アナーキーなカートゥーニスト 〜ブルーノ・ボツェット〜

 

 その昔、ボクがまだ子供だった頃、アニメと言えば“子供向けのもの”というのが相場だった。もちろん、その当時から既に大人向けのアート・アニメは存在していたが、少なくとも一般人には殆ど認知されていなかった。そして、その“子供向けのもの”という言葉には、多分に差別的な意味合いも含まれていたのだ。所詮は子供騙しだ、と。優れたアニメに贈られる最大限の賛辞は“大人も子供も楽しめる”である。アニメを大人だけで楽しんで何が悪いのか、と思うのだが、まあ、そういう時代だったのである。
 それに、そもそも、ボクは“子供向け”という表現が大嫌いである。大学時代に“子供に受けるようなものは下らない”と豪語していた芸術家肌気取りの学生がいたが、これは大間違いだ。何故なら、子供には物事の本質を見抜く力があるからだ。彼らには理屈や流行は通用しない。直感的な“良い”“悪い”しか存在しないのである。人間は物事の良し悪しを判断する際に、とかく余計な付加価値や理由を付けようとする。良いものは良い、というシンプルな思考を最も良く理解出来るのは、まっさらな感性を持った無垢な子供なんではないか。
 
そして、その子供と相通ずる本能的な感性を持った人こそが、優れた芸術を生み出すのではないかとも思う。さしずめ、少年の心を持った大人・・・と言えば響きがいいが、まあ、要は大人になり切れない、子供みたいな大人である(笑)。ただし、あくまでも子供じみた大人ではないので勘違いしないように。それじゃあ、ただの厄介なダメ人間なので。

 さてさて、話は横道に逸れてしまったが、そのアニメーションの中でも従来子供向け的要素が特に強いのが、カートゥーンと呼ばれるジャンルである。日本語で言うならば、さしずめ“マンガ・アニメ”といったところか。ミッキー・マウスやポパイ、トムとジェリーなんかが、いわゆるカートゥーンと呼ばれるジャンルの代表的なキャラクターだ。どらえもんやドラゴンボール、ポケモンなどは、今や日本が世界に誇るカートゥーン・キャラと言えるだろう。
 可愛いキャラクター造形にスラップスティックなドタバタのギャグ、分りやすいストーリー。いつの時代でも、どこの国でも、子供たちの心をとらえて離さないのがカートゥーン・アニメである。ところが、そのカートゥーンの世界に、あろうことかエロスと毒舌ギャグ、そして痛烈な社会風刺精神を盛り込んでしまったのが、イタリアのアニメ作家ブルーノ・ボツェットだ。

 基本的に、ボツェットの作品は、その作品によってキャラクター造形などの作風がかなり変わる。よって、カートゥーン的なものもあれば、非常にシュールで前衛的なタッチのものもあったりする。が、彼自身も認めるように、その根底にはディズニーやUPAといった、彼の敬愛するアメリカン・カートゥーンの精神が息づいていると言える。特に、代表作である「ミスター・ロッシ」シリーズや長編アニメ「VIP、僕の兄弟はスーパーマン」('68・日本未公開)を見ると、一連のUPA作品からの影響が特に色濃いように思う。
 UPAとは、もともと米海軍などを顧客に持つ広告代理店が前身で、1946年に発足した。映画館で上映されるコマーシャル・フィルムの製作をしていたが、コロムビア・ピクチャーズと契約を結んだことをきっかけにアニメ製作を本格化させる。このUPAが生み出したキャラクターがおとぼけオジさん“Mister Magoo”であり、またアカデミー賞に輝いた短編アニメの傑作“Gerald McBoing Boing”シリーズだ。
 ボツェット作品の造形的な特徴は、これらUPA作品のそれと非常に似通っている。3頭身のちょっとトボけた味わいのキュートなキャラクター、カラフルでポップな色彩、洗練されたモダンなアート・デザイン、そして奇想天外でユーモラスなキャラクターの動作。ついでに言うと、日本のサントリーのCMで一世を風靡した“アンクル・トリス”なんかにも共通する、ほのぼのとした魅力がある。
 ところが、である。ボツェットの作品は、そうしたキュートでポップなキャラクター・デザインとは裏腹に、シニカルなギャグと滑稽なエロティシズム、そして毒々しいまでの社会批判に溢れており、時として哲学的でさえある。
 たとえば、ヨーロッパで絶大な人気を博した「ミスター・ロッシ」シリーズ。これは、3頭身でチョビ髭のかわいい叔父さん、ミスター・ロッシを主人公とした短編シリーズなのだが、この一見無害そうなミスター・ロッシ。ところがどっこい、かなり短気で短絡的、しかもずる賢いようなところもあって、一筋縄ではいかない。その反面、単細胞でお人よしだったりして、なんだか憎めなかったりする。この、いかにもイタリア人気質丸出しのミスター・ロッシが、その浅はかさゆえに毎回とんでもない目に遭ってしまうのが、このシリーズの醍醐味である。
 たとえば、「ミスター・ロッシの自動車」('66)。運転免許を取って、憧れの自家用車を手に入れたミスター・ロッシ。意気揚々と街に繰り出したはいいが、マナー違反の不良ドライバーに振り回され、バカでかい高級車を乗り回す威張りくさった金持ちにどつかれ、修理工場では素人だとバカにされてぼったくられまくる。遂に堪忍袋の緒が切れたミスター・ロッシは、狂ったように大暴走を繰り広げる。すれ違う車に爆弾は投げ込むわ、ひき殺しそうになった老婆に文句言われて逆ギレ。ボコボコにした上にピストルを乱射。しまいには、病院に担ぎ込まれ、精神科医に囲まれる中、気が触れてケタケタと笑い続けるミスター・ロッシの姿でジ・エンド。まさにアナーキー!いやあ、これを子供が見たらトラウマになること請け合いである。
 しかし、大真面目に作ってしまえば、どうしようもなくヘビーで後味の悪い作品に仕上がるところを、キュートでポップなカートゥーン・アニメというスタイルで表現をするところに、ボツェット一流のユーモア精神、エンターテイメント精神が息づいているように思う。そう、子供的な感性を持った成熟した大人の作り上げた作品、と言えるだろう。そういった意味では、「笑うセールスマン」にも相通ずるような精神を見出す事が出来るのだ。

 ボツェットは1938年3月3日、イタリアはミラノに生まれる。父親は地元でも名の通った有力な会社経営者。ボツェットがアニメ作家という、時間と労力とお金がかかる割には儲けの少ない職業を志すに当たって、この父親の経済力と協力は大変重要な武器だった。だいたい、芸術家の多くは生活にゆとりのある富裕層の生まれである。
 幼い頃から芸術に並々ならぬ興味を抱いていたボツェットは、学生時代に自主制作でドキュメンタリー映画を制作するようになる。しかし、次第にアニメーションに傾倒して行き、15歳の時に処女作を完成させる。アニメーションの撮影には、背景とキャラクターを重ね合わせて撮影するマルチプレーン・カメラが必要だが、この高額な機材を提供してくれたのが父だった。しかも、アイロン台を改造したオリジナル品である。この父親の熱心な協力のおかげで、ボツェットは次々とアニメーション作品を作り上げていく。
 さらに、イギリスやフランスを歴訪したボツェットは、ジョン・ハラスやノーマン・マクラレンといった世界的なアニメ作家と交流を深め、着実にプロのテクニックを習得していく。
 その後、ミラノで“ブルーノ・ボツェット・スタジオ”を設立し、記念すべき第一弾として制作されたのがミスター・ロッシを世に送り出した「ミスター・ロッシの受賞」('60)。自身の体験を基に、ワケの分らない下らない映画作品が“芸術”と呼ばれてもてはやされる現象を痛烈に皮肉ったもので、面白いくらいに毒を吐きまくるユーモラスで痛快な仕上がりだった。
 ただ、やはり時間と労力とお金のかかるアニメ制作だけでは会社経営は成り立たず、ボツェットは数多くのテレビCMの制作にも携わるようになる。折りしも、イタリアではアニメーションを使ったテレビCMが空前のブームで、仕事は次々と舞い込んだ。こうして、短編アニメ制作とテレビCM制作の両立をこなしながら、アニメ作家ブルーノ・ボツェットの名前は内外に知られるようになっていく。
 そもそも、イタリアはヨーロッパで最大の映画大国でありながら、従来アニメーション制作はあまり盛んではなかった。現在でも、フランスやイギリスに比べると、イタリアは決してアニメ先進国とは呼べないというのが実情である。そうした中で、テレビCMという時代の先端を行くメディアを利用して、一時的ではあったにせよ、イタリアにおけるアニメ制作を活性化させたボツェットの功績は大きい。また、彼のもとからは、盟友グイド・マヌーリを筆頭に数多くのアニメーターが育っていったという事実も見逃せない。

 そして、そうした経験と実績の集大成として作られたのが長編処女作「ウェスト&ソーダ」('65)である。敬愛するアメリカ文化の象徴とも言える西部劇を題材にした渾身の野心作だったが、当時は長編アニメと言えばディズニー作品くらいしか存在しなかった時代。巨額の予算と十分な制作時間を費やして作られたディズニー作品と比較されてしまい、批評的にも興行的にも惨敗だった。ボツェットは、この失敗を教訓にCM制作部門とアニメ制作部門を完全に分ける事にする。ただでさえ制作期間に余裕がない中で、現場の人間がアニメ作品とCMの掛け持ちをするというのは百害あって一利なし。現場の担当者が一つの作品に没頭できる環境を作ってこそ、質の高い作品を生み出すことが出来るのだ。
 この教訓を生かして作られた長編第2弾が「VIP、僕の兄弟はスーパーマン」('68)である。これは、スーパーヒーロー、スーパーVIPの出来損ないの弟ミニVIPを主人公にした作品で、まさにいじめられっ子賛歌とも言うべき痛快なアンチ・ヒーローもの。
 超人BaffoVIPとスーパーに勤める平凡な女性、通称スーパーウーマン(笑)との間に出来たのがスーパーVIPとミニVIP。父親の超人パワーを受け継いだスーパーVIPは、弾丸もはね返す鋼鉄の肉体と百万馬力、そして空を飛ぶ能力を兼ね備えた文字通りのスーパーヒーロー。一方のミニVIPは平凡な人間の母親に似てしまい、申し訳程度のスーパー・パワーしか持ち合わせていない。しかも、チビで貧相で目が悪い。
 世間からの差別と嘲笑にノイローゼとなったミニVIPが、休暇で出かけたクルーズ旅行で全人類を洗脳しようと企む悪徳女性事業家ハッピー・ベティーの陰謀に巻き込まれる、という筋書きだ。このハッピー・ベティーの陰謀というのが、人間の購買意欲をコントロールするブレイン・マシーンをばら撒き、世界中の人々に自分の経営するスーパーでしこたま買い物をさせるというもの。そこには、現代の消費社会における宣伝広告のもたらす洗脳効果に対する、痛烈な皮肉が込められている。
 しかし、ボツェットの真骨頂は、そうした社会批判をエンターテインメント性溢れるカートゥーン・アニメとして、奇想天外なナンセンス・ギャグと、ポップでキュートでカラフルなビジュアル・イメージの洪水の中で描き出すという事。サイケデリックでトリップ感に満ちた色使いが素晴らしい。また、ロックやラテン、ブラジル、ジャズをごっちゃまぜにしたポップでモンドでキャッチーな音楽の使い方も絶妙で、時代を遥かに超越した感性には全く恐れ入る。

さて、この「VIP、僕の兄弟はスーパーマン」の興行的な成功に後押しされたボツェットが次に取り組んだのが、ディズニー・アニメの金字塔「ファンタジア」('40)に挑んだ野心的な大作「ネオ・ファンタジア」('76)。クラシックの名曲とアニメーションを融合させるというコンセプト、さらには実写パートとアニメ・パートの二重構成というスタイルまで「ファンタジア」と一緒だったが、そこはボツェットのこと。「ファンタジア」のいかにもディズニー的な品行方正さとは一線を画する、ワイルドかつ自由奔放で壮大なロマンティシズムと皮肉なユーモアに溢れた異色のミュージカル・アニメーションに仕上がっている。
 特に第3話のラヴェルの「ボレロ」は秀逸。とある惑星に不時着した宇宙船から投げ捨てられた一本のコーラの瓶。その泡から生まれた細胞が様々な生物へと進化していく過程を、「ボレロ」の勇壮なリズムに乗って描いていく前代未聞の傑作。
 この「ネオ・ファンタジア」の素晴らしいところは、各パートによって全く違った画風を使い分けている点だろう。それぞれのパートのテーマに沿ったテイストで、時には前衛アニメ風に、時にはエロティックなアール・デコ風に、そして時にはキュートでコミカルなカートゥーン風にといった具合だ。その、スタイルに全く囚われない自由な発想こそが、ボツェットの最大の強みと言えるかもしれない。

 現在はCGアニメーションに傾倒しているボツェット。実際に作業するアニメーターの感性に頼る部分が大きく、仕上がりまでキャラクターの動き等が確認できないセル・アニメに比べ、その場で結果を確認できるCGアニメに大きな魅力を感じるという。実に40年以上にも及ぶキャリアを誇る巨匠だが、その創作意欲の衰えぬばかりか、さらに次なる進化を遂げようとしているというのは、やっぱり凄い事である。

 なお、ボツェット作品を語る上で欠かすことができないのが、その多くの作品で音楽を担当したフランコ・ゴディの存在であろう。なにしろ、ここ日本でボツェットが再評価されるきっかけになったのが、ゴディの手掛けた「ミスター・ロッシ」シリーズのサントラCDなのだから。ジャズ、ロック、ラテン、ブラジルといった様々なジャンルをごった煮的に寄せ集め、ポップでキャッチーに仕上げたゴディの音楽世界は、文字通りおもちゃ箱をひっくり返したかのような楽しさ。しかも、ファンキーかつグルーヴィー。ドイツのクラブ・シーンで再評価の火がつき、ここ日本のクラブでも話題を集めた。リミックス盤の12インチ・シングルまで発売されている。併せてオススメしておきたい。

 

VIP.JPG BOZZETTO_BOX.JPG

VIP Mio Fratello Superuomo (1968)

ネオ・ファンタジア&ブルーノ・ボツェット作品集

(P)2005 San Paolo (Italy) (P)2005 アスミック (Japan)
画質★★★★☆ 音質★★★★★ 画質★★★☆☆ 音質★★★★☆
DVD仕様(イタリアPAL盤)
カラー/スタンダード・サイズ/5.1chサラウンド&モノラル/音声:イタリア語/字幕:イタリア語・英語/地域コード:ALL/本編80分/製作イタリア

映像特典
ブルーノ・ボツェット監督&スタッフ・インタビュー集(45分)
ギャラリー(原画、ストーリーボード等)
オリジナル予告編
DVD仕様(日本盤3枚組)
カラー(一部モノクロ)/スタンダード・サイズ/ステレオ(一部モノラル)/音声:イタリア語/日本語字幕/地域コード:2/本編約292分/製作イタリア(1960年〜1993年)

映像特典
ドキュメンタリー「ブルーノ・ボツェットの世界」(43分)
「ネオ・ファンタジア」予告編(再公開)
監督:ブルーノ・ボツェット
製作:ブルーノ・ボツェット
脚本:ブルーノ・ボツェット
    アッティロ・ジョヴァンニーニ
    グイド・マヌーリ
アニメ・デザイン:グイド・マヌーリ
美術:ジョヴァンニ・ムラッツァーニ
音楽:フランコ・ゴディ
(「ネオ・ファンタジア」)
監督:ブルーノ・ボツェット
製作:ブルーノ・ボツェット
脚本:ブルーノ・ボツェット
    グイド・マヌーリ
    マウリツィオ・ニケッティ
追加音楽:フランコ・ゴディ
出演:マウリツィオ・ニケッティ
 イタリアでのみ発売されたDVD。嬉しいことに、英語字幕も付いてるので、イタリア語が分らなくてもOK!
 作品の詳細は、上記の本文で紹介していますので、参考にして下さいませ。とにかく、カラフルでポップでサイケデリック。その上、お洒落でアナーキーで超キュートな一本。1968年という時代の空気を思う存分に感じさせてくれます。個人的には、「ネオ・ファンタジア」よりも遥かに大好きな作品。
 ここ日本でDVD化が実現したボツェット作品集。代表作と言える「ネオ・ファンタジア」も勿論素晴らしいが、何よりも「ミスター・ロッシ」シリーズ7本を収めたDisc2が最大の目玉と言えるでしょう!3頭身のキュートなキャラクターで毒を吐きまくる抱腹絶倒のアナーキー・カートゥーンの傑作。短編集の中では、ちょっとお下品なお色気と愚かな男の本能をコケにしまくった「ストリップ」が一番のお気に入り。

 

ROSSI.JPG ROSSI_REMIX.JPG VIP_CD.JPG

Signor Rossi
Franco Goddi

Viva La Felicita
Signor Rossi VS De-Phazz

VIP Mio Fratello Superuomo
Franco Goddi

(P)1999 Crippled Dick (Germany) (P)2001 EastWest Records(Germany) (P)2000 CAM Production (Italy)
1,Signor Rossi Intro
2,Herr Rossi Sucht Das Gluck
3,Rossi Easy Background
4,Parapapa Perepepe
5,Sicura E Trac part 1,2,3
6,Bim Bum Bam Patabum
7,Qua Qua Qua
8,Tutankamen Cha Cha
9,Wild Wild West
10,Viva Happiness
11,La Canzone di Merlotto
12,Bu Bu Buana Bu
13,Krimi Slop
14,Gatto Blues
15,Vita Da Can
16,Rossi-Polka
17,Signor Rossi Chac Chac Chac
18,Doctor Frankenstein
19,Arabia
20,Salamek Zumpalla
21,W La Felicita
22,Ogni Estate Za Za Za
23,Fish Song
24,Qua Qua Qua (International Version)
eic....
A
1,Viva La Felicita (Phazzadelic Extended Remix)
2,Viva La Felicita (Worldless People Remix 1)
B
1,Viva La Felicita (Soldrythm Buena Vida Remix)
2,Viva La Felicita (Soldrythm Spaghetti Bolognese Remix)

remixed by Da-Phazz,Worldless People,Soldrythm
1,VIP
2,Mendel
3,In cerca di Lisa
4,La crociera
5,L'auto del Colonnello
6,Esitation
7,Naufraghi e Isola Relax
8,Volo ed esplosione missile
9,Adamo Jeppamela
10,Metti un tigre doppio brodo
11,Pesci e mare
12,VIP e il Colonnello
13,Lisa
14,MiniVIP...Scappa!
15,VIP e Lotta
16,VIP e la Galleria
17,Lisa
18,Terra e fuga MiniVIP
19,Happy Betty
 全35曲というボリュームたっぷりのサントラ盤。とにかく、キッチュでポップでグルーヴィー。しかもクールでナンセンスでお洒落。ヨーロッパや日本のクラブ・シーンで受けまくったのも納得の素晴らしい1枚。中でもお気に入りは#8。その名も「ツタンカーメン・チャチャ」!!トゥータンカーメンチャチャッチャ、ってとぼけたラテンのリズムで脳天直撃。ロック、バブルガム・ポップ、ラテン、ブラジル、アフロ、ジャズ・・・と様々なジャンルを網羅しながら、見事にミスター・ロッシの世界でまとめ上げているフランコ・ゴッディの手腕に恐れ入る。一家に一枚。もう、オススメなんてもんじゃありません。半ば強制です。買え(笑)

 「ミスター・ロッシ」主題歌のリミックス盤。A面は王道をいくポップなエレクトロ・ボサに仕上げた#1、よりラテン色の濃いトランシーでダウナーなハウスに仕上げた#2。B面では、ちょっとサンバ風なアッパー系ガラージ・ハウスに仕上げた#1と、ラテン・ジャズっぽいグルーヴィーなエレクトロ・ディスコに仕上げた#2と、いずれも甲乙つけがたい出来映え。ただ、やっぱりオススメは一番オーソドックスで原曲のイメージを尊重したA面#1といったところでしょうか。

 「ミスター・ロッシ」のサントラに負けず劣らず、ポップでキッチュでモンドな一枚。グルーヴィーでファンキーなサイケデリック・ロック風のテーマ曲#1も良いけど、1910 Fruit Gum CompanyやOhio Expressも真っ青のダンサンブルでグルーヴィーなバブルガム・ポップの大傑作#9が猛烈にオススメ。もう、イカれてるとしか言いようのないポップ・センスに拍手喝采です。ただ、クライマックスでブレイン・ミサイルを食らって、本当に頭がイカれちゃった人々が繰り広げる乱痴気騒ぎのミュージカル・トラックが収録されていないのが残念。

 

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