アンジェラ・ディミトリオウ Antzela Dimitriou

 

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 デビューから今年で27年。大御所スターとして安定した人気を誇るギリシャのベテラン女性アーティストである。どちらかというと泥臭いタイプのモダン・ライカ歌手であり、日本で言うところの演歌・歌謡ポップス系のスター。また、エジプトのアムル・ディアブとのデュエット曲を発表するなど、アラブ音楽界との交流にも積極的で、1996年のシングル“Margarites”はレバノンでヒットチャート1位を記録している。オーソドックスなバラードだけでなく、オリエンタルでエキゾチックなダンス・ナンバーも数多く発表しており、その手の音が好きな人ならチェックしておいて損はないアーティストである。ただ、時折りトチ狂ったかのように変な曲を歌ったりするので油断できないのだが(笑)。
 生年月日は不詳。アテネの生まれで、1980年にレコード・デビューを果たしている。1988年にリリースしたシングル“Fotia Sta Sawatovrada”の爆発的な大ヒットで、ギリシャの国民的スターとなった。デビュー当初からオーソドックスな演歌バラードを専門に歌っていたが、96年にEMIレコードに移籍した辺りからオリエンタルでダンサンブルなサウンドを取り入れるようになった。オススメなのは、このEMI移籍以降の作品だ。2005年にはアルファ・レコードに移籍しており、より洗練されたモダン・ライカを聴かせてくれている。
 ちなみに、彼女自身はあまり頭のいい人ではないらしく、ガンジーを中国人だと思ってたり、共演者の名前を平気で間違えたりと迷言や問題発言(?)を繰り返しており、ギリシャではそちらの方の話題にも事欠かないという。

 

オフィシャル・サイト (VIDEO CLIPSコーナーで最近のプロモ・ビデオを複数見ることが出来ます)

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Dio Fones (1986)/
Exerounte (1991)

Mi Mas Agapas (1996)

Mavri Lista (2000)

Hilia Prosopa (2001)

(P)2003 Sony Music (Greece) (P)1996 Minos-EMI (Greece) (P)2000 Minos-EMI (Greece) (P)2001 Minos-EMI (Greece)
1,Dio Fones
2,Mi Me Apilis
3,Apopse Pali
4,I Horismeni
5,Den Ine Desmos
6,Giati Den Erhese
7,S'agapo Pio Poli
8,I Vera
9,Mou Ftani
10,Kane Me Diki Sou
11,Exerounte
12,Den Pai Allo
13,Sta Lefka Mou Sentonia
14,Den Ine Mia Kouventa I Agapi
15,Esena Pou Agapisa
16,Opou ke Na Se
17,Min Pezis Mazi Mou
18,Mi Gelas
19,Sigoura
20,Pantos Ohi Ego
21,Se Nikisa Zoi
22,Sinnehizo
1,Ise I Agpi Mou
2,Ehtiza Palatia
3,Mi Mas Agapas
4,Ine Kati Haraktires
5,Margarites ビデオ
6,Se Mia Gineka Monahi
7,Pehnidia Apagorevmena
8,Aparadektos
9,Pou Pas Agapi Mou Pou Pas
10,Ime Edo
11,Enos Leptou Sigi
12,E Ke Lipon
13,Ena Vima Parapano
1,Mavri Lista (Black List)
2,S'eho Anagi
3,Ela Ela
4,Sto Tasaki
5,Lipis
6,Oti Thelis Me Kanis
7,Sinora Eho Vali
8,S'aresi Den S'aresi
9,Mine Ston Kosmo Sou
10,Esena Perimena
11,Tha Se Niazome
12,Me Axioprepia, Tha Figo
13,Poso Allaxes
14,Lipis (Final Cut Version)
1,Ti Na Tin Kano Tin Agapi Sou
2,Se Horizo Ke Teliosame
3,Tipsis Sferes
4,Ine Kria Ta Sentonia
5,Petheno Gia Hatiri Sou
6,Den Xero Ego
7,Papse Na Me Katadikazis
8,Den Pirazo Kanenan
9,Astia Tha Les
10,Emena Mi Me Kles
11,Den Anteho
12,Pame Opou Thes Kardia Mou
13,Se Kathisto Ipefthino
14,Pia Ehi Sira
 まさにギリシャ版哀愁演歌歌謡!このコッテリとした泥臭さは、免疫のある人じゃないとちょっとキツいかもしれませんね。逆に言うと、演歌がイケるという人なら、意外とハマる世界かもしれません。とはいえ、似たような曲が多いので、最後まで聴き通すのは疲れるかも。まあ、それってライカ全般に言えるんですけどね。  汎地中海系のエレクトリックなオリエンタル・ビートと正統派のモダン・ライカを織り交ぜた作品で、同時期のアンナ・ヴィッシを彷彿とさせるアルバムに仕上がっています。オーガニックなトライバル・サウンドがクールな#3やレバノンでも大ヒットした#5辺りのダンサンブルなナンバーがオススメ。  より中近東色を強めたアルバムで、ギリシャというよりもトルコやアラブに近いサウンドを聴かせてくれます。ワールド・ビートとしても十分に楽しめる1枚。#3や#8なんかトルコのタルカンを彷彿とさせますね。ちなみに彼女、“イスタンブールには行ったことあるけど、トルコには行ったことがないわ”という迷言を残しております(笑)。  ジャケットのエクステンションが全く似合ってないのはさておき、いかにもギリシャらしい哀愁の地中海サウンドを聴かせてくれるゴージャスな1枚。いわゆる演歌歌謡的なアプローチではなく、洗練されたワールド・ビート的なサウンドを展開しています。程よいフラメンコ風味がエレガントで気持ち良い#5なんか結構オススメです。

2003.JPG 2004.JPG 2005.JPG

I Antzela Tragoudai Zeibekika (2003)

Pios Ise (2004)

S'eho (2005)

(P)2003 Sony Music (Greece) (P)2004 Alpha Records (Greece) (P)2005 Alpha Records (Greece)

1,Klise Fota Klise Matia ビデオ
2,Eho Mia Kardia
3,Afta Ta Matia ビデオ
4,Tora Mi Milas
5,Fotia Sta Savvatovrada
6,Stasou Pou Pas
7,Ourane
8,Gineka Ego
9,I Horizmeni
10,Rixe Sto Potiri To Kormi Mou
11,Mipos Xeris Na Mou Pis
12,Megali Mou Paraskevi

1,Tha Stenahoritho
2,Pios Ise
3,Pou Pas Agapi Mou
4,Anihti Pligi
5,Ena Klik
6,Pseftika Feggaria
7,Erotas Alitis
8,As Erhosouna Gia Ligo
9,Tha Mino Moni Mou
10,Alli Mia Mera
11,Ke Go Se Perimena
12,Diagrafese
13,Tora Pia De S'agapo
14,N'apofefgis
15,Antio
1,Pou Tha Pas
2,Tris Ke Pente Vimata
3,Psefti
4,S'ehasa
5,Haramata
6,Vale Vale
7,Trelokoritso
8,S'eho
9,Tha Figo
10,S'agapo Poli
11,Ena Hrono Ke Dio Ke Ikosi
12,Treli Agapi
13,Ase Me Isihi
14,Sfera
15,Taftotita
16,Pezis Mazi Mou
17,Sose Me
18,I Korniza (Pote Tha Girisis)
 アンジェラの名声を決定付けたヒット曲#5を筆頭に、1988年〜95年頃までの作品から選曲されたベスト盤。ブズーキの哀しげなメロディが響き渡る、コテコテの地中海ド演歌のオンパレードです。全12曲と比較的コンパクトですが、EMI時代以前の代表作はこれで揃います。泥臭いギリシャ演歌も大丈夫って人には、2枚組のベスト盤も出ているので、そちらをオススメしますね。  アルファ・レコード移籍第一弾。ギリシャ演歌の世界を洗練されたワールド・ビート的アレンジで再現した、モダン・ライカの力作に仕上がっています。エレクトリックな味付けだけではなく、フル・オーケストラを動員したクラシカルなアレンジやヒップ・ホップ風の打ち込みも駆使して、エレガントでゴージャスな世界を作り上げています。ただ、#7の下品なトランスには失笑しますが。  全18曲というかなり力の入ったアルバム。今までのワールド・ビート的なダンス・サウンドを極力抑えつつ、非常に叙情的で芸術性の高いモダン・ライカ・アルバムに仕上がっています。すっかりドスの効いた低音が貫禄を感じさせるようになったアンジェラのボーカルも、まさに今が円熟期という感じ。オリエンタルなトライバル感が超カッコいいレゲントン・ナンバー#6もオススメ!

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