北欧の妖精〜アグネッタ・ファルツコッグ

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 世界で最も美しい声を持った女性ボーカリストの一人だと思う。言わずと知れたアバのリード・ボーカリスト。裏声のようなテクニックを一切使わずに数オクターブを歌い上げる実力もさることながら、彼女の歌声の最大の魅力は、その少女のような清らかさとけなげさだ。汚れを知らぬ自然体の歌声。ショウ・ビジネス・ライクなこれみよがしの歌いっぷりを聴かせる“ありきたりな”女性ボーカリストとは一線を画するナチュラルさと情感の豊かさは他に例を見ない。聴き間違えようのない特徴的な声質も素晴らしい。まさに唯一無二の個性だ。
 そういえば、もう一人のアバの歌声フリーダも非常に個性の強い声質の持ち主。かつてアバのメロディ・メイカー、ベニーが、「もしアバ・サウンドと呼ばれるものがあるとすれば、それはアグネッタとフリーダの声だ」と言っていたが、アバというグループは、偶然の出会いによって2人の天才的女性ボーカリストを得ることの出来た、音楽史上稀に見る奇跡の賜物だったと言えるだろう。

 先述したように、アグネッタはアバのボーカリストとして世界の音楽史に名を残すスターだが、その一方で地元のスウェーデンでは60年代末から活躍する元祖国民的アイドルとして有名。その作品の多くは自ら作詞・作曲を手掛けており、スウェーデンでは女性シンガー・ソングライターの草分け的存在でもある。日本では殆ど知られていない彼女の素顔は、その歌声に勝るとも劣らず魅力的であり、非常に人間味に溢れたものだ。
 1950年4月5日、スウェーデンの小さな田舎町Jonkopingで生まれたアグネッタは、地元のアマチュア劇団のリーダーだった父親の影響で幼い頃から音楽や演劇に興味を覚えていた。彼女と音楽との本格的な出会いは5歳の頃。アパートメントの上階に住む音楽教師夫婦の家から流れてくるピアノの音色に魅了されたアグネッタは、夫婦に頼んでピアノを教えてもらうようになる。熱心に夫婦のもとに通うアグネッタの姿を見た両親は、6歳の誕生日にピアノをプレゼントとして買い与えた。それ以来、彼女の生活は音楽で彩られるようになる。自ら作曲もするようになったアグネッタは、13歳の時に友達と共にボーカル・トリオを結成し、地元の催し物に数多く出演した。
 その頃の彼女のアイドルはシルヴィー・ヴァルタン、ニール・セダカ、ペチュラ・クラーク、ダスティー・スプリングフィールド、そしてコニー・フランシスだったという。そのコニー・フランシスの"Who's Sorry Now"にインスパイアされて作った曲"Jag var sa kar"が、後に彼女の人生を一変させる事となる。


 義務教育を終えたアグネッタは、地元のカー・ディーラーに勤めながら、週末のみアマチュア・ダンス・バンドのボーカリストとして音楽活動を続けるようになる。その頃の彼女は、音楽で生計を立てていこうという野心はなかった。というよりも、それだけの自信がまだなかったというのが正確なところだろう。
 しかし、彼女が参加したダンス・バンドのリーダー、ベルント・エンゲハルトは、プロとしてレコード・デビューを目指す野心的な人物だった。ベルントはバンドの演奏をテープに録音し、CBS傘下のレコード会社キューポルへ密かに送っていた。そのテープを受け取ったのが、当時キューポルのプロデューサーだった元ロック・スターのリトル・ゲルハルド。テープの内容は“良くも悪くもない平凡なものだった”のだが、何となく気になってB面を聴いてみたところ、一人の少女が歌う楽曲に強く惹かれた。それがアグネッタの作品だった。“これこそ、ボクが求めていた歌声だった”とゲルハルドは当時を振り返っている。
 早速、少女の名前と連絡先を探し出したゲルハルドはアグネッタに電話をする。ところが、電話を受け取ったアグネッタはベルントがデモ・テープを送った事を知らなかったため、いたずら電話だと思って相手にしなかったのだ。そこでゲルハルドはレコード会社の電話番号を伝え、そこに電話してみるように言う。恐る恐るレコード会社に電話をしてゲルハルドの名前を告げると、電話口に出たのは確かに今さっき電話をよこした人物だった。そこでようやく彼女は、自分がレコード会社のスカウトを受けたことに気付いたのだった。

 首都ストックホルムに招かれたアグネッタだったが、当時はまだ17歳。右も左も分らない大都会に行く娘を心配した父親の付き添いでストックホルムを訪れたアグネタは、早速レコーディング・スタジオに案内される。スタジオに入っていくと、プロのオーケストラが彼女が書いた曲を演奏している最中だった。自分の書いた曲を他人が演奏している。感動の余り鳥膚がたってしまったアグネッタは、“あの瞬間を一生忘れることが出来ない”と後に語っている。
 無事レコーディングを終えたアグネッタは、そのまま故郷に戻る。当時のスウェーデンでは新人歌手のプロモーションというものが存在しなかった。ラジオで放送されて火がついてから、初めてプロモーションが行われるというのが通例だった。なんとものんびりとした古き良き時代である。
 ある朝、家族と共に朝食をとりながらラジオを聴いていた彼女の耳に、デビュー曲"Jag var sa kar"のメロディが飛び込んでくる。喜びのあまり、思わずラジオを抱きしめて飛び上がってしまったというアグネッタは、“アバの時代も含めた私のキャリアの中で、あの時が最も幸福な瞬間だった”と回想する。1967年の暮れのことだった。
 このデビュー曲"Jag var sa kar"がヒット・チャートで初登場3位を記録。アグネッタは瞬く間にスウェーデンのトップ・スターとなる。恋人となったドイツ人プロデューサーの勧めでドイツ進出をはかったものの失敗し、婚約まで破棄するという苦い経験をするものの、スウェーデンでは順調にヒット曲を連発。ミュージカル「ジーザス・クライスト・ザ・スーパースター」のスウェーデン版でマグダラのマリア役を演じて絶賛されるなど、押しも押されぬ国民的アイドルとなった。
 そして、1969年の5月。とあるテレビの音楽番組で、スウェーデンを代表するフォーク・グループ、フーテナニー・シンガーズのリード・ボーカリストで、当時ソロ歌手としても人気絶頂だった男性ビヨルン・ウルバウスと出会い、2人はたちまち恋に落ちる。そのビヨルンの大親友がスウェーデンのビートルズと呼ばれたバンド、ヘップ・スターズのメンバーだったベニー・アンデションであり、その恋人が女性歌手アンニ=フリッド・リングスタッド(フリーダ)。そう、この出会いが後のアバを生み出すことになるのだった。
 1971年にビヨルンと結婚したアグネッタは、今までどおりソロ活動を続けながらも、夫とベニーのプロジェクトにも参加するようになる。

 さて、このスウェーデン時代の彼女のソロ作品を聴くと、いかにアグネッタが英米のポップ・ミュージックに強い影響を受けていたかがよく分る。特に、ペチュラ・クラークやトム・ジョーンズ、ビートルズ、キンクスといったブリティッシュ・ポップ、バート・バカラックやハーブ・アルパート、ニール・セダカといったアメリカのソフト・ロックからの影響は濃厚だ。デビュー当初の作品は、当時としても少々古めかしい感じの垢抜けないものが多いが、70年代に入ってからは彼女のソングライターとしての急速な成長を物語るかのように、素晴らしいメロディを持ったソフトでセンチメンタルで瑞々しい、爽やかなポップ・ソングを次々と生み出している。
 そう、基本的に彼女はメロディ・メーカーである。アバ時代はマネージャーのスティッグ・アンダーソンの意向もあって、彼女の作品をアバとしてレコーディングすることはなかった(唯一の例外が“Disillusion”)が、その才能は、ビヨルンやベニーにも引けを取らないと言っても過言ではない。
 ただ、たびたび彼女の作品の作詞を担当したボッセ・カールグレンによれば、アグネッタは詩を書くのがあまり得意ではなかったらしい。大抵、先にメロディが出来上がっていて、それを作詞家のもとに持ち込むのが常だったという。
 残念ながら、日本ではこの時期の彼女の作品は全く紹介されていないが、ニック・デ・カーロやトミー・リピューマといったA&Mサウンド、リンジー・デ・ポールやトニー・ハッチ、トニー・マコウレイ辺りの作品が大好きなソフト・ロック・ファンには大いにオススメだ。

 さて、75年のアルバム「Elva kvinnor i ett hus(ひとつの家の中の11人の女たち)」を最後に、アバとしての活動に専念するようになったアグネッタ。しかし、世界を席巻したアバ・ブームは彼女にとって非常に複雑なものだった。
 “良き妻・母として愛する夫と共に幸せな家庭を築く”ことが夢だった彼女にとって、レコーディングとコンサートに明け暮れるスーパー・スターとしての生活は、時として非常に苦痛なものだったようだ。“世界で最もセクシーなヒップの持ち主”などと呼ばれること自体、彼女にとっては不愉快なことだったろう。虚飾に彩られた富と名声を享受するには、彼女は繊細で賢すぎる女性だったのかもしれない。ショー・ビジネスの世界の虚構に辟易していた彼女は、後にこう語っている。
 “ショー・ビジネスの世界で友達を作ることはできなかった。私はパーティが大嫌い。沢山の人が私の周りに寄ってくるけれど、彼らは私のことを知りたいと思っているわけではない。私の名声やお金が目的なのよ”と。
 華やかな生活を好まず、愛する子供たちの側にいることを望むアグネッタを、残念ながら夫のビヨルンは理解できなかった。2人の間の溝は修復できない程までに深まり、結婚生活は終焉を迎える。

 83年にアバは活動を停止し、アグネッタはソロ活動に専念するようになる。爆発的な大ヒットには恵まれなかったものの、“小規模な成功”は彼女にとって居心地の良いものだった。積極的にプロモーション活動を行わなかったためにセールス記録は決して満足のいくものではなかったが、それでもコンスタントにアルバムを発表していった。
 しかし1988年、彼女は突然引退を決意する。その動機は子供たちだった。自ら両親の深い愛情に恵まれて育ったアグネッタは、思春期にさしかかった子供たちのために母親としての役割を優先することを決意したのだ。子供たちに普通の生活を送らせたい、家の掃除や庭の手入れなど当たり前の事を教えてあげなくてはいけない。そのためには、自分が彼らの側についてあげなくてはいけないのだ、と。
 以来、彼女は我々の前から姿を消してしまう。一切のインタビューにも応えず、公の場にすら現れることはなかった。そして、いつしかマスコミは彼女を“第2のガルボ”と呼ぶようになる。ストックホルム近郊の小さな島に閉じこもってしまった孤独で哀しい女性、マスコミはそうしたイメージを作り上げていく。
 それに拍車をかけたのがストーカー事件だ。アグネッタの熱狂的ファンであるドイツ人の男が、偶然を装ってアグネッタに接近した上に彼女を恋愛関係にまで巻き込み、執拗に付きまとった挙句に拒絶されると殺人まで示唆した。裁判にまで発展したこの事件はヨーロッパ中のマスコミが注目するところとなり、スキャンダラスに報じられた。中には、彼女を愛に飢えた孤独な中年女性のようなイメージで中傷するようなゴシップ紙もあった。
 しかし、彼女自身はそうした誤った報道を一笑に付す。“私は弱い人間ではないし、別に隠れているわけでもない”と。アーティストであれば自分の作品を知ってもらうためにインタビューに応えるのも重要な仕事だけど、自分はもう一般人だからマスコミの前にわざわざ出て行く必要はない、というのが彼女の基本的な姿勢だった。
 ともすれば、かつての栄光よ今一度とばかりにマスコミの前に姿を見せては私生活を切り売りする芸能人が殆どのショー・ビジネス界で、己の信念を貫こうとするアグネッタの姿には清々しささえ感じる。

 2004年春、歌姫アグネッタ・ファルツコッグは復活を遂げる。実は、2002年頃から彼女がカムバックを計画しているという噂は一部マスコミやファンの間で話題になっていた。ほどなくして彼女のスポークスマンがその事実を認めたのだが、当初は実際に発売されるかどうかさえ疑問視されていたのだ。
 “彼女は自分自身に対する評価が一番厳しい”と言われ、アルバムの仕上がりが本人の納得のいくものでなければお蔵入りさせるつもりだったという。途中でレコーディング・エンジニアのマイケル・B・トレトウ(アバ時代からのエンジニア)が病気で倒れてしまい、彼の復帰を待っていた時期もあったのだが、それでも1枚のアルバムのレコーディングに2年近くを費やすというのは尋常ではない。特に彼女自身がこだわっていたのは自らの声である。そのため、徹底したボイス・トレーニングによって、引退中に失われてしまった“天使の声”を取り戻そうとしていたのだ。
 さて、満を持して発売されたカムバック・アルバム「My Coloring Book」は、全曲オールディーズのカバーでありながら、まるで彼女のために書かれた曲を集めたかのような素晴らしい完成度の作品だった。そして、何よりも驚かされたのはアグネッタの声である。
 彼女は、自分の声を単に引退前の状態に戻そうとしていたのではなかった。何と、アバ全盛期の状態にまで戻そうとしていたのだった。瑞々しく甘酸っぱく、少女の清らかさと大人の女性の強さを併せ持った伸びやかな歌声は、とても孫のいる50代半ばの女性のものとは思えない。
 しかし、やはり今回も彼女はアバ時代のようなプロモーション活動を行うつもりは全くなく、予定されていたイギリスへのプロモーション・ツアーもキャンセルし、メンバー全員が揃うと期待されていたロンドンの「マンマ・ミーア」5周年記念公演への参加も実現しなかった。
 マスコミのインタビューも一部の“信頼できるメディア”に限られ、再びマスコミは“心を閉ざしてしまった孤独な大スター”という勝手なイメージを膨らませていく。だが、そうした誤ったイメージを払拭するかのごとく、2005年2月「マンマ・ミーア」ストックホルム公演のプレミアに、アグネッタは颯爽と現れた。文字通り世界中から集まったアバ・ファンは彼女の姿を見て狂喜乱舞し、ステージの上の出演者も感動と興奮に震えた。伝説のスターを目の前にして。

 確かにアグネッタの言動は、我々が考える一般的な“スター”のイメージからは程遠いものかもしれない。しかし、その一方で、彼女の生き様にはショー・ビジネスの世界で生きる女性にとって、一つの指針となるような力強さ、地に足の着いた逞しさを見出すことが出来る。アーティストは良い作品を世に送り出すことこそが使命であり、必要以上の贅沢やスポットライトは実は取るに足らぬことなのだ、と。

 

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Agnetha Faltskog (1968)

Agnetha Faltskog (1968)

Agnetha Faltskog Vol.2 (1969)

Agnetha Faltskog Vol.2 (1969)

(P)1999 Royal Records (Germany) (P)2004 Sony Music Enter.(Sweden) (P)2000 Royal Records (Germany) (P)2004 Sony Music Enter.(Sweden)
1,Jag var sa kar
2,Jag har forlorat dig
3,Utan dej, mitt liv gar vidare
4,Allting har forandrat sej
5,Forsonade
6,Slutet gott allting gott
7,Tack Sverige
8,En sommar med dej
9,Snovit och de sju dvargarna
10,Min farbror Jonathan
11,Folj med mig
12,Den jag vantat pa
bonus tracks
13,Sjung denna sang
14,Nagonting hander med mig
15,Borsa tandtrollen bort
1,Jag var sa kar
2,Jag har forlorat dig
3,Utan dej , mitt liv gar vidare
4,Allting har forandrat sej
5,Forsonade
6,Slutet gott allting gott
7,Tack Sverige
8,En sommar med dej
9,Snovit och de sju dvargarna
10,Min farbror Jonathan
11,Folj med mig
12,Den jag vantat pa
1,Framfor svenska sommaren
2,Lek med dina dockor
3,Ge dej till tals
4,Skal kara van
5,Glom honom
6,En gang fanns bara vi tva
7,Hjartats kronprins
8,Det handlar om karlek
9,som en vind kom du till mej
10,Senor Gonzales
11,Sigenarvan
12,Tag min hand lat oss bli vanner
bonus tracks
13,Nu ska vi opp,opp,opp
14,A medley of Songs
15,En stilla flirt
1,Fram for svenska sommaren
2,Lek med dina dockor
3,Ge dej till tals
4,Skal kara van
5,Glom honom
6,En gans fanns bara vi tva
7,Hjartats kronprins
8,Det handlar om karlek
9,som en vind kom du till mej
10,Senor Gonzales
11,Zigenarvan
12,Tag min hand lat oss bill vanner

記念すべきデビュー・ヒット#1を含む初々しさ溢れるファースト・アルバム。全体的にはバラードが中心の構成で、50年代から60年代初頭にかけてのアメリカン・ポップやヨーロピアン・ポップスの影響が色濃く、当時としても少々古めかしく聴こえたのではないかという仕上がりだ。コニー・フランシスやレスリー・ゴーア、ジャッキー・デ・シャノン辺りを思わせる。12曲中、アグネッタ自身のペンによる作品は4曲のみ(#1、#3、#5、#8)。いずれもセンチメンタルでドリーミーな乙女チック・バラードで、彼女のロマンチストぶりが大いにうかがえる。興味深いのは#6で、後のアバの敏腕マネージャー、スティッグ・アンダーソンが作詞を担当していること。

2004年にソニーより発売されたボックス・セット収録のリマスター盤。それにしても、驚くべきはアグネッタの歌声。どことなくあどけなさが残るものの、その透明感としなやかさ、伸びやかな力強さはアバ時代と比べても何ら遜色ない。あの歌声はデビュー当時で既に完成されていたのだ。アグネッタ自身の作品以外では、子供とのかけあいもキュートな、ポップでキャッチーで最高に幸せな気分になれる愛らしいソフト・ロック・ナンバー#9なんかクロディーヌ・ロンジェの「ハッピー・トーク」並みの楽しさ。ちょっとコミカルでカラフルなアップ・テンポ・ナンバー#10やペチュラ・クラークの"I Know Your Love Is Everywhere”のカバー#12も素敵だ。 よりソフト・ロック色の強くなったセカンド・アルバム。1969年という時代の雰囲気と大衆ポップスが絶妙な融合を遂げてた良質な1枚だ。本作ではアグネッタは主に作詞を担当しており、自身で作曲まで手掛けた作品は2曲のみ。ちょっとドイツ辺りの大衆歌謡を思わせる#11と軽やかで愛らしいマーチ・ナンバー#12だ。どちらも、彼女がヨーロッパ人であることを改めて感じさせる、古き良き時代のユーロ・ポップといった感じ。全体的に、前作に比べてビート感が強くなり、モンキーズやハーマンズ・ハーミッツ、ハーパース・ビザール辺りのポップでソフトでモダンな感性が溢れていた好盤。ボーナス・トラックは当時テレビ向けに録音されたもの。 こちらはリマスター盤。Royal Records盤と比べると音質の違いは歴然としている。本当、生きていて良かった(笑)。個人的にオススメのナンバーは、トム・ジョーンズも真っ青のグルーヴィーでポップで爽快感炸裂の、これぞソフト・ロックな傑作#2。そして、豪快なフラメンコで幕を開ける驚愕のハイテンション・ポップ#10。恐るべしアグネッタ。「おどるポンポコリン」もぶっ飛ぶイカれっぷりがツボにハマりまくる怪作。バック・コーラスのスキャットもお洒落なサイケデリック色の強いルルのカバー#3も1969年という時代を反映していて楽しい。恩師であるリトル・ゲルハルド作曲の#6は、のどかで牧歌的な優しいワルツ。南欧的な哀愁感漂う#8もいい。

 

SOM_JAG_AR.JPG NAR_EN_VACKER.JPG ELVA_KVINNOR.JPG SINGLAR_OCH.JPG

Som jag ar (1970)

Nar en vacker tanke blir en sang (1971)

Elva kvinnor i ett hus (1975)

Singlar och andra sidor
 (1968-1979)

(P)2004 Sony Music Enter.(Sweden)

(P)2004 Sony Music Enter.(Sweden) (P)2004 Sony Music Enter.(Sweden) (P)2004 Sony Music Enter.(Sweden)
1,Som ett eko
2,Nar jag var fem
3,En sang och en saga
4,Tank va skont
5,Ta det bara med ro
6,Om tarar vore guld
7,Hjartats saga
8,Spela var sang
9,Sa har borjar karlek
10,Du ska minnas mig
11,Jag skall gora allt
12,Sov gott min lilla van

1,Manga ganger an
2,
Jag vill att du skall bli lycklig
3,Kungens vaktparad
4,Mitt sommarland
5,Nya ord
6,Jag skall inte falla nagra tartar
7,Da finns du hos mig
8,Han lamnar mig for att komma till dig
9,Kanske var min kind lite het
10,Sangen foder dig tillbaka
11,Tagen kan ga igen
12,Drom ar drom, och saga saga

1,S.O.S.
2,En egen tradgard
3,Tack for en underbar, vanlig dag
4,Gulleplutt
5,Ar du som han?
6,Och han vantar pa mej
7,Doktorn!
8,Mina ogon
9,Dom har glomt
10,Var det med dej?
11,Visa i attonde manaden
1,Nar du tar mig i din famn
2,Tio mil kvar till Korpilombolo
3,Vart ska min karlek fora
4,En sang om sorg och gladje
5,Nagonting hander med mig
6,Litet solskensbarn
7,Sa glad som dina ogon
8,Nu ska du bli stilla
9,Sjung denna sang
10,Vi har hunnit fram till refrangen
11,Here For Your Love
12,Golliwog
13,The Queen of Hearts
14,Det var sa har det borjade
15,Borsta tandtrollen bort
物憂げで哀しげなジャケット写真も素敵なサード・アルバム。大人のアーティストへ脱皮しつつあるアグネッタの内面を表したような、繊細で叙情感溢れる優しいソフト・ロック・アルバムに仕上がっている。クレジットされていないが、半分をリトル・ゲルハルドが、残りの半分をビヨルンがプロデュースを手掛けている。ただし、本作は殆どがフレンチ・ポップやブリティッシュ・ポップのカバーで、アグネッタ自身のペンによる作品は2曲しかない。そのうちの#6は、デンマークのバンド・リーダーに盗作として訴えられたが、その曲がアグネッタの生まれた年に作られ、しかも未発表作だということで訴えは却下された。もう一方の#11は、アグネッタが本格的にメロディ・メーカーとして開眼したことを証明するポップで愛らしい傑作バラード。ミレイユ・マチューのカバー#3は、後にミレイユがアバの「ザ・ウィナー」をカバーする事を考えると感慨深いものがある。ビヨルンとのデュエット#9のセンチメンタルで爽やかな甘酸っぱさもたまらない。 ビヨルンが全面的にプロデュースを手掛けた4枚目のアルバム。12曲中11曲をアグネッタ自身が作曲を手掛けていることからも分るように、アーティストとしてのアグネッタ・ファルツコッグを全面に押し出した一枚に仕上がっている。キャロル・キングやローラ・ニーロといった女性シンガー・ソングライターに誘発された部分も大きいと思う。それでも、アグネッタらしい素朴で柔らかでロマンチックなポップ・ナンバーは健在。特にメランコリックで映画のワン・シーンを思わせるようなバラードの数々は秀逸だ。フランシス・レイやミシェル・ルグランも顔負けのメロディ・メーカーぶりを発揮した傑作#7や北欧的哀愁感を漂わせた#6、#8、朝もやを思わせるような爽やかさと幻想感、センチメンタリズムがえもいわれぬ感動を呼ぶ#9など、ソフト・ロック・ファンからフレンチ・ポップ・ファン、スウェディッシュ・ポップ・ファンまでをも唸らせる粒ぞろいの名曲が目白押しだ。 アグネッタ版「つづれおり」とも言えるアルバム。間違いなくアグネッタの最高傑作と言えるだろう。プロデュースはビヨルンとベニー。目玉はこの後にアバのヒット曲となる#1のオリジナル・バージョン。しかし、それ以上にアグネッタのソングライターとしての才能が見事に花開いた#2〜#11までの作品群の素晴らしさに耳と心を奪われる。ストリングの見事なアレンジがクラシカルなムードを演出する爽やかなソフト・ロック#2、アグネッタの十八番と言うべきセンチメンタルなバラード#3、リンジー・デ・ポールの"Sugar Me"も真っ青なロリータ・ボーカルで物憂げなスキャットを聴かせる#4などはセルジュ・ゲンズブールも顔負けの遊び心に溢れている。ローラ・ニーロ風の出だしから一気に哀愁感が炸裂する#5、乙女チックで夢見心地なフォーク・バラード#6、再びロリータ節全開の摩訶不思議ポップ#7、ノスタルジックで爽やかな正統派ソフト・ロックの傑作#8などなど、捨て曲なしの大傑作です。 2004年発売のボックスセット収録のボーナス・ディスク。シングルのみの作品や英語バージョン、インタビューなどのレア音源を集めたコンピレーションだ。一番のオススメは何と言っても79年発表の傑作バラード#1。その英語バージョンが#13だが、アレンジの素晴らしさ、メロディと言葉の相性、そしてアグネッタの情感溢れる歌声、いずれをとってもスウェーデン語のオリジナル・バージョンが遥かに優れている。ボードビル・サウンド風のキュートでキャッチーな#2にしても、英語バージョン(#11)になると魅力が半減する。#3と#8は「ジーザ・クライスト・ザ・スーパースター」のスウェーデン語キャスト版サントラよりの抜粋。アグネッタの少女のような繊細で真っ直ぐな歌声はオリジナルのイヴォンヌ・エリマン以上にマグダラのマリアの気高さを表現して崇高でさえある。

 

GEH_MIT_GOT.JPG TIO_AR_MED.JPG AGNETHA_LINDA.JPG WRAP_YOUR_ARMS.JPG

Geh' mit Gott (1968-1972)

Tio ar med Agnetha (1979)

Nu tandas tusen juleljus (1980)

Wrap Your Arms Around Me (1983)

(P)1994 Royal Records (Germany) (P)1989 CBS Records (Sweden) (P)1987 Polar Music (Sweden) (P)1983 Polar Music (Sweden)
1,Robinson Crusoe
2,Sonny Boy
3,Senor Gonzales
4,Mein Schonster Tag
5,Concerto d' Amore
6,Wie der Wind
7,Wer Schreibt heut' noch Liebesbriefe
8,Das Fest der Pompadour
9,Frangezeichen mag ich nicht
10,Wie der nachste Autobus
11,Ein kleiner Mann in einer Flasche
12,Ich suchte Liebe bei Dir
13,Geh mit Gott
14,Tausend Wunder
15,Komm' doch zu mir
16,Ich denk' an Dich
1,Jag var sa kar
2,Utan dej mitt liv gar vidare
3,Allting har forandrat sej
4,Fram for svenska sommaren
5,Zigenarvan
6,Om tarar vore guld
7,En sang och en saga
8,Manga ganger an
9,Drom ar drom och saga saga
10,Vart skall min karlek fora
11,Sa glad som dina ogon
12,En sang om sorg och gladje
13,S.O.S.
14,Doktorn
15,Tack for un underbar vanlig dag
16,Nar du tar mej i din famn
1,Nej se det snoar
2,Bjallerklang
3,Nu tandas tusen juleljus
4,Tva sma roda luvor
5,Nu star jul vid snoig, port
6,Jag sag mamma kyssa tomaten
7,Nar juldagsmorgon glimmar
8,Potpurri
9,Hej mitt vinterland
10,Sa milt lyser stjarnan
11,Mossens julafton
12,Nar det linder mot jul

produced by Agnetha Faltskog & Michael B. Tretow
1,The Heat is On
2,Can't Shake Loose
3,Shame
4,Stay
5,Once Burnet, Twice Shy
6,Mr. Persuasion
7,Wrap Your Arms Around Me
8,To Love
9,I Wish Tonight Could Last Forever
10,Man
11,Take Good Care Of Your Children
12,Stand By My Side

produced by Mike Chapman
スウェーデンでの彼女の人気に目をつけたドイツ人プロデューサー、Dieter Zimmermanによって当時の西ドイツでもデビューを果たしたアグネッタ。その西ドイツ向けのシングルのA面&B面を集めたコンピレーション。Zimmermanとは婚約までしたアグネッタだったが、作曲からマネージメントまで全て仕切ろうとするZimmermanとの仲は長くは続かず69年に破局する。それでも、彼女は72年までドイツでシングルを出し続けていた。オススメはグルーヴィーでダンサンブルなビート・ナンバーの傑作#2。ちなみに、#1はジョルジオ・モロダーの作曲!初期は凡庸なポップ・ナンバーが多いが、モリコーネ作曲、ジョーン・バエズ歌の「勝利への賛歌」のカバー#13やアグネッタ自作のメランコリックで美しいバラード#14、#16、そして静かな情熱を秘めたドラマチックなソフト・ロックの傑作#15辺りは素晴らしい。 アバ全盛期の1979年に発表されたアグネッタのベスト盤。デビュー以来の全てのシングルに加えて、新曲の#16を加えた構成。アグネッタ初心者には入門篇として手ごろな1枚だが、シングル曲よりもアルバム収録曲に傑作が多いので、できれば昨年スウェーデンで発売されたボックスセットを手に入れて欲しい。 愛娘リンダ(現在は女優)とのデュエットとしてリリースしたクリスマス・アルバム。「ジングル・ベル」(#1)、「サンタがママにキスをした」(#6)、「ウィンター・ワンダーランド」(#9)などの御馴染みのクリスマスソングのほか、スウェーデンのクリスマス・トラッドを多数収めている。非常にオーソドックスな仕上がりだ。あくまでも企画ものだが、アグネッタの母親らしい情感に溢れた歌声は、また違った味わいがあって興味深い。

アバ活動停止直後に発表された初の英語ソロ・アルバム。スモーキーやブロンディのプロデューサーとして有名なマイク・チャップマンをプロデュースに向かえている。アグネッタの3枚の英語ソロ作品の中ではベストの出来だが、アグネッタ自身も後に認めているように、決して満足のいく仕上がりとは言えない。中庸なアダルト・コンテンポラリーといったところか。オリヴィア・ニュートン=ジョンの「フィジカル」風なアメリカ向けファースト・シングル#2はアグネッタ向きの作品とは言えないし、平凡な歌謡ポップ#3、#4、#5辺りも残念な仕上がり。ヨーロッパでのファースト・シングル#1はトロピカル・ムードたっぷり。シルヴィー・ヴァルタンもカバーしたタイトル曲#7や幻想的で美しいバラード#8、センチメンタルでロマンチックなミディアム#9なんかはアグネッタの魅力を生かした素晴らしいナンバー。#10は本作中唯一のアグネッタ作曲作品。

 

WRAP_YOUR_12.JPG EYES_OF_WOMAN.JPG AGNETHA_CHRISTIAN.JPG LAST_TIME.JPG

Wrap Your Arms Around Me (12inch) (1983)

Eyes of a Woman (1985)

Kom folj med i var karusell (1987)

The Last Time (1987)

(P)1983 Epic/CBS Records (UK) (P)1985 Polar Music (Sweden) (P)1987 Agnetha Faltskog Pro./WEA (Sweden) (P)1988 WEA Records (UK)

side a
1,Wrap Your Arms Around Me
side b
1,Take Good Care of Your Children
2,The Heat Is On (Extended Version) 7:56

1,One Way Love
2,Eyes of a Woman
3,Just One Heart
4,I Won't Let You Go
5,One Angels Cry
6,Click Track
7,We Should Be Together
8,I Won't be Leaving You
9,Save Me (Why Don't Ya)
10,I Keep Turning Off Lights
11,We Move As One

produced by Eric Stewart
1,Karusellvisan
2,Vara Valpar
3,Mitt namn ar blom
4,Vattenvisan
5,Maskeradbalen
6,Pelle Jons
7,Tre vita rattor
8,Onskevisa
9,Pa sondag
10,Smurferifabriken
11,Min ponny
12,Nicko Ticko Tinn
13,Jag vill va' som du
14,Jag ar kung
15,Alla farger
16,Liten och trott

produced by Agnetha Faltskog & Michael B. Tretow

1,The Last Time (Extended Remix) 6:52
remixed by Julian Mendelsohn
2,The Lasti Time 4:12
3,Are You Gonna Throw It All Away 4:52

produced by Peter Cetera

アルバムジャケットの別テイクを使用した12インチ・シングル。目玉はB面#2のエクステンデッド・バージョン。基本的にはアルバム・バージョンに忠実で、随所にエフェクトを使用した比較的控えめなリミックスが施されている。 アグネッタの全キャリアの中で最も精彩を欠くアルバム。プロデュースは10CCのエリック・スチュワートで、エレクトリック・ライト・オーケストラのジェフ・リンやジャスティン・ヘイワードなど、いい面子が揃っているにも関わらず、どう料理したらいいか分らず途方に暮れてしまったという印象。アグネッタの歌声にも全く張りがない。結局、本作からはヒット曲が出ず、アメリカでは発売すらされなかった。ただし、アグネッタ作曲の爽快でスケールの大きいダンス・ポップ#4の12インチ・シングルだけ発売され、ビルボードのダンス・チャートでトップ10に入った。アルバム・トータル・セールス200万枚も、ちょっと寂しい気もしないでもないけど、この仕上がりであれば上々といった感じだろう。ちなみに、アグネッタの熱狂的ファンのエルヴィス・コステロがこのアルバムのためにデモ・テープを送ってボツにされたという裏話も。 アグネッタと息子クリスチャン(現在はコンピューター・プログラマー)のデュエットによる童謡アルバム。アバのエンジニアだったマイケル・B・トレトウに、やはりアバのスタジオ・ミュージシャンだったルトガー・グンナッションら気心の知れた仲間と作った非常にアット・ホームな雰囲気の作品だ。まあ、子供向けの企画ものアルバムということで、過度な期待は禁物なのだが、どの楽曲も非常に丁寧に作られている。 アバの熱烈なファンだったピーター・セテラが、スウェーデンのテレビでアグネッタと共演した事をきっかけに実現したアルバム「アイ・スタンド・アローン」からのシングル。非常にヨーロッパ的雰囲気の濃厚な幻想的で美しい曲で、アバ以降のアグネッタのソロ・シングルの中では確実にベストの出来。リミックスを手掛けているのはペット・ショップ・ボーイズのクラブ・ミックスを数多く手掛けて有名なジュリアン・メンデルソーン。無理にフロア向けのダンス・ミックスにすることなく、原曲の幻想的なムードを全面に押し出したドラマチックなリミックスは手堅い仕上がり。

 

AGNETHA_FRIDA.JPG MY_LOVE.JPG QUEEN_OF_HEARTS.JPG MY_COLORING_BOOK.JPG

The Voice of ABBA (1994)

My Love My Life (1996)

The Queen Of Hearts (1979)

My Colouring Book (2004)

(P)1994 Karussell/Polydor (EU)

(P)1996 Sony Music Enter. (Sweden)

(P)1998 PolarMusic/Polydor (EU) (P)2004 Warner Music (Sweden)
1,The Heat Is On (Agnetha)
2,I Know There's something Going On (Frida)
3,You're There (Agnetha)
4,To Turn The Stone (Frida)
5,Just One Heart (Agnetha)
6,That's Tough (Frida)
7,Turn The World Around (Agnetha)
8,I Got Something (Frida)
9,We Should Be Together (Agnetha)
10,Shine (Frida)
11,I Won't Let You Go (Agnetha)
12,Here We'll Stay (Frida)
13,Wrap Your Arms Around Me (Agnetha)
14,Heart Of The Country (Frida)
disc 1
1,Introduction
2,Jag var sa kar
3,Utan dej mitt liv gar vidare
4,Sonny Boy
5,Allting har forandrat sig
6,En gang fanns bara vi tva
7,Sa har borjar karlek
8,Om tarar vore guld
9,En sang och en saga
10,Jag ska gora allt
11,Tank va skont
12,Manga ganger an
13,Tagen kan ga igen
14,Jag ska inte falla nagra tarar
15,Drom ar drom och saga saga
16,Kanske var min kind lite het
17,Vart ska min karlek fora
18,Sa glad som dina ogon
19,Tio mil kvar till Korpilombolo
disc 2
1,En sang om sorg och gladje
2,S.O.S.
3,Dom har glomt
4,Visa i attonde manaden
5,Tack for en underbar, vanlig dag
6,Nar du tar mej i din famn
7,Disilluzion
8,My Love My Life
9,The Winner Takes It All
10,Never Again
11,The Day Before You Came
12,Wrap Your Arms Around Me
13,It's So Nice To Be Rich
14,I Won't Let You Go
15,The Way You Are
16,Let It Shine
17,Nu tandas tusen juleljus
18,Pa sondag
1,The Queen of Hearts
2,One Way Love
3,I Won't Let You Go
4,Eyes Of A Woman
1,My Colouring Book
2,When You Walk In The Room
3,If I Thought You'd Ever Change Your Mind
4,Sealed With a Kiss
5,Love Me With All Your Heart
6,Fly Me To The Moon
7,Past, Present and Future
8,A Fool Am I
9,I Can't Reach Your Heart
10,Sometimes When I'm Dreaming
11,The End Of The World
12,Remember Me
13,What Now My Love

produced by Agnetha Faltskog,Anders Neglin,Dan Stromkvist.
アグネッタとフリーダの英語ソロ作品から半分づつ選曲したコンピレーション。決してベスト盤というわけではなく、選曲の基準はいまいち不明。アグネッタ作品に関して言えば、シングルのB面のみだった#3と#7が収録されているのが注目に値する。“Eyes of a Woman”のプロジェクトの際に録音された作品だが、どちらも実際にアルバムに収録された楽曲よりも遥かに良く出来ているのは皮肉というか何と言うか・・・。やはり10CCはエリック・スチュワートよりもゴドリー&クレームだったのかもしれない・・・。 とどまるところを知らぬアバのリバイバル・ブームを受けて、ソニー・ミュージックがようやく重い腰を上げてコンパイルしたアグネッタの2枚組みベスト。スウェーデン時代のソロ作品から、アバ時代のアグネッタを象徴する作品、そしてアバ以降のソロ作品までレコード会社を超えて網羅した力作に仕上がっている。特にディスク1の#1で聴けるデビュー曲#2のデモ・テープ・バージョンにおけるアグネッタの初々しい歌声は貴重。未完成の少女が一生懸命背伸びしてラブ・ソングを歌う、そのけなげな歌声は後のスーパー・スターの片鱗を感じさせると共に、まさしく人に歴史ありだなあ、と感慨深いものがある。ボックス・セットと共にファン必携。 アグネッタの英語ソロのベスト盤「ザッツ・ミー」の世界リリースを受けてシングル・カットされた、1979年のスウェーデン向けシングル“Nar du tar mej i din famn”の英語バージョン。もともと世界リリースを視野に入れながらも、結局お蔵入りになっていたバージョンだ。アグネッタのメロディ・メーカーぶりが遺憾なく発揮された素晴らしいバラードだが、やはりスウェーデン語バージョンの方が数段素晴らしい。アバ・ファンは勿論のこと、オリヴィア・ニュートン=ジョンやアン・マレー、メリッサ・マンチェスター辺りが好きな人にもオススメなAOR色の強い作品だ。 17年の沈黙を破ってリリースされたアグネッタのカムバック・アルバム。全曲60年代のヒット曲のカバーだが、その選曲はアグネッタらしさが溢れている。センチメンタルでポップで甘く優しい楽曲の数々。オーソドックスな中にもエレクトロニックなアレンジを随所に施した音作りも素晴らしい。しかし、それ以上に驚くべきは50代半ばとは思えない少女のように初々しく透明感があって伸びやかなアグネッタの歌声である。もう奇跡としか言いようがない。ファースト・シングルとなったシラ・ブラックのカバー#3のセンチメンタルで哀しくも愛らしい美しさ、ブライアン・ハイランドの夏の終わりの失恋ソングの定番#4のメランコリックなノスタルジア、そしてまるでU2かと思うようなジルベール・ベコーのシャンソンの名曲#13の圧倒的な力強さ。プロモーション不足のために全英12位止まりだったが、間違いなく2004年を代表する傑作アルバム。ビルボードのエディターが年間ベスト10に選んだのも納得の1枚。

 

IF_I_THOUGHT_1.JPG IF_I_THOUGHT_2.JPG IF_I_THOUGHT_3.JPG WHEN_YOU_WALK.JPG

If I Thought You'd Ever Change Your Mind CD1(2004)

If I Thought You'd Ever Change Your Mind CD2(2004)

If I Thought You'd Ever Change Your Mind (2004)

When You Walk In The Room (2004)

(P)2004 Warner Music (EU) (P)2004 Warner Music (EU) (P)2004 Warner Music (Sweden) (P)2004 Warner Music (Sweden)
1,If I Thought You'd Ever Change Your Mind
2,If I Thought You'd Ever Change Your Mind (Blue Mix)
1,If I Thought You'd Change Your Mind
2,If I Thought You'd Ever Change Your Mind (Almighty Mix) 7:09
3,If I Thought You'd Change Your Mind (Almighty Dub) 7:10
1,If I Thought You'd Ever Change Your Mind
2,If I Thought You'd Ever Change Your Mind (Almighty Radio Edit) 3:50
3,If I Thought You'd Ever Change Your Mind (Almighty Remix) 7:09
4,If I Thought You'd Ever Change Your Mind (Almighty Dub) 7:10

remixed by Almighty Associates
1,Original Version 3:35
2,Radio Version 3:18
3,SoundFactory Radio Edit 3:48
4,Almighty Radio Edit 3:16
5,SoundFactory Club Anthem 8:42
6,Almighty Mix 6:34
7,SoundFactory Dark Dub 10:20

remixed by SoundFactory,Almighty Associates
全英11位を記録したアグネッタのカムバック第1弾シングル。ビートルズの妹分シラ・ブラックのヒット曲のカバー。シラ・ブラック本人も大絶賛した傑作カバーだ。乙女チョップ炸裂の愛らしくも美しく、哀しくセンチメンタルな素晴らしいバラード。少女のような清らかさと卓越したテクニックで切なくもけなげに歌い上げるアグネッタのボーカルは絶品。アンビエント風のリミックス#2は余計だったかもしれないが・・・。 イギリスのリミックス・ユニットAlmightyによるダンス・リミックスを収録したシングル。自社レーベル発足当初の10年以上前からアバのカバー・プロジェクトであるAbbacadabraの作品をリリースしてきたAlmightyにとって、アグネッタのリミックスを手掛けるというのは実に感慨深いものがあったはず。Almightyらしいポップでキャッチーな中にも幻想感を漂わせた美しいハイエナジーに仕上げている。程よくトランシーなシンセサイザーを盛り込んでいるところのセンスも良し。 日本盤のアルバムにボーナス・トラックとして収録された#2を含むスウェーデン盤シングル。とりあえずファン、コレクターなら必携でしょう、ということで。 第2弾シングルはジャッキー・デ・シャノンの名曲でキンクスも歌った、いかにも60年代なポップ・ナンバー。明らかに原曲を超えた素晴らしいアレンジが光る作品で、アバ・ファンにも嬉しいポップなセンスに満ちている。このスウェーデン盤シングルにはよりロック色を強めた貴重な別バージョン#2の他、今やスウェーデンを代表するリミックス・チームとなったSoundFactoryと、前作に引き続いてのAlmightyによるリミックスを収録している。#2と#4、#7はスウェーデン盤のみの収録なので要注意!よりトランス色を強めたAlmightyバージョンよりもハードなエレクトロ・ハウスに仕上げたSoundFactoryのバージョンの方が個人的にはアゲ。


WHEN_YOU_WALK_2.JPG WRAP_YOUR_ARMS2.JPG EYES_OF_WOMAN2.JPG

When You Walk in The Room (2004)

Wrap Your Arms Around Me (Remastered)

Eyes of a Woman (Remastered)

(P)2004 Warner Music (EU) (P)1982,1983,2005 Polar Music(Sweden) (P)1985,1986,2005 Polar Music (Sweden)
1,Original Version 3:35
2,SoundFactory Radio Edit 3:46
3,SoundFactory Club Anthem 8:42
4,SoundFactory Dub Instrumental 8:39
5,Almighty Mix 6:34
6,Almighty Dub 6:32
7,Video
1,The Heat Is On
2,Can't Shake Loose
3,Shame
4,Stay
5,Once Burned, Twice Shy
6,Mr.Persuasion
7,Wrap Your Arms Around Me
8,To Love
9,I Wish Tonight Could Last Forever
10,Man
11,Take Good Care Of Your Children
12,Stand By My Side
13,Never Again (duet with Tomas Ledin)*
14,It's So Nice To Be Rich*
15,P&B*
16,The Heat Is On (Super Dance Music Mix)*
17,Ya Nunca Mas (duet with Tomas Ledin)*

* bonus tracks
1,One Way Love
2,Eyes of a Woman
3,Just One Heart
4,I Won't Let You Go
5,The Angels Cry
6,Click Track
7,We Sould Be Together
8,I Won't Be Leaving You
9,Save Me (Why Don't Ya)
10,I Keep Turning Off Lights
11,We Move As One
12,You're There*
13,Turn The World Around*
14,I Won't Let You Go (Extended Version)*
15,The Way You Are (duet with Ola Hakasson)*
16,Fly Like The Eagle*

* bonus tracks
こちらは日本にも輸入されたEU盤。スウェーデン盤よりも曲数は少ないものの、#4と#6はスウェーデン盤未収録のリミックス。コレクターは両方買うべし!  やっぱりリマスターの効果ってのは凄い、ということを改めて実感させられた一枚。というよりも、昔のCDの音の再現力に限界があった事も大きな要因なのだろうが、このリマスター盤では細かいディテールまで丁寧に再現されていおり、これまでと全く違った印象を受ける。これが本来聴かれるべき音だったのだ。厚みのあるサウンド・プロダクションは、アバ解散後初のソロ・アルバムに対する制作サイドの力の入れ具合が手に取るように分る。大人のための良質なヨーロピアンAORと言えるだろう。今回は、シングル・リリースのみの楽曲がボーナス・トラックとして収録されている。  こちらも驚くほど印象が変わったリマスター盤。楽曲の弱さや、アグネッタのボーカルの精気の無さは相変わらず気になるとはいえ、改めて聴くと非常に緻密で凝った音作りが施されたアルバムであった事が分る。今までのCDでは、その細部の音がそっくりカットされてしまっていたのだ。特に#4のスケールの大きなサウンド・プロダクションや、#6の実験的で計算しつくされたダンサンブルなエレクトロ・サウンドの素晴らしさは圧巻。ビックリしました。ファンの間では激レア・アイテムの12インチ・バージョン#14がボーナス・トラックとして収録されているのも嬉しい。

 

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