boutique (Single Edit) ビデオ 2,Funk Boutique (12" Remix) 3,Funk Boutique (Dub Version) 4,Don't Stop Now (12" Remix) 5,Don't Stop Now (Dub Version) produced by Tony Moran & Andy Panda. remixed by Tony Moran. |
1,Wishing On A Star (7" Version) ビデオ 2,Wishing On A Star (12" Mix) ビデオ 3,Wishing On A Star (Magic Sessions Dub 1) 4,Wishing On A Star (Magic Sessions Vocal Dub) 5,Wishing On A Star (Jeep 12") ビデオ produced by Tony Moran co-produced by Andy Marvel remixed by Masters At Work,Todd Terry,Tony Humphries |
1,Wishing On A Star 2,Funk Boutique 3,If You Want My Love (Here It Is) 4,That Feeling 5,It's You 6,Still Miss You 7,Thank You 8,Gotta Get Up 9,Always 10,Colors produced by Tony Moran,Andy Panda,Joey Gardner & Kayel,Frankie Cutlass,Elis Pacheco |
A 1,Classic Club Mix 7:05 2,Club Vocal 6:00 3,DJ EFX's Tribal As A Mofo Mix 4:46 B 1,Hip Hop Mix 5:53 ビデオ 2,Classic Club Dub 5:47 ビデオ 3,More Than Enuff Love Mix 6:30 produced by Joey Gardner & Kayel. remixed by Bobby "D" D'Ambrosio,DJ EFX,DJ Digit & Marc "Funkyman" Paley,Ian Appell |
Evelynをリード・ボーカルに迎えた最初のシングル。個人的には初代のAngelのファンだが、歌唱力という点ではEvelynの方が遥かに上手い。タイトル曲は、その名の通りクールなヒップ・ホップ/ファンク・ナンバーなのだが、意外にもエレガントでポップな仕上がり。煌びやかなピアノのメロディとヘヴィーな打ち込みのミスマッチがとてもいい。彼女たちのディスコグラフィーの中でも、隠れた名曲と言える。カップリング曲の#4と#5は、お約束のラテン色溢れる哀愁系フリースタイル・ポップ。“Show Me”そっくりのオープニングに思わずニンマリしてしまう。やっぱりカバー・ガールズはこれでなくっちゃ。 |
彼女たちにとっては最大のメジャー・ヒットとなったシングル。原曲は70年代のディスコ・バンドRose Royceの大ヒット・ナンバー。ソウルフルで透明感のあるEvelynのヴォーカルが素晴らしい。本CDシングルの目玉は何と言っても、Masters At WorkにTodd Terry、そしてTony Humphriesという当時の大御所ミキサーたちが豪華競演を繰り広げた#3と#4でしょう。ただ、仕上がりとしてはTony Humphriesの色が全面に出ているという印象で、彼の手掛けたAlison Limerickの“Make It On My Own”辺りに近いような音作り。個人的にはグランド・ビート風のジャジーな雰囲気がクールなMasters At Workのバージョン#2と#5の方が好きだな。 |
90年代初頭の、いわゆるフリースタイル末期を彩ったプロデューサー陣が結集して制作されたサード・アルバム。フリースタイル・ファン的には、シングル・カットされた楽曲よりも、アルバム・トラックの方が魅力的だったりする。TKAのプロデューサーとして有名なJoey Gardnerが手掛けた#3(サード・シングル)は、メジャー・シーンに通用する90年代型フリースタイルの理想形といった仕上がり。ラッパーでありBig Daddy Kaneらとのコラボでも有名なFrankie Cutlassの手掛けた#6は、マリアッチ風の泣きのギターも素晴らしいキャッチーな典型的フリースタイル・ナンバー。また、Sandeeのプロデューサーとして有名なElis Pachecoの手掛けた#10は、ドリーミーでキャッチーな素晴らしいポップ・ナンバーで、シングルとしても十分に通用する出来映え。 |
オリジナル・バージョンはフリースタイル色が強いハウスという感じだったが、12インチ・バージョンはそれが逆転。フリースタイル的要素のあるハウス・ナンバーに仕上がっている。それでも、エクステンデッドに近いA面#2はオリジナルに近い雰囲気で、キャッチーでポップでダンサンブル。トライバル・ハウスに仕上げたA面#3は、後のラテン・ハウスに通じるようなジャジーかつラテン的な雰囲気のディープなミックスで、意外に拾い物。 |
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I Need Your Lovin' (1996) |
Satisfy (1996) |
(P)1996 Fever Records (USA) | (P)1996 Fever Records (USA) |
1,Radio Edit (Tony Moran Mix)
3:42 2,Tee's Frozen Sun Mix 6:50 3,Dub Till Dawn Mix 6:31 4,R&B Radio Mix 3:38 5,Hip Hop (Extended Mix) 5:00 6,Sukiyaki produced by Tony Moran remixed by Todd Terry |
1,I Need Your Lovin' 2,I Am Woman 3,Keep Giving Me Love 4,Sometimes Love Can Be Surprise 5,Whenever Love Can Be A Surprise 6,Nice And Slow 7,Sukiyaki 8,All I Need Is Your Love 9,Satisfy 10,Keep On Lovin' Me 11,Dim The Lights produced by Tony Moran,Stretch Armstrong & Big City Mike Canter,Kevin Perez & Tony Perez,etc. |
Teena Marieの原曲も大好きだし、このカバー・バージョンも決して悪くはないのだが、あえてカバー・ガールズじゃなくても良かったんじゃないか、というのが正直な感想。時代遅れになったフリースタイルとはさっさとお別れしましょ、って感じなのだろうが、それならば尚更オリジナル曲で勝負をかけるべきだったでしょう。Todd Terryのリミックス#2は、この時期の彼らしいファンキーでタイトなハウス・サウンドに仕上がっており、安心して聴いていられる。 | デビュー当初のカバー・ガールズの面影はすっかり消え去ってしまい、平凡なR&B系コーラス・グループと化してしまった4枚目のアルバム。Silver Conventionの“Fly Robin Fly”をサンプリングした#2が、ディスコ・ファンにはちょっと嬉しいサプライズだったりするが、全体的にはR&Bアルバムとして聴いても可もなく不可もなくな仕上がり。「上を向いて歩こう」のR&Bカバー#9にしたって、もう散々カバーされているので、ふ〜ん、そうなんだ、って感じですね。 |
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Toro Mata (1998) |
One More Chance (1999) |
Show Me (2000) |
Angel (2000) |
(P)1998 H.O.L.A. Recordings (USA) | (P)1999 H.O.L.A. Recordings (USA) | (P)2000 Jellybean Recordings (USA) | (P)2000 Jellybean Recordings (USA) |
1,Spanglish Edit 3:34 2,Spanglish Club Mix 5:35 3,Club Mix 4:20 4,Acappella 1:48 5,Bonus Beats 3:47 6,Dub Mix 5:57 7,Hard Dub 6:56 produced by DJ Lucho executive producers : John Jellybean Benitez,Sal Abbatiello & Robert Rivera |
1,Soul Solution Mix 7:57 2,Soul Solution Dub 8:27 3,Soul Solution Beats 8:27 4,Razor N' Guido Mix 11:40 5,Berman Bros. Album Mix 6,Berman Bros. Radio Mix 7,Soul Solution Radio Mix 3:06 produced by Eurosyndicate Productions/J.Daniel remixed by Soul Solution,Razor N' Guido |
1,Johnny Vicious Club Mix
10:07 2,Johnny vicious Trance Mix 9:28 3,Album Mix 6:10 4,Johnny vicious Radio Mix 3:22 5,Johnny Vicious Bass Mix 3:22 6,KLM Dub 10:24 7,Johnny Vicious Dub 8:02 produced by Tony Moran. remixed by Johnny Vicious, Keith Litman |
1,Show Me 2,One More Chance 3,Do You Feel Love 4,I've Got That Feeling 5,Never Alone 6,Toro Mata 7,Aguanile 8,Bailo Mi Ritmo 9,Babalu 10,Show Me (Johnny Vicious Club Mix) 11,One More Chance (Soul Solution Club Mix) produced by Tony Moran,Eurosyndicate Productions/J.Daniels,DJ Lucho |
カバー・ガールズの初代リード・ボーカリスト、Angelのカムバック・シングル。明らかにRicky Martinの成功に影響を受けたラテン・ハウスだが、よりトライバル感に溢れたむちゃくちゃカッコ良い作品に仕上がっている。この時期に量産されたラテン・ハウスの中でも屈指の出来栄えと言っても差し支えないだろう。原曲はサルサの女王Celia Cruzの代表作の一つで、ペルー出身のラテン・ファンク・バンドPeru Negroのカバーでも知られる名曲。コアなラテン色を全面に押し出したゴージャスでファンキーなサウンド・プロダクションは、本格的なラテン・ファンも納得の仕上がりだ。 | 前作とは打って変わって、ばりばりユーロ・ハウス色を全面に押し出した超キャッチーな哀愁系ダンス・ポップ。90年代後半のフリースタイルがユーロ・ポップを積極的に取り入れていた事を考えると、当然の流れかもしれない。個人的には往年の哀愁系ユーロを彷彿とさせるゴージャスで煌びやかな#5と#6が超オススメ。ほどよくラテン風のトライバル感も加味されていて、なんだか懐かしいような雰囲気に溢れている。当時Amberのプロデュースで成功を収めていたBerman Brothersのポップ・センスが十二分に生かされた、素晴らしいミックスに仕上がっている。 | カバー・ガールズ時代の代表曲を、オリジナルを手掛けたTony Moranのプロデュースで・・・という、まさにファンにとっては夢のような企画盤。しかし、リミックスのクレジットにJohnny Viciousの名前を確認して一抹の不安が・・・そして、その不安は的中してしまったのだ。原曲のポップな哀愁感は完全に消し去られ、マニュアル通りの大箱系フロア仕様に仕上げられてしまっている。#1はバリバリのディープ・ハウスに、#2はアンダーグラウンドなトランスに・・・といった感じ。楽曲自体は見事に期待外れだったが、それでもビルボード・ダンス・チャートで見事1位を記録したのは喜ばしかった。 | Angel待望のカムバック・アルバム。前半がユーロ・ハウスで、後半がラテン・ハウスで構成されている。オープニング#1はご存知カバー・ガールズ時代の代表作。Tony Moranによるリメイクは、適度にオリジナルのポップ感を残したユーロ・ハウスに仕上がっていて、まずまずの出来。もちろん、オリジナルには敵わないけどね。個人的には、後半のラテン・ハウスがコアなサルサの雰囲気を全面に押し出していてイチオシ。シングルになった#6は勿論のこと、Xavier CugatやYma Sumacのバージョンでも御馴染みのラテン・スタンダードをゴリゴリのラテン・トライバル・ハウスに仕上げた#9も最高!しかし、カバー・ガールズ時代は甘いベビー・ボイスが特徴だったAngelだが、カムバック後は完全にCelia Cruzを意識したパワフルな歌いっぷりで、こちらも貫禄十分。 |
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