BALKAN POPS SELECTION
PART 1

 

 

ストヤ Stoja

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 セルビア共和国出身で、バルカン半島各国で絶大な人気を誇るスーパー・スター。この地方では、ターボ・フォークと呼ばれる民族音楽とポップスを融合した音楽が人気ジャンルとして定着しているが、ストヤはそのターボ・フォークを代表する女性歌手とされている。
 ターボ・フォークの特徴は、バルカン半島の伝統的なロマ音楽(ジプシー音楽)やセルビアのブラス・バンド、汎地中海の伝統音楽などを融合しながら、ハウスやヒップ・ホップ、ロックなど現代の流行音楽のサウンドで仕上げたもの。ちょうど、トルコのアラベスクやギリシャのライカみたいな感じだ。
 旧ユーゴスラヴィア各国では、このターボ・フォークに分類されるアーティストが非常に多い。というよりも、どのアーティストも多かれ少なかれ、ターボ・フォーク的な要素を持ち合わせているといっても過言ではないだろうと思う。
 そうした中で、ストヤが“ターボ・フォークの女王”と呼ばれる所以は、なんといってもその圧倒的な歌唱力にある。男性も顔負けのハスキーでドスの効いたパワフルな低音ボーカル。声の伸びも声量も迫力満点で、絶妙なコブシ回しも圧巻だ。セルビアには実力のある女性ボーカリストが多いものの、彼女ほどインパクトの強い歌声を持った人はなかなかいないかもしれない。
 1972年6月4日セルビアはズレニャニン市近郊ペルレズの生まれ。本名はストヤンカ・ストヤ・ノヴァコヴィッチ。98年にプロ・デビューし、翌年のセカンド・アルバム“Ciki, Ciki”のヒットで有名になった。00年にはセルビアの最優秀歌手に選ばれ、05年にはボスニア・ヘルツェゴビナの最優秀歌手にも選ばれている。
 私生活では10代で息子を出産し、33歳の時に孫が生まれているという。まだ実年齢37歳だが、既にお祖母ちゃんなのだというから驚きだ。

 

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The Best Of Stoja (2007)

Do Gole Koze (2008)

Naj, Naj (2009)

(P)2007 Grand Production (Serbia) (P)2008 Grand Production (Serbia) (P)2009 Grand Production (Serbia)
CD 1
1,Samo ビデオ
2,Ni Kriva Ni Duzna
3,Starija
4,Evropa ビデオ
5,Da Zavolim Ludo
6,Metak ビデオ
7,Gori Gori Stara Ljubav
8,Moje Srce Ostariti Ne Sme ビデオ
9,Ziveo
10,Dijamanti
11,Sve Sam Zivo Pokvarila ビデオ
12,Ciki Ciki ビデオ
13,Sve Se Okrece
14,Umri ビデオ
15,Zakletva
16,Da Iseces Vene ビデオ
17,Nesto Mi Govori
18,Gde God Podem Tebi Idem
19,Svaka Se Greska Placa
20,Neka Pati Sve Nek' Plati ビデオ
21,Moj Zivot Je Moje Blago
CD 2
1,Sve Sto Sam Imala
2,Sto Godina
3,Mesec Sija ビデオ
4,Sava Tiho Tece
5,Ne Slusaj Vesti ビデオ
6,Ne Moli Me
7,Ne Vracam Se Ja Na Staro
8,Od Splava Do Splava ビデオ
9,Nije Lako Biti Mlad
10,Bolje I Da Ne Vidim
11,Necu Proci Jeftino ビデオ
12,Do Pola
13,Iza Laznog Osmeha
14,Idi Nek' Te Sreca Prati
15,Leti, Leti
16,Samo Idi
17,Duplo Pice
18,Tesko Mi Je
19,O Ne, Ne, Ne ビデオ
20,Samo Se Jednom Zivi
21,Ako Smeta Tvojoj Sreci
22,Neki Ti Se Place Danima
1,Do Gole Koze ビデオ
2,Potopicu Ovaj Splav
3,Muzika (diet with Dejanom Maticem)
4,Moze Viski
5,Pogresna
6,Idi ビデオ
7,Kucka ビデオ
8,Bas, Bas ビデオ
9,Stena ビデオ

produce & Arrangement by Dejan Abadic
1,Nocna Mora ビデオ
2,Da Li Si Za Sex? ビデオ
3,Dzek
4,Zamalo
5,Jaca Nego Pre ビデオ
6,Naj, Naj ビデオ
7,Splav Il
8,Volim Te

produce & arrangement by Dejan Abadic
 98年のデビュー以来発表された代表作を網羅した究極の2枚組ベスト。個人的に彼女が凄い歌手だということは知っていても、アルバムを購入するほどでは・・・と思っていたので、これはお得なお買い物でした(笑)。ターボ・フォーク系の歌手の中でも、彼女の作品はどちらかというと演歌的で垢抜けない印象があるんですよね。とはいえ、ヒット曲#4や#12、#20はディープでファンキーなバルカン・ビートを堪能できる佳曲。パワフルで野太いストヤの歌声も迫力満点です。  こちらのCD 2では、お祭り騒ぎなバルカン・ファンク#3や#10、#19辺りがオススメですかね。アラベスクにも通じるオリエンタリズムとトライバル・サウンドが魅力です。ちなみに、この発売元のグランド・プロダクションというレーベル、通常はDVDで使用されているトールケースで統一しているのはいいんですけど、とにかくケース故障の多いのが玉に瑕。爪が折れていたり、ケースの表面が汚れていたりってのは当たり前なんですよね。楽曲とは全然関係ありませんが(^^;  これはいいですね。ストヤのアルバムとしては異例(?)とも言える傑作。これまでの垢抜けない演歌的な楽曲とは一線を画し、ターボ・フォークらしい民族性をしっかりと残しつつ、キャッチーで洗練された今時のバルカン・ビートを存分に堪能させてくれます。中でも一時期のレゲトンを彷彿とさせる#1や#2、#6は日本人の琴線にもバッチリと触れるはず。このロマ的な哀愁感が何ともたまりません。これぞ絶唱!といった感じのストヤのボーカルも聴き応え十分。オススメです。  サウンド的には前作からさらに進化し、ハウスやテクノ路線を全面に押し出したターボ・フォークを展開する最新作。#1やタイトル曲#6なんかはその典型的な作品と言えるかもしれません。かつてのチープな泥臭さを一掃したのは良いんですけど、その半面で今回は楽曲面がいまひとつ弱いという印象。その点では、楽曲面でもサウンド面でも非常にバランスの取れていた前作から、ちょっとばかりパワー・ダウンしたように感じます。決して悪い出来ではないんですけどね。

 

イェレナ・カルレウシャ Jelena Karleuša

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 こちらもセルビア共和国の誇るスーパー・スターであり、バルカン半島一帯で圧倒的な人気を誇る女性ボーカリスト。“セルビアのマドンナ”とも言うべき存在で、これまでに売り上げたCDの枚数は200万枚以上。これはセルビア音楽史上最大の記録だと言われている。
 身長180センチという長身。全身美容整形の強烈なセックス・アピールも圧巻だが、その一方で伝統的な民族音楽のテクニックを駆使した歌唱力にも定評がある。華やかなルックスにしっかりと実力が伴っているというのは、バルカン・ポップスの女性アーティスト全般に共通した強みかもしれない。
 1978年8月17日、当時ユーゴスラヴィアの首都だったベオグラードに生まれたイェレナ。父親はセルビア人で母親はスロヴェニア人だという。95年に発売されたデビュー・アルバム“Ogledalce”はセルビア国内だけで10万枚を売り上げ、新人としては異例の大成功を収めた。
 もともとは、いわゆるターボ・フォークの歌手として人気を集めた人だが、ケティ・ガルビやデスピナ・ヴァンディで知られるギリシャのヒット・メーカー、フィーヴォスと組んだアルバム“Samo za tvoje oci ”(02)辺りからは汎地中海系を全面に押し出したオリエンタルなクラブ・サウンドを展開。同時期にデスピナ・ヴァンディがヒットさせた“Gia”をカバーしたタイトル曲も話題になった。
 私生活ではセルビアのサッカー選手ドゥシュコ・トシッチと08年に結婚。現在はヴェルダー・ブレーメンに所属する夫と共に、ドイツのブレーメンに住んでいる。

 

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Samo Za Tvoje Oci (2002)

Magija (2005)

JK Revolution (2008)

(P)2002 Heaven Music (Serbia) (P)2005 City Records (Serbia) (P)2008 City Records (Serbia)
1,Manijak ビデオ
2,Samo Za Tvoje Oci ビデオ
3,Pazi Se
4,Maj Dragi
5,Ne, Ne, Ne
6,Radoznala
7,Jos Te Volim ビデオ
8,Zar Ne
9,Love
10,Manijak
 (Remix Version by Valentino) ビデオ

produced by Phoebus
1,Slatka Mala ビデオ
2,Magija ビデオ
3,Nisi U Pravu ビデオ
4,Da Te Nisam Prevanila
5,Ne Smem Da Se...
6,Upravo Ostavljena ビデオ
7,Ide Maca Oko Tebe
8,Krada
9,Sve Je Dozvoljeno
10,Mali Me

produced by Atelje Trag
1,Tihi Ubica ビデオ
2,Testament ビデオ
3,Ko Ti To Baje ビデオ
4,Saki ビデオ
5,Casino ビデオ
6,Jedna Noc I Kajanje
7,Pamet U Glavu
8,Bas Je Dobro Biti Ja feat. Marcusビデオ
9,Mala
10,Mala (Teatro Mix) ビデオ
produced by Atelje Trag

 ギリシャのヒット・メーカー、フィーバスが全面的に作曲・プロデュースを務めたアルバム。同時期にフィーヴォスが手掛けたデスピナ・ヴァンディの大ヒット曲をカバーした#2を筆頭に、汎地中海系のオリエンタルなクラブ・サウンドが炸裂する1枚です。デジタルなハウス・テクノ系サウンドと、オーガニックな民族楽器のバランスも絶妙。ただ、楽曲的には出来不出来のばらつきが激しく、アルバム・トータルとしては残念ながら及第点といった印象が否めません。

 今回もフィーバスが全面的にソングライトを担当し、プロデュースにはセルビアのヒット・メーカー・コンビAtelje Tragが当たった作品。オープニングを飾るオリエンタル・トランスの傑作#1が大ヒットを記録しました。ロマっぽい哀愁感を漂わせたエレクトロ・ハウス#3、トライバルで妖しげなエレクトロ・ファンクの佳作#8などがお気に入り。ただ、こちらも楽曲の出来不出来に若干のばらつきが。とはいえ、前作よりは遥かにまとまった内容のアルバムかと思います。  発売1週間でセルビア国内だけで15万枚を売り上げたという大ヒット・アルバム。再びAtelje Tragをプロデューサーに迎え、これまで以上にゴージャスでスケールの大きなサウンドを聴かせてくれます。シングル・ヒットした#1はロック色の強いナンバーですが、それ以外は従来のハウス&トランス路線を踏襲したオリエンタルなクラブ・サウンドが中心。楽曲も粒ぞろいで、アルバムとしての完成度も見事。バルカン・ポップス初心者にも自信を持ってオススメできる1枚です。

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The Diamond Collection (2009)

(P)2009 City Records (Serbia)
CD 1
1,Intro
2,Zamena Za Ljubav (Unplugged)
3,Jos Te Volim
4,Slatka Mala
5,Cicija
6,Zene Vole Dijamante ビデオ
7,Beznadezan Slucaj
8,Upravo Ostavljena
9,Kume
10,Manijak (remix by Valentino)
11,Magija
12,Casino
13,Ide Maca Oko Tebe
14,Jelena
15,Nije Ona Nego Ja
16,Suze Devojacke
17,Trauma
18,Vestice Vile
CD 2
1,Samo Za Tvoje Oci
2,Ko Ti To Baje
3,Nisi U Pravu
4,Ludaca ビデオ
5,Tihi Ubica
6,Bezobrazna ビデオ
7,Ko Ovu Dramu Rezira
8,Gili, Gili ビデオ
9,Jedna Noc I Kajanje
10,Moj Dragi ビデオ
11,Ne Smem Da Se Zaljubim U Tebe
  (feat. Sasa Matic)
12,Najbolja Drugarice
13,Zar Ne
14,Tvojom Ulicom
15,Moji Drugovi
16,Ogledalce ビデオ
17,Bas Je Dobro Biti Ja (feat. Marcus)
 14年のキャリアで初めての本格的なベスト・アルバムこれまでの代表曲34曲を網羅した豪華な2枚組です。#2は未発表だったアコースティック・バージョン。#6はタルカンの大ヒット曲“Simarik”のカバー・バージョンです。  全体的に02年以降の作品に偏りがちな感じの選曲ですが、ロマ節炸裂のお祭り騒ぎなエレクトロ・ファンク#8や正統派ターボ・ファンクといった感じのブラス・バンド・ナンバー#16など、初期の代表作もしっかりと収められています。

 

 

ゴガ・セクリッチ Goga Sekulic

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 こちらはモンテネグロ共和国を代表する女性ボーカリスト。濃厚なセックス・アピールとシリコン入りの爆乳、そしてハスキーで情熱的な歌声で人気のターボ・フォーク系スターだ。そのルックスや歌声はイェレナ・カルレウシャと被るところがあり、モンテネグロやセルビアではしばしばライバル視されているようだ。
 1977年2月27日、旧ユーゴスラヴィアはプリェヴリャの生まれ。本名をゴルダーナ・セクリッチという。00年に歌手デビューを果たし、卓越した歌唱力と露出度の高いステージ衣装で話題を集める。中でも06年にリリースされたアルバム“Srce na Pauzi(胸が張り裂ける思い)”は爆発的なセールスを記録し、“Sexy Biznismen(セクシーなビジネスマン)”、“Gacice(下着)”、“Moj Novi Decko(私の新しい男)”などのシングルがヒットした。
 また、04年には自分と瓜二つのモデルを使ったヌード・グラビアを掲載したとして雑誌『プレイボーイ』(セルビア・モンテネグロ版)を提訴。これは当時マスコミで大変な注目を集めた。結果的に裁判ではゴガの訴えが認められて勝訴したが、一部ではこの訴訟自体が彼女の売名行為だったのではとも言われているようだ。

 

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Po akonu (2003)

Srce Na Pauzi (2006)

Zlatna Koka (2008)

(P)2003 City Records (Serbia) (P)2006 Grand Production (Serbia) (P)2008 Grand Production (Serbia)
1,Bole Ljubavi ビデオ
2,Po Zakonu
3,Istok Zapad
4,Kes! ビデオ
5,Sta Ti Je?
6,Leptir
7,Nova
8,Budi Tu

produced by Marko J. Kon
1,Gacice ビデオ
2,Tvoje Oci
  (duet with Osmanom Hadzicem)
3,Premalo Premalo
4,Stara Nova Devojka
5,Srce Na Pauzi ビデオ
6,Moj Novi Decko
7,Kriva Sam
8,Nisi Ti Nizasta
9,Sexy Biznismen ビデオ
10,Moze Moze

produced by A. Radulovic
1,Zlatna Koka ビデオ
2,Volela Bi Sestra
3,Devojke, Devojke ビデオ
4,Klosar ビデオ
5,Kazaljke ビデオ
6,Zigolo
7,Mesecar
8,Izvini
9,Asocijacije ビデオ

produced by Marko Kon & Kobac

 ゴガがシティ・レコードに残した唯一のアルバム。トータルではこれが4枚目に当たります。全体的にはオーソドックスな正統派ターボ・フォークといった感じで、意外と大人しい内容かもしれません。同じくモンテネグロ出身の人気男性ボーカリスト、シャコ・ポルメンタとデュエットした#8がヒット。妖艶なオリエンタル・ファンク#4も印象的だと思いますね。ただ、アルバムとしては可もなく不可もなくといった印象かもしれません。

 トルコの女性歌手デメト・アカリンのヒット曲をカバーした#1で幕を開ける大ヒット・アルバム。ビデオ・クリップのエロさではゴガの方が百万倍勝っているかもしれませんね(笑)ただ、ソングライト陣はセルビア系の名前が並んでいるので、どちらをカバーと呼ぶべきかは微妙なところかも。80's風のピコ・ピコ・サウンドがクールなエレクトロ・ファンク#9もかなりカッコいい仕上がりですが、残念ながらそれ以外の楽曲があまりにも凡庸。  ブラスバンドをフューチャーしたトライバルでファンキーなバルカン・ディスコ#1がムチャクチャお気に入りな最新アルバム。ゴガの圧倒的なコブシ回しを堪能できるバルカン風R&B#3もカッコいいし、キャッチーでセクシーなロマ風哀愁系ハウス#9も大好き。しかし、それ以外の楽曲は全く精彩がないんですよね。というか、完全なる手抜きといった感じでしょうか(笑)この出来不出来の落差というのは、今後の彼女の大きな課題かもしれません。

 

 

アレクサンドラ・ラドヴィッチ Aleksandra Radovic

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 個人的に今一番注目しているセルビアのアーティストが彼女。思わず男性と間違えてしまうくらいディープで逞しい低音ボーカルは、一度聴いたら病みつきになるような魅力があると言えよう。音楽的にもジャズやR&Bをベースとした民族色の薄いグローバルなポップスを志向しており、数多のターボ・フォーク系アーティストとは一線を画している。将来的には国際マーケットでも活躍をして欲しいユニークな才能だと思う。
 1974年9月10日、セルビアはボガティッチの生まれ。97年頃からラジオのDJとして活躍するようになり、その傍らで歌手としてテレビ・ドラマなどの主題歌も歌うように。03年にアドリア海の古都ヘルツェグ・ノヴィで開催された音楽祭で準グランプリを獲得してプロ・デビューを果たし、同年にリリースされたファースト・アルバムも数多くの音楽賞を受賞した。
 05年にはシングル“Karta za jug”大ヒットし、06年のセカンド・アルバム“Dommino”も年間最優秀アルバム賞に輝くほどの評判となる。現在は最新アルバム“Zar Ptica”とシングル“Nemoj”が話題になっており、これからの活躍がますます楽しみだ。

 

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Dommino (2006)

Zar Ptica (2009)

(P)2005 City Records (Serbia) (P)2009 City Records (Serbia)
1,Intro
2,Zagril Me ビデオ
3,Jesam Te Pustila ビデオ
4,Ne Verujem Da Me Ne Volis
5,Mozda Je Bolje Bez Mene
6,Cuvam Te ビデオ
7,Novi Dan ビデオ
8,Nema Ljubavi Tu
9,Nisi Moj ビデオ
10,Srce Na Dlan
11,Zazmuri
12,Necu Plakati
13,Karta Za Jug

produced by Darko Dimitrov, Niksa Bratos
Marijo i Rade Pajie, Zoran Radetic, Dejan Momelovic.
1,Bivsi Dragi ビデオ
2,Brod Budala
3,Daleko Od Ociju
4,Optisi Sve Bivse ビデオ
5,Mirno More
6,Ni Zadnji Ni Prvi ビデオ
7,Da Te Ne Volim Bar
8,Nemoj ビデオ
9,Oda Vno
10,Ne Reci Mi
11,Sve Bih Dala Za Nas
12,Gde Je Tu Ljubav? ビデオ

produced by Darko Dimitrov,Niksa Bratos
 叙情的でアコースティックなバラードをメインに構成されたセカンド・アルバム。中でも耽美的でフォーキーな#3は、アレクサンドラのダンディでソウルフルなボーカルも含めて傑作です。ジャジーでメロウで退廃的なラブ・ソング#6も素晴らしい出来栄え。その一方で、アレクサンドラ自身が作詞・作曲を手掛けたUKソウル風のお洒落なガラージ・ハウス#7やキャッチーでクールなジャズ・ファンク#12もカッコ良いんですよね〜。超オススメです。  これまた素晴らしく完成度の高いアルバムを出してくれたもんです。東欧的とも言える独特のダークなエレガンスとジャジーでフォーキーなアコースティック・サウンドが、何とも言えないロマンティックでクールな世界を作り上げていきます。ロマ風の哀愁感漂う退廃的で渋いラブ・ソング#4、ノスタルジックなタンゴ風バラード#5、シングル・ヒットした#7などなど、まるで映画音楽のような楽曲の数々に聴き惚れること間違いなし。傑作です。

 

マガジン Magazin

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 クロアチアを代表するベテラン・ポップ・バンド、マガジン。これまでにリリースされたアルバム19枚のトータル・セールスは400万枚を超えており、名実共にクロアチアの国民的グループと言える。
 当初はストレートなロックを演奏していたようだが、90年代にユーゴスラヴィアが解体されたことをきっかけに民族音楽的な要素を積極的に取り入れるようになった。いわゆるターボ・フォーク的なポップ・ミュージックへと路線変更したわけだ。これには多くの音楽批評家から批判が噴出したらしいが、その人気はデビュー27周年を迎えた現在も依然として衰えることがない。
 バンドが結成されたのは70年代のこと。もともとはダルマティンスキー・マガジンというバンド名で、世界遺産にも指定されているアドリア海に面した古都スプリトのローカル・バンドとして活躍していた。
 80年代に入ってバンド名をマガジンへと変更し、82年にレコード・デビューを果たす。中心人物は作詞・作曲・プロデュースを務めるトンチ・フリッチ。初代のリード・ボーカリストはマリア・クズミッチという女性だったが、2代目のリリアナ・ニコロフスカが加入したことをきっかけに、バンドは驚異的な成功を収めるようになる。
 85年に発売された4枚目のアルバム“Pisi Mi(私に手紙を書いて)”は38万枚というセールスを記録。さらに、続く“Put Putujem(私は旅をしている)”が67万枚というバンドにとって最大のヒットとなり、その人気は頂点に達する。
 その後も発表されたアルバムはいずれもベスト・セラーに。90年代に入って3代目のリード・ボーカリスト、ダニエラ・マルティノヴィッチが加入すると一時的に人気が低迷したものの、94年にリリースされたシングル“Simpatija(同情)”は大ヒットし、95年には“Nostalgija”でユーロビジョン・ソングコンテストにクロアチア代表として出場。96年には4代目ボーカリスト、イェレナ・ロズガの加入で、80年代ほどではないにせよ人気も盛り返した。
 さらに、07年には5代目のリード・ボーカリスト、イヴァナ・コヴァチュが加入。最新作“Bossa n' Magazin”ではブラジル音楽風のサウンドにも挑戦している。

 

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Greatest Hits

Zlatna Kolekcija

Dama I Car (2007)

(P)2003 City Records (Serbia) (P)2007 JVP Vertrieb AG (P)2007 City Records (Serbia)
1,Da Li Znas Da Te Ne Volim ビデオ
2,Kad Bi Bio Blizu
3,Ko Me Zove ビデオ
4,Zar Je Ljubav Spala Na To
5,Nemam Snage Da Se Pomirim ビデオ
6,Gutljaj Vina
7,Ne Vjerujem Tebi, Ne Vjerujem Sebi
8,Opijum
9,Na Svijetu Sve ビデオ
10,Minut Srca Tvog
11,Dani Su Bez Broja
12,Sudnji Dan
13,Jel' Zbog Nje
14,Minus I Plus ビデオ
15,Samo Navika
16,Ako Poludim
17,Suze Biserne
18,Idi I Ne Budi Ljude
19,Kasno Je
20,Ginem
CD 1
1,Zar Je Ljubav Spala Na To
  (duet with Mladehom Vojicicem Tifom)
2,Ginem ビデオ
3,Starimo Duso ビデオ
4,Doslo Vrijeme
5,Nemam Snage Da Se Pomirim
6,Simpatija
  (duet with Marijom Bubic Mare)
7,Nostalgija ビデオ
  (duet with Lidijom Horvat Dunjko)
8,Romantika
  (duet with Kanitom Bebom)
9,Gutlja Vina
10,Svileni
11,Briga Me
12,Minut Srca Tvog
13,Zlato Jubavi
14,Moji Prsti, Pete
15,Bilo Bi Super
16,Gdje Neretva Hladna Tece
CD 2
1,Bol
2,Minus I Plus
3,Suze Biserne
4,Idi I Ne Budi Ljude
5,Sudnji Dan
 (diet with Doris Dragovic) ビデオ
6,Samo Navika ビデオ
  (diet with Oliverom Dragojevicem)
7,Ako Poludim
8,Rapsodija ビデオ
9,Opijum (Ne Daj Mene Za Nju)
10,Kasno Je
11,Jel' Zbog Nje ビデオ
12,Grana Zimzelena
13,Na Svijetu Sve
14,Nek' Se Ruke Rukuju
15,Vitar Nosi Nevrime
16,Necu Se Vratiti ビデオ
17,Nebo Boje Moje Ljubavi
1,Koma ビデオ
2,Car
3,Zadnja Epizoda ビデオ
4,E, Moj Andele
5,Necu Plakat' Namjerno
6,Dama ビデオ
7,Vino Iz Makedonije ビデオ
  feat. Black Coffee
8,Cija Sam Kad Tvoja Nisam
9,Dva Bora
10,Tesko Je Umrijeti Sretan

produced by Tonci Huljic, Remi Kazinoti,
Edo Botric
 4代目イェレナが加入した96年から03年までの楽曲を中心にセレクトされたベスト盤。この頃は生音よりも打ち込みが中心で、バンドなのかユニットなのかイマイチ分からないような感じでした。これは彼らに限らず、ロシアや旧東欧各国のポップ・ロック・バンドに共通する傾向ではあるんですけどね。楽曲も玉石混合。ロマ・スタイルのフォーク・ロック#4や牧歌的で美しいアコースティック・バラード#10、ラテン色濃厚なお祭り系ロマ・ナンバー#14などはお気に入りです。  こちらは90年代以降のヒット曲から構成された2枚組ベスト。ノー・ダウトの“Don't Speak”を彷彿とさせるバラード#2を筆頭に、古典民謡風のノスタルジックでもの哀しい#3、戦前の流行歌を思わせるクラシカルなバラード#7と#8などなど、東欧的な暗さというか哀愁を漂わせた美しいナンバーが魅力的です。ただ、古い作品になればなるほどサウンド・プロダクションのチープさがいろいろと目立つのも事実で、やはり玉石混同といったところでしょうか。  こちらのCD2で一番の聴きモノは、なんといってもクロアチアの国民的女性歌手ドリス・ドラゴヴィッチとのデュエット#5でしょう。爽やかでスケールの大きなバラード・ナンバーです。まるでヴィヴァルディを汎地中海風に仕上げたようなクラシカルでロマンティックでトライバルなポップ・ロック・ナンバー#8も素晴らしい佳作。『その男ゾルバ
』のテーマ曲を思わせるギリシャ風の長閑で美しいバラード#16もお気に入りです。
 5代目リード・ボーカリストのイヴァナ・コヴァチュを迎えての第一弾アルバム。全体的にアコースティックで骨太なサウンドが特徴で、#1や#2、#5などはかなりロック色の濃厚な傾向にあります。その一方で、バンドネオンの音色も切ないロマ調の渋いバラード#3や情熱的で哀愁溢れるロマ風ロック・ナンバー#6など民族色を打ち出した楽曲も充実。ハスキーで激シブなイワナのボーカルが何とも言えないソウルフルなムードを醸し出しています。なかなかの力作だと思いますね。

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Bossa n' Magazin (2008)

Oprosti Mala (2006)
Jelena Rozga

(P)2008 City Records (Serbia) (P)2006 City Records (Serbia)
1,Ti si Zelja Mog Zivota
2,Ginem
3,Put Putajem
4,Kako Sam Te Samo Voljela
  (Bog Neka Ti Oprosti Grijehe)
5,Pisi Mi
6,Opijum
7,Dva Zrna Grozda
8,Tri Sam Zime Saptala Ime
9,Minut' Srca Tvog
10,Manuela

produced by Fedor Boic
1,Oprosti Mala
2,Ja Znam Dobro Sto Mi Je ビデオ
3,Roza Boja ビデオ
4,Vrsnjaci Moji
5,Sve Se Meni Cini ビデオ
6,Roba S Greskom ビデオ
7,Sve Mi Tvoje Oci Govore ビデオ
8,Suze Od Kristala ビデオ
9,Lijepa Samo Za Tebe
10,Ne Zovi Me Marija
bonus tracks
11,Bilo Bi Super (Motiwwwo Gold Remix)
12,Oprosti Mala
  (Matiwwwo Drum' Dance Remix)
13,Ne Zovi Me Marija
  (Motiwwwo Radio Remix)

produced by Remi Kazinotti
 過去のヒット曲をボサノヴァやサンバなどのブラジル風アレンジでセルフ・リメイクした企画盤。彼ららしいセンチメンタルで哀しげなメロディと、上品で気だるいボサのリズムが実にマッチしており、ハスキーで抑えたイワナの歌声もムーディそのもの。いわゆる今風のエレクトロ・ボサなどではなく、クラシカルな正統派路線なのも好印象。まるで60年代のMBPを思わせるようなノスタルジーが全編に漂っています。  4代目ボーカリスト、イェレナ・ロズガのソロ・デビュー作がこれです。ルックスはかなり大胆にイメチェンしましたが、音楽的にはマガジン時代の路線を受け継いだターボ・フォーク。それもそのはず、スタッフもミュージシャンもほぼマガジン組が揃っており、トンチ・フリッチも監修を務めています。フアネスを彷彿とさせる哀愁のロマ・ロック#3はなかなかの力作。同じくロマ路線の#7や#8も佳作です。オススメ。

 

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