ベンギュ Bengü
キュートなベビーフェイスに不釣合いなくらいパワフルな歌声。アラベスクの流れを汲んだオリエンタルでエキゾチックなダンス・ナンバー。トルコの若手アーティストの中でも、個人的に一番お気に入りなのが、今回紹介する女性歌手ベンギュである。
1979年4月23日、“エーゲ海の真珠”と呼ばれるほど美しいトルコ第三の都市イズミルの生まれ。本名はベンギュ・エルデンという。小学校時代に地元イズミルの交響楽団と共演したことから音楽に目覚め、ミュージカル“オリヴァー・ツイスト”の舞台にも出演した。
アメリカン・スクールを卒業したベンギュは、98年にテレビのオーディション番組“POP
SHOW
98”に出演して2位入賞を果たす。この時に審査員だった歌手ケナン・ドギュルが彼女の才能を高く評価し、プロの歌手として育成するためにイスタンブールへと招いた。
マルマラ大学に学ぶ傍らで歌手の修行を積んだ彼女は、2000年にアルバム“Hoş
Geldin”でプロ・デビュー。テレビ番組の司会などを経て、2005年にリリースしたセカンド・アルバム“Bağlasan
Durmam”が大評判となった。さらに、2007年のサード・アルバム“Taktik”からは、“Korkma Kalbim”と“Unut
Beni”がヒット・チャートでそれぞれ最高2位をマークする大ヒットに。昨年発売された最新アルバム“Gezegen”からもタイトル曲が最高9位というスマッシュ・ヒットとなった。
最近の若手アーティストが欧米風のロックやポップスに傾きがちな中、トルコならではのエキゾティシズムを残したベンギュの作品はとても魅力的。しかも、感動的なくらいにキャッチーで完成度が高い。トライバルで官能的なダンス・ナンバーはもちろんのこと、歌謡曲を思わせる叙情的なバラードの数々も秀逸。その卓越した歌唱力も含めて、現在のトルコ音楽界で最も注目すべき女性アーティストの一人だと思う。
Baglasan Durmam (2005) Taktik (2007) Gezegen
(2008)
(P)2005 DSM (Turkey)
(P)2007 Erolkose
Production(Turkey)
(P)2008 Erolkose
Production(Turkey)
1,Gel Gel ビデオ
2,Korkumdan
Agladim ビデオ
3,Baglasan Durmam ビデオ
4,Git
5,Ciddi
Ciddi ビデオ
6,Mujde ビデオ
7,Beyaz Atli
Prens
8,Ucuz Mumlar
9,Elmanin Yarisi
10,%80 Arsizim
11,Gel Gel
(Azeri Versiyon)
produced by Ahmet Celenk1,Korkma Kalbim (R&B Club
Versiyon)
2,Korkma Kalbim (Klip Versiyon) ビデオ
3,Kalbim
(Slow Versiyon) ビデオ
4,Kalbim
(Duby Mix) ビデオ
5,Taktik ビデオ
6,Bay
Yanlis
7,Unut Beni ビデオ
8,Ask Marka
Silahim
9,Yalcu ビデオ
10,Sensiz
Meyve Soyar Miyim?
11,Sensiz Kaldim ビデオ
12,Mutlu
Musun Guzelim?
produced by Erol Kose 1,Gezegen ビデオ
2,Doya Doya
Tat ビデオ
3,Yalan
4,Disco
Yalan
5,Agiz Aliskanligi ビデオ
6,Telafi
7,Tek
Basina ビデオ
8,Hala ビデオ
9,Disco
Tat ビデオ
10,Remix
Yalan ビデオ
11,Tek Basina
Greek
12,Tek Basina New Sound
13,Telafi Greek
14,Karaoke
Yalan
15,Karaoke Agiz Aliskanligi
produced by Erol Kose
バッキンバッキンのオリエンタル・ハイエナジー#1でオオッ!?と惹きつけられ、ストリングスの音色も美しいノスタルジックな歌謡バラード#2で完全にノックアウトされました。大・大・大好きなアルバムです。一時期は毎日のように聴きまくっていましたね〜。冒頭の2曲があまりにもインパクト強烈なため、それ以外の楽曲が地味に感じられてしまう部分はありますが、アルバム・トータルで見ても非常に完成度の高い作品。自信を持ってオススメできる一枚です。ちなみに、#2はギリシャのアンナ・ヴィッシも歌ってました。名曲です。
オープニングから大ヒット・シングル“Korkma
Kalbim”のバージョン違いを2曲収録したセカンド・アルバム。個人的にはレゲトン風アラベスク・ディスコといった感じの#1がダントツに好きですが、なぜかピッカード艦長のセリフで幕を開ける#2もユニークではあります。前作よりもさらにクラブ色を強めた作品で、キャッチーかつダンサンブルなナンバーが目白押し。ベンギュ自身が作詞・作曲を手掛けた歌謡バラード#9の美しさといい、哀愁系オリエンタル・ディスコ#12のカッコよさといい、全てがツボにハマる名盤です。オススメ!
より大人っぽく成長したベンギュ最新作。ダンサンブルな路線はそのままに、これまでよりもさらにアダルトでロマンティックなアルバムに仕上がっています。イメチェンするとやたらバラードばかり歌いたがる人もいますが、彼女の場合はしっかりとファンのニーズを心得ているのが好感触。リミックス・バージョンやカラオケ・バージョンが多いのが玉に瑕ですが、いずれも非常に完成度の高い楽曲ばかりなので全く気になりません。個人的には超アッパーでキャッチーなオリエンタル・ディスコ#2と、さらにイケイケなリミックス#9がお気に入り。